第1章 Red Hat OpenShift Service on AWS クイックスタートガイド


このガイドでは、ROSA コマンドラインインターフェイス (CLI) (rosa) を使用した Red Hat OpenShift Service on AWS クラスターの迅速な作成、ユーザーアクセスの許可、最初のアプリケーションのデプロイ、ユーザーアクセスを取り消してクラスターを削除する方法を説明します。

デフォルトのクラスター仕様の概要

デフォルトのインストールオプションを使用して、Red Hat OpenShift Service on AWS クラスターをすばやく作成できます。

次の要約では、デフォルトのクラスター仕様を説明します。

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表1.1 Red Hat OpenShift Service on AWS のクラスター仕様
コンポーネントデフォルトの仕様

アカウントおよびロール

  • デフォルトの IAM ロールの接頭辞: HCP-ROSA

クラスター設定

  • デフォルトのクラスターバージョン: 最新
  • ROSA CLI (rosa) を使用したインストールのデフォルトの AWS リージョン: aws CLI 設定によって定義されます。
  • デフォルトの EC2 IMDS エンドポイント (v1 と v2 の両方) が有効になっています
  • 可用性: データプレーンの単一ゾーン
  • ユーザー定義プロジェクトの監視: 有効
  • クラスター管理者ロールは作成されない

コンピュートノードマシンプール

  • コンピュートノードインスタンスタイプ: m5.xlarge (4 vCPU 16, GiB RAM)
  • コンピュートノード数: 2
  • 自動スケーリング: 無効
  • 追加のノードラベルなし

ネットワーク設定

  • クラスターのプライバシー: パブリック
  • クラスター全体のプロキシーは設定されていません。

Classless Inter-Domain Routing (CIDR) の範囲

  • Machine CIDR: 10.0.0.0/16
  • Service CIDR: 172.30.0.0/16
  • Pod CIDR: 10.128.0.0/14
  • Host prefix: /23

    注記

    静的 IP アドレス 172.20.0.1 は、内部 Kubernetes API アドレス用に予約されています。マシン、Pod、およびサービスの CIDR 範囲は、この IP アドレスと競合してはなりません。

クラスターのロールおよびポリシー

  • Operator ロールおよび OpenID Connect (OIDC) プロバイダーの作成に使用されるモード: auto

    注記

    Hybrid Cloud Console で OpenShift Cluster Manager を使用してインストールする場合、auto モードには管理者権限が割り当てられた OpenShift Cluster Manager ロール (ocm-role) が必要です。

  • デフォルトの Operator ロールの接頭辞: <cluster_name>-<4_digit_random_string>

ストレージ

  • ノードボリューム:

    • タイプ: AWS EBS GP3
    • デフォルトサイズ: 300 GiB (作成時に調整可能)
  • ワークロード永続ボリューム:

    • デフォルトの StorageClass: gp3-csi
    • プロビジョナー: ebs.csi.aws.com
    • 動的永続ボリュームのプロビジョニング

クラスター更新ストラテジー

  • 個別の更新
  • 1 時間のノード drain (Pod の退避) 猶予期間

1.1. 環境の設定

Red Hat OpenShift Service on AWS クラスターを作成する前に、次のタスクを完了して環境を設定する必要があります。

  • お使いの AWS および Red Hat アカウントと照らし合わせて、Red Hat OpenShift Service on AWS の前提条件を確認します。
  • 必要なコマンドラインインターフェイス (CLI) ツールをインストールして設定します。
  • CLI ツールの設定を確認します。

このセクションの手順に従って、これらの設定要件を完了できます。

Red Hat OpenShift Service on AWS の前提条件の確認

AWS アカウントで Red Hat OpenShift Service on AWS を有効するには、この手順を使用します。

前提条件

  • Red Hat アカウントを持っている。
  • AWS アカウントがある。

    注記

    専用の AWS アカウントを使用して実稼働クラスターを実行することを検討してください。AWS Organizations を使用している場合は、組織内の AWS アカウントを使用するか、アカウントを新規作成 できます。

手順

  1. AWS 管理コンソール にログインします。
  2. ROSA service に移動します。
  3. Get started をクリックします。

    Verify ROSA prerequisites ページが開きます。

  4. ROSA enablement の下で、緑色のチェックマークと You previously enabled ROSA が表示されていることを確認します。

    そうでない場合は、次の手順に従います。

    1. I agree to share my contact information with Red Hat の横にあるチェックボックスを選択します。
    2. Enable ROSA をクリックします。

      少し待つと、緑色のチェックマークと You enabled ROSA メッセージが表示されます。

  5. Service Quotas の下に、緑色のチェックと Your quotas meet the requirements for ROSA が表示されていることを確認します。

    Your quotas don’t meet the minimum requirements と表示される場合は、エラーメッセージに記載されているクォータの種類と最小値をメモしてください。ガイダンスは、割り当て増加のリクエスト に関する Amazon のドキュメントを参照してください。Amazon が割り当てリクエストを承認するまでに数時間かかる場合があります。

  6. ELB service-linked role の下で、緑色のチェックマークと AWSServiceRoleForElasticLoadBalancing already exists が表示されていることを確認します。
  7. Continue to Red Hat をクリックします。

    Get started with Red Hat OpenShift Service on AWS (ROSA) ページが新しいタブで開きます。このページのステップ 1 はすでに完了しており、ステップ 2 に進むことができます。

必要な CLI ツールのインストールと設定

クラスターをデプロイして操作するには、コマンドラインインターフェイス (CLI) ツールが複数必要です。

前提条件

  • AWS アカウントがある。
  • Red Hat アカウントを持っている。

手順

  1. 必要な各ツールのダウンロードページにアクセスするには、Red Hat および AWS アカウントにログインします。

    1. console.redhat.com で Red Hat アカウントにログインします。
    2. aws.amazon.com で AWS アカウントにログインします。
  2. 最新の AWS CLI (aws) をインストールして設定します。

    1. ワークステーションに適した AWS コマンドラインインターフェイス のドキュメントに従って、AWS CLI をインストールします。
    2. .aws/credentials ファイルで aws_access_key_idaws_secret_access_key、および region を指定して AWS CLI を設定します。詳細は、AWS ドキュメントの AWS 設定の基本 を参照してください。

      注記

      オプションで AWS_DEFAULT_REGION 環境変数を使用して、デフォルトの AWS リージョンを設定できます。

    3. AWS API に問い合わせて、AWS CLI が正しくインストールおよび設定されているかどうかを確認します。

      $ aws sts get-caller-identity  --output text
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      出力例

      <aws_account_id>    arn:aws:iam::<aws_account_id>:user/<username>  <aws_user_id>
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  3. 最新の ROSA CLI をインストールして設定します。

    1. Downloads に移動します。
    2. ツールのリストから Red Hat OpenShift Service on AWS command line interface (rosa) を見つけて、Download をクリックします。

      rosa-linux.tar.gz ファイルはデフォルトのダウンロード先にダウンロードされます。

    3. ダウンロードしたアーカイブから rosa バイナリーファイルを展開します。次の例では、Linux tar アーカイブからバイナリーを展開します。

      $ tar xvf rosa-linux.tar.gz
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    4. rosa バイナリーファイルを実行パス内のディレクトリーに移動します。以下の例では、/usr/local/bin ディレクトリーがユーザーのパスに含まれます。

      $ sudo mv rosa /usr/local/bin/rosa
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    5. rosa バージョンを照会して、ROSA CLI が正しくインストールされていることを確認します。

      $ rosa version
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      出力例

      1.2.47
      Your ROSA CLI is up to date.
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  4. オフラインアクセストークンを使用して ROSA CLI にログインします。

    1. ログインコマンドを実行します。

      $ rosa login
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      出力例

      To login to your Red Hat account, get an offline access token at https://console.redhat.com/openshift/token/rosa
      ? Copy the token and paste it here:
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    2. コマンド出力にリストされている URL に移動して、オフラインアクセストークンを表示します。
    3. ログインするには、コマンドラインプロンプトでオフラインアクセストークンを入力します。

      ? Copy the token and paste it here: *******************
      [full token length omitted]
      Copy to Clipboard Toggle word wrap
      注記

      今後は、rosa login コマンドを実行するときに --token="<offline_access_token>" 引数を使用してオフラインアクセストークンを指定できます。

    4. 続行する前に、ログインしていることと認証情報が正しいことを確認してください。

      $ rosa whoami
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      出力例

      AWS Account ID:               <aws_account_number>
      AWS Default Region:           us-east-1
      AWS ARN:                      arn:aws:iam::<aws_account_number>:user/<aws_user_name>
      OCM API:                      https://api.openshift.com
      OCM Account ID:               <red_hat_account_id>
      OCM Account Name:             Your Name
      OCM Account Username:         you@domain.com
      OCM Account Email:            you@domain.com
      OCM Organization ID:          <org_id>
      OCM Organization Name:        Your organization
      OCM Organization External ID: <external_org_id>
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  5. 最新の OpenShift CLI (oc) をインストールして設定します。

    1. ROSA CLI を使用して oc CLI をダウンロードします。

      次のコマンドは、CLI の最新バージョンを現在の作業ディレクトリーにダウンロードします。

      $ rosa download openshift-client
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    2. ダウンロードしたアーカイブから oc バイナリーファイルを展開します。次の例では、Linux tar アーカイブからファイルを展開します。

      $ tar xvf openshift-client-linux.tar.gz
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    3. oc バイナリーを実行パス内のディレクトリーに移動します。以下の例では、/usr/local/bin ディレクトリーがユーザーのパスに含まれます。

      $ sudo mv oc /usr/local/bin/oc
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    4. oc CLI が正しくインストールされていることを確認します。

      $ rosa verify openshift-client
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      出力例

      I: Verifying whether OpenShift command-line tool is available...
      I: Current OpenShift Client Version: 4.17.3
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次のステップ

Red Hat Hybrid Cloud Console を使用して Red Hat OpenShift Service on AWS クラスターをデプロイする前に、AWS アカウントを Red Hat 組織に関連付け、Red Hat OpenShift Service on AWS に必要なアカウント全体の AWS IAM STS ロールとポリシーを作成する必要があります。

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