第1章 Service Telemetry フレームワークの概要
Service Telemetry Framework(STF)は、Red Hat OpenStack Platform またはサードパーティーノードから測定およびデータを自動的に収集し、その情報を一元的に送信し、ストレージ、取得、およびモニタリング用の Red Hat OpenShift Container Platform(OCP)デプロイメントを受信します。データは以下の 2 つのタイプのいずれかになります。
- メトリクス
- アプリケーションまたはシステムの数値測定
- イベント
- システムで不規則な状態や目立った事態の発生
クライアントに必要なコレクションコンポーネントは軽量です。すべてのクライアントによって共有され、デプロイメントによって共有されるマルチキャストメッセージバスは、高速で信頼性の高いデータトランスポートを提供します。データの送受信に関する他のモジュールコンポーネントは、OCP のコンテナーにデプロイされます。
STF は、アラートの生成、ダッシュボードによる可視化、オーケストレーションをサポートする信頼できる Telemetry 分析の単一ソースなどのモニタリング機能へのアクセスを提供します。
1.1. Service Telemetry Framework アーキテクチャー
Service Telemetry Framework(STF)は、表1.1「STF コンポーネント」 に記載のコンポーネントを使用します。
| クライアント | コンポーネント | サーバー(OCP) |
|---|---|---|
| はい | Prometheus のストレージ用にメトリクスを STF に移動する AMQP 1.x と互換性のあるメッセージングバス。 | はい |
| いいえ | Smart Gateway: AMQP 1.x バスからメトリクスおよびイベントを選択し、イベントを ElasticSearch に配信したり、メトリクスを Prometheus に提供したりできます。 | はい |
| いいえ | 時系列データストレージとしての Prometheus | はい |
| いいえ | イベントデータストレージとしての Elasticsearch | はい |
| はい | インフラストラクチャーメトリクスおよびイベントを収集する collectd | いいえ |
| はい | Red Hat OpenStack Platform のメトリクスおよびイベントを収集する ceilometer | いいえ |
図1.1 Service Telemetry Framework アーキテクチャー概要
Service Telemetry Framework データ収集コンポーネント (collectd および Ceilometer)、およびトランスポートコンポーネント AMQ Interconnect および Smart Gateway が完全にサポートされます。Operator アーティファクトおよび可視化コンポーネント Grafana を含むデータストレージコンポーネント、Prometheus および ElasticSearch はコミュニティーでサポートされており、正式にはサポートされていません。
メトリクスについては、クライアント側で collectd は高解像度のメトリクスを収集します。collectd は AMQP1 プラグインを使用してデータを Prometheus に配信し、データをメッセージバスに配置します。サーバー側では、Smart Gateway と呼ばれる Golang アプリケーションがバスからのデータストリームを受け取り、それを Prometheus のローカルスクレイプエンドポイントとして公開します。
イベントを収集し、保存する予定の場合、collectd または Ceilometer は AMQP1 プラグインを使用してイベントデータをサーバー側に配信し、データをメッセージバスに配置します。別の Smart Gateway が ElasticSearch データストアにデータを書き込みます。
サーバー側の STF 監視インフラストラクチャーは、以下のレイヤーで構成されています。
- Service Telemetry Framework 1.0(STF)
- Red Hat OpenShift Container Platform(OCP)
- インフラストラクチャープラットフォーム
図1.2 サーバーサイドの STF 監視インフラストラクチャー
Red Hat OpenShift Container Platform のデプロイ方法の詳細は、OCP の製品ドキュメント を参照してください。OCP は、クラウドプラットフォームまたはベアメタルにインストールできます。STF のパフォーマンスとスケーリングの詳細については、https://access.redhat.com/articles/4907241 を参照してください。
監視するインフラストラクチャーと同じインフラストラクチャーに OCP をインストールしないでください。
