3.2. ストレージタイプ
各データセンターには、少なくとも 1 つのデータストレージドメインが必要です。データセンターごとに 1 つの ISO ストレージドメインも推奨されます。ストレージドメインのエクスポートは非推奨となっていますが、必要に応じて引き続き作成できます。
ストレージドメインは、ブロックデバイス (iSCSI またはファイバーチャネル) またはファイルシステムのいずれかで設定できます。
デフォルトでは、GlusterFS ドメインとローカルストレージドメインは 4K ブロックサイズをサポートします。4K ブロックサイズを使用すると、特に大きなファイルを使用する場合などに、パフォーマンスが向上します。また、VDO などの 4K 互換性を必要とするツールを使用する場合にも必要です。
GlusterFS Storage は非推奨になり、将来のリリースではサポートされなくなります。
現状、Red Hat Virtualization はブロックサイズ 4K のブロックストレージはサポートしていません。ブロックストレージはレガシー (512b ブロック) モードで設定する必要があります。
以下のセクションで説明するストレージタイプは、データストレージドメインとしての使用がサポートされます。ISO およびエクスポートストレージドメインは、ファイルベースのストレージタイプのみをサポートしています。ISO ドメインは、ローカルストレージ用のデータセンター内で使用される場合にローカルストレージをサポートします。
参照:
- Administration Guideの Storage
- Red Hat Enterprise Linux Storage Administration Guide
3.2.1. NFS
NFS バージョン 3 および 4 が、Red Hat Virtualization 4 でサポートされます。NFS が ISO ストレージドメインとしてしか使用されない限り、実稼働環境のワークロードには、エンタープライズレベルの NFS サーバーが必要です。エンタープライズ NFS が 10GbE でデプロイされ、VLAN で分離され、個別のサービスが特定のポートを使用するように設定される場合、高速かつセキュアになります。
NFS エクスポートはより多くのストレージニーズに対応して拡張されるため、Red Hat Virtualization はより大きなデータストアをすぐに認識します。ホスト上で、または Red Hat Virtualization 内から、追加の設定は必要ありません。これにより、スケーリングおよび運用上の面から、NFS にブロックストレージより若干の優位性がもたらされます。
参照:
- Red Hat Enterprise Linux Storage Administration Guideの Network File System (NFS)
- Administration Guideの Preparing and Adding NFS Storage
3.2.2. iSCSI
実稼働環境のワークロードには、エンタープライズレベルの iSCSI サーバーが必要です。エンタープライズ iSCSI が 10GbE でデプロイされ、VLAN で分離され、CHAP 認証が利用される場合、高速かつセキュアになります。また、iSCSI はマルチパスを使用して高可用性を改善することができます。
Red Hat Virtualization は、ブロックベースのストレージドメインごとに 1500 の論理ボリュームをサポートします。300 以下の LUN が許可されます。
参照:
- Red Hat Enterprise Linux Storage Administration Guideの Online Storage Management
- Administration Guideの Adding iSCSI Storage
3.2.3. ファイバーチャネル
ファイバーチャンネルは高速かつセキュアで、ターゲットのデータセンターですでに使用されている場合には活用する必要があります。また、iSCSI および NFS と比較して、CPU のオーバーヘッドが低くなるという利点があります。また、ファイバーチャンネルはマルチパスを使用して高可用性を改善することができます。
Red Hat Virtualization は、ブロックベースのストレージドメインごとに 1500 の論理ボリュームをサポートします。300 以下の LUN が許可されます。
参照:
- Red Hat Enterprise Linux Storage Administration Guideの Online Storage Management
- Administration Guideの Adding FCP Storage
3.2.4. Fibre Channel over Ethernet
Red Hat Virtualization で Fibre Channel over Ethernet (FCoE) を使用するには、Manager で fcoe キーを有効にし、ホスト上に vdsm-hook-fcoe パッケージをインストールする必要があります。
Red Hat Virtualization は、ブロックベースのストレージドメインごとに 1500 の論理ボリュームをサポートします。300 以下の LUN が許可されます。
参照:
- Red Hat Enterprise Linux Storage Administration Guideの Online Storage Management
- Administration Guideの How to Set Up Red Hat Virtualization Manager to Use FCoE
3.2.5. Red Hat Hyperconverged Infrastructure
Red Hat Hyperconverged Infrastructure (RHHI) は、Red Hat Virtualization をリモート Red Hat Gluster Storage サーバーに接続するのではなく、同じインフラストラクチャーに Red Hat Virtualization と Red Hat Gluster Storage を組み合わせます。このコンパクトオプションにより、運用費用やオーバーヘッドを削減します。
参照:
3.2.6. POSIX 準拠 FS
Red Hat Global File System 2 (GFS2) 等のクラスター化したファイルシステムで、かつスパースファイルおよびダイレクト I/O をサポートしている限り、他の POSIX 準拠のファイルシステムを Red Hat Virtualization のストレージドメインとして使用することができます。たとえば、Common Internet File System (CIFS) は、ダイレクト I/O をサポートしていないので、Red Hat Virtualization との互換性はありません。
参照:
- Red Hat Enterprise Linux Global File System 2
- Administration Guideの Adding POSIX Compliant File System Storage
3.2.7. ローカルストレージ
ローカルストレージは、ホスト独自のリソースを使用して個々のホスト上に設定されます。ホストがローカルストレージを使用するように設定すると、他のホストを追加することができない新規データセンターとクラスターに自動的に追加されます。単一ホストのクラスター内で作成された仮想マシンは、移行、フェンシング、スケジューリングはできません。
Red Hat Virtualization Host の場合は、必ず / (ルート) とは異なるファイルシステム上にローカルストレージを定義する必要があります。別の論理ボリュームまたはディスクを使用します。
Administration Guideの Preparing and Adding Local Storage を参照してください。