第4章 Red Hat High Availability クラスター (Red Hat Enterprise Linux 7.4 以降) のアクティブ/アクティブ Samba サーバー
Red Hat Enterprise Linux 7.4 リリースでは、Red Hat の Resilient Storage Add-On は、Pacemaker を使用してアクティブ/アクティブクラスター設定で Samba を実行するサポートを提供します。Red Hat の Resilient Storage Add-On には High Availability Add-On が含まれます。
注記
Samba のサポートポリシーの詳細は、Red Hat カスタマーポータルの Support Policies for RHEL Resilient Storage - ctdb General PoliciesおよびSupport Policies for RHEL Resilient Storage - Exporting gfs2 contents via other protocolsを参照してください。
本章では、共有ストレージを使用した 2 ノードの Red Hat Enterprise Linux High Availability Add-On クラスターでアクティブ/アクティブ Samba サーバーを設定する方法を説明します。この手順では、Pacemaker クラスターリソースの設定に pcs を使用します。
このユースケースでは、システムに以下のコンポーネントが必要です。
- Clustered Samba を実行しているクラスターの作成に使用する 2 つのノード。この例で使用するノードは
z1.example.com
とz2.example.com
で、それぞれの IP アドレスは192.168.1.151
と192.168.1.152
です。 - 各ノード用の電源フェンスデバイス、ここでは APC 電源スイッチの 2 ポートを使用しています。この例では、APC 電源スイッチの 2 ポートを使用します。ホスト名は
zapc.example.com
です。 - iSCSI またはファイバーチャネルを使用する、クラスターのノードに対する共有ストレージ。
2 ノード Red Hat Enterprise Linux High Availability Add-On クラスターで高可用性アクティブ/アクティブ NFS サーバーを設定するには、以下のステップを実行する必要があります。
- 「クラスターの作成」 の説明に従い、Samba 共有をエクスポートして、クラスターの各ノードに対するフェンシングを設定します。
- 「GFS2 ファイルシステムでのクラスター化 LVM ボリュームの設定」 の説明に従い、クラスターのノードに対する共有ストレージ上のクラスター化された LVM 論理ボリューム
my_clv
にマウントしたgfs2
ファイルシステムを設定します。 - 「Samba の設定」 を参照してクラスターの各ノードで Samba を設定します。
- 「Samba クラスターリソースの設定」 の説明に従って、Samba クラスターリソースを作成します。
- 「リソース設定のテスト」 に従って、設定した Samba 共有をテストします。
4.1. クラスターの作成
次の手順に従って、Samba サービスに使用するクラスターのインストールと作成を行います。
- 「クラスターの作成」 で説明されている手順を使用して、
z1.example.com
およびz2.example.com
で設定される 2 ノードクラスターを作成します。この手順の例と同様に、クラスターにはmy_cluster
という名前が付けられます。 - 「排他処理の設定」 の説明に従って、クラスターの各ノードにフェンスデバイスを設定します。この例では、ホスト名が
zapc.example.com
という APC 電源スイッチの 2 つのポートを使用してフェンシングが設定されます。