2.2. OpenShift Container Platform Ingress Operator
OpenShift Container Platform クラスターを作成すると、クラスターで実行している Pod およびサービスにはそれぞれ独自の IP アドレスが割り当てられます。IP アドレスは、近くで実行されている他の Pod やサービスからアクセスできますが、外部クライアントの外部からはアクセスできません。
Ingress Operator を使用すると、ルーティングを処理する 1 つ以上の HAProxy ベースの Ingress Controller をデプロイおよび管理することにより、外部クライアントがサービスにアクセスできるようになります。OpenShift Container Platform Route
および Kubernetes Ingress
リソースを指定して、トラフィックをルーティングするために Ingress Operator を使用します。endpointPublishingStrategy
タイプおよび内部負荷分散を定義する機能などの Ingress Controller 内の設定は、Ingress Controller エンドポイントを公開する方法を提供します。
2.2.1. ルートと Ingress の比較
OpenShift Container Platform の Kubernetes Ingress リソースは、クラスター内で Pod として実行される共有ルーターサービスと共に Ingress Controller を実装します。Ingress トラフィックを管理する最も一般的な方法は Ingress Controller を使用することです。他の通常の Pod と同様にこの Pod をスケーリングし、複製できます。このルーターサービスは、オープンソースのロードバランサーソリューションである HAProxy をベースとしています。
OpenShift Container Platform ルートは、クラスターのサービスに Ingress トラフィックを提供します。ルートは、Blue-Green デプロイメント向けに TLS 再暗号化、TLS パススルー、分割トラフィックなどの標準の Kubernetes Ingress Controller でサポートされない可能性のある高度な機能を提供します。
Ingress トラフィックは、ルートを介してクラスターのサービスにアクセスします。ルートおよび Ingress は、Ingress トラフィックを処理する主要なリソースです。Ingress は、外部要求を受け入れ、ルートに基づいてそれらを委譲するなどのルートと同様の機能を提供します。ただし、Ingress では、特定タイプの接続 (HTTP/2、HTTPS およびサーバー名 ID(SNI)、ならび証明書を使用した TLS のみを許可できます。OpenShift Container Platform では、ルートは、Ingress リソースで指定される各種の条件を満たすために生成されます。