4.4. Samba クラスターリソースの設定
本項では、このユースケースで Samba クラスターリソースを設定する手順について説明します。
次の手順では、
samba.cib
というクラスターの cib
のスナップショットを作成し、実行しているクラスターで直接リソースを設定するのではなく、リソースをテストファイルに追加します。リソースと制約を設定すると、この手順により、実行しているクラスター設定に samba.cib
がプッシュされます。
クラスターの 1 ノードで、以下の手順を行います。
- クラスター設定ファイルの
cib
ファイルのスナップショットを作成します。[root@z1 ~]#
pcs cluster cib samba.cib
- Samba が使用する CTDB リソースを作成します。このリソースは、両方のクラスターノードで実行できるようにクローンリソースとして作成してください。
[root@z1 ~]#
pcs -f samba.cib resource create ctdb ocf:heartbeat:CTDB
\ctdb_recovery_lock="/mnt/gfs2share/ctdb/ctdb.lock"
\ctdb_dbdir=/var/ctdb ctdb_socket=/tmp/ctdb.socket
\ctdb_logfile=/var/log/ctdb.log
\op monitor interval=10 timeout=30 op start timeout=90
\op stop timeout=100 --clone
- クローン Samba サーバーを作成します。
[root@z1 ~]#
pcs -f samba.cib resource create samba systemd:smb --clone
- クラスターリソースのコロケーションと順序の制約を作成します。起動順序は、Filesystem リソース、CTDB リソース、Samba リソースです。
[root@z1 ~]#
pcs -f samba.cib constraint order fs-clone then ctdb-clone
Adding fs-clone ctdb-clone (kind: Mandatory) (Options: first-action=start then-action=start) [root@z1 ~]#pcs -f samba.cib constraint order ctdb-clone then samba-clone
Adding ctdb-clone samba-clone (kind: Mandatory) (Options: first-action=start then-action=start) [root@z1 ~]#pcs -f samba.cib constraint colocation add ctdb-clone with fs-clone
[root@z1 ~]#pcs -f samba.cib constraint colocation add samba-clone with ctdb-clone
cib
スナップショットのコンテンツをクラスターにプッシュします。[root@z1 ~]#
pcs cluster cib-push samba.cib
CIB updated- クラスターのステータスを確認し、リソースが実行していることを確認します。Red Hat Enterprise Linux 7.4 では、CTDB による Samba の起動、共有のエクスポート、安定化にしばらく時間がかかることがあります。このプロセスの前にクラスターステータスを確認すると、CTDB ステータスの呼び出しが失敗したというメッセージが表示されることがあります。このプロセスが完了すれば、pcs resource cleanup ctdb-clone コマンドを使用して表示されたメッセージを消去できます。
[root@z1 ~]#
pcs status
Cluster name: my_cluster Stack: corosync Current DC: z1.example.com (version 1.1.16-12.el7_4.2-94ff4df) - partition with quorum Last updated: Thu Oct 19 18:17:07 2017 Last change: Thu Oct 19 18:16:50 2017 by hacluster via crmd on z1.example.com 2 nodes configured 11 resources configured Online: [ z1.example.com z2.example.com ] Full list of resources: myapc (stonith:fence_apc_snmp): Started z1.example.com Clone Set: dlm-clone [dlm] Started: [ z1.example.com z2.example.com ] Clone Set: clvmd-clone [clvmd] Started: [ z1.example.com z2.example.com ] Clone Set: fs-clone [fs] Started: [ z1.example.com z2.example.com ] Clone Set: ctdb-clone [ctdb] Started: [ z1.example.com z2.example.com ] Clone Set: samba-clone [samba] Started: [ z1.example.com z2.example.com ]注記設定したリソースが実行されていない場合は、pcs resource debug-start resource コマンドを実行してリソースの設定をテストできます。このコマンドは、クラスターの制御や認識の範囲外でサービスを起動します。設定したリソースが再度実行された場合は、pcs resource cleanup resource コマンドを実行してクラスターが更新を認識するようにします。pcs resource debug-start コマンドの詳細は、 『High Availability Add-On リファレンス』 の クラスターリソースの有効化、無効化、および禁止 の項を参照してください。