6.7. インフラストラクチャーサービス
tuned-ppd
、Valkey
、libcpuid
、dnsconfd
パッケージが利用可能になる
Red Hat Enterprise Linux には次のパッケージが含まれています。
-
tuned-ppd
:tune-ppd
はTuneD
をバックエンドとして使用するdrop-in power-profiles-daemon
の代替です。 -
Valkey
: Redis を置き換え、同じ機能を提供します。 -
libcpuid
:TuneD
で正確な CPU モデル識別を可能にします。 -
dnsconfd
: DNS キャッシュ、スプリット DNS、DNS over TLS、およびその他の DNS 機能のセットアップを簡素化するローカル DNS キャッシュ設定デーモン。
Jira:RHELDOCS-18925[1]
root ユーザーの GECOS フィールドが Super User
に変更される
以前は、GECOS/description のアプリケーション出力は root
と表示されていました。現在は、/etc/passwd
ファイル内のユーザー root
の GECOS/description が、root
から Super User
に変更されています。
Jira:RHELDOCS-18776[1]
dnsconfd
デーモンをインストールできるようになる
この機能拡張により、ローカル DNS キャッシュ設定デーモンである dnsconfd
をインストールできるようになりました。新しく設定されたデーモンにより、DNS キャッシュ、分割 DNS、DNS over TLS、およびその他の DNS 機能を簡単にセットアップできるようになります。
Jira:RHEL-34791[1]
Kea DHCP サーバーが ISC DHCP に置き換わる
Kea は、RHEL の新しい Dynamic Host Configuration Protocol (DHCP) サーバーソリューションです。Kea DHCP は、完全に機能する DHCPv4、DHCPv6、および Dynamic DNS サーバーを含む Internet Systems Consortium (ISC) の実装です。Kea DHCP サーバーには次の利点があります。
- モジュールフックを備えた拡張可能なサーバーソリューションです。
- REST API を介して再設定が可能になります。
- データ (リース) と実行環境を分離できる設計になっています。
Jira:RHEL-9306[1]
弱い暗号の無効化が CUPS 設定で可能になる
以前は、システム全体の暗号化ポリシーで弱い暗号を無効にし、その後 CUPS 設定を変更しても、設定の変更は有効になりませんでした。この機能拡張により、ユーザーがシステムポリシーを使用して特定の暗号化アルゴリズムを無効にしたい場合、CUPS 設定ファイルで SSLOptions NoSystem
が設定されていない限り、CUPS はシステム設定を考慮します。その場合、CUPS はシステム全体で無効化されたアルゴリズムを提供しなくなります。
その結果、Cupsd
と libcups
は、デフォルトでシステム暗号化ポリシーに従うようになります。次の設定ファイルで SSLOptions NoSystem
を設定することにより、暗号化ポリシーをオプトアウトできます。
-
/etc/cups/client.conf
:libcups
を使用するアプリケーション用 -
/etc/cups/cupsd.conf
:cupsd
デーモン用
NoSystem
の値を設定することは安全ではありません。これは、システムの暗号ポリシーによって無効にされている弱いアルゴリズムが有効化される可能性があるためです。これは、通信相手側がより優れた暗号化アルゴリズムをサポートしていない場合にのみ、使用する必要があります。
Jira:RHEL-68415[1]