5.11. Linux cgroup の設定


OpenShift Container Platform 4.14 以降、OpenShift Container Platform はクラスター内で Linux コントロールグループバージョン 2 (cgroup v2) を使用します。OpenShift Container Platform 4.13 以前で cgroup v1 を使用している場合、OpenShift Container Platform 4.14 以降に移行しても、cgroup 設定はバージョン 2 に自動的に更新されません。OpenShift Container Platform 4.14 以降の新規インストールでは、デフォルトで cgroup v2 が使用されます。ただし、インストール時に Linux コントロールグループバージョン 1 (cgroup v1) を有効にできます。

cgroup v2 は、Linux cgroup API の現行バージョンです。cgroup v2 では、統一された階層、安全なサブツリー委譲、Pressure Stall Information 等の新機能、および強化されたリソース管理および分離など、cgroup v1 に対していくつかの改善が行われています。ただし、cgroup v2 には、cgroup v1 とは異なる CPU、メモリー、および I/O 管理特性があります。したがって、一部のワークロードでは、cgroup v2 を実行するクラスター上のメモリーまたは CPU 使用率にわずかな違いが発生する可能性があります。

必要に応じて、cgroup v1 と cgroup v2 の間で変更できます。OpenShift Container Platform で cgroup v1 を有効にすると、クラスター内のすべての cgroup v2 コントローラーと階層が無効になります。

重要

cgroup v1 は非推奨の機能です。非推奨の機能は依然として OpenShift Container Platform に含まれており、引き続きサポートされますが、この製品の今後のリリースで削除されるため、新規デプロイメントでの使用は推奨されません。

OpenShift Container Platform で非推奨となったか、削除された主な機能の最新の一覧は、OpenShift Container Platform リリースノートの 非推奨および削除された機能 セクションを参照してください。

前提条件

  • OpenShift Container Platform クラスター (バージョン 4.12 以降) が実行中。
  • 管理者権限を持つユーザーとしてクラスターにログインしている。

手順

  1. ノードで cgroup v1 を有効にします。

    1. node.config オブジェクトを編集します。

      $ oc edit nodes.config/cluster
    2. Add spec.cgroupMode: "v1":

      node.config オブジェクトの例

      apiVersion: config.openshift.io/v2
      kind: Node
      metadata:
        annotations:
          include.release.openshift.io/ibm-cloud-managed: "true"
          include.release.openshift.io/self-managed-high-availability: "true"
          include.release.openshift.io/single-node-developer: "true"
          release.openshift.io/create-only: "true"
        creationTimestamp: "2022-07-08T16:02:51Z"
        generation: 1
        name: cluster
        ownerReferences:
        - apiVersion: config.openshift.io/v2
          kind: ClusterVersion
          name: version
          uid: 36282574-bf9f-409e-a6cd-3032939293eb
        resourceVersion: "1865"
        uid: 0c0f7a4c-4307-4187-b591-6155695ac85b
      spec:
        cgroupMode: "v1" 1
      ...

      1
      cgroup v1 を有効にします。

検証

  1. マシン設定をチェックして、新しいマシン設定が追加されたことを確認します。

    $ oc get mc

    出力例

    NAME                                               GENERATEDBYCONTROLLER                      IGNITIONVERSION   AGE
    00-master                                          52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    00-worker                                          52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    01-master-container-runtime                        52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    01-master-kubelet                                  52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    01-worker-container-runtime                        52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    01-worker-kubelet                                  52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    97-master-generated-kubelet                        52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    99-worker-generated-kubelet                        52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    99-master-generated-registries                     52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    99-master-ssh                                                                                 3.2.0             40m
    99-worker-generated-registries                     52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    99-worker-ssh                                                                                 3.2.0             40m
    rendered-master-23d4317815a5f854bd3553d689cfe2e9   52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             10s 1
    rendered-master-23e785de7587df95a4b517e0647e5ab7   52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    rendered-worker-5d596d9293ca3ea80c896a1191735bb1   52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             33m
    rendered-worker-dcc7f1b92892d34db74d6832bcc9ccd4   52dd3ba6a9a527fc3ab42afac8d12b693534c8c9   3.2.0             10s

    1
    予想どおり、新しいマシン設定が作成されます。
  2. 新しい kernelArguments が新しいマシン設定に追加されたことを確認します。

    $ oc describe mc <name>

    cgroup v1 の出力例

    apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v2
    kind: MachineConfig
    metadata:
      labels:
        machineconfiguration.openshift.io/role: worker
      name: 05-worker-kernelarg-selinuxpermissive
    spec:
      kernelArguments:
        systemd.unified_cgroup_hierarchy=0 1
        systemd.legacy_systemd_cgroup_controller=1 2

    1
    cgroup v2 を無効にします。
    2
    systemd で cgroup v1 を有効にします。
  3. ノードをチェックして、ノードのスケジューリングが無効になっていることを確認します。これは、変更が適用されていることを示しています。

    $ oc get nodes

    出力例

    NAME                                       STATUS                     ROLES    AGE   VERSION
    ci-ln-fm1qnwt-72292-99kt6-master-0         Ready,SchedulingDisabled   master   58m   v1.29.4
    ci-ln-fm1qnwt-72292-99kt6-master-1         Ready                      master   58m   v1.29.4
    ci-ln-fm1qnwt-72292-99kt6-master-2         Ready                      master   58m   v1.29.4
    ci-ln-fm1qnwt-72292-99kt6-worker-a-h5gt4   Ready,SchedulingDisabled   worker   48m   v1.29.4
    ci-ln-fm1qnwt-72292-99kt6-worker-b-7vtmd   Ready                      worker   48m   v1.29.4
    ci-ln-fm1qnwt-72292-99kt6-worker-c-rhzkv   Ready                      worker   48m   v1.29.4

  4. ノードが Ready 状態に戻ったら、そのノードのデバッグセッションを開始します。

    $ oc debug node/<node_name>
  5. /host をデバッグシェル内のルートディレクトリーとして設定します。

    sh-4.4# chroot /host
  6. sys/fs/cgroup/cgroup2fs ファイルがノードに存在することを確認します。このファイルは cgroup v1 によって作成されます。

    $ stat -c %T -f /sys/fs/cgroup

    出力例

    cgroup2fs

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