4.2. CRI-O パラメーターを編集するための ContainerRuntimeConfig CR の作成
特定のマシン設定プール (MCP) に関連付けられたノードの OpenShift Container Platform CRI-O ランタイムに関連付けられる設定の一部を変更することができます。ContainerRuntimeConfig
カスタムリソース (CR) を使用して、設定値を設定し、MCP に一致するラベルを追加します。次に、MCO は関連付けられたノードで crio.conf
および storage.conf
設定ファイルを更新された値を使用して再ビルドします。
ContainerRuntimeConfig
CR を使用して実装された変更を元に戻すには、CR を削除する必要があります。マシン設定プールからラベルを削除しても、変更は元に戻されません。
ContainerRuntimeConfig
CR を使用して以下の設定を変更することができます。
PID 制限:
ContainerRuntimeConfig
での PID 制限の設定は非推奨になる予定です。PID 制限が必要な場合は、代わりにKubeletConfig
CR のpodPidsLimit
フィールドを使用することを推奨します。デフォルトのpodPidsLimit
値は4096
で、デフォルトのpids_limit
値は0
です。podPidsLimit
がpids_limit
より低いと、有効なコンテナー PID 制限はpodPidsLimit
に設定された値により定義されます。注記CRI-O フラグはコンテナーの cgroup に適用され、Kubelet フラグは Pod の cgroup に設定されます。それに応じて PID 制限を調整してください。
-
Log level:
logLevel
パラメーターは CRI-Olog_level
パラメーターを設定します。これはログメッセージの詳細レベルです。デフォルトはinfo
(log_level = info
) です。他のオプションには、fatal
、panic
、error
、warn
、debug
、およびtrace
が含まれます。 -
Overlay size:
overlaySize
パラメーターは、コンテナーイメージの最大サイズである CRI-O Overlay ストレージドライバーのsize
パラメーターを設定します。 -
最大ログサイズ:
ContainerRuntimeConfig
での最大ログサイズの設定は非推奨になる予定です。最大ログサイズが必要な場合は、代わりにKubeletConfig
CR のcontainerLogMaxSize
フィールドを使用することを推奨します。 -
コンテナーランタイム:
defaultRuntime
パラメーターは、コンテナーランタイムをrunc
またはcrun
に設定します。デフォルトはrunc
です。
マシン設定プールごとに、そのプールに加える設定変更をすべて含めて、ContainerRuntimeConfig
CR を 1 つ割り当てる必要があります。同じコンテンツをすべてのプールに適用している場合には、すべてのプールに必要となるのは ContainerRuntimeConfig
CR 1 つだけです。
既存の ContainerRuntimeConfig
CR を編集して既存の設定を編集するか、変更ごとに新規 CR を作成する代わりに新規の設定を追加する必要があります。異なるマシン設定プールを変更する場合や、変更が一時的で元に戻すことができる場合のみ、新しい ContainerRuntimeConfig
CR の作成を推奨しています。
必要に応じて複数の ContainerRuntimeConfig
CR を作成できます。この場合、制限はクラスターごとに 10 個となっています。最初の ContainerRuntimeConfig
CR について、MCO は containerruntime
で追加されたマシン設定を作成します。それぞれの後続の CR で、コントローラーは数字の接尾辞が付いた新規の containerruntime
マシン設定を作成します。たとえば、containerruntime
マシン設定に -2
接尾辞がある場合、次の containerruntime
マシン設定が -3
を付けて追加されます。
マシン設定を削除する場合、制限を超えないようにそれらを逆の順序で削除する必要があります。たとえば、containerruntime-3
マシン設定を、containerruntime-2
マシン設定を削除する前に削除する必要があります。
接尾辞が containerruntime-9
のマシン設定があり、別の ContainerRuntimeConfig
CR を作成する場合には、containerruntime
マシン設定が 10 未満の場合でも新規マシン設定は作成されません。
複数の ContainerRuntimeConfig
CR を示す例
$ oc get ctrcfg
出力例
NAME AGE ctr-overlay 15m ctr-level 5m45s
複数の containerruntime
マシン設定を示す例
$ oc get mc | grep container
出力例
... 01-master-container-runtime b5c5119de007945b6fe6fb215db3b8e2ceb12511 3.2.0 57m ... 01-worker-container-runtime b5c5119de007945b6fe6fb215db3b8e2ceb12511 3.2.0 57m ... 99-worker-generated-containerruntime b5c5119de007945b6fe6fb215db3b8e2ceb12511 3.2.0 26m 99-worker-generated-containerruntime-1 b5c5119de007945b6fe6fb215db3b8e2ceb12511 3.2.0 17m 99-worker-generated-containerruntime-2 b5c5119de007945b6fe6fb215db3b8e2ceb12511 3.2.0 7m26s ...
次の例では、log_level
フィールドを debug
に設定し、オーバーレイサイズを 8 GB に設定します。
ContainerRuntimeConfig
CR の例
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: ContainerRuntimeConfig metadata: name: overlay-size spec: machineConfigPoolSelector: matchLabels: pools.operator.machineconfiguration.openshift.io/worker: '' 1 containerRuntimeConfig: logLevel: debug 2 overlaySize: 8G 3 defaultRuntime: "crun" 4
手順
ContainerRuntimeConfig
CR を使用して CRI-O 設定を変更するには、以下を実行します。
ContainerRuntimeConfig
CR の YAML ファイルを作成します。apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: ContainerRuntimeConfig metadata: name: overlay-size spec: machineConfigPoolSelector: matchLabels: pools.operator.machineconfiguration.openshift.io/worker: '' 1 containerRuntimeConfig: 2 logLevel: debug overlaySize: 8G
ContainerRuntimeConfig
CR を作成します。$ oc create -f <file_name>.yaml
CR が作成されたことを確認します。
$ oc get ContainerRuntimeConfig
出力例
NAME AGE overlay-size 3m19s
新規の
containerruntime
マシン設定が作成されていることを確認します。$ oc get machineconfigs | grep containerrun
出力例
99-worker-generated-containerruntime 2c9371fbb673b97a6fe8b1c52691999ed3a1bfc2 3.2.0 31s
すべてが準備状態にあるものとして表示されるまでマシン設定プールをモニターします。
$ oc get mcp worker
出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING DEGRADED MACHINECOUNT READYMACHINECOUNT UPDATEDMACHINECOUNT DEGRADEDMACHINECOUNT AGE worker rendered-worker-169 False True False 3 1 1 0 9h
設定が CRI-O で適用されたことを確認します。
マシン設定プールのノードに対して
oc debug
セッションを開き、chroot /host
を実行します。$ oc debug node/<node_name>
sh-4.4# chroot /host
crio.conf
ファイルの変更を確認します。sh-4.4# crio config | grep 'log_level'
出力例
log_level = "debug"
`storage.conf` ファイルの変更を確認します。
sh-4.4# head -n 7 /etc/containers/storage.conf
出力例
[storage] driver = "overlay" runroot = "/var/run/containers/storage" graphroot = "/var/lib/containers/storage" [storage.options] additionalimagestores = [] size = "8G"