3.6. Ceph File System の FUSE クライアントとしてのマウント
Ceph File System (CephFS) は、システムの起動時に手動で、または自動で File System in User Space (FUSE) クライアントとしてマウントできます。
前提条件
- Linux ベースのクライアントノードへのルートレベルのアクセス。
- Ceph Monitor ノードへの root レベルのアクセス。
- 既存の Ceph File System。
手順
Ceph Storage クラスターを使用するようにクライアントノードを設定します。
Red Hat Ceph Storage 7 Tools リポジトリーを有効にします。
Red Hat Enterprise Linux 8
[root@client01 ~]# subscription-manager repos --enable=6-tools-for-rhel-8-x86_64-rpms
Red Hat Enterprise Linux 9
[root@client01 ~]# subscription-manager repos --enable=6-tools-for-rhel-9-x86_64-rpms
ceph-fuse
パッケージをインストールします。[root@client01 ~]# dnf install ceph-fuse
モニターノードの Cephadm シェルにログインします。
例
[root@host01 ~]# cephadm shell
Ceph クライアントキーリングを Ceph Monitor ノードからクライアントノードにコピーします。
構文
scp /ceph.client.ID.keyring root@CLIENT_NODE_NAME:/etc/ceph/ceph.client.ID.keyring
CLIENT_NODE_NAME を Ceph クライアントのホスト名または IP アドレスに置き換えます。
例
[ceph: root@host01 /]# scp /ceph.client.1.keyring root@client01:/etc/ceph/ceph.client.1.keyring
Ceph 設定ファイルを Monitor ノードからクライアントノードにコピーします。
構文
scp /etc/ceph/ceph.conf root@CLIENT_NODE_NAME:/etc/ceph/ceph.conf
CLIENT_NODE_NAME を Ceph クライアントのホスト名または IP アドレスに置き換えます。
例
[ceph: root@host01 /]# scp /etc/ceph/ceph.conf root@client01:/etc/ceph/ceph.conf
クライアントノードから、設定ファイルに適切なパーミッションを設定します。
[root@client01 ~]# chmod 644 /etc/ceph/ceph.conf
- automatically または manually のいずれかを選択します。
Manually Mounting
クライアントノードで、マウントポイントのディレクトリーを作成します。
構文
mkdir PATH_TO_MOUNT_POINT
例
[root@client01 ~]# mkdir /mnt/mycephfs
注記MDS 機能で
path
オプションを使用した場合、マウントポイントはpath
で指定されたもの内になければなりません。ceph-fuse
ユーティリティーを使用して Ceph ファイルシステムをマウントします。構文
ceph-fuse -n client.CLIENT_ID --client_fs FILE_SYSTEM_NAME MOUNT_POINT
例
[root@client01 ~]# ceph-fuse -n client.1 --client_fs cephfs01 /mnt/mycephfs
注記/etc/ceph/ceph.client.CLIENT_ID.keyring
であるユーザーキーリングのデフォルト名と場所を使用しない場合は--keyring
オプションを使用してユーザーキーリングへのパスを指定します。以下に例を示します。例
[root@client01 ~]# ceph-fuse -n client.1 --keyring=/etc/ceph/client.1.keyring /mnt/mycephfs
注記-r
オプションを使用して、そのパスを root として処理するように指示します。構文
ceph-fuse -n client.CLIENT_ID MOUNT_POINT -r PATH
例
[root@client01 ~]# ceph-fuse -n client.1 /mnt/cephfs -r /home/cephfs
注記エビクトされた Ceph クライアントを自動的に再接続する場合は
--client_reconnect_stale=true
オプションを追加します。例
[root@client01 ~]# ceph-fuse -n client.1 /mnt/cephfs --client_reconnect_stale=true
ファイルシステムが正常にマウントされていることを確認します。
構文
stat -f MOUNT_POINT
例
[root@client01 ~]# stat -f /mnt/cephfs
自動マウント
クライアントノードで、マウントポイントのディレクトリーを作成します。
構文
mkdir PATH_TO_MOUNT_POINT
例
[root@client01 ~]# mkdir /mnt/mycephfs
注記MDS 機能で
path
オプションを使用した場合、マウントポイントはpath
で指定されたもの内になければなりません。以下のように
/etc/fstab
ファイルを編集します。構文
#DEVICE PATH TYPE OPTIONS DUMP FSCK HOST_NAME:PORT, MOUNT_POINT fuse.ceph ceph.id=CLIENT_ID, 0 0 HOST_NAME:PORT, ceph.client_mountpoint=/VOL/SUB_VOL_GROUP/SUB_VOL/UID_SUB_VOL, HOST_NAME:PORT:/ ceph.client_fs=FILE_SYSTEM_NAME,ceph.name=USERNAME,ceph.keyring=/etc/ceph/KEYRING_FILE, [ADDITIONAL_OPTIONS]
最初の列 は、Ceph Monitor ホスト名とポート番号を設定します。
2 列目 は、マウントポイントを設定します。
3 列目 は、ファイルシステムのタイプ (ここでは CephFS 用
fuse.ceph
) を設定します。4 列目 は、
ceph.name
およびceph.keyring
オプションを使用して、ユーザー名やキーリングなどのさまざまなオプションを設定します。ceph.client_mountpoint
オプションを使用して、特定のボリューム、サブボリューム、およびサブボリュームを設定できます。アクセスする Ceph File System を指定するには、ceph.client_fs
オプションを使用します。ネットワークサブシステムの開始後にファイルシステムがマウントされ、ハングやネットワークの問題を回避するために、_netdev
オプションを設定します。アクセス時間情報が必要ない場合は、noatime
オプションを設定するとパフォーマンスが向上します。エビクションの後に自動的に再接続する必要がある場合は、client_reconnect_stale=true
オプションを設定します。5 番目のコラムと 6 番目のコラム をゼロに設定します。
例
#DEVICE PATH TYPE OPTIONS DUMP FSCK mon1:6789, /mnt/mycephfs fuse.ceph ceph.id=1, 0 0 mon2:6789, ceph.client_mountpoint=/my_vol/my_sub_vol_group/my_sub_vol/0, mon3:6789:/ ceph.client_fs=cephfs01,ceph.name=client.1,ceph.keyring=/etc/ceph/client1.keyring, _netdev,defaults
Ceph File System は、次回のシステム起動時にマウントされます。
関連情報
-
ceph-fuse(8)
man ページ - Ceph ユーザーの作成の詳細は、Red Hat Ceph Storage 管理ガイド の Ceph ユーザー管理 の章を参照してください。
- 詳細は、Red Hat Ceph Storage File System ガイド の Ceph File Systems の作成 セクションを参照してください。
関連情報
- Ceph Metadata Server をインストールするには、「Ceph Orchestrator を使用した MDS サービスの管理」 を参照してください。
- 詳細は、「Ceph ファイルシステムの作成」 を参照してください。
- 詳細は、「Ceph ファイルシステム用のクライアントユーザーの作成」 を参照してください。
- 詳細は、「Ceph File System のカーネルクライアントとしてのマウント」 を参照してください。
- 詳細は、「Ceph File System の FUSE クライアントとしてのマウント」 を参照してください。
- CephFS Metadata Server デーモンの設定に関する詳細は、2章Ceph File System Metadata Server を参照してください。