第2章 最も重要な新機能
本項には、Red Hat OpenStack Platform の今回のリリースにおける最も重要な新機能について概説します。
2.1. Red Hat OpenStack Platform Director
本項には、director の最も重要な新機能について説明します。
- カスタムロールとコンポーザブルサービス
- モノリシックテンプレートが複数の小さな個別のテンプレートに分解され、それぞれがコンポーザブルなサービスを表すようになりました。これらは、スタンドアロンノード上または他のサービスと組み合わせてカスタムロールの形式でデプロイすることができます。コンポーザブルノードのアーキテクチャーには、以下のガイドラインおよび制限事項があることに注意してください。
- サポートされているスタンドアロンのカスタムロールには、任意の
systemd
管理対象サービスを割り当てることができます。 - Pacemaker が管理するサービスを分割することはできません。これは、Pacemaker がオーバークラウドクラスターの各ノードで、同じサービスセットを管理するためです。Pacemaker が管理するサービスを分割すると、クラスターのデプロイメントでエラーが発生する場合があります。これらのサービスは、コントローラーロールに残す必要があります。
- Red Hat OpenStack Platform 9 から 10 へのアップグレードプロセス中にカスタムロールとコンポーザブルサービスを変更することはできません。アップグレードスクリプトはデフォルトのオーバークラウドロールのみに対応可能です。
- 初回のデプロイメント後に追加のカスタムロールを作成してそれらをデプロイし、既存のサービスをスケーリングすることができます。
- オーバクラウドのデプロイ後には、ロールのサービスリストを変更することはできません。オーバークラウドのデプロイの後にサービスリストを変更すると、デプロイでエラーが発生して、ノード上に孤立したサービスが残ってしまう可能性があります。
カスタムロールとコンポーザブルサービスのサポート対象アーキテクチャーに関する詳しい情報は、『Advanced Overcloud Customization』ガイドの「Composable Services and Custom Roles」のセクションを参照してください。 - グラフィカルユーザーインターフェース
- director はグラフィカルユーザーインターフェースで管理できるようになりました。これには、統合されたテンプレート、ビルトインワークフロー、プリフライト/ポストフライトの検証チェックが含まれます。GUI を使用してロールの割り当てを作成し、ノードの登録とイントロスペクションを実行することができます。
- ハードウェアデプロイメントの段階と汎用ノードデプロイメントの分離
- director のワークフローで、ハードウェアデプロイメント段階が明確に分離されるようになりました。これにより、ユーザーがどの時点でハードウェアをインベントリーに登録し、イメージをアップロードして、ハードウェアプロファイルを定義するかが明らかになります。この段階は、任意のイメージを特定のハードウェアノードにデプロイすることで完了します。この分離により、Red Hat Enterprise Linux をハードウェアノードにデプロイして、ユーザーに渡すことができます。