15.2. Knative デプロイメントの高可用性
高可用性 (HA) は、それぞれ 2 つのレプリカを持つように設定された Knative Serving activator
、autoscaler
、autoscaler-hpa
、controller
、webhook
、domain-mapping
、domainmapping-webhook
、kourier-control
、および kourier-gateway
コンポーネントでデフォルトで利用可能です。KnativeServing
カスタムリソース (CR) の spec.high-availability.replicas
値を変更して、これらのコンポーネントのレプリカ数を変更できます。
15.2.1. Knative Serving の高可用性レプリカの設定
適格なデプロイメントリソースに最小 3 つのレプリカを指定するには、カスタムリソースのフィールド spec.high-availability.replicas
の値を 3
に設定します。
前提条件
- OpenShift Container Platform に対するクラスター管理者権限があるか、Red Hat OpenShift Service on AWS または OpenShift Dedicated に対するクラスターまたは専用管理者権限がある。
- OpenShift Serverless Operator および Knative Serving がクラスターにインストールされている。
手順
-
OpenShift Container Platform Web コンソールの Administrator パースペクティブで、OperatorHub
Installed Operators に移動します。 -
knative-serving
namespace を選択します。 - OpenShift Serverless Operator の Provided API 一覧で Knative Serving をクリックし、Knative Serving タブに移動します。
knative-serving をクリックしてから、knative-serving ページの YAML タブに移動します。
KnativeServing
CR のレプリカ数を変更します。サンプル YAML
apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1 kind: KnativeServing metadata: name: knative-serving namespace: knative-serving spec: high-availability: replicas: 3
特定のワークロードのレプリカの数を指定することもできます。
注記ワークロード固有の設定は、Knative Serving のグローバル設定をオーバーライドします。
サンプル YAML
apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1 kind: KnativeServing metadata: name: knative-serving namespace: knative-serving spec: high-availability: replicas: 3 workloads: - name: webhook replicas: 4
高可用性の制限が反映されていることを確認します。
コマンドの例
$ oc get hpa -n knative-serving
出力例
NAME REFERENCE TARGETS MINPODS MAXPODS REPLICAS AGE activator Deployment/activator 0%/100% 3 22 3 2m24s webhook Deployment/webhook 2%/100% 4 8 4 2m23s
15.2.2. 停止状態の予算のオーバーライド
Pod Disruption Budget (PDB) は、Kubernetes API の標準機能であり、メンテナンス上の理由で Pod の再スケジュールが必要になったときにアプリケーションの中断を制限するのに役立ちます。
手順
-
KnativeServing
カスタムリソース (CR) のminAvailable
設定値を変更して、特定のリソースのデフォルトの PDB をオーバーライドします。
minAvailable
設定が 70% の PDB の例
apiVersion: operator.knative.dev/v1beta1 kind: KnativeServing metadata: name: knative-serving namespace: knative-serving spec: podDisruptionBudgets: - name: activator-pdb minAvailable: 70%
たとえば、high-availability.replicas
の値を 1
に変更して高可用性を無効にする場合は、対応する PDB minAvailable
の値も 0
に更新してください。そうしないと、Pod 停止状態の予算によってクラスターまたは Operator の自動更新が妨げられます。