2.4. RHCOS のカーネル引数でのマルチパスの有効化
インストール時のマルチパスの有効化が、OpenShift Container Platform 4.8 以降のバージョンでプロビジョニングされるノードでサポートおよび推奨されるようになりました。非最適化パスに対して I/O があると、I/O システムエラーが発生するように設定するには、インストール時にマルチパスを有効にする必要があります。インストール時にマルチパスを有効にする方法の詳細は、ベアメタルへのインストール ドキュメントの「インストール後のマルチパスの有効化」を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) はプライマリーディスクでのマルチパスをサポートするようになり、ハードウェア障害に対する対障害性が強化され、ホストの可用性を強化できるようになりました。インストール後のサポートは、マシン設定を使用してマルチパスをアクティベートすることで利用できます。
IBM Z® および IBM® LinuxONE では、インストール時にクラスターを設定した場合のみマルチパスを有効にできます。詳細は、IBM Z® および IBM® LinuxONE への z/VM を使用したクラスターのインストール の RHCOS の「インストールおよび OpenShift Container Platform ブートストラッププロセスの開始」を参照してください。
OpenShift Container Platform 4.16 クラスターが、マルチパスが設定された IBM Power® の "vSCSI" ストレージを持つ単一の VIOS ホストでインストール後のアクティビティーとしてインストールまたは設定されている場合、マルチパスが有効になっている CoreOS ノードは起動に失敗します。ノードに使用できるパスは 1 つだけなので、これは想定内の動作です。
前提条件
- バージョン 4.7 以降を使用する OpenShift Container Platform クラスターが実行中である。
- 管理者権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。
- ディスクでマルチパスが有効になっていることを確認しました。マルチパスは、HBA アダプターを介して SAN に接続されているホストでのみサポートされます。
手順
インストール後にコントロールプレーンノードでマルチパスを有効にするには、以下を実行します。
以下の例のように、
master
ラベルを追加し、マルチパスカーネル引数を特定するようクラスターに指示する99-master-kargs-mpath.yaml
などのマシン設定ファイルを作成します。apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: "master" name: 99-master-kargs-mpath spec: kernelArguments: - 'rd.multipath=default' - 'root=/dev/disk/by-label/dm-mpath-root'
インストール後にワーカーノードでマルチパスを有効にするには、以下を実行します。
worker
ラベルを追加し、マルチパスカーネル引数などを特定するようクラスターに指示する99-worker-kargs-mpath.yaml
などのマシン設定ファイルを作成します。apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: "worker" name: 99-worker-kargs-mpath spec: kernelArguments: - 'rd.multipath=default' - 'root=/dev/disk/by-label/dm-mpath-root'
以前に作成したマスターまたはワーカー YAML ファイルのいずれかを使用して新規のマシン設定を作成します。
$ oc create -f ./99-worker-kargs-mpath.yaml
マシン設定で新規の追加内容を確認します。
$ oc get MachineConfig
出力例
NAME GENERATEDBYCONTROLLER IGNITIONVERSION AGE 00-master 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 00-worker 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-master-container-runtime 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-master-kubelet 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-worker-container-runtime 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 01-worker-kubelet 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 99-master-generated-registries 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 99-master-ssh 3.2.0 40m 99-worker-generated-registries 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m 99-worker-kargs-mpath 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 105s 99-worker-ssh 3.2.0 40m rendered-master-23e785de7587df95a4b517e0647e5ab7 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m rendered-worker-5d596d9293ca3ea80c896a1191735bb1 52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9 3.2.0 33m
ノードを確認します。
$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION ip-10-0-136-161.ec2.internal Ready worker 28m v1.29.4 ip-10-0-136-243.ec2.internal Ready master 34m v1.29.4 ip-10-0-141-105.ec2.internal Ready,SchedulingDisabled worker 28m v1.29.4 ip-10-0-142-249.ec2.internal Ready master 34m v1.29.4 ip-10-0-153-11.ec2.internal Ready worker 28m v1.29.4 ip-10-0-153-150.ec2.internal Ready master 34m v1.29.4
変更が適用されているため、各ワーカーノードのスケジューリングが無効にされていることを確認できます。
ワーカーノードのいずれかに移動し、カーネルコマンドライン引数 (ホストの
/proc/cmdline
内) をリスト表示して、カーネル引数が機能することを確認します。$ oc debug node/ip-10-0-141-105.ec2.internal
出力例
Starting pod/ip-10-0-141-105ec2internal-debug ... To use host binaries, run `chroot /host` sh-4.2# cat /host/proc/cmdline ... rd.multipath=default root=/dev/disk/by-label/dm-mpath-root ... sh-4.2# exit
追加したカーネル引数が表示されるはずです。
関連情報
- インストール時にマルチパスを有効にする場合の詳細は、RHCOS のカーネル引数でのマルチパスの有効化 を参照してください。