第2章 Driver Toolkit


Driver Toolkit について、およびドライバーコンテナーのベースイメージとしてそれを使用して、OpenShift Container Platform デプロイメントで特別なソフトウェアおよびハードウェアデバイスを有効にする方法を説明します。

2.1. Driver Toolkit について

背景情報

Driver Toolkit は、ドライバーコンテナーをビルドできるベースイメージとして使用する OpenShift Container Platform ペイロードのコンテナーイメージです。Driver Toolkit イメージには、カーネルモジュールをビルドまたはインストールするための依存関係として一般的に必要なカーネルパッケージと、ドライバーコンテナーに必要ないくつかのツールが含まれています。これらのパッケージのバージョンは、対応する OpenShift Container Platform リリースの Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) ノードで実行されているカーネルバージョンと同じです。

ドライバーコンテナーは、RHCOS などのコンテナーオペレーティングシステムで out-of-tree カーネルモジュールをビルドしてデプロイするのに使用するコンテナーイメージです。カーネルモジュールおよびドライバーは、レベルの高い権限で、オペレーティングシステムカーネル内で実行されるソフトウェアライブラリーです。また、カーネル機能の拡張や、新しいデバイスの制御に必要なハードウェア固有のコードを提供します。例として、Field Programmable Gate Arrays (FPGA) または GPU などのハードウェアデバイスや、クライアントマシンでカーネルモジュールを必要とする Lustre parallel ファイルシステムなどのソフトウェア定義のストレージ (SDS) ソリューションなどがあります。ドライバーコンテナーは、Kubernetes でこれらの技術を有効にするために使用されるソフトウェアスタックの最初の層です。

Driver Toolkit のカーネルパッケージのリストには、以下とその依存関係が含まれます。

  • kernel-core
  • kernel-devel
  • kernel-headers
  • kernel-modules
  • kernel-modules-extra

また、Driver Toolkit には、対応するリアルタイムカーネルパッケージも含まれています。

  • kernel-rt-core
  • kernel-rt-devel
  • kernel-rt-modules
  • kernel-rt-modules-extra

Driver Toolkit には、カーネルモジュールのビルドおよびインストールに一般的に必要となるツールが複数あります。たとえば、以下が含まれます。

  • elfutils-libelf-devel
  • kmod
  • binutilskabi-dw
  • kernel-abi-whitelists
  • 上記の依存関係

目的

Driver Toolkit がリリースされる前は、エンタイトルメントのあるビルド を使用するか、ホストの machine-os-content のカーネル RPM からインストールして、Pod またはビルド設定のカーネルパッケージを OpenShift Container Platform にインストールできていました。Driver Toolkit を使用すると、エンタイトルメントステップがなくなりプロセスが単純化され、Pod で machine-os-content にアクセスする特権操作を回避できます。Driver Toolkit は、プレリリース済みの OpenShift Container Platform バージョンにアクセスできるパートナーも使用でき、今後の OpenShift Container Platform リリース用にハードウェアデバイスのドライバーコンテナーを事前にビルドできます。

Driver Toolkit は Kernel Module Management (KMM) でも使用されます。Kernel Module Management (KMM) は、現在 OperatorHub でコミュニティー Operator として利用できます。KMM は、out-of-tree およびサードパーティーのカーネルドライバー、および基礎となるオペレーティングシステムのサポートソフトウェアをサポートします。ユーザーは、KMM のレシピを作成してドライバーコンテナーを構築してデプロイしたり、デバイスプラグインやメトリックなどのソフトウェアをサポートしたりできます。モジュールには、ビルド設定を追加して、Driver Toolkit をベースにドライバーコンテナーをビルドできます。または KMM で事前ビルドされたドライバーコンテナーをデプロイできます。

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