6.2. AWS Load Balancer Operator


6.2.1. AWS Load Balancer Operator リリースノート

AWS Load Balancer (ALB) Operator は、AWSLoadBalancerController リソースのインスタンスをデプロイおよび管理します。

重要

AWS Load Balancer (ALB) Operator は、x86_64 アーキテクチャーでのみサポートされます。

これらのリリースノートは、OpenShift Container Platform での AWS Load Balancer Operator の開発を追跡します。

AWS Load Balancer Operator の概要は、OpenShift Container Platform の AWS Load Balancer Operator を参照してください。

注記

AWS Load Balancer Operator は現在、AWS GovCloud をサポートしていません。

6.2.1.1. AWS Load Balancer Operator 1.1.1

AWS Load Balancer Operator バージョン 1.1.1 では、以下のアドバイザリーを利用できます。

6.2.1.2. AWS Load Balancer Operator 1.1.0

AWS Load Balancer Operator バージョン 1.1.0 は、AWS Load Balancer Controller バージョン 2.4.4 をサポートします。

AWS Load Balancer Operator バージョン 1.1.0 では、以下のアドバイザリーを利用できます。

6.2.1.2.1. 大きな変更
  • このリリースでは、Kubernetes API バージョン 0.27.2 を使用します。
6.2.1.2.2. 新機能
  • AWS Load Balancer Operator は、Cloud Credential Operator を使用して標準化された Security Token Service (STS) フローをサポートするようになりました。
6.2.1.2.3. バグ修正
  • FIPS 準拠のクラスターでは、TLS バージョン 1.2 を使用する必要があります。以前は、AWS Load Balancer Controller の Webhook は最小バージョンとして TLS 1.3 のみを受け入れていたため、FIPS 準拠のクラスターで次のようなエラーが発生しました。

    remote error: tls: protocol version not supported

    現在、AWS Load Balancer Controller は TLS 1.2 を最小 TLS バージョンとして受け入れ、この問題は解決されています。(OCPBUGS-14846)

6.2.1.3. AWS Load Balancer Operator 1.0.1

AWS Load Balancer Operator バージョン 1.0.1 では、以下のアドバイザリーを利用できます。

6.2.1.4. AWS Load Balancer Operator 1.0.0

このリリースで、AWS Load Balancer Operator の一般提供が開始されました。AWS Load Balancer Operator バージョン 1.0.0 は、AWS Load Balancer Controller バージョン 2.4.4 をサポートします。

AWS Load Balancer Operator バージョン 1.0.0 では、以下のアドバイザリーを利用できます。

重要

AWS Load Balancer (ALB) Operator バージョン 1.x.x は、テクノロジープレビューバージョン 0.x.x から自動的にアップグレードできません。以前のバージョンからアップグレードするには、ALB オペランドをアンインストールし、aws-load-balancer-operator namespace を削除する必要があります。

6.2.1.4.1. 大きな変更
  • このリリースでは、新しい v1 API バージョンを使用しています。
6.2.1.4.2. バグ修正
  • 以前のバージョンでは、AWS Load Balancer Operator によってプロビジョニングされたコントローラーは、クラスター全体のプロキシー設定を適切に使用しませんでした。これらの設定は、コントローラーに正しく適用されるようになりました。(OCPBUGS-4052OCPBUGS-5295)

6.2.1.5. 以前のバージョン

AWS Load Balancer Operator の最初の 2 つのバージョンは、テクノロジープレビュー機能として利用できます。これらのバージョンは、実稼働クラスターで使用しないでください。Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

AWS Load Balancer Operator バージョン 0.2.0 では、以下のアドバイザリーを利用できます。

AWS Load Balancer Operator バージョン 0.0.1 では、以下のアドバイザリーを利用できます。

6.2.2. OpenShift Container Platform の AWS Load Balancer Operator

AWS Load Balancer Operator は、AWS Load Balancer Controller をデプロイおよび管理します。OpenShift Container Platform Web コンソールまたは CLI を使用して、OperatorHub から AWS Load Balancer Operator をインストールできます。

6.2.2.1. AWS Load Balancer Operator に関する考慮事項

AWS Load Balancer Operator をインストールして使用する前に、次の制限事項を確認してください。

  • IP トラフィックモードは、AWS Elastic Kubernetes Service (EKS) でのみ機能します。AWS Load Balancer Operator は、AWS Load Balancer Controller の IP トラフィックモードを無効にします。IP トラフィックモードを無効にすると、AWS Load Balancer Controller は Pod readiness ゲートを使用できません。
  • AWS Load Balancer Operator は --disable-ingress-class-annotation--disable-ingress-group-name-annotation などのコマンドラインフラグを AWS Load Balancer Controller に追加します。したがって、AWS Load Balancer Operator では、Ingress リソースで kubernetes.io/ingress.class および alb.ingress.kubernetes.io/group.name アノテーションを使用できません。
  • SVC タイプが NodePort (LoadBalancerClusterIP ではない) になるように AWS Load Balancer Operator を設定しておくようにしてください。

6.2.2.2. AWS Load Balancer Operator

AWS Load Balancer Operator は kubernetes.io/role/elb タグがない場合に、パブリックサブネットにタグを付けることができます。また、AWS Load Balancer Operator は、基盤となる AWS クラウドから次の情報を検出します。

  • Operator をホストするクラスターがデプロイされる仮想プライベートクラウド (VPC) の ID。
  • 検出された VPC のパブリックおよびプライベートサブネット。

AWS Load Balancer Operator は、インスタンス ターゲットタイプのみで Network Load Balancer (NLB) を使用することにより、タイプ LoadBalancer の Kubernetes サービスリソースをサポートします。

手順

  1. 次のコマンドを実行して Subscription オブジェクトを作成することにより、OperatorHub からオンデマンドで AWS Load Balancer Operator をデプロイできます。

    $ oc -n aws-load-balancer-operator get sub aws-load-balancer-operator --template='{{.status.installplan.name}}{{"\n"}}'

    出力例

    install-zlfbt

  2. 次のコマンドを実行して、インストールプランのステータスが Complete になっているか確認します。

    $ oc -n aws-load-balancer-operator get ip <install_plan_name> --template='{{.status.phase}}{{"\n"}}'

    出力例

    Complete

  3. 次のコマンドを実行して、aws-load-balancer-operator-controller-manager デプロイメントのステータスを表示します。

    $ oc get -n aws-load-balancer-operator deployment/aws-load-balancer-operator-controller-manager

    出力例

    NAME                                           READY     UP-TO-DATE   AVAILABLE   AGE
    aws-load-balancer-operator-controller-manager  1/1       1            1           23h

6.2.2.3. Outpost に拡張された AWS VPC クラスターでの AWS Load Balancer Operator の使用

Outpost に拡張された AWS VPC クラスター内で AWS Application Load Balancer をプロビジョニングするように AWS Load Balancer Operator を設定できます。AWS Outposts は AWS Network Load Balancer をサポートしていません。そのため、AWS Load Balancer Operator は Outpost に Network Load Balancer をプロビジョニングできません。

AWS Application Load Balancer は、クラウドサブネットか Outpost サブネットのどちらかに作成できます。クラウドの Application Load Balancer はクラウドベースのコンピュートノードに接続でき、Outpost の Application Load Balancer はエッジコンピュートノードに接続できます。Ingress リソースには Outpost サブネットまたは VPC サブネットのアノテーションを付ける必要がありますが、両方を付けることはできません。

前提条件

  • AWS VPC クラスターを Outpost に拡張した。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • AWS Load Balancer Operator をインストールし、AWS Load Balancer Controller を作成した。

手順

  • 指定のサブネットを使用するように Ingress リソースを設定します。

    Ingress リソース設定の例

    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    kind: Ingress
    metadata:
      name: <application_name>
      annotations:
        alb.ingress.kubernetes.io/subnets: <subnet_id> 1
    spec:
      ingressClassName: alb
      rules:
        - http:
            paths:
              - path: /
                pathType: Exact
                backend:
                  service:
                    name: <application_name>
                    port:
                      number: 80

    1
    使用するサブネットを指定します。
    • Outpost で Application Load Balancer を使用するには、Outpost のサブネット ID を指定します。
    • クラウドで Application Load Balancer を使用するには、別々のアベイラビリティーゾーンに少なくとも 2 つのサブネットを指定する必要があります。

6.2.2.4. AWS Load Balancer Operator ログ

oc logs コマンドを使用して、AWS Load Balancer Operator のログを表示できます。

手順

  • 次のコマンドを実行して、AWS Load Balancer Operator のログを表示します。

    $ oc logs -n aws-load-balancer-operator deployment/aws-load-balancer-operator-controller-manager -c manager

6.2.3. AWS Load Balancer Operator のインストール

AWS Load Balancer Operator は、AWS Load Balancer Controller をデプロイおよび管理します。OpenShift Container Platform Web コンソールまたは CLI を使用して、OperatorHub から AWS Load Balancer Operator をインストールできます。

6.2.3.1. Web コンソールを使用した AWS Load Balancer Operator のインストール

Web コンソールを使用して、AWS Load Balancer Operator をインストールできます。

前提条件

  • cluster-admin パーミッションのあるユーザーとして OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしていること。
  • クラスターのプラットフォームタイプとクラウドプロバイダーが AWS に設定されている。
  • セキュリティートークンサービス (STS) または user-provisioned infrastructure を使用している場合は、関連する準備手順に従います。たとえば、AWS Security Token Service を使用している場合は、「AWS Security Token Service (STS) を使用してクラスター上で AWS Load Balancer Operator を準備する」を参照してください。

手順

  1. OpenShift Container Platform Web コンソールで、Operators OperatorHub に移動します。
  2. AWS Load Balancer Operator を選択します。Filter by keyword テキストボックスを使用するか、フィルターリストを使用して、Operator のリストから AWS Load Balancer Operator を検索できます。
  3. aws-load-balancer-operator namespace を選択します。
  4. Install Operator ページで、次のオプションを選択します。

    1. Update the channelstable-v1 を選択します。
    2. Installation modeAll namespaces on the cluster (default) を選択します。
    3. Installed Namespaceaws-load-balancer-operator を選択します。aws-load-balancer-operator namespace が存在しない場合は、Operator のインストール中に作成されます。
    4. Update approvalAutomatic または Manual を選択します。デフォルトでは、Update approvalAutomatic に設定されています。Automatic (自動) 更新を選択した場合、Operator Lifecycle Manager (OLM) は介入なしに、Operator の実行中のインスタンスを自動的にアップグレードします。手動更新を選択した場合、OLM は更新要求を作成します。クラスター管理者は、Operator を新規バージョンに更新できるように更新要求を手動で承認する必要があります。
  5. Install をクリックします。

検証

  • AWS Load Balancer Operator で、インストール済み Operator ダッシュボードの StatusSucceeded と表示されることを確認します。

6.2.3.2. CLI を使用した AWS Load Balancer Operator のインストール

CLI を使用して AWS Load Balancer Operator をインストールできます。

前提条件

  • cluster-admin 権限を持つユーザーとして OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
  • クラスターのプラットフォームタイプとクラウドプロバイダーが AWS に設定されている。
  • OpenShift CLI (oc) にログイン済みである。

手順

  1. Namespace オブジェクトを作成します。

    1. Namespace オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成します。

      namespace.yaml ファイルの例

      apiVersion: v1
      kind: Namespace
      metadata:
        name: aws-load-balancer-operator

    2. 次のコマンドを実行して、Namespace オブジェクトを作成します。

      $ oc apply -f namespace.yaml
  2. OperatorGroup オブジェクトを作成します。

    1. OperatorGroup オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成します。

      operatorgroup.yaml ファイルの例

      apiVersion: operators.coreos.com/v1
      kind: OperatorGroup
      metadata:
        name: aws-lb-operatorgroup
        namespace: aws-load-balancer-operator
      spec:
        upgradeStrategy: Default

    2. 以下のコマンドを実行して OperatorGroup オブジェクトを作成します。

      $ oc apply -f operatorgroup.yaml
  3. Subscription オブジェクトを作成します。

    1. Subscription オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成します。

      subscription.yaml ファイルの例

      apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1
      kind: Subscription
      metadata:
        name: aws-load-balancer-operator
        namespace: aws-load-balancer-operator
      spec:
        channel: stable-v1
        installPlanApproval: Automatic
        name: aws-load-balancer-operator
        source: redhat-operators
        sourceNamespace: openshift-marketplace

    2. 以下のコマンドを実行して Subscription オブジェクトを作成します。

      $ oc apply -f subscription.yaml

検証

  1. サブスクリプションからインストールプランの名前を取得します。

    $ oc -n aws-load-balancer-operator \
        get subscription aws-load-balancer-operator \
        --template='{{.status.installplan.name}}{{"\n"}}'
  2. インストールプランのステータスを確認します。

    $ oc -n aws-load-balancer-operator \
        get ip <install_plan_name> \
        --template='{{.status.phase}}{{"\n"}}'

    出力は Complete でなければなりません。

6.2.4. AWS STS を使用するクラスターへの AWS Load Balancer Operator のインストール

Security Token Service (STS) を使用するクラスターに Amazon Web Services (AWS) Load Balancer Operator をインストールできます。Operator をインストールする前に、次の手順に従ってクラスターを準備します。

AWS Load Balancer Operator は、CredentialsRequest オブジェクトに依存して Operator と AWS Load Balancer Controller をブートストラップします。AWS Load Balancer Operator は、必要なシークレットが作成されて利用可能になるまで待機します。

6.2.4.1. 前提条件

  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • クラスターのインフラストラクチャー ID がわかっている。この ID を表示するには、CLI で次のコマンドを実行します。

    $ oc get infrastructure cluster -o=jsonpath="{.status.infrastructureName}"
  • クラスターの OpenID Connect (OIDC) の DNS 情報がわかっている。この情報を表示するには、CLI で次のコマンドを入力します。

    $ oc get authentication.config cluster -o=jsonpath="{.spec.serviceAccountIssuer}" 1
  • AWS Web コンソールにログインし、IAM Access management Identity providers に移動して、OIDC の Amazon Resource Name (ARN) 情報を確認した。OIDC の ARN の例は、arn:aws:iam::777777777777:oidc-provider/<oidc_dns_url> です。

6.2.4.2. AWS Load Balancer Operator 用の IAM ロールの作成

STS を使用するクラスターに AWS Load Balancer Operator を正常にインストールするには、追加の Amazon Web Services (AWS) Identity and Access Management (IAM) ロールが必要です。この IAM ロールは、サブネットおよび Virtual Private Cloud (VPC) と対話するために必要です。AWS Load Balancer Operator は、自身をブートストラップするために IAM ロールを持つ CredentialsRequest オブジェクトを生成します。

IAM ロールは次の方法で作成できます。

環境が ccoctl コマンドをサポートしていない場合は、AWS CLI を使用します。

6.2.4.2.1. Cloud Credential Operator ユーティリティーを使用して AWS IAM ロールを作成する

Cloud Credential Operator ユーティリティー (ccoctl) を使用して、AWS Load Balancer Operator 用の AWS IAM ロールを作成できます。AWS IAM ロールは、サブネットおよび仮想プライベートクラウド (VPC) と対話します。

前提条件

  • ccoctl バイナリーを抽出して準備する必要があります。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、CredentialsRequest カスタムリソース (CR) をダウンロードし、ディレクトリーに保存します。

    $ curl --create-dirs -o <credentials_requests_dir>/operator.yaml https://raw.githubusercontent.com/openshift/aws-load-balancer-operator/main/hack/operator-credentials-request.yaml
  2. ccoctl ユーティリティーを使用して次のコマンドを実行し、AWS IAM ロールを作成します。

    $ ccoctl aws create-iam-roles \
        --name <name> \
        --region=<aws_region> \
        --credentials-requests-dir=<credentials_requests_dir> \
        --identity-provider-arn <oidc_arn>

    出力例

    2023/09/12 11:38:57 Role arn:aws:iam::777777777777:role/<name>-aws-load-balancer-operator-aws-load-balancer-operator created 1
    2023/09/12 11:38:57 Saved credentials configuration to: /home/user/<credentials_requests_dir>/manifests/aws-load-balancer-operator-aws-load-balancer-operator-credentials.yaml
    2023/09/12 11:38:58 Updated Role policy for Role <name>-aws-load-balancer-operator-aws-load-balancer-operator created

    1
    AWS Load Balancer Operator 用に作成された AWS IAM ロールの Amazon Resource Name (ARN) (例: arn:aws:iam::777777777777:role/<name>-aws-load-balancer-operator-aws-load-balancer-operator) をメモします。
    注記

    AWS IAM ロール名の長さは 12 文字以下にする必要があります。

6.2.4.2.2. AWS CLI を使用して AWS IAM ロールを作成する

AWS コマンドラインインターフェイスを使用して、AWS Load Balancer Operator 用の IAM ロールを作成できます。IAM ロールは、サブネットおよび Virtual Private Cloud (VPC) と対話するために使用されます。

前提条件

  • AWS コマンドラインインターフェイス (aws) にアクセスできる。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、アイデンティティープロバイダーを使用して信頼ポリシーファイルを生成します。

    $ cat <<EOF > albo-operator-trust-policy.json
    {
        "Version": "2012-10-17",
        "Statement": [
            {
                "Effect": "Allow",
                "Principal": {
                    "Federated": "<oidc_arn>" 1
                },
                "Action": "sts:AssumeRoleWithWebIdentity",
                "Condition": {
                    "StringEquals": {
                        "<cluster_oidc_endpoint>:sub": "system:serviceaccount:aws-load-balancer-operator:aws-load-balancer-controller-cluster" 2
                    }
                }
            }
        ]
    }
    EOF
    1
    OIDC アイデンティティープロバイダーの Amazon Resource Name (ARN) (例: arn:aws:iam::777777777777:oidc-provider/rh-oidc.s3.us-east-1.amazonaws.com/28292va7ad7mr9r4he1fb09b14t59t4f) を指定します。
    2
    AWS Load Balancer Controller のサービスアカウントを指定します。<cluster_oidc_endpoint> の例は、rh-oidc.s3.us-east-1.amazonaws.com/28292va7ad7mr9r4he1fb09b14t59t4f です。
  2. 次のコマンドを実行して、生成された信頼ポリシーを使用して IAM ロールを作成します。

    $ aws iam create-role --role-name albo-operator --assume-role-policy-document file://albo-operator-trust-policy.json

    出力例

    ROLE	arn:aws:iam::<aws_account_number>:role/albo-operator	2023-08-02T12:13:22Z 1
    ASSUMEROLEPOLICYDOCUMENT	2012-10-17
    STATEMENT	sts:AssumeRoleWithWebIdentity	Allow
    STRINGEQUALS	system:serviceaccount:aws-load-balancer-operator:aws-load-balancer-controller-manager
    PRINCIPAL	arn:aws:iam:<aws_account_number>:oidc-provider/<cluster_oidc_endpoint>

    1
    AWS Load Balancer Operator 用に作成された AWS IAM ロールの ARN (例: arn:aws:iam::777777777777:role/albo-operator) をメモします。
  3. 次のコマンドを実行して、AWS Load Balancer Operator の権限ポリシーをダウンロードします。

    $ curl -o albo-operator-permission-policy.json https://raw.githubusercontent.com/openshift/aws-load-balancer-operator/main/hack/operator-permission-policy.json
  4. 次のコマンドを実行して、AWS Load Balancer Controller の権限ポリシーを IAM ロールに割り当てます。

    $ aws iam put-role-policy --role-name albo-operator --policy-name perms-policy-albo-operator --policy-document file://albo-operator-permission-policy.json

6.2.4.3. AWS Load Balancer Operator 用の ARN ロールの設定

AWS Load Balancer Operator 用の Amazon Resource Name (ARN) ロールを環境変数として設定できます。CLI を使用して ARN ロールを設定できます。

前提条件

  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、aws-load-balancer-operator プロジェクトを作成します。

    $ oc new-project aws-load-balancer-operator
  2. 以下のコマンドを実行して OperatorGroup オブジェクトを作成します。

    $ cat <<EOF | oc apply -f -
    apiVersion: operators.coreos.com/v1
    kind: OperatorGroup
    metadata:
      name: aws-load-balancer-operator
      namespace: aws-load-balancer-operator
    spec:
      targetNamespaces: []
    EOF
  3. 以下のコマンドを実行して Subscription オブジェクトを作成します。

    $ cat <<EOF | oc apply -f -
    apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1
    kind: Subscription
    metadata:
      name: aws-load-balancer-operator
      namespace: aws-load-balancer-operator
    spec:
      channel: stable-v1
      name: aws-load-balancer-operator
      source: redhat-operators
      sourceNamespace: openshift-marketplace
      config:
        env:
        - name: ROLEARN
          value: "<albo_role_arn>" 1
    EOF
    1
    AWS Load Balancer Operator の AWS 認証情報をプロビジョニングするために CredentialsRequest で使用する ARN ロールを指定します。<albo_role_arn> の例は、arn:aws:iam::<aws_account_number>:role/albo-operator です。
    注記

    AWS Load Balancer Operator は、シークレットが作成されるまで待機してから、Available ステータスに移行します。

6.2.4.4. AWS Load Balancer Controller 用の IAM ロールの作成

AWS Load Balancer Controller の CredentialsRequest オブジェクトは、手動でプロビジョニングした IAM ロールを使用して設定する必要があります。

IAM ロールは次の方法で作成できます。

環境が ccoctl コマンドをサポートしていない場合は、AWS CLI を使用します。

6.2.4.4.1. Cloud Credential Operator ユーティリティーを使用してコントローラー用の AWS IAM ロールを作成する

Cloud Credential Operator ユーティリティー (ccoctl) を使用して、AWS Load Balancer Controller 用の AWS IAM ロールを作成できます。AWS IAM ロールは、サブネットおよび Virtual Private Cloud (VPC) と対話するために使用されます。

前提条件

  • ccoctl バイナリーを抽出して準備する必要があります。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、CredentialsRequest カスタムリソース (CR) をダウンロードし、ディレクトリーに保存します。

    $ curl --create-dirs -o <credentials_requests_dir>/controller.yaml https://raw.githubusercontent.com/openshift/aws-load-balancer-operator/main/hack/controller/controller-credentials-request.yaml
  2. ccoctl ユーティリティーを使用して次のコマンドを実行し、AWS IAM ロールを作成します。

    $ ccoctl aws create-iam-roles \
        --name <name> \
        --region=<aws_region> \
        --credentials-requests-dir=<credentials_requests_dir> \
        --identity-provider-arn <oidc_arn>

    出力例

    2023/09/12 11:38:57 Role arn:aws:iam::777777777777:role/<name>-aws-load-balancer-operator-aws-load-balancer-controller created 1
    2023/09/12 11:38:57 Saved credentials configuration to: /home/user/<credentials_requests_dir>/manifests/aws-load-balancer-operator-aws-load-balancer-controller-credentials.yaml
    2023/09/12 11:38:58 Updated Role policy for Role <name>-aws-load-balancer-operator-aws-load-balancer-controller created

    1
    AWS Load Balancer Controller 用に作成された AWS IAM ロールの Amazon Resource Name (ARN) (例: arn:aws:iam::777777777777:role/<name>-aws-load-balancer-operator-aws-load-balancer-controller) をメモします。
    注記

    AWS IAM ロール名の長さは 12 文字以下にする必要があります。

6.2.4.4.2. AWS CLI を使用してコントローラー用の AWS IAM ロールを作成する

AWS コマンドラインインターフェイスを使用して、AWS Load Balancer Controller 用の AWS IAM ロールを作成できます。AWS IAM ロールは、サブネットおよび Virtual Private Cloud (VPC) と対話するために使用されます。

前提条件

  • AWS コマンドラインインターフェイス (aws) にアクセスできる。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、アイデンティティプロバイダーを使用して信頼ポリシーファイルを生成します。

    $ cat <<EOF > albo-controller-trust-policy.json
    {
        "Version": "2012-10-17",
        "Statement": [
            {
                "Effect": "Allow",
                "Principal": {
                    "Federated": "<oidc_arn>" 1
                },
                "Action": "sts:AssumeRoleWithWebIdentity",
                "Condition": {
                    "StringEquals": {
                        "<cluster_oidc_endpoint>:sub": "system:serviceaccount:aws-load-balancer-operator:aws-load-balancer-controller-cluster" 2
                    }
                }
            }
        ]
    }
    EOF
    1
    OIDC アイデンティティープロバイダーの Amazon Resource Name (ARN) (例: arn:aws:iam::777777777777:oidc-provider/rh-oidc.s3.us-east-1.amazonaws.com/28292va7ad7mr9r4he1fb09b14t59t4f) を指定します。
    2
    AWS Load Balancer Controller のサービスアカウントを指定します。<cluster_oidc_endpoint> の例は、rh-oidc.s3.us-east-1.amazonaws.com/28292va7ad7mr9r4he1fb09b14t59t4f です。
  2. 次のコマンドを実行して、生成された信頼ポリシーを使用して AWS IAM ロールを作成します。

    $ aws iam create-role --role-name albo-controller --assume-role-policy-document file://albo-controller-trust-policy.json

    出力例

    ROLE	arn:aws:iam::<aws_account_number>:role/albo-controller	2023-08-02T12:13:22Z 1
    ASSUMEROLEPOLICYDOCUMENT	2012-10-17
    STATEMENT	sts:AssumeRoleWithWebIdentity	Allow
    STRINGEQUALS	system:serviceaccount:aws-load-balancer-operator:aws-load-balancer-controller-cluster
    PRINCIPAL	arn:aws:iam:<aws_account_number>:oidc-provider/<cluster_oidc_endpoint>

    1
    AWS Load Balancer Controller の AWS IAM ロールの ARN (例: arn:aws:iam::777777777777:role/albo-controller) をメモします。
  3. 次のコマンドを実行して、AWS Load Balancer Controller の権限ポリシーをダウンロードします。

    $ curl -o albo-controller-permission-policy.json https://raw.githubusercontent.com/openshift/aws-load-balancer-operator/main/assets/iam-policy.json
  4. 次のコマンドを実行して、AWS Load Balancer Controller の権限ポリシーを AWS IAM ロールに割り当てます。

    $ aws iam put-role-policy --role-name albo-controller --policy-name perms-policy-albo-controller --policy-document file://albo-controller-permission-policy.json
  5. AWSLoadBalancerController オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成します。

    sample-aws-lb-manual-creds.yaml ファイルの例

    apiVersion: networking.olm.openshift.io/v1
    kind: AWSLoadBalancerController 1
    metadata:
      name: cluster 2
    spec:
      credentialsRequestConfig:
        stsIAMRoleARN: <albc_role_arn> 3

    1
    AWSLoadBalancerController オブジェクトを定義します。
    2
    AWS Load Balancer Controller 名を定義します。このインスタンス名は、関連するすべてのリソースの接尾辞として使用されます。
    3
    AWS Load Balancer Controller の ARN ロールを指定します。CredentialsRequest オブジェクトは、この ARN ロールを使用して AWS 認証情報をプロビジョニングします。<albc_role_arn> の例は、arn:aws:iam::777777777777:role/albo-controller です。

6.2.4.5. 関連情報

6.2.5. AWS Load Balancer Controller のインスタンスを作成する

AWS Load Balancer Operator をインストールしたら、AWS Load Balancer Controller を作成できます。

6.2.5.1. AWS Load Balancer Controller の作成

クラスターにインストールできる AWSLoadBalancerController オブジェクトのインスタンスは 1 つだけです。CLI を使用して AWS Load Balancer Controller を作成できます。AWS Load Balancer Operator は、cluster という名前のリソースのみを調整します。

前提条件

  • echoserver namespace を作成している。
  • OpenShift CLI (oc) にアクセスできる。

手順

  1. AWSLoadBalancerController オブジェクトを定義する YAML ファイルを作成します。

    sample-aws-lb.yaml ファイルの例

    apiVersion: networking.olm.openshift.io/v1
    kind: AWSLoadBalancerController 1
    metadata:
      name: cluster 2
    spec:
      subnetTagging: Auto 3
      additionalResourceTags: 4
      - key: example.org/security-scope
        value: staging
      ingressClass: alb 5
      config:
        replicas: 2 6
      enabledAddons: 7
        - AWSWAFv2 8

    1
    AWSLoadBalancerController オブジェクトを定義します。
    2
    AWS Load Balancer Controller 名を定義します。このインスタンス名は、関連するすべてのリソースの接尾辞として追加されます。
    3
    AWS Load Balancer Controller のサブネットのタグ付け方法を設定します。次の値が有効です。
    • Auto: AWS Load Balancer Operator は、クラスターに属するサブネットを決定し、適切にタグ付けします。内部サブネットタグが内部サブネットに存在しない場合、Operator はロールを正しく判別できません。
    • Manual: クラスターに属するサブネットに適切なロールタグを手動でタグ付けします。ユーザー提供のインフラストラクチャーにクラスターをインストールした場合は、このオプションを使用します。
    4
    AWS Load Balancer Controller が AWS リソースをプロビジョニングするときに使用するタグを定義します。
    5
    Ingress クラス名を定義します。デフォルト値は alb です。
    6
    AWS Load Balancer Controller のレプリカの数を指定します。
    7
    AWS Load Balancer Controller のアドオンとしてアノテーションを指定します。
    8
    alb.ingress.kubernetes.io/wafv2-acl-arn アノテーションを有効にします。
  2. 次のコマンドを実行して、AWSLoadBalancerController オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f sample-aws-lb.yaml
  3. Deployment リソースを定義する YAML ファイルを作成します。

    sample-aws-lb.yaml ファイルの例

    apiVersion: apps/v1
    kind: Deployment 1
    metadata:
      name: <echoserver> 2
      namespace: echoserver
    spec:
      selector:
        matchLabels:
          app: echoserver
      replicas: 3 3
      template:
        metadata:
          labels:
            app: echoserver
        spec:
          containers:
            - image: openshift/origin-node
              command:
               - "/bin/socat"
              args:
                - TCP4-LISTEN:8080,reuseaddr,fork
                - EXEC:'/bin/bash -c \"printf \\\"HTTP/1.0 200 OK\r\n\r\n\\\"; sed -e \\\"/^\r/q\\\"\"'
              imagePullPolicy: Always
              name: echoserver
              ports:
                - containerPort: 8080

    1
    デプロイメントリソースを定義します。
    2
    デプロイメント名を指定します。
    3
    デプロイメントのレプリカの数を指定します。
  4. Service リソースを定義する YAML ファイルを作成します。

    service-albo.yaml ファイルの例

    apiVersion: v1
    kind: Service 1
    metadata:
      name: <echoserver> 2
      namespace: echoserver
    spec:
      ports:
        - port: 80
          targetPort: 8080
          protocol: TCP
      type: NodePort
      selector:
        app: echoserver

    1
    サービスリソースを定義します。
    2
    サービス名を指定します。
  5. Ingress リソースを定義する YAML ファイルを作成します。

    Ingress-albo.yaml ファイルの例

    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    kind: Ingress
    metadata:
      name: <name> 1
      namespace: echoserver
      annotations:
        alb.ingress.kubernetes.io/scheme: internet-facing
        alb.ingress.kubernetes.io/target-type: instance
    spec:
      ingressClassName: alb
      rules:
        - http:
            paths:
              - path: /
                pathType: Exact
                backend:
                  service:
                    name: <echoserver> 2
                    port:
                      number: 80

    1
    Ingress リソースの名前を指定します。
    2
    サービス名を指定します。

検証

  • 次のコマンドを実行して、Ingress リソースのステータスを HOST 変数に保存します。

    $ HOST=$(oc get ingress -n echoserver echoserver --template='{{(index .status.loadBalancer.ingress 0).hostname}}')
  • 次のコマンドを実行して、Ingress リソースのステータスを確認します。

    $ curl $HOST

6.2.6. 1 つの AWS ロードバランサーを介して複数の Ingress リソースを提供する

1 つの AWS Load Balancer を介して、1 つのドメインに含まれるさまざまなサービスにトラフィックをルーティングできます。各 Ingress リソースは、ドメインの異なるエンドポイントを提供します。

6.2.6.1. 1 つの AWS ロードバランサーを介して複数の Ingress リソースを作成する

CLI を使用すると、1 つの AWS ロードバランサーを介して複数の Ingress リソースにトラフィックをルーティングできます。

前提条件

  • OpenShift CLI (oc) にアクセスできる。

手順

  1. 次のように、IngressClassParams リソースの YAML ファイル (例: sample-single-lb-params.yaml) を作成します。

    apiVersion: elbv2.k8s.aws/v1beta1 1
    kind: IngressClassParams
    metadata:
      name: single-lb-params 2
    spec:
      group:
        name: single-lb 3
    1
    IngressClassParams リソースの API グループとバージョンを定義します。
    2
    IngressClassParams リソース名を指定します。
    3
    IngressGroup リソース名を指定します。このクラスのすべての Ingress リソースは、この IngressGroup に属します。
  2. 次のコマンドを実行して、IngressClassParams リソースを作成します。

    $ oc create -f sample-single-lb-params.yaml
  3. 次のように、IngressClass リソースの YAML ファイル (例: sample-single-lb-class.yaml) を作成します。

    apiVersion: networking.k8s.io/v1 1
    kind: IngressClass
    metadata:
      name: single-lb 2
    spec:
      controller: ingress.k8s.aws/alb 3
      parameters:
        apiGroup: elbv2.k8s.aws 4
        kind: IngressClassParams 5
        name: single-lb-params 6
    1
    API グループと IngressClass リソースのバージョンを定義します。
    2
    Ingress クラス名を指定します。
    3
    コントローラー名を定義します。ingress.k8s.aws/alb という値は、このクラスのすべての Ingress リソースを AWS Load Balancer Controller によって管理することを意味します。
    4
    IngressClassParams リソースの API グループを定義します。
    5
    IngressClassParams リソースのリソースタイプを定義します。
    6
    IngressClassParams リソース名を定義します。
  4. 次のコマンドを実行して IngressClass リソースを作成します。

    $ oc create -f sample-single-lb-class.yaml
  5. 次のように、AWSLoadBalancerController リソース YAML ファイル (例: sample-single-lb.yaml) を作成します。

    apiVersion: networking.olm.openshift.io/v1
    kind: AWSLoadBalancerController
    metadata:
      name: cluster
    spec:
      subnetTagging: Auto
      ingressClass: single-lb 1
    1
    IngressClass リソースの名前を定義します。
  6. 次のコマンドを実行して、AWSLoadBalancerController リソースを作成します。

    $ oc create -f sample-single-lb.yaml
  7. 次のように、Ingress リソースの YAML ファイル (例: sample-multiple-ingress.yaml) を作成します。

    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    kind: Ingress
    metadata:
      name: example-1 1
      annotations:
        alb.ingress.kubernetes.io/scheme: internet-facing 2
        alb.ingress.kubernetes.io/group.order: "1" 3
        alb.ingress.kubernetes.io/target-type: instance 4
    spec:
      ingressClassName: single-lb 5
      rules:
      - host: example.com 6
        http:
            paths:
            - path: /blog 7
              pathType: Prefix
              backend:
                service:
                  name: example-1 8
                  port:
                    number: 80 9
    ---
    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    kind: Ingress
    metadata:
      name: example-2
      annotations:
        alb.ingress.kubernetes.io/scheme: internet-facing
        alb.ingress.kubernetes.io/group.order: "2"
        alb.ingress.kubernetes.io/target-type: instance
    spec:
      ingressClassName: single-lb
      rules:
      - host: example.com
        http:
            paths:
            - path: /store
              pathType: Prefix
              backend:
                service:
                  name: example-2
                  port:
                    number: 80
    ---
    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    kind: Ingress
    metadata:
      name: example-3
      annotations:
        alb.ingress.kubernetes.io/scheme: internet-facing
        alb.ingress.kubernetes.io/group.order: "3"
        alb.ingress.kubernetes.io/target-type: instance
    spec:
      ingressClassName: single-lb
      rules:
      - host: example.com
        http:
            paths:
            - path: /
              pathType: Prefix
              backend:
                service:
                  name: example-3
                  port:
                    number: 80
    1
    Ingress 名を指定します。
    2
    インターネットにアクセスするためにパブリックサブネットにプロビジョニングするロードバランサーを示します。
    3
    ロードバランサーで要求を受信したときに、複数の Ingress リソースからのルールをマッチする順序を指定します。
    4
    ロードバランサーがサービスに到達するために OpenShift Container Platform ノードをターゲットにすることを示します。
    5
    この Ingress に属する Ingress クラスを指定します。
    6
    要求のルーティングに使用するドメイン名を定義します。
    7
    サービスにルーティングする必要があるパスを定義します。
    8
    Ingress リソースで設定されたエンドポイントを提供するサービス名を定義します。
    9
    エンドポイントにサービスを提供するサービスのポートを定義します。
  8. 次のコマンドを実行して Ingress リソースを作成します。

    $ oc create -f sample-multiple-ingress.yaml

6.2.7. TLS Termination の追加

AWS Load Balancer に TLS Termination を追加できます。

6.2.7.1. AWS Load Balancer への TLS Termination の追加

ドメインのトラフィックをサービスの Pod にルーティングし、AWS Load Balancer に TLS Termination を追加できます。

前提条件

  • OpenShift CLI (oc) にアクセスできる。

手順

  1. AWSLoadBalancerController リソースを定義する YAML ファイルを作成します。

    add-tls-termination-albc.yaml ファイルの例

    apiVersion: networking.olm.openshift.io/v1
    kind: AWSLoadBalancerController
    metadata:
      name: cluster
    spec:
      subnetTagging: Auto
      ingressClass: tls-termination 1

    1
    Ingress クラス名を定義します。クラスター内に Ingress クラスが存在しない場合は、AWS Load Balancer Controller によって作成されます。spec.controlleringress.k8s.aws/alb に設定されている場合、AWS Load Balancer Controller は追加の Ingress クラス値を調整します。
  2. Ingress リソースを定義する YAML ファイルを作成します。

    add-tls-termination-ingress.yaml ファイルの例

    apiVersion: networking.k8s.io/v1
    kind: Ingress
    metadata:
      name: <example> 1
      annotations:
        alb.ingress.kubernetes.io/scheme: internet-facing 2
        alb.ingress.kubernetes.io/certificate-arn: arn:aws:acm:us-west-2:xxxxx 3
    spec:
      ingressClassName: tls-termination 4
      rules:
      - host: <example.com> 5
        http:
            paths:
              - path: /
                pathType: Exact
                backend:
                  service:
                    name: <example-service> 6
                    port:
                      number: 80

    1
    Ingress 名を指定します。
    2
    コントローラーは、パブリックサブネット内の Ingress のロードバランサーをプロビジョニングし、インターネット経由でロードバランサーにアクセスします。
    3
    ロードバランサーに割り当てる証明書の Amazon Resource Name (ARN)。
    4
    Ingress クラス名を定義します。
    5
    トラフィックルーティングのドメインを定義します。
    6
    トラフィックルーティングのサービスを定義します。

6.2.8. クラスター全体のプロキシーの設定

AWS Load Balancer Operator でクラスター全体のプロキシーを設定できます。クラスター全体のプロキシーを設定すると、Operator Lifecycle Manager (OLM) が、HTTP_PROXYHTTPS_PROXYNO_PROXY などの環境変数を使用して、Operator のすべてのデプロイメントを自動的に更新します。これらの変数は、AWS Load Balancer Operator によってマネージドコントローラーに入力されます。

6.2.8.1. クラスター全体のプロキシーの認証局を信頼する

  1. 次のコマンドを実行して、aws-load-balancer-operator namespace に認証局 (CA) バンドルを含める config map を作成します。

    $ oc -n aws-load-balancer-operator create configmap trusted-ca
  2. 信頼できる CA バンドルを config map に挿入するには、次のコマンドを実行して、config.openshift.io/inject-trusted-cabundle=true ラベルを config map に追加します。

    $ oc -n aws-load-balancer-operator label cm trusted-ca config.openshift.io/inject-trusted-cabundle=true
  3. 次のコマンドを実行して、AWS Load Balancer Operator デプロイメントの config map にアクセスできるように AWS Load Balancer Operator サブスクリプションを更新します。

    $ oc -n aws-load-balancer-operator patch subscription aws-load-balancer-operator --type='merge' -p '{"spec":{"config":{"env":[{"name":"TRUSTED_CA_CONFIGMAP_NAME","value":"trusted-ca"}],"volumes":[{"name":"trusted-ca","configMap":{"name":"trusted-ca"}}],"volumeMounts":[{"name":"trusted-ca","mountPath":"/etc/pki/tls/certs/albo-tls-ca-bundle.crt","subPath":"ca-bundle.crt"}]}}}'
  4. AWS Load Balancer Operator がデプロイされたら、次のコマンドを実行して、CA バンドルが aws-load-balancer-operator-controller-manager デプロイメントに追加されていることを確認します。

    $ oc -n aws-load-balancer-operator exec deploy/aws-load-balancer-operator-controller-manager -c manager -- bash -c "ls -l /etc/pki/tls/certs/albo-tls-ca-bundle.crt; printenv TRUSTED_CA_CONFIGMAP_NAME"

    出力例

    -rw-r--r--. 1 root 1000690000 5875 Jan 11 12:25 /etc/pki/tls/certs/albo-tls-ca-bundle.crt
    trusted-ca

  5. オプション: config-map が変更されるたびに、次のコマンドを実行して、AWS Load Balancer Operator のデプロイを再開します。

    $ oc -n aws-load-balancer-operator rollout restart deployment/aws-load-balancer-operator-controller-manager

6.2.8.2. 関連情報

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