4.12. ローカルストレージを使用した永続ストレージ
4.12.1. ローカルストレージの概要
ローカルストレージをプロビジョニングするには、次のいずれかのソリューションを使用できます。
- HostPath Provisioner (HPP)
- Local Storage Operator (LSO)
- Logical Volume Manager (LVM) Storage
これらのソリューションは、ノードローカルストレージのプロビジョニングのみをサポートします。ワークロードは、ストレージを提供するノードにバインドされます。ノードが使用できなくなると、ワークロードも使用できなくなります。ノード障害が発生したときにワークロードの可用性を維持するには、アクティブまたはパッシブのレプリケーションメカニズムにより、ストレージデータのレプリケーションを確実に実行する必要があります。
4.12.1.1. HostPath Provisioner 機能の概要
HostPath Provisioner (HPP) を使用すると、次の操作を実行できます。
- ローカルストレージをプロビジョニングするために、ホストファイルシステムパスをストレージクラスにマップする。
- ストレージを使用するために、ストレージクラスを静的に作成してノードにファイルシステムパスを設定する。
- ストレージクラスに基づいて永続ボリューム (PV) を静的にプロビジョニングする。
- 基盤となるストレージトポロジーを考慮しながら、ワークロードと PersistentVolumeClaim (PVC) を作成する。
HPP はアップストリームの Kubernetes で利用できます。ただし、アップストリームの Kubernetes から HPP を使用することは推奨しません。
4.12.1.2. Local Storage Operator の機能の概要
Local Storage Operator (LSO) を使用すると、次の操作を実行できます。
- デバイス設定を変更せずに、ストレージデバイス (ディスクまたはパーティション) をストレージクラスに割り当てる。
-
LocalVolume
カスタムリソース (CR) を設定して、PV とストレージクラスを静的にプロビジョニングする。 - 基盤となるストレージトポロジーを考慮しながら、ワークロードと PVC を作成する。
LSO は Red Hat によって開発および提供されています。
4.12.1.3. LVM Storage の機能の概要
Logical Volume Manager (LVM) Storage を使用すると、次の操作を実行できます。
- ストレージデバイス (ディスクまたはパーティション) を lvm2 ボリュームグループとして設定し、ボリュームグループをストレージクラスとして公開する。
- ノードトポロジーを考慮せずに PVC を使用してワークロードを作成し、ストレージを要求する。
LVM Storage は TopoLVM CSI ドライバーを使用して、トポロジー内のノードにストレージスペースを動的に割り当て、PV をプロビジョニングします。
LVM Storage は、Red Hat によって開発および保守されています。LVM Storage に付属する CSI ドライバーは、アップストリームプロジェクトの "topolvm" です。
4.12.1.4. LVM Storage、LSO、HPP の比較
次のセクションでは、LVM Storage、Local Storage Operator (LSO)、および HostPath Provisioner (HPP) が提供する、ローカルストレージをプロビジョニングするための機能を比較します。
4.12.1.4.1. ストレージタイプおよびファイルシステムのサポートの比較
次の表は、ローカルストレージをプロビジョニングするために LVM Storage、Local Storage Operator (LSO)、および HostPath Provisioner (HPP) によって提供されるストレージタイプおよびファイルシステムのサポートを比較したものです。
機能 | LVM Storage | LSO | HPP |
---|---|---|---|
ブロックストレージのサポート | はい | はい | いいえ |
ファイルストレージのサポート | はい | はい | はい |
オブジェクトストレージのサポート [1] | いいえ | いいえ | いいえ |
利用可能なファイルシステム |
|
| ノード上で使用できるマウントされたシステムがすべてサポートされます。 |
-
いずれのソリューション (LVM Storage、LSO、HPP) もオブジェクトストレージをサポートしていません。したがって、オブジェクトストレージを使用する場合は、Red Hat OpenShift Data Foundation の
MultiClusterGateway
などの S3 オブジェクトストレージソリューションが必要です。どのソリューションも、S3 オブジェクトストレージソリューションの基盤となるストレージプロバイダーとして機能します。
4.12.1.4.2. コア機能のサポートの比較
次の表は、LVM Storage、Local Storage Operator (LSO)、および HostPath Provisioner (HPP) によるローカルストレージのプロビジョニングに関するコア機能のサポート状況を比較したものです。
機能 | LVM Storage | LSO | HPP |
---|---|---|---|
自動ファイルシステムフォーマット設定のサポート | はい | はい | 該当なし |
動的プロビジョニングのサポート | はい | いいえ | いいえ |
ソフトウェア Redundant Array of Independent Disks (RAID) アレイの使用のサポート | はい 4.15 以降でサポートされています。 | はい | はい |
透過的なディスク暗号化のサポート | はい 4.16 以降でサポートされています。 | はい | はい |
ボリュームベースのディスク暗号化のサポート | いいえ | いいえ | いいえ |
非接続インストールのサポート | はい | はい | はい |
PVC 拡張のサポート | はい | いいえ | いいえ |
ボリュームスナップショットとボリュームクローンのサポート | はい | いいえ | いいえ |
シンプロビジョニングのサポート | はい デバイスはデフォルトでシンプロビジョニングされます。 | はい シンプロビジョニングされたボリュームを参照するようにデバイスを設定できます。 | はい シンプロビジョニングされたボリュームを参照するパスを設定できます。 |
自動ディスク検出とセットアップのサポート | はい
インストール時および実行時に自動ディスク検出を利用できます。既存のストレージクラスのストレージ容量を増やすために、ディスクを | テクノロジープレビュー インストール時に自動ディスク検出を利用できます。 | いいえ |
4.12.1.4.3. パフォーマンス機能と分離機能の比較
次の表は、ローカルストレージのプロビジョニングにおける LVM Storage、Local Storage Operator (LSO)、および HostPath Provisioner (HPP) のパフォーマンス機能と分離機能を比較したものです。
機能 | LVM Storage | LSO | HPP |
---|---|---|---|
パフォーマンス | I/O スピードが、同じストレージクラスを使用するすべてのワークロードで共有されます。 ブロックストレージでは直接 I/O 操作が可能です。 シンプロビジョニングがパフォーマンスに影響を与える可能性があります。 | I/O は LSO 設定によって異なります。 ブロックストレージでは直接 I/O 操作が可能です。 | I/O スピードが、同じストレージクラスを使用するすべてのワークロードで共有されます。 基盤となるファイルシステムによる制限が、I/O スピードに影響を与える可能性があります。 |
分離境界 [1] | LVM 論理ボリューム (LV) HPP と比較して、より高いレベルの分離を提供します。 | LVM 論理ボリューム (LV) HPP と比較して、より高いレベルの隔離を提供します。 | ファイルシステムパス LSO および LVM Storage と比較して、より低いレベルの分離を提供します。 |
- 分離境界とは、ローカルストレージリソースを使用するさまざまなワークロードまたはアプリケーション間の分離レベルを指します。
4.12.1.4.4. 追加機能のサポートの比較
次の表は、LVM Storage、Local Storage Operator (LSO)、および HostPath Provisioner (HPP) が提供する、ローカルストレージをプロビジョニングするための追加機能を比較したものです。
機能 | LVM Storage | LSO | HPP |
---|---|---|---|
汎用一時ボリュームのサポート | はい | いいえ | いいえ |
CSI インライン一時ボリュームのサポート | いいえ | いいえ | いいえ |
ストレージトポロジーのサポート | はい CSI ノードトポロジーのサポート | はい LSO は、ノード容認を通じてストレージトポロジーの部分的なサポートを提供します。 | いいえ |
| いいえ | いいえ | いいえ |
-
どのソリューション (LVM Storage、LSO、HPP) にも、
ReadWriteOnce
(RWO) アクセスモードがあります。RWO アクセスモードでは、同じノード上の複数の Pod からのアクセスが可能になります。
4.12.2. ローカルボリュームを使用した永続ストレージ
OpenShift Container Platform は、ローカルボリュームを使用する永続ストレージでプロビジョニングすることが可能です。ローカルの永続ボリュームを使用すると、標準の永続ボリューム要求インターフェイスを使用して、ディスクやパーティションなどのローカルのストレージデバイスにアクセスできます。
ローカルボリュームは、Pod をノードに手動でスケジュールせずに使用できます。ボリュームのノード制約がシステムによって認識されるためです。ただし、ローカルボリュームは、依然として基礎となるノードの可用性に依存しており、すべてのアプリケーションに適している訳ではありません。
ローカルボリュームは、静的に作成された永続ボリュームとしてのみ使用できます。
4.12.2.1. ローカルストレージ Operator のインストール
ローカルストレージ Operator はデフォルトで OpenShift Container Platform にインストールされません。以下の手順を使用してこの Operator をインストールし、クラスター内でローカルボリュームを有効にできるように設定します。
前提条件
- OpenShift Container Platform Web コンソールまたはコマンドラインインターフェイス (CLI) へのアクセス。
手順
openshift-local-storage
プロジェクトを作成します。$ oc adm new-project openshift-local-storage
オプション: インフラストラクチャーノードでのローカルストレージの作成を許可します。
ロギングやモニタリングなどのコンポーネントに対応するために、ローカルストレージ Operator を使用してインフラストラクチャーノードでボリュームを作成する必要がある場合があります。
ローカルストレージ Operator にワーカーノードだけでなくインフラストラクチャーノードが含まれるように、デフォルトのノードセレクターを調整する必要があります。
ローカルストレージ Operator がクラスター全体のデフォルトセレクターを継承しないようにするには、以下のコマンドを実行します。
$ oc annotate namespace openshift-local-storage openshift.io/node-selector=''
オプション: 単一ノードデプロイメントの CPU の管理プールでローカルストレージを実行できるようにします。
シングルノードデプロイメントで Local Storage Operator を使用し、
literal
プールに属する CPU の使用を許可します。この手順は、管理ワークロードパーティショニングを使用する単一ノードインストールで実行します。Local Storage Operator が管理 CPU プールで実行できるようにするには、次のコマンドを実行します。
$ oc annotate namespace openshift-local-storage workload.openshift.io/allowed='management'
UI での操作
Web コンソールからローカルストレージ Operator をインストールするには、以下の手順を実行します。
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインします。
-
Operators
OperatorHub に移動します。 - Local Storage をフィルターボックスに入力して、ローカルストレージ Operator を見つけます。
- Install をクリックします。
- Install Operator ページで、A specific namespace on the cluster を選択します。ドロップメニューから openshift-local-storage を選択します。
- Update Channel および Approval Strategy の値を必要な値に調整します。
- Install をクリックします。
これが完了すると、ローカルストレージ Operator は Web コンソールの Installed Operators セクションにリスト表示されます。
CLI からの操作
CLI からローカルストレージ Operator をインストールします。
ローカルストレージ Operator の Operator グループおよびサブスクリプションを定義するために、オブジェクト YAML ファイル (例:
openshift-local-storage.yaml
) を作成します。例: openshift-local-storage.yaml
apiVersion: operators.coreos.com/v1 kind: OperatorGroup metadata: name: local-operator-group namespace: openshift-local-storage spec: targetNamespaces: - openshift-local-storage --- apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1 kind: Subscription metadata: name: local-storage-operator namespace: openshift-local-storage spec: channel: stable installPlanApproval: Automatic 1 name: local-storage-operator source: redhat-operators sourceNamespace: openshift-marketplace
- 1
- インストール計画のユーザー認可ポリシー。
以下のコマンドを実行して、ローカルストレージ Operator オブジェクトを作成します。
$ oc apply -f openshift-local-storage.yaml
この時点で、Operator Lifecycle Manager (OLM) はローカルストレージ Operator を認識できるようになります。Operator の ClusterServiceVersion (CSV) はターゲット namespace に表示され、Operator で指定される API は作成用に利用可能になります。
すべての Pod およびローカルストレージ Operator が作成されていることを確認して、ローカルストレージのインストールを検証します。
必要な Pod すべてが作成されていることを確認します。
$ oc -n openshift-local-storage get pods
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE local-storage-operator-746bf599c9-vlt5t 1/1 Running 0 19m
ClusterServiceVersion (CSV) YAML マニフェストをチェックして、ローカルストレージ Operator が
openshift-local-storage
プロジェクトで利用できることを確認します。$ oc get csvs -n openshift-local-storage
出力例
NAME DISPLAY VERSION REPLACES PHASE local-storage-operator.4.2.26-202003230335 Local Storage 4.2.26-202003230335 Succeeded
すべてのチェックが渡されると、ローカルストレージ Operator が正常にインストールされます。
4.12.2.2. ローカルストレージ Operator を使用したローカルボリュームのプロビジョニング
ローカルボリュームは動的プロビジョニングで作成できません。代わりに、永続ボリュームがローカルストレージ Operator によって作成されることがあります。このローカルボリュームプロビジョナーは、定義されたリソースで指定されているパスでファイルシステムまたはブロックボリュームデバイスを検索します。
前提条件
- ローカルストレージ Operator がインストールされていること。
以下の条件を満たすローカルディスクがある。
- ノードに接続されている。
- マウントされていない。
- パーティションが含まれていない。
手順
ローカルボリュームリソースを作成します。このリソースは、ノードおよびローカルボリュームへのパスを定義する必要があります。
注記同じデバイスに別のストレージクラス名を使用しないでください。これを行うと、複数の永続ボリューム (PV) が作成されます。
例: ファイルシステム
apiVersion: "local.storage.openshift.io/v1" kind: "LocalVolume" metadata: name: "local-disks" namespace: "openshift-local-storage" 1 spec: nodeSelector: 2 nodeSelectorTerms: - matchExpressions: - key: kubernetes.io/hostname operator: In values: - ip-10-0-140-183 - ip-10-0-158-139 - ip-10-0-164-33 storageClassDevices: - storageClassName: "local-sc" 3 forceWipeDevicesAndDestroyAllData: false 4 volumeMode: Filesystem 5 fsType: xfs 6 devicePaths: 7 - /path/to/device 8
- 1
- ローカルストレージ Operator がインストールされている namespace。
- 2
- オプション: ローカルストレージボリュームが割り当てられているノードの一覧が含まれるノードセレクター。以下の例では、
oc get node
から取得したノードホスト名を使用します。値が定義されない場合、ローカルストレージ Operator は利用可能なすべてのノードで一致するディスクの検索を試行します。 - 3
- 永続ボリュームオブジェクトの作成時に使用するストレージクラスの名前。ローカルストレージ Operator は、ストレージクラスが存在しない場合にこれを自動的に作成します。このローカルボリュームのセットを一意に識別するストレージクラスを使用するようにしてください。
- 4
- この設定は、パーティションテーブルの署名 (マジックストリング) を削除してディスクを Local Storage Operator (LSO) プロビジョニングに使用できるようにする、
winefs
を呼び出すかどうかを定義します。署名以外のデータは消去されません。デフォルトは "false" です (wipefs
は呼び出されません)。再利用する必要がある以前のデータをディスク上に残す場合、forceWipeDevicesAndDestroyAllData
を "true" に設定すると便利です。このようなシナリオでは、このフィールドを true に設定すると、管理者はディスクを手動で消去する必要がありません。ノードを複数回再デプロイできるシングルノード OpenShift (SNO) クラスター環境や、オブジェクトストレージデバイス (OSD) として使用する予定のディスクに以前のデータを残すことができる OpenShift Data Foundation (ODF) を使用する場合も、これに該当します。 - 5
- ローカルボリュームのタイプを定義するボリュームモード (
Filesystem
またはBlock
)。注記raw ブロックボリューム (
volumeMode: Block
) はファイルシステムでフォーマットされません。このモードは、Pod で実行しているすべてのアプリケーションが raw ブロックデバイスを使用できる場合にのみ使用します。 - 6
- ローカルボリュームの初回マウント時に作成されるファイルシステム。
- 7
- 選択するローカルストレージデバイスの一覧を含むパスです。
- 8
- この値を、
LocalVolume
リソースby-id
への実際のローカルディスクのファイルパスに置き換えます (例:/dev/disk/by-id/wwn
)。プロビジョナーが正常にデプロイされると、これらのローカルディスク用に PV が作成されます。注記RHEL KVM を使用して OpenShift Container Platform を実行している場合は、VM ディスクにシリアル番号を割り当てる必要があります。そうしないと、再起動後に VM ディスクを識別できません。
virsh edit <VM>
コマンドを使用して、<serial>mydisk</serial>
定義を追加できます。
例: ブロック
apiVersion: "local.storage.openshift.io/v1" kind: "LocalVolume" metadata: name: "local-disks" namespace: "openshift-local-storage" 1 spec: nodeSelector: 2 nodeSelectorTerms: - matchExpressions: - key: kubernetes.io/hostname operator: In values: - ip-10-0-136-143 - ip-10-0-140-255 - ip-10-0-144-180 storageClassDevices: - storageClassName: "local-sc" 3 forceWipeDevicesAndDestroyAllData: false 4 volumeMode: Block 5 devicePaths: 6 - /path/to/device 7
- 1
- ローカルストレージ Operator がインストールされている namespace。
- 2
- オプション: ローカルストレージボリュームが割り当てられているノードの一覧が含まれるノードセレクター。以下の例では、
oc get node
から取得したノードホスト名を使用します。値が定義されない場合、ローカルストレージ Operator は利用可能なすべてのノードで一致するディスクの検索を試行します。 - 3
- 永続ボリュームオブジェクトの作成時に使用するストレージクラスの名前。
- 4
- この設定は、パーティションテーブルの署名 (マジックストリング) を削除してディスクを Local Storage Operator (LSO) プロビジョニングに使用できるようにする、
winefs
を呼び出すかどうかを定義します。署名以外のデータは消去されません。デフォルトは "false" です (wipefs
は呼び出されません)。再利用する必要がある以前のデータをディスク上に残す場合、forceWipeDevicesAndDestroyAllData
を "true" に設定すると便利です。このようなシナリオでは、このフィールドを true に設定すると、管理者はディスクを手動で消去する必要がありません。ノードを複数回再デプロイできるシングルノード OpenShift (SNO) クラスター環境や、オブジェクトストレージデバイス (OSD) として使用する予定のディスクに以前のデータを残すことができる OpenShift Data Foundation (ODF) を使用する場合も、これに該当します。 - 5
- ローカルボリュームのタイプを定義するボリュームモード (
Filesystem
またはBlock
)。 - 6
- 選択するローカルストレージデバイスの一覧を含むパスです。
- 7
- この値を、
LocalVolume
リソースby-id
への実際のローカルディスクのファイルパスに置き換えます (例:dev/disk/by-id/wwn
)。プロビジョナーが正常にデプロイされると、これらのローカルディスク用に PV が作成されます。
注記RHEL KVM を使用して OpenShift Container Platform を実行している場合は、VM ディスクにシリアル番号を割り当てる必要があります。そうしないと、再起動後に VM ディスクを識別できません。
virsh edit <VM>
コマンドを使用して、<serial>mydisk</serial>
定義を追加できます。OpenShift Container Platform クラスターにローカルボリュームリソースを作成します。作成したばかりのファイルを指定します。
$ oc create -f <local-volume>.yaml
プロビジョナーが作成され、対応するデーモンセットが作成されていることを確認します。
$ oc get all -n openshift-local-storage
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE pod/diskmaker-manager-9wzms 1/1 Running 0 5m43s pod/diskmaker-manager-jgvjp 1/1 Running 0 5m43s pod/diskmaker-manager-tbdsj 1/1 Running 0 5m43s pod/local-storage-operator-7db4bd9f79-t6k87 1/1 Running 0 14m NAME TYPE CLUSTER-IP EXTERNAL-IP PORT(S) AGE service/local-storage-operator-metrics ClusterIP 172.30.135.36 <none> 8383/TCP,8686/TCP 14m NAME DESIRED CURRENT READY UP-TO-DATE AVAILABLE NODE SELECTOR AGE daemonset.apps/diskmaker-manager 3 3 3 3 3 <none> 5m43s NAME READY UP-TO-DATE AVAILABLE AGE deployment.apps/local-storage-operator 1/1 1 1 14m NAME DESIRED CURRENT READY AGE replicaset.apps/local-storage-operator-7db4bd9f79 1 1 1 14m
デーモンセットプロセスの必要な数と現在の数に注意してください。必要な数が
0
の場合、これはラベルセレクターが無効であることを示します。永続ボリュームが作成されていることを確認します。
$ oc get pv
出力例
NAME CAPACITY ACCESS MODES RECLAIM POLICY STATUS CLAIM STORAGECLASS REASON AGE local-pv-1cec77cf 100Gi RWO Delete Available local-sc 88m local-pv-2ef7cd2a 100Gi RWO Delete Available local-sc 82m local-pv-3fa1c73 100Gi RWO Delete Available local-sc 48m
LocalVolume
オブジェクトを編集しても、既存の永続ボリュームの fsType
または volumeMode
は変更されません。これが破壊的な操作になる可能性があるためです。
4.12.2.3. ローカルストレージ Operator のないローカルボリュームのプロビジョニング
ローカルボリュームは動的プロビジョニングで作成できません。代わりに、永続ボリュームは、永続ボリューム (PV) をオブジェクト定義に定義して作成できます。このローカルボリュームプロビジョナーは、定義されたリソースで指定されているパスでファイルシステムまたはブロックボリュームデバイスを検索します。
PV の手動プロビジョニングには、PVC の削除時に PV 全体でデータ漏洩が発生するリスクが含まれます。ローカルストレージ Operator は、ローカル PV のプロビジョニング時にデバイスのライフサイクルを自動化するために使用することが推奨されます。
前提条件
- ローカルディスクが OpenShift Container Platform ノードに割り当てられていること。
手順
PV を定義します。
PersistentVolume
オブジェクト定義を使用して、example-pv-filesystem.yaml
またはexample-pv-block.yaml
などのファイルを作成します。このリソースは、ノードおよびローカルボリュームへのパスを定義する必要があります。注記同じデバイスに別のストレージクラス名を使用しないでください。同じ名前を使用すると、複数の PV が作成されます。
example-pv-filesystem.yaml
apiVersion: v1 kind: PersistentVolume metadata: name: example-pv-filesystem spec: capacity: storage: 100Gi volumeMode: Filesystem 1 accessModes: - ReadWriteOnce persistentVolumeReclaimPolicy: Delete storageClassName: local-sc 2 local: path: /dev/xvdf 3 nodeAffinity: required: nodeSelectorTerms: - matchExpressions: - key: kubernetes.io/hostname operator: In values: - example-node
注記raw ブロックボリューム (
volumeMode: block
) はファイルシステムでフォーマットされません。このモードは、Pod で実行しているすべてのアプリケーションが raw ブロックデバイスを使用できる場合にのみ使用します。example-pv-block.yaml
apiVersion: v1 kind: PersistentVolume metadata: name: example-pv-block spec: capacity: storage: 100Gi volumeMode: Block 1 accessModes: - ReadWriteOnce persistentVolumeReclaimPolicy: Delete storageClassName: local-sc 2 local: path: /dev/xvdf 3 nodeAffinity: required: nodeSelectorTerms: - matchExpressions: - key: kubernetes.io/hostname operator: In values: - example-node
OpenShift Container Platform クラスターに PV リソースを作成します。作成したばかりのファイルを指定します。
$ oc create -f <example-pv>.yaml
ローカル PV が作成されていることを確認します。
$ oc get pv
出力例
NAME CAPACITY ACCESS MODES RECLAIM POLICY STATUS CLAIM STORAGECLASS REASON AGE example-pv-filesystem 100Gi RWO Delete Available local-sc 3m47s example-pv1 1Gi RWO Delete Bound local-storage/pvc1 local-sc 12h example-pv2 1Gi RWO Delete Bound local-storage/pvc2 local-sc 12h example-pv3 1Gi RWO Delete Bound local-storage/pvc3 local-sc 12h
4.12.2.4. ローカルボリュームの永続ボリューム要求の作成
ローカルボリュームは、Pod でアクセスされる永続ボリューム要求として静的に作成される必要があります。
前提条件
- 永続ボリュームがローカルボリュームプロビジョナーを使用して作成されていること。
手順
対応するストレージクラスを使用して PVC を作成します。
kind: PersistentVolumeClaim apiVersion: v1 metadata: name: local-pvc-name 1 spec: accessModes: - ReadWriteOnce volumeMode: Filesystem 2 resources: requests: storage: 100Gi 3 storageClassName: local-sc 4
作成したファイルを指定して、PVC を OpenShift Container Platform クラスターに作成します。
$ oc create -f <local-pvc>.yaml
4.12.2.5. ローカル要求を割り当てます。
ローカルボリュームが永続ボリューム要求にマップされた後に、これをリソース内に指定できます。
前提条件
- 永続ボリューム要求が同じ namespace に存在する。
手順
定義された要求をリソースの仕様に追加します。以下の例では、Pod 内で永続ボリューム要求を宣言します。
apiVersion: v1 kind: Pod spec: # ... containers: volumeMounts: - name: local-disks 1 mountPath: /data 2 volumes: - name: local-disks persistentVolumeClaim: claimName: local-pvc-name 3 # ...
作成したファイルを指定して、OpenShift Container Platform クラスターにリソースを作成します。
$ oc create -f <local-pod>.yaml
4.12.2.6. 詳細は、ローカルストレージデバイスの自動検出およびプロビジョニングを参照してください。
ローカルストレージ Operator はローカルストレージ検出およびプロビジョニングを自動化します。この機能を使用すると、ベアメタル、VMware、または割り当てられたデバイスを持つ AWS ストアインスタンスなど、デプロイメント時に動的プロビジョニングが利用できない場合にインストールを単純化できます。
自動検出およびプロビジョニングは、テクノロジープレビュー機能としてのみ提供されます。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
Red Hat OpenShift Data Foundation をオンプレミスでデプロイするために使用する場合、またはプラットフォームに依存しないデプロイメントで使用する場合、自動検出とプロビジョニングは完全にサポートされます。
ローカルデバイスを自動的に検出し、選択したデバイスのローカルボリュームを自動的にプロビジョニングするには、以下の手順を使用します。
LocalVolumeSet
オブジェクトの使用には注意が必要です。ローカルディスクから永続ボリューム (PV) を自動的にプロビジョニングする場合、ローカル PV は一致するすべてのデバイスを要求する可能性があります。LocalVolumeSet
オブジェクトを使用している場合、ローカルストレージ Operator がノードでローカルデバイスを管理する唯一のエンティティーであることを確認します。ノードを複数回ターゲットにする Local VolumeSet
のインスタンスを複数作成することはサポートされていません。
前提条件
- クラスター管理者パーミッションがある。
- ローカルストレージ Operator がインストールされていること。
- ローカルディスクが OpenShift Container Platform ノードに割り当てられていること。
-
OpenShift Container Platform Web コンソールまたは
oc
コマンドラインインターフェイス (CLI) へのアクセスがあること。
手順
Web コンソールからローカルデバイスの自動検出を有効にするには、以下を行います。
-
Operators
Installed Operators をクリックします。 -
openshift-local-storage
namespace で Local Storage をクリックします。 - Local Volume Discovery タブをクリックします。
- Create Local Volume Discovery をクリックし、Form view または YAML view のいずれかを選択します。
-
LocalVolumeDiscovery
オブジェクトパラメーターを設定します。 Create をクリックします。
Local Storage Operator は、
auto-discover-devices
という名前のローカルボリューム検出インスタンスを作成します。
-
Operators
ノードで利用可能なデバイスの連続リストを表示するには、以下を実行します。
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインします。
-
Compute
Nodes に移動します。 - 開くノードの名前をクリックします。「Node Details」ページが表示されます。
Disks タブを選択して、選択したデバイスのリストを表示します。
ローカルディスクを追加または削除しても、デバイスリストの更新が継続的に行われます。名前、ステータス、タイプ、モデル、容量、およびモードでデバイスをフィルターできます。
Web コンソールから検出されたデバイスのローカルボリュームを自動的にプロビジョニングするには、以下を実行します。
-
Operators
Installed Operators に移動し、Operator のリストから Local Storage を選択します。 -
Local Volume Set
Create Local Volume Set を選択します。 - ボリュームセット名とストレージクラス名を入力します。
All nodes または Select nodes を選択し、適宜フィルターを適用します。
注記All nodes または Select nodes を使用してフィルターするかどうかにかかわらず、ワーカーノードのみが利用可能になります。
ローカルボリュームセットに適用するディスクタイプ、モード、サイズ、および制限を選択し、Create をクリックします。
メッセージが数分後に表示され、「Operator reconciled successfully」という Operator の調整が正常に行われたことが示唆されます。
-
Operators
または、CLI から検出されたデバイスのローカルボリュームをプロビジョニングするには、以下を実行します。
以下の例に示されるように、オブジェクト YAML ファイルを作成し、
local-volume-set.yaml
などのローカルボリュームセットを定義します。apiVersion: local.storage.openshift.io/v1alpha1 kind: LocalVolumeSet metadata: name: example-autodetect spec: nodeSelector: nodeSelectorTerms: - matchExpressions: - key: kubernetes.io/hostname operator: In values: - worker-0 - worker-1 storageClassName: local-sc 1 volumeMode: Filesystem fsType: ext4 maxDeviceCount: 10 deviceInclusionSpec: deviceTypes: 2 - disk - part deviceMechanicalProperties: - NonRotational minSize: 10G maxSize: 100G models: - SAMSUNG - Crucial_CT525MX3 vendors: - ATA - ST2000LM
ローカルボリュームセットオブジェクトを作成します。
$ oc apply -f local-volume-set.yaml
ローカル永続ボリュームがストレージクラスに基づいて動的にプロビジョニングされていることを確認します。
$ oc get pv
出力例
NAME CAPACITY ACCESS MODES RECLAIM POLICY STATUS CLAIM STORAGECLASS REASON AGE local-pv-1cec77cf 100Gi RWO Delete Available local-sc 88m local-pv-2ef7cd2a 100Gi RWO Delete Available local-sc 82m local-pv-3fa1c73 100Gi RWO Delete Available local-sc 48m
結果は、ノードから削除された後に削除されます。シンボリックリンクは手動で削除する必要があります。
4.12.2.7. ローカルストレージ Operator Pod での容認の使用
テイントはノードに適用し、それらが一般的なワークロードを実行しないようにすることができます。ローカルストレージ Operator がテイントのマークが付けられたノードを使用できるようにするには、容認を Pod
または DaemonSet
定義に追加する必要があります。これにより、作成されたリソースをこれらのテイントのマークが付けられたノードで実行できるようになります。
容認を LocalVolume
リソースでローカルストレージ Operator Pod に適用し、テイントをノード仕様でノードに適用します。ノードのテイントはノードに対し、テイントを容認しないすべての Pod を拒否するよう指示します。他の Pod にはない特定のテイントを使用することで、ローカルストレージ Operator Pod がそのノードでも実行されるようにできます。
taint および toleration は、key、value、および effect で構成されます。引数として、これは key=value:effect
として表現されます。演算子により、これらの 3 つのパラメーターのいずれかを空のままにすることができます。
前提条件
- ローカルストレージ Operator がインストールされていること。
- ローカルディスクがテイントを持つ OpenShift Container Platform ノードに割り当てられている。
- テイントのマークが付けられたノードがローカルストレージのプロビジョニングを行うことが想定されます。
手順
テイントのマークが付けられたノードでスケジュールするようにローカルボリュームを設定するには、以下を実行します。
以下の例に示されるように、
Pod
を定義する YAML ファイルを変更し、LocalVolume
仕様を追加します。apiVersion: "local.storage.openshift.io/v1" kind: "LocalVolume" metadata: name: "local-disks" namespace: "openshift-local-storage" spec: tolerations: - key: localstorage 1 operator: Equal 2 value: "localstorage" 3 storageClassDevices: - storageClassName: "local-sc" volumeMode: Block 4 devicePaths: 5 - /dev/xvdg
オプション: テイントのマークが付けられたノードでのみローカル永続ボリュームを作成するには、以下の例のように YAML ファイルを変更し、
LocalVolume
仕様を追加します。spec: tolerations: - key: node-role.kubernetes.io/master operator: Exists
定義された容認は結果として作成されるデーモンセットに渡されます。これにより、diskmaker およびプロビジョナー Pod を指定されたテイントが含まれるノード用に作成できます。
4.12.2.8. ローカルストレージ Operator メトリクス
OpenShift Container Platform は、ローカルストレージ Operator の以下のメトリクスを提供します。
-
lso_discovery_disk_count
: 各ノードで検出されたデバイスの合計数 -
lso_lvset_provisioned_PV_count
:LocalVolumeSet
オブジェクトによって作成される PV の合計数 -
lso_lvset_unmatched_disk_count
: 条件の不一致により、ローカルストレージ Operator がプロビジョニング用に選択しなかったディスクの合計数 -
lso_lvset_orphaned_symlink_count
:LocalVolumeSet
オブジェクト基準に一致しなくなった PV のあるデバイスの数 -
lso_lv_orphaned_symlink_count
:LocalVolume
オブジェクト基準に一致しなくなった PV のあるデバイスの数 -
lso_lv_provisioned_PV_count
:LocalVolume
のプロビジョニングされた PV の合計数
これらのメトリクスを使用するには、以下の点を確認してください。
- ローカルストレージ Operator のインストール時に、モニタリングのサポートを有効にする。
-
OpenShift Container Platform 4.9 以降にアップグレードする場合は、namespace に
operator-metering=true
ラベルを追加してメトリクスサポートを手動で有効にしてください。
メトリクスの詳細は、メトリクスの管理 を参照してください。
4.12.2.9. ローカルストレージ Operator のリソースの削除
4.12.2.9.1. ローカルボリュームまたはローカルボリュームセットの削除
ローカルボリュームおよびローカルボリュームセットを削除する必要がある場合があります。リソースのエントリーを削除し、永続ボリュームを削除することで通常は十分ですが、同じデバイスパスを再使用する場合や別のストレージクラスでこれを管理する必要がある場合には、追加の手順が必要になります。
以下の手順では、ローカルボリュームを削除する例の概要を説明します。同じ手順を使用して、ローカルボリュームセットのカスタムリソースのシンボリックリンクを削除することもできます。
前提条件
永続ボリュームの状態は
Released
またはAvailable
である必要があります。警告使用中の永続ボリュームを削除すると、データの損失や破損につながる可能性があります。
手順
以前に作成したローカルボリュームを編集して、不要なディスクを削除します。
クラスターリソースを編集します。
$ oc edit localvolume <name> -n openshift-local-storage
-
devicePaths
の下の行に移動し、不要なディスクを表すものを削除します。
作成した永続ボリュームを削除します。
$ oc delete pv <pv-name>
ノード上のディレクトリーと含まれるシンボリックリンクを削除します。
警告以下の手順では、root ユーザーとしてノードにアクセスする必要があります。この手順のステップ以外にノードの状態を変更すると、クラスターが不安定になる可能性があります。
$ oc debug node/<node-name> -- chroot /host rm -rf /mnt/local-storage/<sc-name> 1
- 1
- ローカルボリュームの作成に使用されるストレージクラスの名前。
4.12.2.9.2. ローカルストレージ Operator のアンインストール
ローカルストレージ Operator をアンインストールするには、Operator および openshift-local-storage
プロジェクトの作成されたすべてのリソースを削除する必要があります。
ローカルストレージ PV がまだ使用中の状態でローカルストレージ Operator をアンインストールすることは推奨されません。PV は Operator の削除後も残りますが、PV およびローカルストレージリソースを削除せずに Operator がアンインストールされ、再インストールされる場合に予測できない動作が生じる可能性があります。
前提条件
- OpenShift Container Platform Web コンソールにアクセスできる。
手順
プロジェクトにインストールされているローカルボリュームリソースを削除します (
localvolume
、localvolumeset
、localvolumediscovery
等)。$ oc delete localvolume --all --all-namespaces $ oc delete localvolumeset --all --all-namespaces $ oc delete localvolumediscovery --all --all-namespaces
Web コンソールからローカルストレージ Operator をアンインストールします。
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインします。
-
Operators
Installed Operators に移動します。 - Local Storage をフィルターボックスに入力して、ローカルストレージ Operator を見つけます。
- ローカルストレージ Operator の末尾にある Options メニュー をクリックします。
- Uninstall Operator をクリックします。
- 表示されるウィンドウで Remove をクリックします。
ローカルストレージ Operator で作成された PV は削除されるまでクラスターに残ります。これらのボリュームが使用されなくなったら、以下のコマンドを実行してこれらのボリュームを削除します。
$ oc delete pv <pv-name>
openshift-local-storage
プロジェクトを削除します。$ oc delete project openshift-local-storage
4.12.3. hostPath を使用した永続ストレージ
OpenShift Container Platform クラスター内の hostPath ボリュームは、ファイルまたはディレクトリーをホストノードのファイルシステムから Pod にマウントします。ほとんどの Pod には hostPath ボリュームは必要ありませんが、アプリケーションが必要とする場合は、テスト用のクイックオプションが提供されます。
クラスター管理者は、特権付き Pod として実行するように Pod を設定する必要があります。これにより、同じノードの Pod へのアクセスが付与されます。
4.12.3.1. 概要
OpenShift Container Platform はシングルノードクラスターでの開発およびテスト用の hostPath マウントをサポートします。
実稼働クラスターでは、hostPath を使用しません。代わりにクラスター管理者は、GCE Persistent Disk ボリューム、NFS 共有、Amazon EBS ボリュームなどのネットワークリソースをプロビジョニングします。ネットワークリソースは、ストレージクラスを使用した動的プロビジョニングの設定をサポートします。
hostPath ボリュームは静的にプロビジョニングする必要があります。
コンテナーのルート (/
) や、ホストとコンテナーで同じパスにはマウントしないでください。これは、コンテナーに十分な特権が付与されている場合、ホストシステムを破壊する可能性があります。ホストをマウントするには、/host
を使用するのが安全です。以下の例では、ホストの /
ディレクトリーが /host
でコンテナーにマウントされています。
apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: test-host-mount spec: containers: - image: registry.access.redhat.com/ubi9/ubi name: test-container command: ['sh', '-c', 'sleep 3600'] volumeMounts: - mountPath: /host name: host-slash volumes: - name: host-slash hostPath: path: / type: ''
4.12.3.2. hostPath ボリュームの静的なプロビジョニング
hostPath ボリュームを使用する Pod は、手動の (静的) プロビジョニングで参照される必要があります。
手順
PersistentVolume
オブジェクト定義を含むpv.yaml
ファイルを作成して、永続ボリューム (PV) を定義します。apiVersion: v1 kind: PersistentVolume metadata: name: task-pv-volume 1 labels: type: local spec: storageClassName: manual 2 capacity: storage: 5Gi accessModes: - ReadWriteOnce 3 persistentVolumeReclaimPolicy: Retain hostPath: path: "/mnt/data" 4
ファイルから PV を作成します。
$ oc create -f pv.yaml
PersistentVolumeClaim
オブジェクト定義を含むpvc.yaml
ファイルを作成して PVC を定義します。apiVersion: v1 kind: PersistentVolumeClaim metadata: name: task-pvc-volume spec: accessModes: - ReadWriteOnce resources: requests: storage: 1Gi storageClassName: manual
ファイルから PVC を作成します。
$ oc create -f pvc.yaml
4.12.3.3. 特権付き Pod での hostPath 共有のマウント
永続ボリューム要求の作成後に、これをアプリケーション内で使用できます。以下の例は、この共有を Pod 内にマウントする方法を示しています。
前提条件
- 基礎となる hostPath 共有にマップされる永続ボリューム要求があること。
手順
既存の永続ボリューム要求をマウントする特権付き Pod を作成します。
apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: pod-name 1 spec: containers: ... securityContext: privileged: true 2 volumeMounts: - mountPath: /data 3 name: hostpath-privileged ... securityContext: {} volumes: - name: hostpath-privileged persistentVolumeClaim: claimName: task-pvc-volume 4
4.12.4. Logical Volume Manager Storage を使用した永続ストレージ
論理ボリュームマネージャー (LVM) ストレージは、TopoLVM CSI ドライバーを介して LVM2 を使用して、リソースが制限されたクラスター上でローカルストレージを動的にプロビジョニングします。
LVM Storage を使用すると、ボリュームグループ、永続ボリューム要求 (PVC)、ボリュームスナップショット、およびボリュームクローンを作成できます。
4.12.4.1. Logical Volume Manager Storage のインストール
OpenShift Container Platform クラスターに論理ボリュームマネージャー (LVM) ストレージをインストールし、ワークロードのストレージを動的にプロビジョニングするように設定できます。
LVM Storage は、OpenShift Container Platform CLI (oc
)、OpenShift Container Platform Web コンソール、または Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) を使用してインストールできます。
マルチノードクラスターで LVM Storage を使用する場合、LVM Storage はローカルストレージのプロビジョニングのみをサポートします。LVM Storage は、ノード間のストレージデータレプリケーションメカニズムをサポートしていません。単一障害点を回避するために、アクティブまたはパッシブレプリケーションメカニズムを通じてストレージデータを確実にレプリケーションする必要があります。
4.12.4.1.1. LVM Storage をインストールするための前提条件
LVM Storage をインストールするための前提条件は次のとおりです。
- 最低でも 10 ミリの CPU と 100 MiB の RAM があることを確認してください。
- すべてのマネージドクラスターに、ストレージのプロビジョニングに使用される専用のディスクがあることを確認してください。LVM Storage は、ファイルシステム署名が含まれていない空のディスクのみを使用します。確実にディスクが空で、ファイルシステム署名が含まれていないようにするには、使用する前にディスクを消去します。
以前の LVM Storage のインストールで設定したストレージデバイスを再利用できるプライベート CI 環境に LVM Storage をインストールする前に、使用されていないディスクが消去されていることを確認してください。LVM Storage をインストールする前にディスクをワイプしないと、ディスクを再利用するのに手動による介入が必要になります。
注記使用中のディスクは消去できません。
- Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) を使用して LVM Storage をインストールする場合は、RHACM が OpenShift Container Platform クラスターにインストールされていることを確認してください。「RHACM を使用した LVM Storage のインストール」セクションを参照してください。
4.12.4.1.2. CLI を使用した LVM Storage のインストール
クラスター管理者は、OpenShift CLI を使用して LVM Storage をインストールできます。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
および Operator インストール権限を持つユーザーとして OpenShift Container Platform にログインしている。
手順
namespace を作成するための設定を含む YAML ファイルを作成します。
namespace を作成するための YAML 設定の例
apiVersion: v1 kind: Namespace metadata: labels: openshift.io/cluster-monitoring: "true" pod-security.kubernetes.io/enforce: privileged pod-security.kubernetes.io/audit: privileged pod-security.kubernetes.io/warn: privileged name: openshift-storage
以下のコマンドを実行して namespace を作成します。
$ oc create -f <file_name>
OperatorGroup
CR YAML ファイルを作成します。OperatorGroup
CR の例apiVersion: operators.coreos.com/v1 kind: OperatorGroup metadata: name: openshift-storage-operatorgroup namespace: openshift-storage spec: targetNamespaces: - openshift-storage
以下のコマンドを実行して
OperatorGroup
CR を作成します。$ oc create -f <file_name>
Subscription
CR YAML ファイルを作成します。Subscription
CR の例apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1 kind: Subscription metadata: name: lvms namespace: openshift-storage spec: installPlanApproval: Automatic name: lvms-operator source: redhat-operators sourceNamespace: openshift-marketplace
以下のコマンドを実行して
Subscription
CR を作成します。$ oc create -f <file_name>
検証
LVM Storage がインストールされていることを確認するには、次のコマンドを実行します。
$ oc get csv -n openshift-storage -o custom-columns=Name:.metadata.name,Phase:.status.phase
出力例
Name Phase 4.13.0-202301261535 Succeeded
4.12.4.1.3. Web コンソールを使用した LVM Storage のインストール
OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して LVM Storage をインストールできます。
前提条件
- クラスターにアクセスできる。
-
cluster-admin
および Operator インストール権限で OpenShift Container Platform にアクセスできる。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインします。
-
Operators
OperatorHub をクリックします。 - OperatorHub ページで LVM Storage をクリックします。
Operator Installation ページで次のオプションを設定します。
- Update Channel を stable-4.16 に設定します。
- Installation Mode を A specific namespace on the cluster に設定します。
-
Installed Namespace を Operator recommended namespace openshift-storage に設定します。
openshift-storage
namespace が存在しない場合は、Operator のインストール中に作成されます。 Update approval で Automatic または Manual を選択します。
注記Automatic (自動) 更新を選択すると、手動による介入なしで、Operator Lifecycle Manager (OLM) によって LVM Storage の実行中のインスタンスが自動的に更新されます。
Manual 更新を選択した場合、OLM は更新要求を作成します。LVM Storage を新しいバージョンに更新するには、クラスター管理者が更新要求を手動で承認する必要があります。
- オプション: Enable Operator recommended cluster monitoring on this Namespace チェックボックスを選択します。
- Install をクリックします。
検証手順
- インストールが成功したことを示す緑色のチェックマークが LVM Storage に表示されていることを確認します。
4.12.4.1.4. 非接続環境での LVM Storage のインストール
非接続環境の OpenShift Container Platform に LVM Storage をインストールできます。「関連情報」セクションに、この手順で参照されているすべてのセクションのリンクが記載されています。
前提条件
- 「非接続インストールミラーリングについて」セクションを確認した。
- OpenShift Container Platform イメージリポジトリーにアクセスできる。
- ミラーレジストリーを作成した。
手順
「イメージセット設定の作成」手順の手順に従います。LVM Storage の
ImageSetConfiguration
カスタムリソース (CR) を作成するには、次のImageSetConfiguration
CR 設定の例を使用できます。LVM Storage 用の
ImageSetConfiguration
CR の例kind: ImageSetConfiguration apiVersion: mirror.openshift.io/v1alpha2 archiveSize: 4 1 storageConfig: 2 registry: imageURL: example.com/mirror/oc-mirror-metadata 3 skipTLS: false mirror: platform: channels: - name: stable-4.16 4 type: ocp graph: true 5 operators: - catalog: registry.redhat.io/redhat/redhat-operator-index:v4.16 6 packages: - name: lvms-operator 7 channels: - name: stable 8 additionalImages: - name: registry.redhat.io/ubi9/ubi:latest 9 helm: {}
- 1
- イメージセット内の各ファイルの最大サイズ (GiB 単位) を設定します。
- 2
- イメージセットを保存する場所を指定します。この場所は、レジストリーまたはローカルディレクトリーにすることができます。テクノロジープレビューの OCI 機能を使用している場合を除き、
storageConfig
フィールドを設定する必要があります。 - 3
- レジストリーを使用する場合は、イメージストリームのストレージ URL を指定します。詳細は、イメージストリームを使用する理由 を参照してください。
- 4
- OpenShift Container Platform イメージの取得元のチャネルを指定します。
- 5
- OpenShift Update Service (OSUS) グラフイメージを生成するには、このフィールドを
true
に設定します。詳細は、OpenShift Update Service について を参照してください。 - 6
- OpenShift Container Platform イメージの取得元の Operator カタログを指定します。
- 7
- イメージセットに含める Operator パッケージを指定します。このフィールドが空の場合、カタログ内のすべてのパッケージが取得されます。
- 8
- イメージセットに含める Operator パッケージのチャネルを指定します。Operator パッケージのデフォルトチャネルは、そのチャネルのバンドルを使用しない場合でも含める必要があります。コマンド
$ oc mirror list operators --catalog=<catalog_name> --package=<package_name>
を実行すると、デフォルトチャネルを見つけることができます。 - 9
- イメージセットに含める追加のイメージを指定します。
- 「イメージセットをミラーレジストリーにミラーリングする」セクションの手順に従います。
- 「イメージレジストリーのリポジトリーミラーリングの設定」セクションの手順に従います。
4.12.4.1.5. RHACM を使用した LVM Storage のインストール
Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) を使用してクラスターに LVM Storage をインストールするには、Policy
カスタムリソース (CR) を作成する必要があります。LVM Storage をインストールするクラスターを選択するための基準を設定することもできます。
LVM Storage をインストールするために作成した Policy
CR は、Policy
CR の作成後にインポートまたは作成したクラスターにも適用されます。
前提条件
-
cluster-admin
および Operator のインストール権限を持つアカウントを使用して、RHACM クラスターにアクセスできる。 - 各クラスターに、LVM Storage が使用できる専用のディスクがある。
- クラスターが RHACM によって管理されている。
手順
- OpenShift Container Platform の認証情報を使用して RHACM CLI にログインします。
namespace を作成します。
$ oc create ns <namespace>
Policy
CR YAML ファイルを作成します。LVM Storage をインストールして設定するための
Policy
CR の例apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1 kind: PlacementRule metadata: name: placement-install-lvms spec: clusterConditions: - status: "True" type: ManagedClusterConditionAvailable clusterSelector: 1 matchExpressions: - key: mykey operator: In values: - myvalue --- apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: PlacementBinding metadata: name: binding-install-lvms placementRef: apiGroup: apps.open-cluster-management.io kind: PlacementRule name: placement-install-lvms subjects: - apiGroup: policy.open-cluster-management.io kind: Policy name: install-lvms --- apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: Policy metadata: annotations: policy.open-cluster-management.io/categories: CM Configuration Management policy.open-cluster-management.io/controls: CM-2 Baseline Configuration policy.open-cluster-management.io/standards: NIST SP 800-53 name: install-lvms spec: disabled: false remediationAction: enforce policy-templates: - objectDefinition: apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: ConfigurationPolicy metadata: name: install-lvms spec: object-templates: - complianceType: musthave objectDefinition: 2 apiVersion: v1 kind: Namespace metadata: labels: openshift.io/cluster-monitoring: "true" pod-security.kubernetes.io/enforce: privileged pod-security.kubernetes.io/audit: privileged pod-security.kubernetes.io/warn: privileged name: openshift-storage - complianceType: musthave objectDefinition: 3 apiVersion: operators.coreos.com/v1 kind: OperatorGroup metadata: name: openshift-storage-operatorgroup namespace: openshift-storage spec: targetNamespaces: - openshift-storage - complianceType: musthave objectDefinition: 4 apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1 kind: Subscription metadata: name: lvms namespace: openshift-storage spec: installPlanApproval: Automatic name: lvms-operator source: redhat-operators sourceNamespace: openshift-marketplace remediationAction: enforce severity: low
次のコマンドを実行して
Policy
CR を作成します。$ oc create -f <file_name> -n <namespace>
Policy
CR を作成すると、PlacementRule
CR で設定された選択基準に一致するクラスターに次のカスタムリソースが作成されます。-
Namespace
-
OperatorGroup
-
サブスクリプション
-
4.12.4.2. LVMCluster カスタムリソースについて
次の操作を実行するように LVMCluster
CR を設定できます。
- 永続ボリューム要求 (PVC) のプロビジョニングに使用できる LVM ボリュームグループを作成する。
- LVM ボリュームグループに追加するデバイスのリストを設定する。
- LVM ボリュームグループを作成するノードを選択するための要件と、ボリュームグループのシンプール設定を設定する。
- 選択したデバイスを強制的にワイプする。
LVM Storage をインストールした後、LVMCluster
カスタムリソース (CR) を作成する必要があります。
LVMCluster
CR YAML ファイルの例
apiVersion: lvm.topolvm.io/v1alpha1 kind: LVMCluster metadata: name: my-lvmcluster namespace: openshift-storage spec: tolerations: - effect: NoSchedule key: xyz operator: Equal value: "true" storage: deviceClasses: - name: vg1 fstype: ext4 1 default: true nodeSelector: 2 nodeSelectorTerms: - matchExpressions: - key: mykey operator: In values: - ssd deviceSelector: 3 paths: - /dev/disk/by-path/pci-0000:87:00.0-nvme-1 - /dev/disk/by-path/pci-0000:88:00.0-nvme-1 optionalPaths: - /dev/disk/by-path/pci-0000:89:00.0-nvme-1 - /dev/disk/by-path/pci-0000:90:00.0-nvme-1 forceWipeDevicesAndDestroyAllData: true thinPoolConfig: name: thin-pool-1 sizePercent: 90 4 overprovisionRatio: 10 chunkSize: 128Ki 5 chunkSizeCalculationPolicy: Static 6
LVMCluster CR のフィールドの説明
LVMCluster
CR のフィールドについて、次の表で説明します。
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
|
| ローカルストレージデバイスを LVM ボリュームグループに割り当てるための設定を含めます。 LVM Storage は、ユーザーが作成する各デバイスクラスに対してストレージクラスとボリュームスナップショットクラスを作成します。 |
|
| LVM ボリュームグループ (VG) の名前を指定します。 以前のインストールで作成したボリュームグループを再利用するようにこのフィールドを設定することもできます。詳細は、「以前の LVM ストレージインストールからのボリュームグループの再利用」を参照してください。 |
|
|
このフィールドは、 |
|
|
デバイスクラスがデフォルトであることを指定するには、このフィールドを |
|
| LVM ボリュームグループを作成するノードを選択するための設定を含めます。このフィールドが空の場合、no-schedule テイントのないすべてのノードが考慮されます。 コントロールプレーンノードでは、クラスター内で新しいノードがアクティブになると、LVM Storage が追加のワーカーノードを検出して使用します。 |
|
| ノードの選択に使用する要件を設定します。 |
|
| 次の操作を実行するための設定を含めます。
詳細は、「ボリュームグループへのデバイスの追加について」を参照してください。 |
|
| デバイスパスを指定します。
このフィールドに指定されたデバイスパスが存在しない場合、またはデバイスが LVM Storage でサポートされていない場合、 |
|
| オプションのデバイスパスを指定します。 このフィールドに指定されたデバイスパスが存在しない場合、またはデバイスが LVM Storage によってサポートされていない場合、LVM Storage はエラーを起こすことなくデバイスを無視します。 |
|
| LVM Storage は、ファイルシステム署名が含まれていない空のディスクのみを使用します。確実にディスクが空で、ファイルシステム署名が含まれていないようにするには、使用する前にディスクを消去します。
選択したデバイスを強制的にワイプするには、このフィールドを 警告
このフィールドが 次の条件のいずれかが満たされている場合にデバイスをワイプすると、データの整合性が失われる可能性があります。
これらの条件のいずれかに該当する場合は、ディスクを強制的にワイプしないでください。代わりに、ディスクを手動でワイプする必要があります。 |
|
| LVM ボリュームグループにシンプールを作成するための設定を含めます。 このフィールドを除外すると、論理ボリュームはシックプロビジョニングされます。 シックプロビジョニングされたストレージを使用する場合、次の制限があります。
|
|
| シンプールの名前を指定します。 |
|
| シンプールを作成するための LVM ボリュームグループ内の領域の割合を指定します。 デフォルトでは、このフィールドは 90 に設定されています。設定できる最小値は 10、最大値は 90 です。 |
|
| シンプールで使用可能なストレージに基づいて追加のストレージをプロビジョニングするのに使用する係数を指定します。 たとえば、このフィールドが 10 に設定されている場合、シンプールで使用可能なストレージの量の最大 10 倍をプロビジョニングできます。 オーバープロビジョニングを無効にするには、このフィールドを 1 に設定します。 |
|
|
静的に計算されたチャンクサイズをシンプールに指定します。このフィールドは、
このフィールドを設定せず、 詳細は、「チャンクサイズの概要」を参照してください。 |
|
|
基盤となるボリュームグループのチャンクサイズを計算するポリシーを指定します。このフィールドは、
このフィールドが
このフィールドが 詳細は、「LVM ストレージで使用するデバイスのサイズを設定する際の制限事項」を参照してください。 |
関連情報
4.12.4.2.1. LVM Storage で使用するデバイスのサイズを設定する際の制限事項
LVM Storage を使用したストレージのプロビジョニングで使用できるデバイスのサイズを設定する際の制限は、次のとおりです。
- プロビジョニングできる合計ストレージサイズは、基礎となる論理ボリュームマネージャー (LVM) シンプールのサイズとオーバープロビジョニング係数によって制限されます。
論理ボリュームのサイズは、物理エクステント (PE) のサイズと論理エクステント (LE) のサイズによって異なります。
- PE および LE のサイズは、物理デバイスおよび論理デバイスの作成時に定義できます。
- デフォルトの PE および LE サイズは 4 MB です。
- PE のサイズを大きくした場合、LVM の最大サイズは、カーネルの制限とディスク領域によって決定されます。
次の表に、静的設定とホスト設定のチャンクサイズとボリュームサイズの制限を示します。
パラメーター | 値 |
---|---|
チャンクサイズ | 128 KiB |
最大ボリュームサイズ | 32 TiB |
パラメーター | 最小値 | 最大値 |
---|---|---|
チャンクサイズ | 64 KiB | 1 GiB |
ボリュームサイズ | 基盤となる Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) システムの最小サイズ。 | 基盤となる RHCOS システムの最大サイズ。 |
パラメーター | 値 |
---|---|
チャンクサイズ |
この値は、 |
最大ボリュームサイズ | 基盤となる RHCOS システムの最大ボリュームサイズと同じです。 |
最小ボリュームサイズ | 基盤となる RHCOS システムの最小ボリュームサイズと同じです。 |
4.12.4.2.2. ボリュームグループへのデバイスの追加について
LVMCluster
CR の deviceSelector
フィールドには、論理ボリュームマネージャー (LVM) ボリュームグループに追加するデバイスへのパスを指定するための設定が含まれています。
デバイスへのパスは、deviceSelector.paths
フィールド、deviceSelector.optionalPaths
フィールド、またはその両方で指定できます。deviceSelector.paths
フィールドと deviceSelector.optionalPaths
フィールドのどちらにもデバイスパスを指定しなかった場合、LVM Storage によって、サポートされている未使用のデバイスがボリュームグループ (VG) に追加されます。
deviceSelector
フィールドに Redundant Array of Independent Disks (RAID) アレイへのパスを追加して、RAID アレイを LVM ストレージと統合できます。mdadm
ユーティリティーを使用して RAID アレイを作成できます。LVM ストレージはソフトウェア RAID の作成をサポートしていません。
RAID アレイは、OpenShift Container Platform のインストール中にのみ作成できます。RAID アレイの作成に関する詳細は、以下のセクションを参照してください。
- 「関連情報」の「RAID 対応データボリュームの設定」
- インストール済みシステムでのソフトウェア RAID の作成
- RAID での障害のあるディスクの置き換え
- RAID ディスクの修復
暗号化されたデバイスをボリュームグループに追加することもできます。OpenShift Container Platform のインストール中に、クラスターノードでディスク暗号化を有効にすることができます。デバイスを暗号化した後、deviceSelector
フィールドで LUKS 暗号化デバイスへのパスを指定できます。ディスク暗号化の詳細は、「ディスク暗号化について」および「ディスク暗号化とミラーリングの設定」を参照してください。
VG に追加するデバイスは、LVM ストレージでサポートされている必要があります。サポートされていないデバイスの詳細は、「LVM ストレージでサポートされていないデバイス」を参照してください。
LVM ストレージは、次の条件が満たされた場合にのみ、デバイスを VG に追加します。
- デバイスパスが存在する。
- デバイスが LVM Storage によってサポートされている。
デバイスを VG に追加した後は、そのデバイスを削除することはできません。
LVM ストレージは動的デバイス検出をサポートします。LVMCluster
CR に deviceSelector
フィールドを追加しない場合、デバイスが利用可能になると、LVM Storage は新しいデバイスを自動的に VG に追加します。
以下の理由により、動的デバイス検出を通じてデバイスを VG に追加することは推奨されません。
- VG に追加するつもりのない新しいデバイスを追加すると、LVM ストレージは動的デバイス検出を通じてこのデバイスを VG に自動的に追加します。
- LVM ストレージが動的デバイス検出を通じて VG にデバイスを追加する場合、LVM ストレージはノードからデバイスを削除することを制限しません。VG にすでに追加されているデバイスを削除または更新すると、VG が中断される可能性があります。これにより、データが失われ、手動でのノードの修復が必要になる可能性もあります。
4.12.4.2.3. LVM Storage でサポートされないデバイス
LVMCluster
カスタムリソース (CR) の deviceSelector
フィールドにデバイスパスを追加する場合は、そのデバイスが LVM Storage でサポートされていることを確認してください。サポートされていないデバイスへのパスを追加すると、論理ボリュームの管理が複雑になることを回避するために、LVM Storage はそのデバイスを除外します。
deviceSelector
フィールドでデバイスパスを指定しない場合、LVM Storage はサポート対象の未使用デバイスのみ追加します。
デバイスに関する情報を取得するには、次のコマンドを実行します。
$ lsblk --paths --json -o \ NAME,ROTA,TYPE,SIZE,MODEL,VENDOR,RO,STATE,KNAME,SERIAL,PARTLABEL,FSTYPE
LVM Storage は、次のデバイスをサポートしません。
- 読み取り専用デバイス
-
ro
パラメーターがtrue
に設定されているデバイス。 - 一時停止されたデバイス
-
state
パラメーターがsuspended
に設定されているデバイス。 - ROM デバイス
-
type
パラメーターがrom
に設定されているデバイス。 - LVM パーティションデバイス
-
type
パラメーターがlvm
に設定されているデバイス。 - 無効なパーティションラベルを持つデバイス
-
partlabel
パラメーターがbios
、boot
、またはreserved
に設定されているデバイス。 - 無効なファイルシステムを持つデバイス
fstype
パラメーターが、null
またはLVM2_member
以外の値に設定されているデバイス。重要LVM Storage は、そのデバイスに子デバイスが含まれていない場合に限り、
fstype
パラメーターがLVM2_member
に設定されているデバイスをサポートします。- 別のボリュームグループの一部であるデバイス
デバイスのボリュームグループに関する情報を取得するには、次のコマンドを実行します。
$ pvs <device-name> 1
- 1
<device-name>
をデバイス名に置き換えます。
- バインドマウントを備えたデバイス
デバイスのマウントポイントを取得するには、次のコマンドを実行します。
$ cat /proc/1/mountinfo | grep <device-name> 1
- 1
<device-name>
をデバイス名に置き換えます。
- 子デバイスを含むデバイス
予期しない動作を防ぐために、LVM Storage で使用する前にデバイスをワイプすることが推奨されます。
4.12.4.3. LVMCluster カスタムリソースを作成する方法
LVMCluster
カスタムリソース (CR) は、OpenShift CLI (oc
) または OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して作成できます。Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) を使用して LVM Storage をインストールした場合は、RHACM を使用して LVMCluster
CR を作成することもできます。
LVMCluster
CR を作成すると、LVM Storage によって次のシステム管理 CR が作成されます。
各デバイスクラスの
storageClass
とvolumeSnapshotClass
。注記LVM Storage は、ストレージクラスとボリュームスナップショットクラスの名前を
lvms-<device_class_name>
の形式で設定します。<device_class_name>
は、LVMCluster
CR のdeviceClasses.name
フィールドの値です。たとえば、deviceClasses.name
フィールドが vg1 に設定されている場合、ストレージクラスとボリュームスナップショットクラスの名前はlvms-vg1
になります。-
LVMVolumeGroup
: この CR は、LVM ボリュームグループによってサポートされる特定のタイプの永続ボリューム (PV) です。複数のノードにわたる個々のボリュームグループを追跡します。 -
LVMVolumeGroupNodeStatus
: この CR は、ノード上のボリュームグループのステータスを追跡します。
4.12.4.3.1. 以前の LVM Storage インストールからのボリュームグループを再利用する
新しいボリュームグループ (VG) を作成する代わりに、以前の LVM Storage インストールからの既存の VG を再利用できます。
再利用できるのは VG のみです。VG に関連付けられた論理ボリュームは再利用できません。
この手順は、LVMCluster
カスタムリソース (CR) の作成中にのみ実行できます。
前提条件
- 再利用する VG が破損していない。
-
再利用する VG に
lvms
タグが付いている。LVM オブジェクトにタグを追加する方法の詳細は、タグを使用した LVM オブジェクトのグループ化 を参照してください。
手順
-
LVMCluster
CR YAML ファイルを開きます。 次の例の説明に従って、
LVMCluster
CR のパラメーターを設定します。LVMCluster
CR YAML ファイルの例apiVersion: lvm.topolvm.io/v1alpha1 kind: LVMCluster metadata: name: my-lvmcluster namespace: openshift-storage spec: # ... storage: deviceClasses: - name: vg1 1 fstype: ext4 2 default: true deviceSelector: 3 # ... forceWipeDevicesAndDestroyAllData: false 4 thinPoolConfig: 5 # ... nodeSelector: 6 # ...
- 1
- このフィールドは、以前の LVM Storage インストールの VG 名に設定します。
- 2
- このフィールドは、
ext4
またはxfs
に設定します。デフォルトでは、このフィールドはxfs
に設定されています。 - 3
deviceSelector
フィールドに新しいデバイスパスを指定すると、再利用する新しいデバイスを VG に追加できます。新しいデバイスを VG に追加する必要がない場合は、現在の LVM Storage インストールのdeviceSelector
設定が以前の LVM Storage インストールの設定と同じであることを確認してください。- 4
- このフィールドを
true
に設定すると、LVM Storage が VG に追加されたデバイス上のすべてのデータをワイプします。 - 5
- 再利用する VG の
thinPoolConfig
設定を保持するには、現在の LVM Storage インストールのthinPoolConfig
設定が以前の LVM Storage インストールの thinPoolConfig 設定と同じであることを確認してください。保持しない場合は、必要に応じてthinPoolConfig
フィールドを設定できます。 - 6
- LVM ボリュームグループを作成するノードを選択するための要件を設定します。このフィールドが空の場合、no-schedule テイントのないすべてのノードが考慮されます。
-
LVMCluster
CR YAML ファイルを保存します。
ボリュームグループに含まれているデバイスを表示するには、次のコマンドを実行します。
$ pvs -S vgname=<vg_name> 1
- 1
<vg_name>
は、ボリュームグループの名前に置き換えます。
4.12.4.3.2. CLI を使用した LVMCluster CR の作成
OpenShift CLI (oc
) を使用して、ワーカーノード上に LVMCluster
カスタムリソース (CR) を作成できます。
OpenShift Container Platform クラスターでは、LVMCluster
カスタムリソース (CR) のインスタンスを 1 つだけ作成できます。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとして OpenShift Container Platform にログインしている。 - LVM Storage がインストールされている。
- クラスターにワーカーノードがインストールされている。
- 「LVMCluster カスタムリソースについて」セクションを確認した。
手順
LVMCluster
カスタムリソース (CR) YAML ファイルを作成します。LVMCluster
CR YAML ファイルの例apiVersion: lvm.topolvm.io/v1alpha1 kind: LVMCluster metadata: name: my-lvmcluster namespace: openshift-storage spec: # ... storage: deviceClasses: 1 # ... nodeSelector: 2 # ... deviceSelector: 3 # ... thinPoolConfig: 4 # ...
次のコマンドを実行して、
LVMCluster
CR を作成します。$ oc create -f <file_name>
出力例
lvmcluster/lvmcluster created
検証
LVMCluster
CR がReady
状態であることを確認します。$ oc get lvmclusters.lvm.topolvm.io -o jsonpath='{.items[*].status}' -n <namespace>
出力例
{"deviceClassStatuses": 1 [ { "name": "vg1", "nodeStatus": [ 2 { "devices": [ 3 "/dev/nvme0n1", "/dev/nvme1n1", "/dev/nvme2n1" ], "node": "kube-node", 4 "status": "Ready" 5 } ] } ] "state":"Ready"} 6
注記LVMCluster
CR がFailed
状態の場合、status
フィールドに失敗の理由が表示されます。失敗の理由を示す
status
フィールドの例:status: deviceClassStatuses: - name: vg1 nodeStatus: - node: my-node-1.example.com reason: no available devices found for volume group status: Failed state: Failed
オプション: 各デバイスクラスに対して LVM Storage によって作成されたストレージクラスを表示するには、次のコマンドを実行します。
$ oc get storageclass
出力例
NAME PROVISIONER RECLAIMPOLICY VOLUMEBINDINGMODE ALLOWVOLUMEEXPANSION AGE lvms-vg1 topolvm.io Delete WaitForFirstConsumer true 31m
オプション: 各デバイスクラスに対して LVM Storage によって作成されたボリュームスナップショットクラスを表示するには、次のコマンドを実行します。
$ oc get volumesnapshotclass
出力例
NAME DRIVER DELETIONPOLICY AGE lvms-vg1 topolvm.io Delete 24h
4.12.4.3.3. Web コンソールを使用した LVMCluster CR の作成
OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して、ワーカーノード上に LVMCluster
CR を作成できます。
OpenShift Container Platform クラスターでは、LVMCluster
カスタムリソース (CR) のインスタンスを 1 つだけ作成できます。
前提条件
-
cluster-admin
権限を使用して OpenShift Container Platform クラスターにアクセスできる。 - LVM Storage がインストールされている。
- クラスターにワーカーノードがインストールされている。
- 「LVMCluster カスタムリソースについて」セクションを確認した。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインします。
-
Operators
Installed Operators をクリックします。 -
openshift-storage
namespace で、LVM Storage をクリックします。 - Create LVMCluster をクリックし、Form view または YAML view のいずれかを選択します。
-
LVMCluster
CR の必要なパラメーターを設定します。 - Create をクリックします。
オプション:
LVMCLuster
CR を編集する場合は、次の操作を実行します。- LVMCluster タブをクリックします。
- Actions メニューから Edit LVMCluster を選択します。
-
YAML をクリックし、
LVMCLuster
CR の必要なパラメーターを編集します。 - Save をクリックします。
検証
-
LVMCLuster ページで、
LVMCluster
CR がReady
状態であることを確認します。 -
オプション: 各デバイスクラスに対して LVM Storage によって作成された使用可能なストレージクラスを表示するには、Storage
StorageClasses をクリックします。 -
オプション: 各デバイスクラスに対して LVM Storage によって作成された使用可能なボリュームスナップショットクラスを表示するには、Storage
VolumeSnapshotClasses をクリックします。
4.12.4.3.4. RHACM を使用した LVMCluster CR の作成
RHACM を使用して LVM Storage をインストールした後、LVMCluster
カスタムリソース (CR) を作成する必要があります。
前提条件
- RHACM を使用して LVM Storage をインストールした。
-
cluster-admin
権限を持つアカウントを使用して RHACM クラスターにアクセスできる。 - 「LVMCluster カスタムリソースについて」セクションを確認した。
手順
- OpenShift Container Platform の認証情報を使用して RHACM CLI にログインします。
LVMCluster
CR を作成するための設定を含むConfigurationPolicy
CR YAML ファイルを作成します。LVMCluster
CR を作成するためのConfigurationPolicy
CR YAML ファイルの例apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: ConfigurationPolicy metadata: name: lvms namespace: openshift-storage spec: object-templates: - complianceType: musthave objectDefinition: apiVersion: lvm.topolvm.io/v1alpha1 kind: LVMCluster metadata: name: my-lvmcluster namespace: openshift-storage spec: storage: deviceClasses: 1 # ... deviceSelector: 2 # ... thinPoolConfig: 3 # ... nodeSelector: 4 # ... remediationAction: enforce severity: low
次のコマンドを実行して、
ConfigurationPolicy
CR を作成します。$ oc create -f <file_name> -n <cluster_namespace> 1
- 1
- LVM Storage がインストールされている OpenShift Container Platform クラスターの namespace。
4.12.4.4. LVMCluster カスタムリソースを削除する方法
LVMCluster
カスタムリソース (CR) は、OpenShift CLI (oc
) または OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して削除できます。Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) を使用して LVM Storage をインストールした場合は、RHACM を使用して LVMCluster
CR を削除することもできます。
LVMCluster
CR を削除すると、LVM Storage によって次の CR が削除されます。
-
storageClass
-
volumeSnapshotClass
-
LVMVolumeGroup
-
LVMVolumeGroupNodeStatus
4.12.4.4.1. CLI を使用した LVMCluster CR の削除
OpenShift CLI (oc
) を使用して、LVMCluster
カスタムリソース (CR) を削除できます。
前提条件
-
cluster-admin
パーミッションを持つユーザーとして OpenShift Container Platform にアクセスできる。 - LVM Storage によってプロビジョニングされた永続ボリューム要求 (PVC)、ボリュームスナップショット、およびボリュームクローンが削除されている。これらのリソースを使用しているアプリケーションも削除されている。
手順
-
OpenShift CLI (
oc
) にログインします。 次のコマンドを実行して、
LVMCluster
CR を削除します。$ oc delete lvmcluster <lvmclustername> -n openshift-storage
検証
LVMCluster
CR が削除されたことを確認するには、次のコマンドを実行します。$ oc get lvmcluster -n <namespace>
出力例
No resources found in openshift-storage namespace.
4.12.4.4.2. Web コンソールを使用した LVMCluster CR の削除
OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して、LVMCluster
カスタムリソース (CR) を削除できます。
前提条件
-
cluster-admin
パーミッションを持つユーザーとして OpenShift Container Platform にアクセスできる。 - LVM Storage によってプロビジョニングされた永続ボリューム要求 (PVC)、ボリュームスナップショット、およびボリュームクローンが削除されている。これらのリソースを使用しているアプリケーションも削除されている。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインします。
-
Operators
Installed Operators をクリックして、インストールされているすべての Operators を表示します。 -
openshift-storage
namespace で LVM Storage をクリックします。 - LVMCluster タブをクリックします。
- Actions から Delete LVMCluster を選択します。
- Delete をクリックします。
検証
-
LVMCLuster
ページで、LVMCluster
CR が削除されたことを確認します。
4.12.4.4.3. RHACM を使用した LVMCluster CR の削除
Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) を使用して LVM Storage をインストールした場合は、RHACM を使用して LVMCluster
CR を削除できます。
前提条件
-
cluster-admin
権限を持つユーザーとして RHACM クラスターにアクセスできる。 - LVM Storage によってプロビジョニングされた永続ボリューム要求 (PVC)、ボリュームスナップショット、およびボリュームクローンが削除されている。これらのリソースを使用しているアプリケーションも削除されている。
手順
- OpenShift Container Platform の認証情報を使用して RHACM CLI にログインします。
LVMCluster
CR 用に作成したConfigurationPolicy
CR YAML ファイルを削除します。$ oc delete -f <file_name> -n <cluster_namespace> 1
- 1
- LVM Storage がインストールされている OpenShift Container Platform クラスターの namespace。
LVMCluster
CR を削除するためのPolicy
CR YAML ファイルを作成します。LVMCluster
CR を削除するためのPolicy
CR の例apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: Policy metadata: name: policy-lvmcluster-delete annotations: policy.open-cluster-management.io/standards: NIST SP 800-53 policy.open-cluster-management.io/categories: CM Configuration Management policy.open-cluster-management.io/controls: CM-2 Baseline Configuration spec: remediationAction: enforce disabled: false policy-templates: - objectDefinition: apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: ConfigurationPolicy metadata: name: policy-lvmcluster-removal spec: remediationAction: enforce 1 severity: low object-templates: - complianceType: mustnothave objectDefinition: kind: LVMCluster apiVersion: lvm.topolvm.io/v1alpha1 metadata: name: my-lvmcluster namespace: openshift-storage 2 --- apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: PlacementBinding metadata: name: binding-policy-lvmcluster-delete placementRef: apiGroup: apps.open-cluster-management.io kind: PlacementRule name: placement-policy-lvmcluster-delete subjects: - apiGroup: policy.open-cluster-management.io kind: Policy name: policy-lvmcluster-delete --- apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1 kind: PlacementRule metadata: name: placement-policy-lvmcluster-delete spec: clusterConditions: - status: "True" type: ManagedClusterConditionAvailable clusterSelector: 3 matchExpressions: - key: mykey operator: In values: - myvalue
次のコマンドを実行して
Policy
CR を作成します。$ oc create -f <file_name> -n <namespace>
LVMCluster
CR が削除されたかどうかを確認するためのPolicy
CR YAML ファイルを作成します。LVMCluster
CR が削除されたかどうかを確認するためのPolicy
CR の例apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: Policy metadata: name: policy-lvmcluster-inform annotations: policy.open-cluster-management.io/standards: NIST SP 800-53 policy.open-cluster-management.io/categories: CM Configuration Management policy.open-cluster-management.io/controls: CM-2 Baseline Configuration spec: remediationAction: inform disabled: false policy-templates: - objectDefinition: apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: ConfigurationPolicy metadata: name: policy-lvmcluster-removal-inform spec: remediationAction: inform 1 severity: low object-templates: - complianceType: mustnothave objectDefinition: kind: LVMCluster apiVersion: lvm.topolvm.io/v1alpha1 metadata: name: my-lvmcluster namespace: openshift-storage 2 --- apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: PlacementBinding metadata: name: binding-policy-lvmcluster-check placementRef: apiGroup: apps.open-cluster-management.io kind: PlacementRule name: placement-policy-lvmcluster-check subjects: - apiGroup: policy.open-cluster-management.io kind: Policy name: policy-lvmcluster-inform --- apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1 kind: PlacementRule metadata: name: placement-policy-lvmcluster-check spec: clusterConditions: - status: "True" type: ManagedClusterConditionAvailable clusterSelector: matchExpressions: - key: mykey operator: In values: - myvalue
次のコマンドを実行して
Policy
CR を作成します。$ oc create -f <file_name> -n <namespace>
検証
次のコマンドを実行して、
Policy
CR のステータスを確認します。$ oc get policy -n <namespace>
出力例
NAME REMEDIATION ACTION COMPLIANCE STATE AGE policy-lvmcluster-delete enforce Compliant 15m policy-lvmcluster-inform inform Compliant 15m
重要Policy
CR がCompliant
状態である必要があります。
4.12.4.5. ストレージのプロビジョニング
LVMCluster
カスタムリソース (CR) を使用して LVM ボリュームグループを作成した後、永続ボリューム要求 (PVC) を作成してストレージをプロビジョニングできます。
以下は、各ファイルシステムタイプに対して要求できる最小ストレージサイズです。
-
block
: 8 MiB -
xfs
: 300 MiB -
ext4
: 32 MiB
PVC を作成するには、PersistentVolumeClaim
オブジェクトを作成する必要があります。
前提条件
-
LVMCluster
CR が作成されている。
手順
-
OpenShift CLI (
oc
) にログインします。 PersistentVolumeClaim
オブジェクトを作成します。PersistentVolumeClaim
オブジェクトの例apiVersion: v1 kind: PersistentVolumeClaim metadata: name: lvm-block-1 1 namespace: default spec: accessModes: - ReadWriteOnce volumeMode: Block 2 resources: requests: storage: 10Gi 3 limits: storage: 20Gi 4 storageClassName: lvms-vg1 5
- 1
- PVC の名前を指定します。
- 2
- ブロック PVC を作成するには、このフィールドを
Block
に設定します。ファイル PVC を作成するには、このフィールドをFilesystem
に設定します。 - 3
- ストレージサイズを指定します。値が最小ストレージサイズより小さい場合、要求されるストレージサイズは最小ストレージサイズに切り上げられます。プロビジョニングできる合計ストレージサイズは、Logical Volume Manager (LVM) シンプールのサイズとオーバープロビジョニング係数によって制限されます。
- 4
- オプション: ストレージ制限を指定します。このフィールドには、最小ストレージサイズ以上の値を設定します。それ以外の場合、PVC の作成はエラーが発生して失敗します。
- 5
storageClassName
フィールドの値はlvms-<device_class_name>
の形式である必要があります。ここで、<device_class_name>
は、LVMCluster
CR のdeviceClasses.name
フィールドの値になります。たとえば、deviceClasses.name
フィールドがvg1
に設定されている場合、storageClassName
フィールドをlvms-vg1
に設定する必要があります。
注記ストレージクラスの
volumeBindingMode
フィールドはWaitForFirstConsumer
に設定されます。以下のコマンドを実行して PVC を作成します。
# oc create -f <file_name> -n <application_namespace>
注記作成された PVC は、それらを使用する Pod をデプロイするまで
Pending
状態のままになります。
検証
PVC が作成されたことを確認するには、次のコマンドを実行します。
$ oc get pvc -n <namespace>
出力例
NAME STATUS VOLUME CAPACITY ACCESS MODES STORAGECLASS AGE lvm-block-1 Bound pvc-e90169a8-fd71-4eea-93b8-817155f60e47 1Gi RWO lvms-vg1 5s
4.12.4.6. クラスターのストレージをスケールアップする方法
OpenShift Container Platform は、ベアメタル user-provisioned infrastructure 上のクラスターの追加のワーカーノードをサポートします。クラスターのストレージをスケールアップするには、使用可能なストレージを備えた新しいワーカーノードを追加するか、既存のワーカーノードに新しいデバイスを追加します。
Logical Volume Manager (LVM) Storage は、ノードがアクティブになると、追加のワーカーノードを検出して使用します。
クラスター上の既存のワーカーノードに新しいデバイスを追加するには、LVMCluster
カスタムリソース (CR) の deviceSelector
フィールドに新しいデバイスへのパスを追加する必要があります。
LVMCluster
CR に deviceSelector
フィールドを追加できるのは、LVMCluster
CR の作成時にのみです。LVMCluster
CR の作成時に deviceSelector
フィールドを追加しなかった場合は、LVMCluster
CR を削除し、deviceSelector
フィールドを含む新しい LVMCluster
CR を作成する必要があります。
LVMCluster
CR に deviceSelector
フィールドを追加しない場合、デバイスが利用可能になると、LVM Storage は新しいデバイスを自動的に追加します。
LVM Storage は、サポートされるデバイスのみを追加します。サポートされていないデバイスの詳細は、「LVM ストレージでサポートされていないデバイス」を参照してください。
4.12.4.6.1. CLI を使用したクラスターのストレージのスケールアップ
OpenShift CLI (oc
) を使用して、クラスター上のワーカーノードのストレージ容量をスケールアップできます。
前提条件
- 各クラスターには、Logical Volume Manager (LVM) Storage で使用される追加の未使用デバイスがある。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
LVMCluster
カスタムリソース (CR) が作成されている。
手順
次のコマンドを実行して、
LVMCluster
CR を編集します。$ oc edit <lvmcluster_file_name> -n <namespace>
deviceSelector
フィールドに新しいデバイスへのパスを追加します。LVMCluster
CR の例apiVersion: lvm.topolvm.io/v1alpha1 kind: LVMCluster metadata: name: my-lvmcluster spec: storage: deviceClasses: # ... deviceSelector: 1 paths: 2 - /dev/disk/by-path/pci-0000:87:00.0-nvme-1 - /dev/disk/by-path/pci-0000:88:00.0-nvme-1 optionalPaths: 3 - /dev/disk/by-path/pci-0000:89:00.0-nvme-1 - /dev/disk/by-path/pci-0000:90:00.0-nvme-1 # ...
- 1
- LVM ボリュームグループに追加するデバイスへのパスを指定するための設定が含まれています。デバイスパスは、
paths
フィールド、optionalPaths
フィールド、またはその両方で指定できます。paths
とoptionalPaths
の両方でデバイスパスを指定しない場合、Logical Volume Manager (LVM) Storage は、サポートされている未使用のデバイスを LVM ボリュームグループに追加します。LVM Storage は、次の条件が満たされている場合にのみ、デバイスを LVM ボリュームグループに追加します。- デバイスパスが存在する。
- デバイスが LVM Storage によってサポートされている。サポートされていないデバイスの詳細は、「LVM ストレージでサポートされていないデバイス」を参照してください。
- 2
- デバイスパスを指定します。このフィールドに指定されたデバイスパスが存在しない場合、またはデバイスが LVM Storage でサポートされていない場合、
LVMCluster
CR がFailed
状態に移行します。 - 3
- オプションのデバイスパスを指定します。このフィールドに指定されたデバイスパスが存在しない場合、またはデバイスが LVM Storage によってサポートされていない場合、LVM Storage はエラーを起こすことなくデバイスを無視します。重要
デバイスが LVM ボリュームグループに追加された後は、デバイスを削除できません。
-
LVMCluster
CR を保存します。
4.12.4.6.2. Web コンソールを使用したクラスターのストレージのスケールアップ
OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して、クラスター上のワーカーノードのストレージ容量をスケールアップできます。
前提条件
- 各クラスターには、Logical Volume Manager (LVM) Storage で使用される追加の未使用デバイスがある。
-
LVMCluster
カスタムリソース (CR) が作成されている。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインします。
-
Operators
Installed Operators をクリックします。 -
openshift-storage
namespace で LVM Storage をクリックします。 -
LVMCluster タブをクリックして、クラスター上に作成された
LVMCluster
CR を表示します。 - Actions メニューから Edit LVMCluster を選択します。
- YAML タブをクリックします。
LVMCluster
CR を編集して、deviceSelector
フィールドに新しいデバイスパスを追加します。LVMCluster
CR の例apiVersion: lvm.topolvm.io/v1alpha1 kind: LVMCluster metadata: name: my-lvmcluster spec: storage: deviceClasses: # ... deviceSelector: 1 paths: 2 - /dev/disk/by-path/pci-0000:87:00.0-nvme-1 - /dev/disk/by-path/pci-0000:88:00.0-nvme-1 optionalPaths: 3 - /dev/disk/by-path/pci-0000:89:00.0-nvme-1 - /dev/disk/by-path/pci-0000:90:00.0-nvme-1 # ...
- 1
- LVM ボリュームグループに追加するデバイスへのパスを指定するための設定が含まれています。デバイスパスは、
paths
フィールド、optionalPaths
フィールド、またはその両方で指定できます。paths
とoptionalPaths
の両方でデバイスパスを指定しない場合、Logical Volume Manager (LVM) Storage は、サポートされている未使用のデバイスを LVM ボリュームグループに追加します。LVM Storage は、次の条件が満たされている場合にのみ、デバイスを LVM ボリュームグループに追加します。- デバイスパスが存在する。
- デバイスが LVM Storage によってサポートされている。サポートされていないデバイスの詳細は、「LVM ストレージでサポートされていないデバイス」を参照してください。
- 2
- デバイスパスを指定します。このフィールドに指定されたデバイスパスが存在しない場合、またはデバイスが LVM Storage でサポートされていない場合、
LVMCluster
CR がFailed
状態に移行します。 - 3
- オプションのデバイスパスを指定します。このフィールドに指定されたデバイスパスが存在しない場合、またはデバイスが LVM Storage によってサポートされていない場合、LVM Storage はエラーを起こすことなくデバイスを無視します。重要
デバイスが LVM ボリュームグループに追加された後は、デバイスを削除できません。
- Save をクリックします。
4.12.4.6.3. RHACM を使用したクラスターのストレージのスケールアップ
RHACM を使用すると、クラスター上のワーカーノードのストレージ容量をスケールアップできます。
前提条件
-
cluster-admin
権限を持つアカウントを使用して RHACM クラスターにアクセスできる。 -
RHACM を使用して
LVMCluster
カスタムリソース (CR) を作成した。 - 各クラスターには、Logical Volume Manager (LVM) Storage で使用される追加の未使用デバイスがある。
手順
- OpenShift Container Platform の認証情報を使用して RHACM CLI にログインします。
次のコマンドを実行して、RHACM を使用して作成した
LVMCluster
CR を編集します。$ oc edit -f <file_name> -ns <namespace> 1
- 1
<file_name>
は、LVMCluster
CR の名前に置き換えます。
LVMCluster
CR で、deviceSelector
フィールドに新しいデバイスへのパスを追加します。LVMCluster
CR の例apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: ConfigurationPolicy metadata: name: lvms spec: object-templates: - complianceType: musthave objectDefinition: apiVersion: lvm.topolvm.io/v1alpha1 kind: LVMCluster metadata: name: my-lvmcluster namespace: openshift-storage spec: storage: deviceClasses: # ... deviceSelector: 1 paths: 2 - /dev/disk/by-path/pci-0000:87:00.0-nvme-1 optionalPaths: 3 - /dev/disk/by-path/pci-0000:89:00.0-nvme-1 # ...
- 1
- LVM ボリュームグループに追加するデバイスへのパスを指定するための設定が含まれています。デバイスパスは、
paths
フィールド、optionalPaths
フィールド、またはその両方で指定できます。paths
とoptionalPaths
の両方でデバイスパスを指定しない場合、Logical Volume Manager (LVM) Storage は、サポートされている未使用のデバイスを LVM ボリュームグループに追加します。LVM Storage は、次の条件が満たされている場合にのみ、デバイスを LVM ボリュームグループに追加します。- デバイスパスが存在する。
- デバイスが LVM Storage によってサポートされている。サポートされていないデバイスの詳細は、「LVM ストレージでサポートされていないデバイス」を参照してください。
- 2
- デバイスパスを指定します。このフィールドに指定されたデバイスパスが存在しない場合、またはデバイスが LVM Storage でサポートされていない場合、
LVMCluster
CR がFailed
状態に移行します。 - 3
- オプションのデバイスパスを指定します。このフィールドに指定されたデバイスパスが存在しない場合、またはデバイスが LVM Storage によってサポートされていない場合、LVM Storage はエラーを起こすことなくデバイスを無視します。重要
デバイスが LVM ボリュームグループに追加された後は、デバイスを削除できません。
-
LVMCluster
CR を保存します。
4.12.4.7. 永続ボリューム要求の拡張
クラスターのストレージをスケールアップした後、既存の永続ボリューム要求 (PVC) を拡張できます。
PVC を拡張するには、PVC 内の storage
フィールドを更新する必要があります。
前提条件
- 動的プロビジョニングが使用される。
-
PVC に関連付けられた
StorageClass
オブジェクトには、allowVolumeExpansion
フィールドがtrue
に設定されています。
手順
-
OpenShift CLI (
oc
) にログインします。 次のコマンドを実行して、
spec.resources.requests.storage
フィールドの値を現在の値より大きい値に更新します。$ oc patch <pvc_name> -n <application_namespace> -p \ 1 '{ "spec": { "resources": { "requests": { "storage": "<desired_size>" }}}} --type=merge' 2
検証
サイズ変更が完了したことを確認するには、次のコマンドを実行します。
$ oc get pvc <pvc_name> -n <application_namespace> -o=jsonpath={.status.capacity.storage}
LVM Storage は、拡張中に PVC に
Resizing
条件を追加します。PVC の拡張後、Resizing
条件を削除します。
4.12.4.8. 永続ボリューム要求の削除
OpenShift CLI (oc
) を使用して、永続ボリューム要求 (PVC) を削除できます。
前提条件
-
cluster-admin
パーミッションを持つユーザーとして OpenShift Container Platform にアクセスできる。
手順
-
OpenShift CLI (
oc
) にログインします。 次のコマンドを実行して、PVC を削除します。
$ oc delete pvc <pvc_name> -n <namespace>
検証
PVC が削除されたことを確認するには、次のコマンドを実行します。
$ oc get pvc -n <namespace>
削除された PVC は、このコマンドの出力には存在しません。
4.12.4.9. ボリュームスナップショットについて
LVM Storage によってプロビジョニングされる永続ボリューム要求 (PVC) のスナップショットを作成できます。
ボリュームスナップショットを使用して、次のアクションを実行できます。
アプリケーションデータをバックアップします。
重要ボリュームスナップショットは元のデータと同じデバイスにあります。ボリュームスナップショットをバックアップとして使用するには、スナップショットを安全な場所に移動する必要があります。OpenShift API for Data Protection (OADP) のバックアップおよび復元ソリューションを使用できます。OADP の詳細は、「OADP の機能」を参照してください。
- ボリュームスナップショットが作成された状態に戻します。
ボリュームクローンのボリュームスナップショットを作成することもできます。
4.12.4.9.1. マルチノードトポロジーでボリュームスナップショットを作成する場合の制限事項
LVM Storage には、マルチノードトポロジーでのボリュームスナップショットの作成に関して、次の制限があります。
- ボリュームスナップショットの作成は、LVM シンプール機能に基づいています。
- ボリュームスナップショットを作成した後、元のデータソースをさらに更新するために、ノードには追加のストレージ領域が必要です。
- ボリュームスナップショットは、元のデータソースをデプロイしたノード上でのみ作成できます。
- スナップショットデータを使用する PVC に依存する Pod は、元のデータソースをデプロイしたノードでのみスケジュールできます。
関連情報
4.12.4.9.2. ボリュームスナップショットの作成
シンプールの利用可能な容量とオーバープロビジョニングの制限に基づいて、ボリュームスナップショットを作成できます。ボリュームスナップショットを作成するには、VolumeSnapshotClass
オブジェクトを作成する必要があります。
前提条件
-
cluster-admin
パーミッションを持つユーザーとして OpenShift Container Platform にアクセスできる。 -
永続ボリューム要求 (PVC) が
Bound
状態であることが確認されている。これは、一貫性のあるスナップショットに必要です。 - PVC へのすべての I/O が停止されている。
手順
-
OpenShift CLI (
oc
) にログインします。 VolumeSnapshot
オブジェクトを作成します。VolumeSnapshot
オブジェクトの例apiVersion: snapshot.storage.k8s.io/v1 kind: VolumeSnapshot metadata: name: lvm-block-1-snap 1 spec: source: persistentVolumeClaimName: lvm-block-1 2 volumeSnapshotClassName: lvms-vg1 3
注記使用可能なボリュームスナップショットクラスのリストを取得するには、次のコマンドを実行します。
$ oc get volumesnapshotclass
次のコマンドを実行して、ソース PVC を作成した namespace にボリュームスナップショットを作成します。
$ oc create -f <file_name> -n <namespace>
LVM Storage は、PVC の読み取り専用コピーをボリュームスナップショットとして作成します。
検証
ボリュームスナップショットが作成されたことを確認するには、次のコマンドを実行します。
$ oc get volumesnapshot -n <namespace>
出力例
NAME READYTOUSE SOURCEPVC SOURCESNAPSHOTCONTENT RESTORESIZE SNAPSHOTCLASS SNAPSHOTCONTENT CREATIONTIME AGE lvm-block-1-snap true lvms-test-1 1Gi lvms-vg1 snapcontent-af409f97-55fc-40cf-975f-71e44fa2ca91 19s 19s
作成したボリュームスナップショットの
READYTOUSE
フィールドの値はtrue
である必要があります。
4.12.4.9.3. ボリュームスナップショットの復元
ボリュームスナップショットを復元するには、dataSource.name
フィールドをボリュームスナップショットの名前に設定して、永続ボリューム要求 (PVC) を作成する必要があります。
復元される PVC はボリュームスナップショットおよびソース PVC とは切り離されています。
前提条件
-
cluster-admin
パーミッションを持つユーザーとして OpenShift Container Platform にアクセスできる。 - ボリュームスナップショットが作成されている。
手順
-
OpenShift CLI (
oc
) にログインします。 ボリュームスナップショットを復元するための設定を使用して
PersistentVolumeClaim
オブジェクトを作成します。ボリュームスナップショットを復元するための
PersistentVolumeClaim
オブジェクトの例kind: PersistentVolumeClaim apiVersion: v1 metadata: name: lvm-block-1-restore spec: accessModes: - ReadWriteOnce volumeMode: Block Resources: Requests: storage: 2Gi 1 storageClassName: lvms-vg1 2 dataSource: name: lvm-block-1-snap 3 kind: VolumeSnapshot apiGroup: snapshot.storage.k8s.io
次のコマンドを実行して、ボリュームスナップショットを作成した namespace に PVC を作成します。
$ oc create -f <file_name> -n <namespace>
検証
ボリュームスナップショットが復元されたことを確認するには、次のコマンドを実行します。
$ oc get pvc -n <namespace>
出力例
NAME STATUS VOLUME CAPACITY ACCESS MODES STORAGECLASS AGE lvm-block-1-restore Bound pvc-e90169a8-fd71-4eea-93b8-817155f60e47 1Gi RWO lvms-vg1 5s
4.12.4.9.4. ボリュームスナップショットの削除
永続ボリューム要求 (PVC) のボリュームスナップショットを削除できます。
永続ボリューム要求 (PVC) を削除すると、LVM Storage は永続ボリューム要求のみを削除し、永続ボリューム要求のスナップショットは削除しません。
前提条件
-
cluster-admin
パーミッションを持つユーザーとして OpenShift Container Platform にアクセスできる。 - 削除するボリュームスナップショットが使用されていないことを確認している。
手順
-
OpenShift CLI (
oc
) にログインします。 次のコマンドを実行して、ボリュームのスナップショットを削除します。
$ oc delete volumesnapshot <volume_snapshot_name> -n <namespace>
検証
ボリュームスナップショットが削除されたことを確認するには、次のコマンドを実行します。
$ oc get volumesnapshot -n <namespace>
削除されたボリュームのスナップショットは、このコマンドの出力には存在しません。
4.12.4.10. ボリュームクローンについて
ボリュームクローンは、既存の永続ボリューム要求 (PVC) の複製です。ボリュームクローンを作成して、データのポイントインタイムコピーを作成できます。
4.12.4.10.1. マルチノードトポロジーでボリュームクローンを作成する場合の制限事項
LVM Storage には、マルチノードトポロジーでのボリュームクローンの作成に関して、次の制限があります。
- ボリュームクローンの作成は、LVM シンプール機能に基づいています。
- ボリュームクローンを作成した後、元のデータソースをさらに更新するには、ノードに追加のストレージが必要です。
- ボリュームクローンは、元のデータソースをデプロイしたノード上でのみ作成できます。
- クローンデータを使用する PVC に依存する Pod は、元のデータソースをデプロイしたノード上でのみスケジュールできます。
4.12.4.10.2. ボリュームクローンの作成
永続ボリューム要求 (PVC) のクローンを作成するには、ソース永続ボリューム要求を作成した namespace に PersistentVolumeClaim
オブジェクトを作成する必要があります。
クローン作成された PVC には書き込みアクセス権限があります。
前提条件
-
ソース PVC が
Bound
状態であることが確認されている。これは一貫性のあるクローンに必要です。
手順
-
OpenShift CLI (
oc
) にログインします。 PersistentVolumeClaim
オブジェクトを作成します。ボリュームクローンを作成するための
PersistentVolumeClaim
オブジェクトの例kind: PersistentVolumeClaim apiVersion: v1 metadata: name: lvm-pvc-clone spec: accessModes: - ReadWriteOnce storageClassName: lvms-vg1 1 volumeMode: Filesystem 2 dataSource: kind: PersistentVolumeClaim name: lvm-pvc 3 resources: requests: storage: 1Gi 4
次のコマンドを実行して、ソース PVC を作成した namespace に PVC を作成します。
$ oc create -f <file_name> -n <namespace>
検証
ボリュームクローンが作成されたことを確認するには、次のコマンドを実行します。
$ oc get pvc -n <namespace>
出力例
NAME STATUS VOLUME CAPACITY ACCESS MODES STORAGECLASS AGE lvm-block-1-clone Bound pvc-e90169a8-fd71-4eea-93b8-817155f60e47 1Gi RWO lvms-vg1 5s
4.12.4.10.3. ボリュームクローンの削除
ボリュームクローンを削除できます。
永続ボリューム要求 (PVC) を削除すると、LVM Storage はソース永続ボリューム要求のみを削除し、永続ボリューム要求のクローンは削除しません。
前提条件
-
cluster-admin
パーミッションを持つユーザーとして OpenShift Container Platform にアクセスできる。
手順
-
OpenShift CLI (
oc
) にログインします。 次のコマンドを実行して、クローン作成された PVC を削除します。
# oc delete pvc <clone_pvc_name> -n <namespace>
検証
ボリュームクローンが削除されたことを確認するには、次のコマンドを実行します。
$ oc get pvc -n <namespace>
削除されたボリュームクローンは、このコマンドの出力には存在しません。
4.12.4.11. LVM Storage の更新
LVM Storage を更新して、OpenShift Container Platform バージョンとの互換性を確保できます。
前提条件
- OpenShift Container Platform クラスターが更新されている。
- 以前のバージョンの LVM Storage がインストールされている。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
権限を持つアカウントを使用してクラスターにアクセスできる。
手順
-
OpenShift CLI (
oc
) にログインします。 次のコマンドを実行して、LVM Storage のインストール時に作成した
Subscription
カスタムリソース (CR) を更新します。$ oc patch subscription lvms-operator -n openshift-storage --type merge --patch '{"spec":{"channel":"<update_channel>"}}' 1
- 1
<update_channel>
を、インストールする LVM Storage のバージョンに置き換えます。たとえば、stable-4.16
などです。
次のコマンドを実行して、更新イベントを表示し、インストールが完了していることを確認します。
$ oc get events -n openshift-storage
出力例
... 8m13s Normal RequirementsUnknown clusterserviceversion/lvms-operator.v4.16 requirements not yet checked 8m11s Normal RequirementsNotMet clusterserviceversion/lvms-operator.v4.16 one or more requirements couldn't be found 7m50s Normal AllRequirementsMet clusterserviceversion/lvms-operator.v4.16 all requirements found, attempting install 7m50s Normal InstallSucceeded clusterserviceversion/lvms-operator.v4.16 waiting for install components to report healthy 7m49s Normal InstallWaiting clusterserviceversion/lvms-operator.v4.16 installing: waiting for deployment lvms-operator to become ready: deployment "lvms-operator" waiting for 1 outdated replica(s) to be terminated 7m39s Normal InstallSucceeded clusterserviceversion/lvms-operator.v4.16 install strategy completed with no errors ...
検証
次のコマンドを実行して、LVM Storage のバージョンを確認します。
$ oc get subscription lvms-operator -n openshift-storage -o jsonpath='{.status.installedCSV}'
出力例
lvms-operator.v4.16
4.12.4.12. LVM Storage の監視
クラスターモニタリングを有効にするには、LVM Storage をインストールした namespace に次のラベルを追加する必要があります。
openshift.io/cluster-monitoring=true
RHACM でクラスターモニタリングを有効化する方法の詳細は、可観測性 と カスタムメトリクスの追加 を参照してください。
4.12.4.12.1. メトリクス
メトリクスを表示することで、LVM Storage を監視できます。
次の表は、topolvm
メトリクスを説明しています。
アラート | 説明 |
---|---|
| LVM シンプールで使用されているデータ領域の割合を示します。 |
| LVM シンプールで使用されているメタデータ領域の割合を示します。 |
| LVM シンプールのサイズをバイト単位で示します。 |
| LVM ボリュームグループ内の利用可能な領域をバイト単位で示します。 |
| LVM ボリュームグループのサイズをバイト単位で示します。 |
| LVM シンプールの利用可能なオーバープロビジョニングサイズをバイト単位で示します。 |
メトリクスは 10 分ごとに、または変更 (シンプールに新しい論理ボリュームが作成されるなど) があったときに更新されます。
4.12.4.12.2. アラート
シンプールとボリュームグループが最大ストレージ容量に達すると、それ以降の操作は失敗します。これにより、データ損失が発生する可能性があります。
LVM Storage は、シンプールとボリュームグループの使用量が特定の値を超えると、次のアラートを送信します。
アラート | 説明 |
---|---|
| このアラートは、ボリュームグループとシンプールの両方の使用量がノード上で 75% を超えるとトリガーされます。データの削除またはボリュームグループの拡張が必要です。 |
| このアラートは、ボリュームグループとシンプールの両方の使用量がノード上で 85% を超えるとトリガーされます。この場合、ボリュームグループは、かなりいっぱいになっています。データの削除またはボリュームグループの拡張が必要です。 |
| このアラートは、ボリュームグループ内のシンプールのデータ使用量がノード上で 75% を超えるとトリガーされます。データの削除またはシンプールの拡張が必要です。 |
| このアラートは、ボリュームグループ内のシンプールのデータ使用量がノード上で 85% を超えるとトリガーされます。データの削除またはシンプールの拡張が必要です。 |
| このアラートは、ボリュームグループ内のシンプールのメタデータ使用量がノード上で 75% を超えるとトリガーされます。データの削除またはシンプールの拡張が必要です。 |
| このアラートは、ボリュームグループ内のシンプールのメタデータ使用量がノード上で 85% を超えるとトリガーされます。データの削除またはシンプールの拡張が必要です。 |
4.12.4.13. CLI を使用した LVM Storage のインストール
OpenShift CLI (oc
) を使用して LVM ストレージをアンインストールできます。
前提条件
-
cluster-admin
権限を持つユーザーとしてoc
にログインしている。 - LVM Storage によってプロビジョニングされた永続ボリューム要求 (PVC)、ボリュームスナップショット、およびボリュームクローンが削除されている。これらのリソースを使用しているアプリケーションも削除されている。
-
LVMCluster
カスタムリソース (CR) が削除されている。
手順
次のコマンドを実行して、LVM Storage Operator の
currentCSV
の値を取得します。$ oc get subscription.operators.coreos.com lvms-operator -n <namespace> -o yaml | grep currentCSV
出力例
currentCSV: lvms-operator.v4.15.3
次のコマンドを実行して、サブスクリプションを削除します。
$ oc delete subscription.operators.coreos.com lvms-operator -n <namespace>
出力例
subscription.operators.coreos.com "lvms-operator" deleted
次のコマンドを実行して、ターゲット namespace 内の LVM Storage Operator の CSV を削除します。
$ oc delete clusterserviceversion <currentCSV> -n <namespace> 1
- 1
<currentCSV>
は、LVM Storage Operator のcurrentCSV
値に置き換えます。
出力例
clusterserviceversion.operators.coreos.com "lvms-operator.v4.15.3" deleted
検証
LVM Storage Operator がアンインストールされたことを確認するには、次のコマンドを実行します。
$ oc get csv -n <namespace>
LVM Storage Operator が正常にアンインストールされた場合、このコマンドの出力には表示されません。
4.12.4.14. Web コンソールを使用した LVM ストレージのアンインストール
OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して LVM Storage をアンインストールできます。
前提条件
-
cluster-admin
パーミッションを持つユーザーとして OpenShift Container Platform にアクセスできる。 - LVM Storage によってプロビジョニングされた永続ボリューム要求 (PVC)、ボリュームスナップショット、およびボリュームクローンが削除されている。これらのリソースを使用しているアプリケーションも削除されている。
-
LVMCluster
カスタムリソース (CR) が削除されている。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインします。
-
Operators
Installed Operators をクリックします。 -
openshift-storage
namespace で LVM Storage をクリックします。 - Details タブをクリックします。
- Actions メニューから、Uninstall Operator を選択します。
- オプション: プロンプトが表示されたら、Delete all operand instances for this operator チェックボックスを選択して、LVM Storage のオペランドインスタンスを削除します。
- Uninstall をクリックします。
4.12.4.15. RHACM を使用してインストールされた LVM Storage のアンインストール
RHACM を使用してインストールした LVM Storage をアンインストールするには、LVM Storage のインストールと設定用に作成した RHACM Policy
カスタムリソース (CR) を削除する必要があります。
前提条件
-
cluster-admin
権限を持つユーザーとして RHACM クラスターにアクセスできる。 - LVM Storage によってプロビジョニングされた永続ボリューム要求 (PVC)、ボリュームスナップショット、およびボリュームクローンが削除されている。これらのリソースを使用しているアプリケーションも削除されている。
-
RHACM を使用して作成した
LVMCluster
CR を削除した。
手順
-
OpenShift CLI (
oc
) にログインします。 次のコマンドを使用して、LVM Storage のインストールと設定用に作成した RHACM
Policy
CR を削除します。$ oc delete -f <policy> -n <namespace> 1
- 1
<policy>
は、Policy
CR YAML ファイルの名前に置き換えます。
LVM Storage をアンインストールするための設定を含む
Policy
CR YAML ファイルを作成します。LVM Storage をアンインストールするための
Policy
CR の例apiVersion: apps.open-cluster-management.io/v1 kind: PlacementRule metadata: name: placement-uninstall-lvms spec: clusterConditions: - status: "True" type: ManagedClusterConditionAvailable clusterSelector: matchExpressions: - key: mykey operator: In values: - myvalue --- apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: PlacementBinding metadata: name: binding-uninstall-lvms placementRef: apiGroup: apps.open-cluster-management.io kind: PlacementRule name: placement-uninstall-lvms subjects: - apiGroup: policy.open-cluster-management.io kind: Policy name: uninstall-lvms --- apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: Policy metadata: annotations: policy.open-cluster-management.io/categories: CM Configuration Management policy.open-cluster-management.io/controls: CM-2 Baseline Configuration policy.open-cluster-management.io/standards: NIST SP 800-53 name: uninstall-lvms spec: disabled: false policy-templates: - objectDefinition: apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: ConfigurationPolicy metadata: name: uninstall-lvms spec: object-templates: - complianceType: mustnothave objectDefinition: apiVersion: v1 kind: Namespace metadata: name: openshift-storage - complianceType: mustnothave objectDefinition: apiVersion: operators.coreos.com/v1 kind: OperatorGroup metadata: name: openshift-storage-operatorgroup namespace: openshift-storage spec: targetNamespaces: - openshift-storage - complianceType: mustnothave objectDefinition: apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1 kind: Subscription metadata: name: lvms-operator namespace: openshift-storage remediationAction: enforce severity: low - objectDefinition: apiVersion: policy.open-cluster-management.io/v1 kind: ConfigurationPolicy metadata: name: policy-remove-lvms-crds spec: object-templates: - complianceType: mustnothave objectDefinition: apiVersion: apiextensions.k8s.io/v1 kind: CustomResourceDefinition metadata: name: logicalvolumes.topolvm.io - complianceType: mustnothave objectDefinition: apiVersion: apiextensions.k8s.io/v1 kind: CustomResourceDefinition metadata: name: lvmclusters.lvm.topolvm.io - complianceType: mustnothave objectDefinition: apiVersion: apiextensions.k8s.io/v1 kind: CustomResourceDefinition metadata: name: lvmvolumegroupnodestatuses.lvm.topolvm.io - complianceType: mustnothave objectDefinition: apiVersion: apiextensions.k8s.io/v1 kind: CustomResourceDefinition metadata: name: lvmvolumegroups.lvm.topolvm.io remediationAction: enforce severity: high
次のコマンドを実行して
Policy
CR を作成します。$ oc create -f <policy> -ns <namespace>
4.12.4.16. must-gather を使用したログファイルおよび診断情報のダウンロード
LVM Storage が問題を自動的に解決できない場合、must-gather ツールを使用してログファイルと診断情報を収集し、ユーザーまたは Red Hat サポートが問題を確認して解決策を決定できるようにします。
手順
LVM Storage クラスターに接続されているクライアントから
must-gather
コマンドを実行します。$ oc adm must-gather --image=registry.redhat.io/lvms4/lvms-must-gather-rhel9:v4.16 --dest-dir=<directory_name>
関連情報
4.12.4.17. 永続ストレージのトラブルシューティング
論理ボリュームマネージャー (LVM) ストレージを使用して永続ストレージを設定するときに、トラブルシューティングが必要ないくつかの問題が発生する可能性があります。
4.12.4.17.1. 保留状態でスタックしている PVC を調査する
永続ボリューム要求 (PVC) は、次の理由により Pending
状態のままになることがあります。
- コンピューティングリソースが足りない
- ネットワークの問題
- ストレージクラスまたはノードセレクターが一致していない
- 利用可能な永続ボリューム (PV) がない
-
PV を持つノードが
Not Ready
状態にある
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとして OpenShift CLI (oc
) にログインしている。
手順
次のコマンドを実行して、PVC のリストを取得します。
$ oc get pvc
出力例
NAME STATUS VOLUME CAPACITY ACCESS MODES STORAGECLASS AGE lvms-test Pending lvms-vg1 11s
次のコマンドを実行して、
Pending
状態のままになっている PVC に関連するイベントを検査します。$ oc describe pvc <pvc_name> 1
- 1
<pvc_name>
を PVC の名前に置き換えます。たとえば、lvms-vg1
です。
出力例
Type Reason Age From Message ---- ------ ---- ---- ------- Warning ProvisioningFailed 4s (x2 over 17s) persistentvolume-controller storageclass.storage.k8s.io "lvms-vg1" not found
4.12.4.17.2. ストレージクラスがない状態からの回復
storage class not found
というエラーが発生した場合は、LVMCluster
カスタムリソース (CR) をチェックし、すべての論理ボリュームマネージャー (LVM) ストレージ Pod が Running
状態であることを確認します。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとして OpenShift CLI (oc
) にログインしている。
手順
以下のコマンドを実行して、
LVMCluster
CR が存在することを確認します。$ oc get lvmcluster -n openshift-storage
出力例
NAME AGE my-lvmcluster 65m
-
LVMCluster
CR が存在しない場合は、LVMCluster
CR を作成します。詳細は、「LVMCluster カスタムリソースを作成する方法」を参照してください。 openshift-storage
namespace で、次のコマンドを実行して、すべての LVM ストレージ Pod がRunning
状態であることを確認します。$ oc get pods -n openshift-storage
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE lvms-operator-7b9fb858cb-6nsml 3/3 Running 0 70m topolvm-controller-5dd9cf78b5-7wwr2 5/5 Running 0 66m topolvm-node-dr26h 4/4 Running 0 66m vg-manager-r6zdv 1/1 Running 0 66m
このコマンドの出力には、以下の Pod の実行中のインスタンスが含まれている必要があります。
-
lvms-operator
vg-manager
設定ファイルの読み込み中に
vg-manager
Pod が停止する場合は、LVM ストレージが使用できるディスクが見つからないことが原因です。この問題のトラブルシューティングに必要な情報を取得するには、以下のコマンドを実行してvg-manager
Pod のログを確認します。$ oc logs -l app.kubernetes.io/component=vg-manager -n openshift-storage
-
4.12.4.17.3. ノード障害からの回復
クラスター内のノード障害が原因で、永続ボリューム要求 (PVC) が Pending
状態のままになることがあります。
障害が発生したノードを特定するには、topolvm-node
Pod の再起動回数を調べることができます。再起動回数の増加は、基礎となるノードに潜在的な問題があることを示しており、さらなる調査とトラブルシューティングが必要になる場合があります。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとして OpenShift CLI (oc
) にログインしている。
手順
次のコマンドを実行して、
topolvm-node
Pod インスタンスの再起動回数を調べます。$ oc get pods -n openshift-storage
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE lvms-operator-7b9fb858cb-6nsml 3/3 Running 0 70m topolvm-controller-5dd9cf78b5-7wwr2 5/5 Running 0 66m topolvm-node-dr26h 4/4 Running 0 66m topolvm-node-54as8 4/4 Running 0 66m topolvm-node-78fft 4/4 Running 17 (8s ago) 66m vg-manager-r6zdv 1/1 Running 0 66m vg-manager-990ut 1/1 Running 0 66m vg-manager-an118 1/1 Running 0 66m
次のステップ
-
ノードの問題を解決した後も PVC が
Pending
状態のままになっている場合は、強制クリーンアップを実行する必要があります。詳細は、「強制クリーンアップの実行」を参照してください。
関連情報
4.12.4.17.4. ディスク障害からの回復
永続ボリューム要求 (PVC) に関連するイベントの検査中にエラーメッセージが表示された場合は、基になるボリュームまたはディスクに問題がある可能性があります。
ディスクおよびボリュームのプロビジョニングの問題が発生すると、Failed to provision volume with storage class <storage_class_name>
などの一般的なエラーメッセージが表示されます。一般的なエラーメッセージの後には、特定のボリューム障害のエラーメッセージが続きます。
以下の表は、ボリューム障害のエラーメッセージを説明しています。
エラーメッセージ | 説明 |
---|---|
| ボリュームがすでに存在するかどうかを確認する際に問題が発生したことを示します。ボリューム検証の失敗は、ネットワーク接続の問題やその他の障害によって発生する可能性があります。 |
| 使用可能な永続ボリューム (PV) が PVC の要件と一致しない場合、ボリュームのバインドに失敗する可能性があります。 |
| このエラーは、ボリュームをノードにマウントしようとしたときに問題が発生したことを示します。ディスクに障害が発生した場合、Pod が PVC を使用しようとしたときにこのエラーが表示されることがあります。 |
| このエラーは、ノードからボリュームをアンマウントしようとしたときに問題が発生したことを示します。ディスクに障害が発生した場合、Pod が PVC を使用しようとしたときにこのエラーが表示されることがあります。 |
|
このエラーは、 |
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとして OpenShift CLI (oc
) にログインしている。
手順
次のコマンドを実行して、PVC に関連付けられたイベントを検査します。
$ oc describe pvc <pvc_name> 1
- 1
<pvc_name>
を PVC の名前に置き換えます。
- 問題が発生しているホストへの直接接続を確立します。
- ディスクの問題を解決します。
次のステップ
- ディスクの問題を解決した後もボリューム障害メッセージが続く場合や再発する場合は、強制クリーンアップを実行する必要があります。詳細は、「強制クリーンアップの実行」を参照してください。
関連情報
4.12.4.17.5. 強制クリーンアップの実行
トラブルシューティング手順を完了した後もディスクまたはノード関連の問題が解決しない場合は、強制クリーンアップを実行する必要があります。強制クリーンアップは、永続的な問題に対処し、論理ボリュームマネージャー (LVM) ストレージが確実に適切に機能するために使用されます。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとして OpenShift CLI (oc
) にログインしている。 - LVM ストレージを使用して作成されたすべての永続ボリューム要求 (PVC) が削除されている。
- LVM ストレージを使用して作成された PVC を使用している Pod を停止している。
手順
次のコマンドを実行して、
openshift-storage
namespace に切り替えます。$ oc project openshift-storage
以下のコマンドを実行して、
LogicalVolume
カスタムリソース (CR) が存在するか確認します。$ oc get logicalvolume
以下のコマンドを実行して、
LVMVolumeGroup
CR が存在するか確認します。$ oc get lvmvolumegroup
以下のコマンドを実行して、
LVMVolumeGroupNodeStatus
CR を削除します。$ oc delete lvmvolumegroupnodestatus --all
次のコマンドを実行して、
LVMCluster
CR を削除します。$ oc delete lvmcluster --all
LVMCluster
CR を削除した後、以下のコマンドを実行してファイナライザーを削除します。$ oc patch lvmcluster <name> -p '{"metadata":{"finalizers":[]}}' --type=merge 1
- 1
<name>
をLVMCluster
CR の名前に置き換えます。