6.8. マルチパスを無効にしたデバイスに対する例外の追加
マルチパスが現在無効になっているデバイスに例外を追加することで、マルチパスを有効にできます。
前提条件
- 特定のデバイスでマルチパスが無効になっている。
手順
/etc/multipath.conf
設定ファイルのblacklist_exceptions
セクションを使用して、デバイスでマルチパスを有効にします。設定ファイルの
blacklist_exceptions
セクションでデバイスを指定する場合は、blacklist
セクションで指定したものと同じ基準を使用して例外を指定する必要があります。たとえば、無効にしたデバイスがその WWID に関連付けられている場合でも、WWID 例外はdevnode
エントリーで無効になっているデバイスには適用されません。同様に、devnode
例外はdevnode
エントリーにしか適用されず、device
例外はデバイスエントリーにしか適用されません。例6.1 WWID による例外
たとえば、デバイスが多数あり、その中の 1 つのデバイス (以下の例では WWID が
3600d0230000000000e13955cc3757803
のデバイス) でのみマルチパスを有効にする場合は、有効にするデバイス以外のものを 1 つ 1 つ無効にするのではなく、一旦すべてのデバイスを無効にしてから、/etc/multipath.conf
ファイルに以下の行を追加し、必要なデバイスのみを有効にします。blacklist { wwid ".*" } blacklist_exceptions { wwid "3600d0230000000000e13955cc3757803" }
または、感嘆符 (
!
) を使用してblacklist
エントリーを反転することもできます。これにより、指定した WWID を除くすべてのデバイスを無効にできます。blacklist { wwid "!3600d0230000000000e13955cc3757803" }
例6.2 udev プロパティーによる例外
property
パラメーターの挙動は、他のblacklist_exception
パラメーターとは異なります。property
パラメーターの値は、udev
データベース内の変数の名前と一致する必要があります。それ以外の場合は、デバイスは無効になります。このパラメーターを使用すると、USB スティックやローカルハードドライブなどの特定の SCSI デバイスでマルチパスを無効にできます。合理的にマルチパス化できる SCSI デバイスでのみマルチパスを有効にするには、以下の例のようにこのパラメーターを
SCSI_IDENT_|ID_WWN)
に設定します。blacklist_exceptions { property "(SCSI_IDENT_|ID_WWN)" }
次のいずれかのコマンドを実行してマルチパス設定ファイルを変更した後、
/etc/multipath.conf
ファイルを検証します。設定エラーを表示するには、以下のコマンドを実行します。
# multipath -t > /dev/null
変更が追加された新しい設定を表示するには、以下のコマンドを実行します。
# multipath -t
/etc/multipath.conf
ファイルを再読み込みし、multipathd
デーモンを再設定して変更を反映します。# service multipathd reload