第3章 リリースの情報
リリースノートには、次に示すカテゴリーの一部またはすべての更新について記載されています。この Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) リリースをデプロイする場合は、これらの更新を考慮してください。
- バグ修正
- 機能拡張
- テクノロジープレビュー
- リリースノート
- 既知の問題
- 非推奨の機能
- 削除された機能
この RHOSP リリースのサポートライフサイクル中にリリースされた更新に関する注意事項は、各更新に関連付けられたアドバイザリーテキストに記載されています。
3.1. Red Hat OpenStack Platform 17.1.4 メンテナンスリリース - 2024 年 11 月 20 日
この RHOSP リリースをデプロイする場合は、以下に示す Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) の更新を考慮してください。
3.1.1. アドバイザリーの一覧
この Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) リリースには、次のアドバイザリーが含まれています。
- RHBA-2024:9973
- RHOSP 17.1.4 のバグ修正および機能強化のアドバイザリー
- RHBA-2024:9974
- RHOSP 17.1.4 のバグ修正および機能強化のアドバイザリー
- RHSA-2024:9975
- 重要: RHOSP 17.1.4 (Python-werkzeug) セキュリティー更新
- RHSA-2024:9976
- 重要: RHOSP 17.1.4 (Python-werkzeug) セキュリティー更新
- RHSA-2024:9977
- 中程度: RHOSP 17.1.4 (python-zipp) セキュリティー更新
- RHSA-2024:9978
- 中程度: RHOSP 17.1.4 (openstack-tripleo-heat-templates) セキュリティー更新
- RHBA-2024:9979
- RHOSP 17.1.4 RHEL 9 ディレクターイメージ
- RHBA-2024:9980
- RHOSP 17.1.4 コンテナーイメージを更新しました
- RHBA-2024:9981
- RHOSP 17.1.4 コンテナーイメージを更新しました
- RHSA-2024:9982
- 重要: RHOSP 17.1.4 (openstack-ironic) セキュリティー更新
- RHSA-2024:9983
- 中程度: RHOSP 17.1.4 (python-webob) セキュリティー更新
- RHSA-2024:9984
- 中程度: RHOSP 17.1.4 (Python-sqlparse) セキュリティー更新
- RHSA-2024:9985
- 中程度: RHOSP 17.1.4 (python-urllib3) セキュリティー更新
- RHSA-2024:9986
- 中程度: RHOSP 17.1.4 (Python-sqlparse) セキュリティー更新
- RHSA-2024:9988
- 中程度: RHOSP 17.1.4 (python-requests) セキュリティー更新
- RHSA-2024:9989
- 中程度: RHOSP 17.1.4 (python-webob) セキュリティー更新
- RHSA-2024:9990
- 中程度: RHOSP 17.1.4 (openstack-tripleo-common および python-tripleoclient) セキュリティー更新
- RHSA-2024:9991
- 中程度: RHOSP 17.1.4 (openstack-tripleo-common および python-tripleoclient) セキュリティー更新
3.1.2. バグ修正
以下のバグは、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) の本リリースで修正されています。
- BZ#2107599
以前は、インスタンスにアタッチされているポートで
binding:vnic_type
を変更すると、再起動時にnova_compute
が再起動ループに入りました。この更新により、インスタンスにアタッチされているポートの
binding:vnic_type
は変更できなくなります。- BZ#2143940
- 今回の更新以前は、NVIDIA Mellanox ConnectX Lx シリーズ NIC を使用する OVS-DPDK 環境では、インターフェイスのフラップが発生する可能性がありました。これは、ホストのプロビジョニング中に OVS-DPDK インターフェイスがリセットされることが原因でした。今回の更新で問題が修正され、このフラップは発生しなくなりました。
- BZ#2217867
- この更新の前は、NVIDIA ConnectX-5 および ConnectX-6 NIC でハードウェアオフロードと VLAN を使用すると、Physical Function (PF) 上の一部のオフロードフローが原因で、関連する Virtual Function (VF) 上の LLDP および VRRP トラフィックで一時的なパフォーマンスの問題が発生する可能性がありました。この更新により、VLAN トラフィックの優先度が上がり、LLDP および VRRP トラフィックがパフォーマンスに影響を与えなくなります。
- BZ#2234902
-
この更新の前は、
check-kernel-version
検証が正しく機能せず、失敗が報告されていました。この更新により、問題は解決され、check-kernel-version
は失敗を報告しなくなりました。 - BZ#2236671
この更新の前は、IPv6 専用ネットワークで作成された仮想マシンインスタンスは、コンピュートメタデータサービスにアクセスできませんでした。メタデータエージェントは、コンピュートメタデータサービスへのアクセスに使用される namespace のプロビジョニング時に、IPv6 アドレスの可能性を考慮していませんでした。RHOSP 17.1.4 では、この問題は修正されました。メタデータエージェントは、コンピュートメタデータサービスへのアクセスに使用される namespace のプロビジョニング時に、IPv6 アドレスを考慮するように変更されました。その結果、IPv6 専用ネットワークで作成されたインスタンスはコンピュートメタデータサービスにアクセスできます。
注記24.2-0ubuntu1_23.10.1
より前のバージョンのcloud-init
のバグにより、インスタンスがメタデータサービスにアクセスできない場合もあります。cloud-init
のバージョンが24.2-0ubuntu1_23.10.1
以降であることを確認してください。- BZ#2241270
- このリリースより前は、更新中に frr-status および oslo-config-validator の検証で FAILED が報告されていました。エラーメッセージは検証コードに固有のものであり、17.1 の操作に影響する状態を示すものではありません。関連するバグ修正 BZ 2272546 により、これらのエラーメッセージは表示されなくなります。
- BZ#2243267
この更新の前は、Virtual Data Optimizer (VDO) パッケージがあることで
checkvdo
Leapp アクターが失敗し、Leapp のアップグレードが失敗していました。RHOSP 17.1.4 では、VDO パッケージが削除され、Leapp のアップグレードが成功するようになりました。
- BZ#2250074
- この更新の前は、外部 BIND サーバーを DNS サービス (designate) で使用すると、BIND サーバープールに無効な情報が含まれていました。この問題は、BIND インスタンスプールに一部のネームサーバーエントリーを追加できないデプロイメントバグによって発生します。RHOSP 17.1.4 では、この問題は解決されました。DNS サービスのインストール中に、BIND プールの YAML ファイルが正しく生成されます。
- BZ#2251176
-
この更新の前は、Ceph ダッシュボードは Prometheus サービスエンドポイントに到達できず、エラーメッセージ
404 not found
が表示されていました。このエラーは、Prometheus サービスの仮想 IP の設定が正しくなかったために発生しました。RHOSP 17.1.4 では、この問題は解決され、ダッシュボードは Prometheus サービスエンドポイントに到達できるようになりました。 - BZ#2255302
-
この更新の前は、外部の Red Hat Ceph Storage クラスターに必要な
cephfs_filesystem_name
ドライバー設定パラメーターを、director の heat テンプレートパラメーターで直接設定することはできませんでした。Shared File Systems サービス (manila) 共有を作成するために、YAML ファイルとExtraConfig
パラメーターを作成する必要がありました。この更新では、heat テンプレートにManilaCephFSFileSystemName
パラメーターが導入され、ファイルシステム名を直接更新して共有を正常に作成できるようになりました。 - BZ#2259873
この更新の前は、Lenovo UEFI ファームウェアはデプロイメント後にブートレコードをリセットしていました。デプロイメント中に、サーバーの最初の起動に失敗し、有効な起動デバイスがないことを示すブルースクリーンが表示されました。
RHOSP 17.1.4 では、この問題は解決されました。デプロイメント時に、Lenovo UEFI ファームウェアはデプロイメント後にブートレコードをリセットしなくなり、手動による回避策は不要になりました。
- BZ#2263502
- この更新の前は、外部ネットワークに直接接続されたインスタンスのリンクが失敗していました。この問題は、これらのインスタンスのパケットに対して OVN がソースネットワークアドレス変換 (SNAT) を実行する際の遅延によって発生していました。OVN がパケットをプッシュするまでインスタンスの IP アドレスは変換されないため、TCP 接続がリセットされ、インスタンスと外部ネットワーク間のリンクが失敗していました。この更新により、バグは解決され、インスタンスと外部ネットワーク間の接続が中断されなくなりました。
- BZ#2266778
この更新の前は、
python3-dns
パッケージバージョン 2.x で RHOSP DNS サービス (designate) との非互換性が発生していました。この非互換性により、Transaction Signature (TSIG) キーが関係する一部のゾーン転送が失敗し、ログメッセージAttributeError: 'TsigKeyring' object has no attribute 'name'
が表示されていました。RHOSP 17.1.4 では、この問題は解決されました。TSIG キーを含むゾーン転送が正しく動作するようになりました。
- BZ#2267882
- この更新の前は、DNS サービス (designate) を使用する RHOSP 環境では、ゾーンに 20 超のレコードが含まれる場合でも、ゾーン内のレコードをリスト表示するとダッシュボード (horizon) に最大 20 件のレコードしか表示されないという既知の問題がありました。今回の更新により、この問題は修正されました。
- BZ#2269509
-
この更新の前は、RHOSP 16.2 から 17.1 へのアップグレード中に、
mysqld
のアップグレードをトリガーするステップがスキップされることがありました。この更新では、この問題に対処するために MySQL のアップグレードロジックが書き換えられました。 - BZ#2271411
- この更新の前は、Hitachi Block Storage ドライバーを使用してボリュームを削除すると、別のボリュームが削除され、予期しないデータ損失が発生する可能性がありました。この更新では Hitachi Block Storage ドライバーが更新され、ボリュームを削除する際に指定されたボリュームを期待どおりに削除するようになりました。
- BZ#2276551
- この更新の前は、Block Storage サービス (cinder) を Image サービス (glance) のイメージを保存するためのバックエンドとして使用していた場合、それらを同時に操作すると相互に妨げられ、いずれかの操作が失敗する可能性がありました。この更新により、Block Storage サービスと Image サービスの同時操作が相互に妨げられることがなくなります。
- BZ#2276865
-
この更新の前は、
tripleo_iptables
ロールはiptables
モジュールに依存しており、ルールチェーン内の特定の場所にルールを挿入できませんでした。この更新により、iptables
モジュールはnftables
モジュールに移行されます。nftables
使用して、ファイアウォールルールがオーバークラウドに適用されるようになりました。 - BZ#2278025
-
この更新の前は、GRUB 2 はデフォルトで LVM モジュールをロードしませんでした。その結果、RHOSP 16.2 から 17.1 へのアップグレード中に、UEFI モードでの Leapp アップグレード後にカスタムオーバークラウドイメージが起動しなくなりました。この更新により、EFI
grub.cfg
ファイルが LVM grub モジュールをロードし、Leapp のアップグレードを続行できるようになります。 - BZ#2283796
複数の CephFS ファイルシステムを持つ外部 Red Hat Ceph Storage クラスターで Shared File Systems サービス (manila) を使用する場合は、認可および認可取り消しのコンテキストでファイルシステム名を指定する必要があります。
この更新の前は、NFS の認可ワークフローでファイルシステム名を指名しないため、NFS-Ganesha サービスで NFS エクスポートが失敗していました。この更新により、Shared File Systems サービスは CephFS-NFS クライアントの認可時にファイルシステム名を指定し、NFS-Ganesha サービスで NFS エクスポートが成功するようになりました。
- BZ#2284095
-
以前の RHOSP リリースでは、ヘルスモニターを含む OVN ロードバランサーのすべてのメンバーが削除されても、ヘルスモニターのポートは削除されず、
ovsdb
に残りました。RHOSP 17.1.4 では、すべてのメンバーが OVN ロードバランサーから削除され、他の OVN ロードバランサーでヘルスモニターポートが必要なくなると、すべてのヘルスモニターポートが適切に削除されます。 - BZ#2290323
この更新の前は、Shared File Systems サービス (manila) と CephFS-NFS で設定された外部 Red Hat Ceph Storage クラスターがデプロイメントに含まれている場合、エクスポート設定が上書きされていました。RHOSP 17.1 オーバークラウドへのアップグレードまたは更新後、CephFS-NFS サービス (NFS-Ganesha) がエクスポート設定なしで起動し、クライアントが共有にアクセスできなくなっていました。
この更新により、ディレクターはエクスポート設定の有無を確認し、オーバークラウドのアップグレードおよび更新中にそれらを保持するようになりました。CephFS-NFS クライアントは、アップグレード手順と更新手順、および手順中の定期的な復元操作を通じて、引き続きデータにアクセスできます。
- BZ#2290400
- この更新の前は、多数のタグを持つインスタンスポートが原因で、非常に長いデータベースクエリーが発生し、インスタンスが作成時にタイムアウトする可能性がありました。この更新により、Networking サービスサーバーからタグをクエリーする方法が変更され、多数のタグを含むインスタンスを作成または移行する場合でもエラーが発生しなくなりました。
- BZ#2293368
この RHOSP 17.1.4 更新では、特定の状況でパケット転送遅延を引き起こすバグが修正されています。
このバグ修正の前は、RHOSP 17.1 デプロイメントに nft または iptables のフィルタールールと LOG アクションが含まれ、カーネルコマンドライン (/proc/cmdline) に console=tty50 がある場合、ロギングアクションによってパケット転送に大幅な遅延が発生する可能性がありました。
このバグ修正により、バグが修正され、遅延が解消されます。17.1.x から 17.1.4 への更新では、この修正は自動的に適用されません。修正が必要な場合は、17.1.4 に更新する前に、ナレッジベースソリューション Sometimes receiving packet(e.g. ICMP echo) has latency, around 190 ms に記載されている手順を実行してください。
- BZ#2293735
この更新の前は、Red Hat Ceph Storage の健全性検証中に 'cephadm command not found' エラーが発生し、RHOSP 16.2 から 17.1 へのアップグレードが失敗する可能性がありました。
このエラーを回避するために、
cephadm
ツールがインストールされていない場合は、Red Hat Ceph Storage の健全性検証は 'podman run' を使用して実行されるようになりました。- BZ#2294369
- 以前の RHOSP リリースでは、ユーザーはロードバランシングサービス (octavia) UDP ヘルスモニターの遅延を更新できませんでした。この問題は、UDP ヘルスモニターを設定するために使用されるパラメーターの検証におけるバグによって発生していました。RHOSP 17.1.4 ではこのバグが修正され、ユーザーは UDP ヘルスモニターの遅延を変更できるようになりました。
- BZ#2295757
-
この更新の前は、
systemd
ファイルの問題により、RHOSP 16.2 から 17.1 へのアップグレード中に ovn-controllers の再起動ループが発生していました。この問題により、ワークロード上の DHCP および DNS サービスが停止しました。今回の更新により、問題が修正されました。 - BZ#2298567
- この更新の前は、HPE 3par Block Storage ドライバーは、最新 WSAPI バージョンを実行している HPE ストレージをサポートできませんでした。この更新により、HPE 3par ドライバーは最新 WSAPI バージョンを実行している HPE ストレージをサポートできるようになります。
- BZ#2300098
この更新の前は、Shared File Systems サービス (manila) の共有ネットワークとして外部ネットワークを使用した場合、OVN の非互換性により、外部ストレージシステムにアタッチされた外部スイッチ上に作成されたポートに対して誤った ARP 応答が発生していました。仮想マシン、コンテナー、ベアメタルノードなどのクライアントマシンは、外部ネットワークにエクスポートされた共有にアクセスできませんでした。
この更新により、Shared File Systems サービスは OpenStack ネットワークポートのステータスを DOWN に設定し、OVN が Networking サービス (neutron) ポートを介して ARP 応答を設定できないようにします。代わりに、MAC アドレスは外部ポートから学習されます。クライアントマシンは、外部ネットワークにエクスポートされた共有にアクセスでき、Shared File Systems サービスにアクセス制御リスト (ACL) がある場合は共有をマウントできます。
- BZ#2306799
- この更新の前は、ロードバランサーは、同じロードバランサーのメンバーサブネットとしても使用されているサブネットにアタッチされたホストからの要求に応答できませんでした。これは、ロードバランサーの仮想 IP インターフェイスにデフォルトのネットワークルートがないために発生しました。RHOSP 17.1.4 では、欠落していたルートが追加され、接続が復元されました。
- BZ#2308089
以前の RHOSP リリースでは、IPv4 ロードバランサーへの接続が中断される可能性がありました。この問題は、IPv6 ロードバランサーの
ip_port_mappings
パラメーターで使用される誤った形式を修正するメンテナンスタスクの実行中に発生しました。このタスクでは、IPv6 ロードバランサーの誤った形式が修正されましたが、IPv4 ロードバランサーのip_port_mappings
パラメーターも誤って変更されました。この問題は解決され、メンテナンスタスクの実行後に IPv4 ロードバランサーの接続が中断されることはなくなりました。
- BZ#2308660
この更新では、一部の IPv6 デプロイメントで Neutron の障害と接続の喪失を引き起こしていたバグが修正されています。
一部の IPv6 デプロイメントでは、resolv.conf はスコープが (fe80::5054:ff:fe96:8af7%eth2) の IPv6 ネットワークを使用します。このスコープは、Neutron で使用される一部のライブラリーと互換性がありません。
この更新により、スコープを除外するためにアドレスがトリミングされ、非互換性が回避されます。
- BZ#2310889
- この更新の前は、qcow2v2 イメージからインスタンスを起動できませんでした。この更新により、フォーマットインスペクターに qcow2v2 イメージのサポートが追加され、qcow2v2 イメージからインスタンスを起動できるようになりました。
- BZ#2311465
-
この更新の前は、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 8.4 イメージには
GRUB_DEFAULT=saved
設定がありませんでした。デフォルトの 8.4 イメージを使用してオペレーティングシステムが作成されている場合、RHOSP 16.2 から 17.1 へのアップグレードで、アンダークラウドの再起動後にシステムのアップグレードが中断されました。この更新では、GRUB_DEFAULT=saved
設定が導入され、GRUB が保存されたオプションを起動し、デフォルトの RHEL 8.4 イメージにデプロイされたノードでシステムアップグレードが機能するようになります。 - BZ#2311875
-
この更新の前は、クラウドユーザーが専用 CPU と共有 CPU が混在するインスタンスを作成できるようにするフレーバー機能 (
hw:cpu_policy=mixed
) の混合 CPU ポリシーを追加することで、固定されていない NUMA トポロジーを持つインスタンス (hw:cpu_policy
がdedicated
に設定されていない) が、17.1.3 へのアップグレード後に再起動されませんでした。今回の更新により、この問題は修正されました。 - BZ#2315341
今回の更新以前は、DNS ネームサーバーに変更があった場合や、ドメイン名を変更するたびに、
os-net-config
スクリプトでホストインターフェイスを再起動する必要がありました。これは、RHOSP 17.1.4 から RHOSO 18.0.x データプレーンの導入時に問題となっていました。RHOSP 17.1.4 では、DNS サーバーの IP アドレスと検索ドメインが以前の設定に限られる場合にのみ、インターフェイスを再起動せずに DNS サーバーと検索ドメインをオンザフライで変更できるようになりました。DNS ネームサーバーと検索ドメインは ifcfg ファイルに書き込まれ、
/etc/resolv.conf
が更新されます。
3.1.3. 機能拡張
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) の本リリースでは、以下の機能拡張が提供されています。
- BZ#1954673
-
RHOSP 17.1.4 では、IPv6 専用ネットワークに接続されたインスタンスで Networking サービス (neutron) メタデータサービスが利用できるようになりました。インスタンスは、専用の IPv6 アドレス (
fe80::a9fe:a9fe
) を使用してメタデータサービスと通信できるようになりました。 - BZ#2192913
これにより、異なるテナントネットワーク上のインスタンス間のメッシュにおけるフラッディングを防止するように設定できる拡張機能が導入されます。
この更新の前は、DVR が有効で、VLAN テナントネットワークを使用する OVN または OVS メカニズムドライバーを備えた RHOSP 環境では、異なるテナントネットワークに接続されたインスタンス間の east/west トラフィックがファブリックにフラッディングされていました。
OVN メカニズムドライバーを使用する環境でこのフラッディングを防ぐために、パラメーター
OVNControllerGarpMaxTimeout
を設定できるようになりました。これにより、VLAN テナントネットワーク上のポートの MAC アドレスを通知する Gratuitous ARP パケットの送信頻度を、ovn-controller が制御できるようになりました。このパラメーターは、OVS メカニズムドライバーを使用する環境では使用できません。
- BZ#2262077
- RHOSP 17.1.4 にアップグレードする場合は、Networking サービス (neutron) を再起動する必要があります。Networking サービスは、メカニズムドライバー Open vSwitch (OVS) と Open Virtual Network (OVN) に依存します。OVS と OVN は両方とも、それぞれバージョン 3.3 とバージョン 24.03 に自動的にアップグレードされます。したがって、RHOSP 17.1.4 へのアップグレードはメンテナンス期間中に計画してください。詳細は、16.2 から 17.1 へのアップグレードフレームワーク を参照してください。
- BZ#2264238
-
コンピュートノード上のオペレーティングシステムに間違った
nova-libvirt
イメージを設定すると、RHOSP のアップグレードは失敗します。機能拡張により、誤ったイメージを持つコンピュートノード上の仮想マシンをオフにできなくなります。 - BZ#2269653
-
この更新により、
packing_host_numa_cells_allocation_strategy
パラメーターを使用して、ホストノードでインスタンスをスケジュールする際に Compute サービス (nova) が使用する配置ストラテジーを設定できるようになりました。ノードのリソースをすべて使用するまで、インスタンスを NUMA ノード全体に分散するか、同じホスト NUMA ノードにインスタンスをパックできます。この機能拡張により、インスタンスが PCI デバイスを要求しない場合に、PCI デバイスを持たない NUMA ノード上のインスタンスのスケジューリングも改善され、NUMA アフィニティーで PCI デバイスを要求するインスタンスに対して PCI デバイスが引き続き使用可能になる可能性が高くなります。 - BZ#2278832
- この機能拡張により、RHOSP 16.2 からのオーバークラウドのアップグレードを準備するときに、適切な CephFS-NFS リソースが有効になっていることを確認するための検証が導入されました。この検証は、環境内で CephFS-NFS と Shared File Systems サービス (manila) の使用が検出された場合にのみ実行されます。この検証により、CephFS-NFS サービスがアップグレードから誤って省略されることを防止できます。
- BZ#2290340
Shared File Systems サービス (manila) に、VAST Data Platform をサポートするストレージドライバーが含まれるようになりました。このドライバーを使用すると、スナップショットを通じて NFS 共有とポイントインタイムバックアップのプロビジョニングおよび管理を行えます。
このドライバーは、Red Hat OpenStack Services on OpenShift バージョン 18.0.4 に追加されます。
- BZ#2296256
- ファイバーチャネル経由の Block Storage サービス (cinder) を Image サービス (glance) のストレージバックエンドとして使用すると、イメージのダウンロード速度が RHOSP の以前のリリースよりも速くなります。
- BZ#2308677
-
tcp_htcp
モジュールを必要とするデプロイメントのために、kernel-modules-extra
パッケージがオーバークラウドイメージに追加されました。 - BZ#2321095
- この機能拡張により、NVMe-TCP プロトコルが組み込まれ、Block Storage Pure Storage バックエンドが改善されます。
3.1.4. テクノロジープレビュー
Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) のこのリリースでは、次のテクノロジープレビュー機能をテストできます。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。これらの機能は Red Hat サブスクリプションではサポートされていないため、Red Hat は実稼働環境での使用を推奨しません。テクノロジープレビュー機能のサポート範囲については、https://access.redhat.com/ja/support/offerings/techpreview を参照してください。
- BZ#2149301
RHOSP 17.1.4 では、リンクがオーバーサブスクライブされた場合に OVS-DPDK ボンディングでリンクフラッピングを回避するテクノロジープレビュー機能を使用できます。この機能拡張は、DPDK ボンディングのすべてのメンバーに
rx-steering=lacp+rss
オプションを設定することで使用できます。以下に例を示します。
$ ovs-vsctl add-bond br-dpdk0 dpdkbond0 dpdk0 dpdk1 -- \ set interface dpdk0 type=dpdk options:dpdk-devargs=0000:ca:00.0 \ options:rx-steering=rss+lacp -- \ set interface dpdk1 type=dpdk options:dpdk-devargs=0000:ca:00.1 \ options:rx-steering=rss+lacp
- BZ#2217663
RHOSP 17.1 では、オフロードされたトラフィック/フローの NIC ハードウェアにおける負荷分散を可能にする VF-LAG 送信ハッシュポリシーをオフロードするテクノロジープレビューが利用可能です。このハッシュポリシーは、レイヤー 3+4 のベースハッシュでのみ使用できます。
テクノロジープレビュー機能を使用するには、次の例に示すように、xmit ハッシュポリシーを有効にするボンディングオプションパラメーターがテンプレートに含まれていることを確認します。
bonding_options: "mode=802.3ad miimon=100 lacp_rate=fast xmit_hash_policy=layer3+4"
- BZ#2309656
-
RHOSP 17.1.4 では、
os-net-config
ツールのネットワーク設定テンプレートの一部として、ポートまたはインターフェイスに固有のデータセンターブリッジング (DCB) の Quality of Service (QoS) 設定を使用できます。これはテクノロジープレビュー機能です。詳細は、ナレッジベースアーティクル Feature Integration document - DCB for E2E QoS を参照してください。
3.1.5. リリースノート
このセクションでは、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) の注目すべき変更点や推奨プラクティスなど、今回のリリースに関する重要な情報を記載しています。お使いのデプロイメントに最大限の効果をもたらすために、以下の情報を考慮する必要があります。
- BZ#2077681
- RHOSP 17.1 は、ML2/OVN メカニズムドライバーを備えた環境で QoS 最小帯域幅をサポートしません。
- BZ#2276557
この更新では、新しいサンプル OVN ユーザー定義ルーターフレーバードライバー (neutron/neutron/services/ovn_l3/service_providers/user_defined.py の UserDefinedNoLsp クラス) が導入されました。
このドライバーにより、基盤となる論理スイッチポートが関連付けられていないルーターインターフェイスの作成が可能になります。このシナリオでは、Neutron はルーターインターフェイスの IP アドレスマネージャーとしてのみ機能します。これにより、ユーザー定義のルーターフレーバーは、OVN 処理をバイパスしながら、ルーターインターフェイスを通過するトラフィックを完全に制御できるようになります。
- BZ#2278562
-
ファームウェアアップグレード用のバイナリーに対応するために、
overcloud-hardened-uefi-full
イメージの/boot/efi
パーティションが 16 MiB から 200 MiB に増加されました。 - BZ#2280656
-
RHOSP 17.1.4 では、新しくデプロイされたオーバークラウドノードにおける
/var/log
パーティションのデフォルトサイズが 10 GiB から 25 GiB に変更されました。 - BZ#2294876
この更新では、"[ovn]" 設定セクションに
broadcast_arps_to_all_routers
という設定オプションが追加されます。このオプションは、OVN 23.06 で使用可能になった
broadcast-arps-to-all-routers
設定オプションを使用して外部ネットワークを設定します。このオプションはデフォルトで有効になっています。これにより、OVN はネットワーク上のすべての接続ポートに ARP 要求をフラッディングします。[ovn] broadcast_arps_to_all_routers=true
Broadcast_arps_to_all_routers
を無効にすると、ターゲット MAC アドレスが一致する場合に限り ARP 要求がネットワーク上のルーターに送信されます。ルーターに一致しない ARP 要求は、ルーター以外のポートにのみ転送されます。- BZ#2296291
-
RHOSP 16.2 から 17.1.4 にアップグレードすると、Ansible
iptables
モジュールは自動的にnftables
モジュールに移行されます。Puppet Tripleo ファイアウォールオプションも新しい形式に変更されます。ファイアウォールオプションの詳細は、Red Hat OpenStack Platform のハードニング の オーバークラウドファイアウォールへのサービスの追加 を参照してください。 - BZ#2310427
-
このリリースより前は、NVIDIA Mellanox カードで NIC パーティショニングを使用して RHOSP 16.x から RHOSP 17.x にアップグレードすると、Linux ボンディングで接続が失われていました。今回の更新により、この問題は修正されました。この修正を使用するには、RHOSP 17.1.4 にアップグレードする前に、ベアメタルノード定義ファイルで Ansible 変数
dpdk_extra
を設定してください。詳細は、ネットワーク機能仮想化の設定 の ベアメタルノード定義ファイルの作成 を参照してください。 - BZ#2320103
-
openstack tripleo container image
コマンドで--registry-url
オプションを使用して、アンダークラウドレジストリー以外のターゲットレジストリーを指定する場合、ターゲットレジストリーがセキュアでない場合は--insecure
オプションを使用する必要があります。
3.1.6. 既知の問題
現時点における Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) の既知の問題は以下のとおりです。
- BZ#2216209
- 現在、Load-balancing サービス (octavia) のデプロイメントでは、Ansible ワークフローがトリガーされるたびに、Ansible は amphora イメージを一時ディレクトリーにダンプします。Ansible ワークフローではこれらのイメージは自動的にクリーンアップされないため、スペース使用率の問題が発生する可能性があります。回避策: Red Hat ナレッジベースソリューション OpenStack deployments with octavia leave orphan amphora images を参照してください。
- BZ#2219830
RHOSP 17.1 には一時的なパケット損失の既知の問題があり、ハードウェア割り込み要求 (IRQ) が原因で OVS-DPDK PMD スレッドまたは DPDK アプリケーションを実行しているゲストで非自発的なコンテキストスイッチが発生します。
この問題は、デプロイメント中に多数の VF をプロビジョニングすると発生します。VF には IRQ が必要で、それぞれが物理 CPU にバインドされている必要があります。IRQ の容量を処理するのに十分なハウスキーピング CPU がない場合、
irqbalance
はすべての IRQ のバインドに失敗し、分離された CPU で IRQ がオーバーフローします。回避策: 次のアクションを 1 つ以上試してください。
- 未使用の VF がデフォルトの Linux ドライバーにバインドされたままになるのを避けるために、プロビジョニングされた VF の数を減らします。
- すべての IRQ を処理できるように、ハウスキーピング CPU の数を増やします。
- IRQ が分離された CPU に割り込むのを避けるために、未使用の VF ネットワークインターフェイスを強制的にダウンします。
- IRQ が分離された CPU に割り込むのを避けるために、未使用のダウンした VF ネットワークインターフェイス上のマルチキャストトラフィックとブロードキャストトラフィックを無効にします。
- BZ#2269564
- RHOSP 16.2 から 17.1 へのアップグレードに必要な時間は、環境内のノードの数に応じて長くなります。アップグレードの完了にかかる時間を短縮するために、ノードを複数のロールに分割できます。詳細は、Red Hat ナレッジベースアーティクル How to split roles during upgrade from RHOSP 16.2 to RHOSP 17.1 を参照してください。
- BZ#2282237
現在、IPv6 環境では、
os-net-config
で生成されたifcfg-*
ファイル内の IPv6 キーと値のペアIPV6_AUTOCONF=no
によって、システムがルーター広告に応答してデフォルトルートを設定することを妨げられないという既知の問題があります。回避策: この問題を修正するには、次の手順を実行します。
ルーター広告からデフォルトルートを学習しないようにするには
net.ipv6.conf.<interface>.accept_ra_defrtr=0
を設定し、システムがどのルートに対してもルーター広告を受け入れないようにするにはnet.ipv6.conf.<interface>.accept_ra=0
を設定します。これら両方の変数を、/etc/sysctl.conf
または/etc/sysctl.d/99-sysctl.conf
(またはそのサブディレクトリー内の別ファイル) で設定します。特定の各インターフェイスの場合:
net.ipv6.conf.<interface>.accept_ra_defrtr=0 net.ipv6.conf.<interface>.accept_ra=0
注記特定の各インターフェイスを設定すると、設定のオーバーライドを防止できます。
新規作成されたインターフェイスの場合:
net.ipv6.conf.default.accept_ra_defrtr=0 net.ipv6.conf.default.accept_ra=0
起動時に存在するすべてのインターフェイスの場合:
net.ipv6.conf.all.accept_ra_defrtr=0 net.ipv6.conf.all.accept_ra=0
以下のコマンドを実行します。
$ sudo sysctl -p
または、
sysctl
コマンドを実行してこれらの値を有効にし、sysctl.conf
ファイルに書き込むこともできます。特定の各インターフェイスの場合:
$ sudo sysctl -w net.ipv6.conf.<interface>.accept_ra_defrtr=0 $ sudo sysctl -w net.ipv6.conf.<interface>.accept_ra=0
注記特定の各インターフェイスを設定すると、設定のオーバーライドを防止できます。
新規作成されたインターフェイスの場合:
$ sudo sysctl -w net.ipv6.conf.default.accept_ra_defrtr=0 $ sudo sysctl -w net.ipv6.conf.default.accept_ra=0
起動時に存在するすべてのインターフェイスの場合:
$ sudo sysctl -w net.ipv6.conf.all.accept_ra_defrtr=0 $ sudo sysctl -w net.ipv6.conf.all.accept_ra=0
- BZ#2292053
RHOSP 16.2 から 17.1 にアップグレードする場合、環境に事前プロビジョニングされたノードが含まれていると、事前プロビジョニングされたノードが
baremetal-deployment.yaml
ファイルで正しく定義されていないため、openstack overcloud node provision
コマンドは失敗します。回避策: Red Hat ナレッジベースアーティクル LEAPP upgrade from 16.2 to 17.1 fails during overcloud node provisioning step when adding pre-provisioned nodes を参照してください。
- BZ#2294189
この更新では、パラメーター
fdb_removal_limit
およびmac_binding_removal_limit
の値が OVN データベースに適用されないバグが修正されています。値は解析されましたが、適用されませんでした。現在は、値がデータベースに適用されるようになりました。
- BZ#2305981
RHOSP 16.2 から 17.1 にアップグレードする場合、既知の問題により、システムのアップグレード中に GRUB に RHEL 8 エントリーではなく RHEL 7 エントリーが格納されます。その結果、ホストを再起動できなくなります。この問題は、RHOSP 13.0 以前を実行していた環境に影響します。
回避策: Red Hat ナレッジベースソリューション Openstack 16 to 17 FFU - During LEAPP upgrade UEFI systems do not boot due to invalid /boot/grub2/grub.cfg を参照してください。
- BZ#2308346
RHOSP 17.1 動的ルーティング環境では、Free Range Routing (FRR) コンテナーを再起動すると、予期しないネットワークの中断が発生する可能性があります。この中断は、再起動中に、一部の OVN BGP エージェントと FRR 設定がネットワークパケットを転送するためのルートを誤って削除し、設定がこれらのルートを再学習する必要があるために発生します。
回避策:
リーフノードにグレースフルリスタートオプションが設定されていることを確認します。
詳細は、Red Hat OpenStack Platform での動的ルーティングの設定 の リーフネットワークの設定 を参照してください。
-
frr
コンテナーを再起動した直後にovn-bgp-agent
コンテナーを再起動し、グレースフルリスタートオプションを含む新しい設定が再ロードされた後にエージェントが同期するのを待ちます。
- BZ#2313372
- RHOSP 17.1 GA、17.1.1、17.1.2 から RHOSP 17.1.4 への更新中に、Open Virtual Network (OVN) バックエンドを使用すると、OVN 更新の外部実行中にネットワーク API が短時間停止する可能性があります。
- BZ#2313764
-
現在、RHOSP の更新中に
os-net-config
でエラーが発生した場合、エラーが報告されず、管理者がネットワーク設定に問題があることに気付かないままデプロイメントが完了する可能性があります。回避策はありません。 - BZ#2313793
RHOSP 17.1 では、OVS エージェントを削除しても、Networking サービス (neutron) は
ovsdb
から対応する VXLAN エンドポイントを削除しません。この状況により、削除されたエージェントが実行されていたノードがまだアクティブであると誤って認識するという問題が L3 HA ルーターで発生する可能性があります。回避策: FIPs stopped working after network/controller node replacement を参照してください。
- BZ#2322497
-
現在、FRRouting と OVN BGP エージェントを使用して動的ルーティングを行う IPv6 環境では、コントロールプレーンとデータプレーンの両方で停止が発生する可能性があります。このような停止は、再起動、
ifdown
、ifup
のイベント後にトリガーされ、それにより新しい IPv6 ルートが学習され、BGP によって取得された IPv6 デフォルトルートが誤ってオーバーライドされる可能性があります。回避策: IPv6 ルーター要請を送信するインターフェイスで IPv6 ルーター要請を無効にします。 - BZ#2322938
-
現在、MTU が一致しない場合に通信ピアが不一致を認識せず、Networking サービス (neutron) が通知することなくパケットをドロップする可能性があります。この問題の原因は、OVN が
ICMP Fragmentation Needed
メッセージを送信できないことです。回避策: 大きすぎるパケットが送信されないように MTU 値を調整することが推奨されます。別の方法として、tripleo テンプレートでOVNEmitNeedToFrag
オプションを設定できます。詳細は、ナレッジベースソリューション Neutron ML2/OVN packet fragmentation problems を参照してください。 - BZ#2322948
IPv6 サブネットを作成する場合は、ネットワークの MTU が 1280 オクテット以上であることを確認してください。
IPv6 サブネットには少なくとも 1280 オクテットの MTU が必要ですが、RHOSP にはその要件を強制する検証プロセスが含まれていません。
- BZ#2323725
- RHOSP 17.0 環境が ML2/OVN を使用してデプロイされている場合、環境を RHOSP 17.0 から 17.1.4 に直接更新することはできません。まず RHOSP 17.0.1 に更新する必要があります。詳細は、Red Hat OpenStack Platform を最新状態に保つ を参照してください。
3.1.7. 非推奨の機能
このセクションには、サポートされなくなった機能、または Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) の今後のリリースでサポートされなくなる予定の機能を記載します。
- BZ#2303725
- RHOSP 17.1.4 では、OVS ハードウェアオフロードおよび VIRTIO データパスアクセラレーション (VDPA) 機能が非推奨になりました。これらの機能は、Red Hat OpenStack Services on OpenShift (RHOSO) 18 リリースで削除され、サポートされません。Red Hat は、現在のリリースのライフサイクル中にこの機能のバグ修正とサポートを提供しますが、この機能は今後、機能拡張を受け取らず、削除されます。ビジネス要件としていずれかの機能が必要な場合は、Red Hat サポートにお問い合わせください。