2.6. Red Hat が提供する Operator カタログ
Red Hat は、デフォルトで OpenShift Container Platform に含まれる複数の Operator カタログを提供します。
OpenShift Container Platform 4.11 の時点で、デフォルトの Red Hat が提供する Operator カタログは、ファイルベースのカタログ形式でリリースされます。OpenShift Container Platform 4.6 から 4.10 までのデフォルトの Red Hat が提供する Operator カタログは、非推奨の SQLite データベース形式でリリースされました。
opm
サブコマンド、フラグ、および SQLite データベース形式に関連する機能も非推奨となり、今後のリリースで削除されます。機能は引き続きサポートされており、非推奨の SQLite データベース形式を使用するカタログに使用する必要があります。
opm index prune
などの SQLite データベース形式を使用する opm
サブコマンドおよびフラグの多くは、ファイルベースのカタログ形式では機能しません。ファイルベースのカタログを使用する方法の詳細は、カスタムカタログの管理、Operator Framework パッケージ形式、および oc-mirror プラグインを使用した非接続インストールのイメージのミラーリング を参照してください。
2.6.1. Operator カタログについて
Operator カタログは、Operator Lifecycle Manager (OLM) がクエリーを行い、Operator およびそれらの依存関係をクラスターで検出し、インストールできるメタデータのリポジトリーです。OLM は最新バージョンのカタログから Operator を常にインストールします。
Operator Bundle Format に基づくインデックスイメージは、カタログのコンテナー化されたスナップショットです。これは、Operator マニフェストコンテンツのセットへのポインターのデータベースが含まれるイミュータブルなアーティファクトです。カタログはインデックスイメージを参照し、クラスター上の OLM のコンテンツを調達できます。
カタログが更新されると、Operator の最新バージョンが変更され、それ以前のバージョンが削除または変更される可能性があります。さらに OLM がネットワークが制限された環境の OpenShift Container Platform クラスターで実行される場合、最新のコンテンツをプルするためにインターネットからカタログに直接アクセスすることはできません。
クラスター管理者は、Red Hat が提供するカタログをベースとして使用して、またはゼロから独自のカスタムインデックスイメージを作成できます。これを使用して、クラスターのカタログコンテンツを調達できます。独自のインデックスイメージの作成および更新により、クラスターで利用可能な Operator のセットをカスタマイズする方法が提供され、また前述のネットワークが制限された環境の問題を回避することができます。
Kubernetes は定期的に特定の API を非推奨とし、後続のリリースで削除します。その結果、Operator は API を削除した Kubernetes バージョンを使用する OpenShift Container Platform のバージョン以降、削除された API を使用できなくなります。
クラスターがカスタムカタログを使用している場合に、Operator の作成者がプロジェクトを更新してワークロードの問題や、互換性のないアップグレードを回避できるようにする方法は Operator の互換性の OpenShift Container Platform バージョンへの制御 を参照してください。
レガシー形式をしようしたカスタムのカタログなど、Operator のレガシー パッケージマニフェスト形式 のサポートは、OpenShift Container Platform 4.8 以降で削除されます。
カスタムカタログイメージを作成する場合、OpenShift Container Platform 4 の以前のバージョンでは、複数のリリースで非推奨となった oc adm catalog build
コマンドの使用が必要でしたが、これは削除されました。OpenShift Container Platform 4.6 以降で Red Hat が提供するインデックスイメージが利用可能になると、カタログビルダーは opm index
コマンドを使用してインデックスイメージを管理する必要があります。
2.6.2. Red Hat が提供する Operator カタログについて
Red Hat が提供するカタログソースは、デフォルトで openshift-marketplace
namespace にインストールされます。これにより、すべての namespace でクラスター全体でカタログを利用できるようになります。
以下の Operator カタログは Red Hat によって提供されます。
カタログ | インデックスイメージ | 説明 |
---|---|---|
|
| Red Hat によってパッケージ化され、出荷される Red Hat 製品。Red Hat によってサポートされます。 |
|
| 大手独立系ソフトウェアベンダー (ISV) の製品。Red Hat は ISV とのパートナーシップにより、パッケージ化および出荷を行います。ISV によってサポートされます。 |
|
| Red Hat Marketplace から購入できる認定ソフトウェア。 |
|
| redhat-openshift-ecosystem/community-operators-prod/operators GitHub リポジトリーで、関連する担当者によって保守されているソフトウェア。正式なサポートはありません。 |
クラスターのアップグレード時に、Red Hat が提供するデフォルトのカタログソースのインデックスイメージのタグは、Operator Lifecycle Manager (OLM) が最新版のカタログをプルするように、Cluster Version Operator (CVO) により自動更新されます。たとえば、OpenShift Container Platform 4.8 から 4.9 にアップグレードする場合には、redhat-operators
カタログの CatalogSource
オブジェクトの spec.image
フィールドは、以下から更新されます。
registry.redhat.io/redhat/redhat-operator-index:v4.8
更新後は次のようになります。
registry.redhat.io/redhat/redhat-operator-index:v4.9