2.5. Keepalived の永続性およびファイアウォールマーク


状況によっては、負荷分散アルゴリズムを使用して利用可能な最良のサーバーへ要求を送信せずに、クライアントが同じ実サーバーに繰り返し再接続する方が望ましいことがあります。このような場合の例には、マルチスクリーン Web フォーム、クッキー、SSL、および FTP 接続などがあります。このようなケースでは、同じサーバーがトランザクションを処理し、コンテキストを保持しないとクライアントが適切に動作しないことがあります。Keepalived は、永続性ファイアウォールマークの 2 つの機能でこれに対応します。

2.5.1. 永続性

永続性が有効になっていると、タイマーのように動作します。クライアントがサービスに接続すると、ロードバランサーは指定期間中は最後の接続を記憶します。同じクライアント IP アドレスが同じ期間内に再接続すると、以前接続したサーバーへ送信され、負荷分散メカニズムが無視されます。接続が指定期間外で発生すると、対応するスケジューリングルールに従って処理されます。
また、永続性を使うと、管理側でサブネットマスクを指定して、どのアドレスがより高い永続性を持つかを管理するツールとして、クライアント IP アドレステストに適用することができます。こうすることで、接続をそのサブネットにグループ化できます。
通信に複数のポートを使用する FTP などのプロトコルの場合、宛先が別々のポートの接続をグループ化することがとても重要な場合があります。ただし、宛先が別々のポートの接続をグループ化する上で発生する問題に対処する場合、永続性は最も効率的な方法とは言えません。このような場合には ファイアウォールマーク を使用するのが最適です。

2.5.2. ファイアウォールマーク

ファイアウォールマークは、プロトコルまたは関連するプロトコルのグループに使用されるポートを簡単かつ効率的にグループ化する方法です。たとえば、EC (E コマース) サイトの稼働が目的でロードバランサーがデプロイされた場合、ファイアウォールマークを使用してポート 80 の HTTP 接続と、ポート 443 のセキュアな HTTPS 接続をバンドル化できます。各プロトコルの仮想サーバーに同じファイアウォールマークを割り当てると、接続が開かれた後に LVS ルーターがすべての要求を同じ実サーバーへ転送するため、トランザクション状態の情報を保持できます。
ファイアマークは効率的で簡単に使用できるため、ロードバランサーの管理者は可能な限り永続性の代わりにファイアウォールマークを使用して接続をグループ化するようにしてください。しかし、クライアントが十分な期間同じサーバーに再接続されるようにするため、ファイアウォールマークとともに永続性を仮想サーバーに追加するようにしてください。
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