9.5. ホストパスプロビジョナーを使用したローカルストレージの設定


ホストパスプロビジョナー (HPP) を使用して、仮想マシンのローカルストレージを設定できます。

OpenShift Virtualization Operator のインストール時に、Hostpath Provisioner Operator は自動的にインストールされます。HPP は、Hostpath Provisioner Operator によって作成される OpenShift Virtualization 用に設計されたローカルストレージプロビジョナーです。HPP を使用するには、基本ストレージプールを使用して HPP カスタムリソース (CR) を作成します。

9.5.1. 基本ストレージプールを使用したホストパスプロビジョナーの作成

storagePools スタンザを使用して HPP カスタムリソース (CR) を作成することにより、基本ストレージプールを使用してホストパスプロビジョナー (HPP) を設定します。ストレージプールは、CSI ドライバーが使用する名前とパスを指定します。

重要

オペレーティングシステムと同じパーティションにストレージプールを作成しないでください。そうしないと、オペレーティングシステムのパーティションがいっぱいになり、パフォーマンスに影響を与えたり、ノードが不安定になったり、使用できなくなったりする可能性があります。

前提条件

  • spec.storagePools.path で指定されたディレクトリーには、読み取り/書き込みアクセス権が必要です。

手順

  1. 次の例のように、storagePools スタンザを含む hpp_cr.yaml ファイルを作成します。

    apiVersion: hostpathprovisioner.kubevirt.io/v1beta1
    kind: HostPathProvisioner
    metadata:
      name: hostpath-provisioner
    spec:
      imagePullPolicy: IfNotPresent
      storagePools: 1
      - name: any_name
        path: "/var/myvolumes" 2
    workload:
      nodeSelector:
        kubernetes.io/os: linux
    1
    storagePools スタンザは、複数のエントリーを追加できる配列です。
    2
    このノードパスの下にストレージプールディレクトリーを指定します。
  2. ファイルを保存して終了します。
  3. 次のコマンドを実行して HPP を作成します。

    $ oc create -f hpp_cr.yaml

9.5.1.1. ストレージクラスの作成について

ストレージクラスの作成時に、ストレージクラスに属する永続ボリューム (PV) の動的プロビジョニングに影響するパラメーターを設定します。StorageClass オブジェクトの作成後には、このオブジェクトのパラメーターを更新できません。

ホストパスプロビジョナー (HPP) を使用するには、storagePools スタンザで CSI ドライバーの関連付けられたストレージクラスを作成する必要があります。

注記

仮想マシンは、ローカル PV に基づくデータボリュームを使用します。ローカル PV は特定のノードにバインドされます。ディスクイメージは仮想マシンで使用するために準備されますが、ローカルストレージ PV がすでに固定されたノードに仮想マシンをスケジュールすることができない可能性があります。

この問題を解決するには、Kubernetes Pod スケジューラーを使用して、永続ボリューム要求 (PVC) を正しいノードの PV にバインドします。volumeBindingMode パラメーターが WaitForFirstConsumer に設定された StorageClass 値を使用することにより、PV のバインディングおよびプロビジョニングは、Pod が PVC を使用して作成されるまで遅延します。

9.5.1.2. storagePools スタンザを使用した CSI ドライバーのストレージクラスの作成

ホストパスプロビジョナー (HPP) を使用するには、コンテナーストレージインターフェイス (CSI) ドライバーに関連するストレージクラスを作成する必要があります。

ストレージクラスの作成時に、ストレージクラスに属する永続ボリューム (PV) の動的プロビジョニングに影響するパラメーターを設定します。StorageClass オブジェクトの作成後には、このオブジェクトのパラメーターを更新できません。

注記

仮想マシンは、ローカル PV に基づくデータボリュームを使用します。ローカル PV は特定のノードにバインドされます。ディスクイメージは仮想マシンで使用するために準備されますが、ローカルストレージ PV がすでに固定されたノードに仮想マシンをスケジュールすることができない可能性があります。

この問題を解決するには、Kubernetes Pod スケジューラーを使用して、永続ボリューム要求 (PVC) を正しいノードの PV にバインドします。volumeBindingMode パラメーターが WaitForFirstConsumer に設定された StorageClass 値を使用することにより、PV のバインディングおよびプロビジョニングは、Pod が PVC を使用して作成されるまで遅延します。

手順

  1. storageclass_csi.yaml ファイルを作成して、ストレージクラスを定義します。

    apiVersion: storage.k8s.io/v1
    kind: StorageClass
    metadata:
      name: hostpath-csi
    provisioner: kubevirt.io.hostpath-provisioner
    reclaimPolicy: Delete 1
    volumeBindingMode: WaitForFirstConsumer 2
    parameters:
      storagePool: my-storage-pool 3
    1
    reclaimPolicy には、Delete および Retain の 2 つの値があります。値を指定しない場合、デフォルト値は Delete です。
    2
    volumeBindingMode パラメーターは、動的プロビジョニングとボリュームのバインディングが実行されるタイミングを決定します。WaitForFirstConsumer を指定して、永続ボリューム要求 (PVC) を使用する Pod が作成されるまで PV のバインディングおよびプロビジョニングを遅延させます。これにより、PV が Pod のスケジュール要件を満たすようになります。
    3
    HPP CR で定義されているストレージプールの名前を指定します。
  2. ファイルを保存して終了します。
  3. 次のコマンドを実行して、StorageClass オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f storageclass_csi.yaml

9.5.2. PVC テンプレートで作成されたストレージプールについて

単一の大きな永続ボリューム (PV) がある場合は、ホストパスプロビジョナー (HPP) カスタムリソース (CR) で PVC テンプレートを定義することにより、ストレージプールを作成できます。

PVC テンプレートで作成されたストレージプールには、複数の HPP ボリュームを含めることができます。PV を小さなボリュームに分割すると、データ割り当ての柔軟性が向上します。

PVC テンプレートは、PersistentVolumeClaim オブジェクトの spec スタンザに基づいています。

PersistentVolumeClaim オブジェクトの例

apiVersion: v1
kind: PersistentVolumeClaim
metadata:
  name: iso-pvc
spec:
  volumeMode: Block 1
  storageClassName: my-storage-class
  accessModes:
  - ReadWriteOnce
  resources:
    requests:
      storage: 5Gi

1
この値は、ブロックボリュームモードの PV にのみ必要です。

HPP CR の pvcTemplate 仕様を使用してストレージプールを定義します。Operator は、HPP CSI ドライバーを含む各ノードの pvcTemplate 仕様から PVC を作成します。PVC テンプレートから作成される PVC は単一の大きな PV を消費するため、HPP は小規模な動的ボリュームを作成できます。

基本的なストレージプールを、PVC テンプレートから作成されたストレージプールと組み合わせることができます。

9.5.2.1. PVC テンプレートを使用したストレージプールの作成

HPP カスタムリソース (CR) で PVC テンプレートを指定することにより、複数のホストパスプロビジョナー (HPP) ボリューム用のストレージプールを作成できます。

重要

オペレーティングシステムと同じパーティションにストレージプールを作成しないでください。そうしないと、オペレーティングシステムのパーティションがいっぱいになり、パフォーマンスに影響を与えたり、ノードが不安定になったり、使用できなくなったりする可能性があります。

前提条件

  • spec.storagePools.path で指定されたディレクトリーには、読み取り/書き込みアクセス権が必要です。

手順

  1. 次の例に従って、storagePools スタンザで永続ボリューム (PVC) テンプレートを指定する HPP CR の hpp_pvc_template_pool.yaml ファイルを作成します。

    apiVersion: hostpathprovisioner.kubevirt.io/v1beta1
    kind: HostPathProvisioner
    metadata:
      name: hostpath-provisioner
    spec:
      imagePullPolicy: IfNotPresent
      storagePools: 1
      - name: my-storage-pool
        path: "/var/myvolumes" 2
        pvcTemplate:
          volumeMode: Block 3
          storageClassName: my-storage-class 4
          accessModes:
          - ReadWriteOnce
          resources:
            requests:
              storage: 5Gi 5
      workload:
        nodeSelector:
          kubernetes.io/os: linux
    1
    storagePools スタンザは、基本ストレージプールと PVC テンプレートストレージプールの両方を含むことができるアレイです。
    2
    このノードパスの下にストレージプールディレクトリーを指定します。
    3
    オプション: volumeMode パラメーターは、プロビジョニングされたボリューム形式と一致する限り、Block または Filesystem のいずれかにすることができます。値が指定されていない場合、デフォルトは Filesystem です。volumeModeBlock の場合、Pod をマウントする前にブロックボリュームに XFS ファイルシステムが作成されます。
    4
    storageClassName パラメーターを省略すると、デフォルトのストレージクラスを使用して PVC を作成します。storageClassName を省略する場合、HPP ストレージクラスがデフォルトのストレージクラスではないことを確認してください。
    5
    静的または動的にプロビジョニングされるストレージを指定できます。いずれの場合も、要求されたストレージサイズが仮想的に分割する必要のあるボリュームに対して適切になるようにしてください。そうしないと、PVC を大規模な PV にバインドすることができません。使用しているストレージクラスが動的にプロビジョニングされるストレージを使用する場合、典型的な要求のサイズに一致する割り当てサイズを選択します。
  2. ファイルを保存して終了します。
  3. 次のコマンドを実行して、ストレージプールを使用して HPP を作成します。

    $ oc create -f hpp_pvc_template_pool.yaml
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