3.6. リソース設定のテスト
以下の手順を使用するとシステムの設定を検証できます。NFSv3 または NFSv4 のいずれかで、エクスポートされたファイルシステムをマウントできるはずです。
- デプロイメントと同じネットワークにあるクラスター外部のノードで NFS 共有をマウントして、NFS 共有が表示されることを確認します。この例では、192.168.122.0/24 ネットワークを使用します。
#
showmount -e 192.168.122.200
Export list for 192.168.122.200: /nfsshare/exports/export1 192.168.122.0/255.255.255.0 /nfsshare/exports 192.168.122.0/255.255.255.0 /nfsshare/exports/export2 192.168.122.0/255.255.255.0 - NFSv4 で NFS 共有をマウントできることを確認する場合は、クライアントノードのディレクトリーに NFS 共有をマウントします。マウントしたら、エクスポートディレクトリーの内容が表示されることを確認します。テスト後に共有をアンマウントします。
#
mkdir nfsshare
#mount -o "vers=4" 192.168.122.200:export1 nfsshare
#ls nfsshare
clientdatafile1 #umount nfsshare
- NFSv3 で NFS 共有をマウントできることを確認します。マウント後、テストファイル
clientdatafile1
が表示されることを確認します。NFSv4 とは異なり NFSv3 は仮想ファイルシステムを使用しないため、特定のエクスポートをマウントする必要があります。テスト後に共有をアンマウントします。#
mkdir nfsshare
#mount -o "vers=3" 192.168.122.200:/nfsshare/exports/export2 nfsshare
#ls nfsshare
clientdatafile2 #umount nfsshare
- フェイルオーバーをテストするには、以下の手順を実行します。
- クラスター外部のノードに NFS 共有をマウントし、「NFS 共有の設定」 で作成した
clientdatafile1
にアクセスできることを確認します。#
mkdir nfsshare
#mount -o "vers=4" 192.168.122.200:export1 nfsshare
#ls nfsshare
clientdatafile1 - クラスター内で、
nfsgroup
を実行しているノードを確認します。この例では、nfsgroup
がz1.example.com
で実行しています。[root@z1 ~]#
pcs status
... Full list of resources: myapc (stonith:fence_apc_snmp): Started z1.example.com Resource Group: nfsgroup my_lvm (ocf::heartbeat:LVM): Started z1.example.com nfsshare (ocf::heartbeat:Filesystem): Started z1.example.com nfs-daemon (ocf::heartbeat:nfsserver): Started z1.example.com nfs-root (ocf::heartbeat:exportfs): Started z1.example.com nfs-export1 (ocf::heartbeat:exportfs): Started z1.example.com nfs-export2 (ocf::heartbeat:exportfs): Started z1.example.com nfs_ip (ocf::heartbeat:IPaddr2): Started z1.example.com nfs-notify (ocf::heartbeat:nfsnotify): Started z1.example.com ... - クラスター内のノードから、
nfsgroup
を実行しているノードをスタンバイモードにします。[root@z1 ~]#
pcs node standby z1.example.com
nfsgroup
が、別のクラスターノードで正常に起動することを確認します。[root@z1 ~]#
pcs status
... Full list of resources: Resource Group: nfsgroup my_lvm (ocf::heartbeat:LVM): Started z2.example.com nfsshare (ocf::heartbeat:Filesystem): Started z2.example.com nfs-daemon (ocf::heartbeat:nfsserver): Started z2.example.com nfs-root (ocf::heartbeat:exportfs): Started z2.example.com nfs-export1 (ocf::heartbeat:exportfs): Started z2.example.com nfs-export2 (ocf::heartbeat:exportfs): Started z2.example.com nfs_ip (ocf::heartbeat:IPaddr2): Started z2.example.com nfs-notify (ocf::heartbeat:nfsnotify): Started z2.example.com ...- NFS 共有をマウントしたクラスターの外部のノードから、この外部ノードが NFS マウント内のテストファイルに引き続きアクセスできることを確認します。
#
ls nfsshare
clientdatafile1ファイルオーバー中、クライアントに対するサービスは一時的に失われますが、クライアントはユーザーが介入しなくても回復するはずです。デフォルトでは、NFSv4 を使用するクライアントの場合は、マウントの復旧に最大 90 秒かかることがあります。この 90 秒は、システムの起動時にサーバーが監視する NFSv4 ファイルのリースの猶予期間です。NFSv3 クライアントでは、数秒でマウントへのアクセスが回復します。 - クラスター内で、最初に
nfsgroup
を実行していたノードをスタンバイモードから削除します。ただし、スタンバイモードから回復しただけでは、クラスターリソースがこのノードに戻りません。[root@z1 ~]#
pcs node unstandby z1.example.com
注記ノードをスタンバイ
モードから削除しても、リソースはそのノードにフェイルオーバーしません。これは、リソースのresource-stickiness
値により異なります。resource-stickiness
メタ属性の詳細は、『High Availability Add-On リファレンス』の現在のノードを優先させるリソースの設定を参照してください。