8.4. AWS での etcd のバックアップと復元
障害を修正するために、Amazon Web Services (AWS) でホストされているクラスターで etcd をバックアップおよび復元できます。
AWS プラットフォーム上の Hosted Control Plane は、テクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品サポートのサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではない場合があります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
8.4.1. ホストされたクラスターの etcd のスナップショットを取得
ホステッドクラスターの etcd をバックアップするには、etcd のスナップショットを作成する必要があります。後で、スナップショットを使用して etcd を復元できます。
この手順には、API のダウンタイムが必要です。
手順
次のコマンドを入力して、ホステッドクラスターの調整を一時停止します。
$ oc patch -n clusters hostedclusters/<hosted_cluster_name> -p '{"spec":{"pausedUntil":"true"}}' --type=merge
次のコマンドを入力して、すべての etcd-writer デプロイメントを停止します。
$ oc scale deployment -n <hosted_cluster_namespace> --replicas=0 kube-apiserver openshift-apiserver openshift-oauth-apiserver
etcd スナップショットを取得するには、次のコマンドを実行して、各 etcd コンテナーで
exec
コマンドを使用します。$ oc exec -it <etcd_pod_name> -n <hosted_cluster_namespace> -- env ETCDCTL_API=3 /usr/bin/etcdctl --cacert /etc/etcd/tls/etcd-ca/ca.crt --cert /etc/etcd/tls/client/etcd-client.crt --key /etc/etcd/tls/client/etcd-client.key --endpoints=localhost:2379 snapshot save /var/lib/data/snapshot.db
スナップショットのステータスを確認するには、次のコマンドを実行して、各 etcd コンテナーで
exec
コマンドを使用します。$ oc exec -it <etcd_pod_name> -n <hosted_cluster_namespace> -- env ETCDCTL_API=3 /usr/bin/etcdctl -w table snapshot status /var/lib/data/snapshot.db
スナップショットデータを、S3 バケットなど、後で取得できる場所にコピーします。以下の例を参照してください。
注記次の例では、署名バージョン 2 を使用しています。署名バージョン 4 をサポートするリージョン (例:
us-east-2
リージョン) にいる場合は、署名バージョン 4 を使用してください。そうしないと、スナップショットを S3 バケットにコピーするときにアップロードが失敗します。例
BUCKET_NAME=somebucket FILEPATH="/${BUCKET_NAME}/${CLUSTER_NAME}-snapshot.db" CONTENT_TYPE="application/x-compressed-tar" DATE_VALUE=`date -R` SIGNATURE_STRING="PUT\n\n${CONTENT_TYPE}\n${DATE_VALUE}\n${FILEPATH}" ACCESS_KEY=accesskey SECRET_KEY=secret SIGNATURE_HASH=`echo -en ${SIGNATURE_STRING} | openssl sha1 -hmac ${SECRET_KEY} -binary | base64` oc exec -it etcd-0 -n ${HOSTED_CLUSTER_NAMESPACE} -- curl -X PUT -T "/var/lib/data/snapshot.db" \ -H "Host: ${BUCKET_NAME}.s3.amazonaws.com" \ -H "Date: ${DATE_VALUE}" \ -H "Content-Type: ${CONTENT_TYPE}" \ -H "Authorization: AWS ${ACCESS_KEY}:${SIGNATURE_HASH}" \ https://${BUCKET_NAME}.s3.amazonaws.com/${CLUSTER_NAME}-snapshot.db
後で新しいクラスターでスナップショットを復元するには、ホストされたクラスターが参照する暗号化シークレットを保存します。
次のコマンドを実行してシークレットの暗号鍵を取得します。
$ oc get hostedcluster <hosted_cluster_name> -o=jsonpath='{.spec.secretEncryption.aescbc}' {"activeKey":{"name":"<hosted_cluster_name>-etcd-encryption-key"}}
次のコマンドを実行してシークレットの暗号鍵を保存します。
$ oc get secret <hosted_cluster_name>-etcd-encryption-key -o=jsonpath='{.data.key}'
新しいクラスターでスナップショットを復元するときに、このキーを復号化できます。
次のステップ
etcd スナップショットを復元します。
8.4.2. ホストされたクラスターでの etcd スナップショットの復元
ホストされたクラスターからの etcd のスナップショットがある場合は、それを復元できます。現在、クラスターの作成中にのみ etcd スナップショットを復元できます。
etcd スナップショットを復元するには、create cluster --render
コマンドからの出力を変更し、HostedCluster
仕様の etcd セクションで restoreSnapshotURL
値を定義します。
hcp create
コマンドの --render
フラグはシークレットをレンダリングしません。シークレットをレンダリングするには、hcp create
コマンドで --render
フラグと --render-sensitive
フラグの両方を使用する必要があります。
前提条件
ホストされたクラスターで etcd スナップショットを作成している。
手順
aws
コマンドラインインターフェイス (CLI) で事前に署名された URL を作成し、認証情報を etcd デプロイメントに渡さずに S3 から etcd スナップショットをダウンロードできるようにします。ETCD_SNAPSHOT=${ETCD_SNAPSHOT:-"s3://${BUCKET_NAME}/${CLUSTER_NAME}-snapshot.db"} ETCD_SNAPSHOT_URL=$(aws s3 presign ${ETCD_SNAPSHOT})
次の URL を参照するように
HostedCluster
仕様を変更します。spec: etcd: managed: storage: persistentVolume: size: 4Gi type: PersistentVolume restoreSnapshotURL: - "${ETCD_SNAPSHOT_URL}" managementType: Managed
-
spec.secretEncryption.aescbc
値から参照したシークレットに、前の手順で保存したものと同じ AES キーが含まれていることを確認します。