第1章 デバイスマッパーマルチパッシング
デバイスマッパーマルチパッシング (DM-Multipath) の使用で、サーバーノードとストレージアレイ間の 複数 I/O パスを単独のデバイスに設定することができます。これらの I/O パスは、別々のケーブル、 スイッチ、及びコントローラを含むことが出来る物理 SAN 接続です。マルチパッシングは I/O パスを 集結して、統合パス群により構成される新しいデバイスを作成します。
1.1. DM-Multipath の概要
DM-Multipath は以下を提供する為に使用できます:
- 冗長性DM-Multipath はアクティブ/パッシブ設定の中でフェイルオーバーを提供することができます。 アクティブ/パッシブ設定内では、I/O 用には常にパスの半分だけが使用されます。I/O パスの いずれかのエレメント(ケーブル、スイッチ、またはコントローラ)が故障すると、DM-Multipath は 代替のパスへ切り替わります。
- パフォーマンスの向上DM-Multipath はアクティブ/アクティブ モードに設定可能で、この方法では I/O は 総当たり式にパス群に拡散します。一部の設定では、DM-Multipath は I/O パス上の ローディングを検出することが出来るため、ロードのバランスを動的に調節をします。
図1.1「Active/Passive Multipath Configuration with One RAID Device」 shows an active/passive configuration with two I/O paths from the server to a RAID device. There are 2 HBAs on the server, 2 SAN switches, and 2 RAID controllers.
図1.1 Active/Passive Multipath Configuration with One RAID Device
この設定では、hba1、SAN1、及びコントローラ 1 を通じて1つめの I/O パスがあり、 hba2、SAN2、及びコントローラ2 を通じて2つめの I/O パスがあります。 この設定には、故障の可能性のあるポイントが数多く存在します:
- HBA 故障
- FC ケーブル故障
- SAN スイッチ故障
- アレイコントローラポート故障
DM-Multipath を設定した状態で、これらのポイントのいずれかでの故障は DM-Multipath が 代替の I/O パスに切り替わる原因となります。
図1.2「Active/Passive Multipath Configuration with Two RAID Devices」 shows a more complex active/passive configuration with 2 HBAs on the server, 2 SAN switches, and 2 RAID devices with 2 RAID controllers each.
図1.2 Active/Passive Multipath Configuration with Two RAID Devices
In the example shown in 図1.2「Active/Passive Multipath Configuration with Two RAID Devices」, there are two I/O paths to each RAID device (just as there are in the example shown in 図1.1「Active/Passive Multipath Configuration with One RAID Device」). With DM-Multipath configured, a failure at any of the points of the I/O path to either of the RAID devices will cause DM-Multipath to switch to the alternate I/O path for that device.
図1.3「Active/Active Multipath Configuration with One RAID Device」 shows an active/active configuration with 2 HBAs on the server, 1 SAN switch, and 2 RAID controllers. There are four I/O paths from the server to a storage device:
- hba1 から controller1 まで
- hba1 から controller2 まで
- hba2 から controller1 まで
- hba2 から controller2 まで
この設定では、 I/O はこれらの4つのパスに拡散することが出来ます。
図1.3 Active/Active Multipath Configuration with One RAID Device