7.4. ネットワークセキュリティーの監査ロギング
OVN-Kubernetes ネットワークプラグインは、Open Virtual Network (OVN) アクセス制御リスト (ACL) を使用して、AdminNetworkPolicy
、BaselineAdminNetworkPolicy
、NetworkPolicy
、および EgressFirewall
オブジェクトを管理します。監査ログは、NetworkPolicy
、EgressFirewall
、および BaselineAdminNetworkPolicy
カスタムリソース (CR) の allow
および deny
ACL イベントを公開します。ロギングは、AdminNetworkPolicy
(ANP) CR の allow
、deny
、pass
ACL イベントも公開します。
監査ログは、OVN-Kubernetes ネットワークプラグイン でのみ使用できます。
7.4.1. 監査設定
監査ロギングの設定は、OVN-Kubernetes クラスターネットワークプロバイダー設定の一部として指定されます。次の YAML は、監査ログのデフォルト値を示しています。
監査ロギング設定
apiVersion: operator.openshift.io/v1 kind: Network metadata: name: cluster spec: defaultNetwork: ovnKubernetesConfig: policyAuditConfig: destination: "null" maxFileSize: 50 rateLimit: 20 syslogFacility: local0
次の表では、監査ログの設定フィールドを説明します。
フィールド | 型 | 説明 |
---|---|---|
| integer |
ノードごとに毎秒生成されるメッセージの最大数。デフォルト値は、1 秒あたり |
| integer |
監査ログの最大サイズ (バイト単位)。デフォルト値は |
| integer | 保持されるログファイルの最大数。 |
| string | 以下の追加の監査ログターゲットのいずれかになります。
|
| string |
RFC5424 で定義される |
7.4.2. 監査ロギング
syslog サーバーや UNIX ドメインソケットなど、監査ログの宛先を設定できます。追加の設定に関係なく、監査ログは常にクラスター内の各 OVN-Kubernetes Pod の /var/log/ovn/acl-audit-log.log
に保存されます。
各 namespace 設定に k8s.ovn.org/acl-logging
セクションをアノテーション付けすることで、各 namespace の監査ログを有効にできます。k8s.ovn.org/acl-logging
セクションでは、namespace の監査ログを有効にするために、allow
、deny
、またはその両方の値を指定する必要があります。
ネットワークポリシーでは、Pass
アクションセットをルールとして設定することはサポートされていません。
ACL ロギング実装は、ネットワークのアクセス制御リスト (ACL) イベントをログに記録します。これらのログを表示して、潜在的なセキュリティー問題を分析できます。
namespace アノテーションの例
kind: Namespace apiVersion: v1 metadata: name: example1 annotations: k8s.ovn.org/acl-logging: |- { "deny": "info", "allow": "info" }
デフォルトの ACL ロギング設定値を表示するには、cluster-network-03-config.yml
ファイルの policyAuditConfig
オブジェクトを参照してください。必要に応じて、このファイル内のログファイルパラメーターの ACL ロギング設定値を変更できます。
ログメッセージの形式は、RFC5424 で定義されている syslog と互換性があります。syslog ファシリティーは設定可能です。デフォルトは local0
です。次の例は、ログメッセージに出力される主要なパラメーターとその値を示しています。
パラメーターとその値を出力するロギングメッセージの例
<timestamp>|<message_serial>|acl_log(ovn_pinctrl0)|<severity>|name="<acl_name>", verdict="<verdict>", severity="<severity>", direction="<direction>": <flow>
ここでは、以下のようになります。
-
<timestamp>
は、ログメッセージが作成された日時を示します。 -
<message_serial>
には、ログメッセージのシリアル番号がリストされます。 -
acl_log (ovn_pinctrl0)
は、OVN-Kubernetes プラグイン内のログメッセージの場所を出力するリテラル文字列です。 -
<severity>
は、ログメッセージの重大度レベルを設定します。allow
タスクとdeny
タスクをサポートする監査ログを有効にすると、ログメッセージ出力に 2 つの重大度レベルが表示されます。 -
<name>
は、ネットワークポリシーによって作成された OVN ネットワークブリッジングデータベース (nbdb
) 内の ACL ロギング実装の名前を示します。 -
<verdict>
は、allow
またはdrop
のいずれかになります。 -
<direction>
は、to-lport
またはfrom-lport
のいずれかで、ポリシーが Pod に向かうトラフィックまたは Pod から出るトラフィックに適用されたことを示します。 -
<flow>
は、OpenFlow
プロトコルと同等の形式でパケット情報を表示します。このパラメーターは Open vSwitch (OVS) フィールドで構成されます。
次の例は、flow
パラメーターがシステムメモリーからパケット情報を抽出するために使用する OVS フィールドを示しています。
flow
パラメーターがパケット情報を抽出するために使用する OVS フィールドの例
<proto>,vlan_tci=0x0000,dl_src=<src_mac>,dl_dst=<source_mac>,nw_src=<source_ip>,nw_dst=<target_ip>,nw_tos=<tos_dscp>,nw_ecn=<tos_ecn>,nw_ttl=<ip_ttl>,nw_frag=<fragment>,tp_src=<tcp_src_port>,tp_dst=<tcp_dst_port>,tcp_flags=<tcp_flags>
ここでは、以下のようになります。
-
<proto>
はプロトコルを指定します。有効な値はtcp
とudp
です。 -
vlan_tci=0x0000
は、内部 Pod ネットワークトラフィックに VLAN ID が設定されていないため、VLAN ヘッダーを0
として示します。 -
<src_mac>
は、メディアアクセス制御 (MAC) アドレスのソースを指定します。 -
<source_mac>
は、MAC アドレスの宛先を指定します。 -
<source_ip>
は、送信元 IP アドレスをリストします -
<target_ip>
は、ターゲット IP アドレスをリストします。 -
<tos_dscp>
は、特定のネットワークトラフィックを他のトラフィックよりも分類して優先順位を付ける差別化サービスコードポイント (DSCP) 値を指定します。 -
<tos_ecn>
は、ネットワーク内の輻輳したトラフィックを示す明示的輻輳通知 (ECN) 値を示します。 -
<ip_ttl>
は、パケットの Time To Live (TTP) 情報を示します。 -
<fragment>
は、一致させる IP フラグメントまたは IP 非フラグメントのタイプを指定します。 -
<tcp_src_port>
は、TCP および UDP プロトコルのポートのソースを示します。 -
<tcp_dst_port>
は、TCP および UDP プロトコルの宛先ポートをリストします。 -
<tcp_flags>
は、SYN
、ACK
、PSH
などの多数のフラグをサポートします。複数の値を設定する必要がある場合は、各値を縦棒 (|
) で区切ります。UDP プロトコルはこのパラメーターをサポートしていません。
以前のフィールドの説明の詳細は、OVS の man ページの ovs-fields
を参照してください。
ネットワークポリシーの ACL 拒否ログエントリーの例
2023-11-02T16:28:54.139Z|00004|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="NP:verify-audit-logging:Ingress", verdict=drop, severity=alert, direction=to-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:81:02:01,dl_dst=0a:58:0a:81:02:23,nw_src=10.131.0.39,nw_dst=10.129.2.35,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=62,nw_frag=no,tp_src=58496,tp_dst=8080,tcp_flags=syn 2023-11-02T16:28:55.187Z|00005|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="NP:verify-audit-logging:Ingress", verdict=drop, severity=alert, direction=to-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:81:02:01,dl_dst=0a:58:0a:81:02:23,nw_src=10.131.0.39,nw_dst=10.129.2.35,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=62,nw_frag=no,tp_src=58496,tp_dst=8080,tcp_flags=syn 2023-11-02T16:28:57.235Z|00006|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="NP:verify-audit-logging:Ingress", verdict=drop, severity=alert, direction=to-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:81:02:01,dl_dst=0a:58:0a:81:02:23,nw_src=10.131.0.39,nw_dst=10.129.2.35,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=62,nw_frag=no,tp_src=58496,tp_dst=8080,tcp_flags=syn
以下の表は、namespace アノテーションの値を説明しています。
フィールド | 説明 |
---|---|
|
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|
|
関連情報
7.4.3. AdminNetworkPolicy 監査ログ
監査ロギングは、次の例のように、ANP ポリシーに k8s.ovn.org/acl-logging
キーのアノテーションを付けることにより、AdminNetworkPolicy
CR ごとに有効になります。
例7.19 AdminNetworkPolicy
CR のアノテーションの例
apiVersion: policy.networking.k8s.io/v1alpha1 kind: AdminNetworkPolicy metadata: annotations: k8s.ovn.org/acl-logging: '{ "deny": "alert", "allow": "alert", "pass" : "warning" }' name: anp-tenant-log spec: priority: 5 subject: namespaces: matchLabels: tenant: backend-storage # Selects all pods owned by storage tenant. ingress: - name: "allow-all-ingress-product-development-and-customer" # Product development and customer tenant ingress to backend storage. action: "Allow" from: - pods: namespaceSelector: matchExpressions: - key: tenant operator: In values: - product-development - customer podSelector: {} - name: "pass-all-ingress-product-security" action: "Pass" from: - namespaces: matchLabels: tenant: product-security - name: "deny-all-ingress" # Ingress to backend from all other pods in the cluster. action: "Deny" from: - namespaces: {} egress: - name: "allow-all-egress-product-development" action: "Allow" to: - pods: namespaceSelector: matchLabels: tenant: product-development podSelector: {} - name: "pass-egress-product-security" action: "Pass" to: - namespaces: matchLabels: tenant: product-security - name: "deny-all-egress" # Egress from backend denied to all other pods. action: "Deny" to: - namespaces: {}
特定の OVN ACL に該当し、ロギングアノテーションで設定されたアクション基準を満たすたびに、ログが生成されます。たとえば、ラベルが tenant: product-development
の namespace のいずれかが tenant: backend-storage
のラベルが付いた namespace にアクセスするイベントでは、ログが生成されます。
ACL ロギングは 60 文字に制限されます。ANP 名
フィールドが長い場合、ログの残りの部分は切り捨てられます。
以下は、ログエントリーの例の方向インデックスです。
方向 | ルール |
---|---|
Ingress |
|
Egress |
|
例7.20 Ingress:0
および Egress:0
の anp-tenant-log
という名前の AdminNetworkPolicy
の 許可
アクションの ACL ログエントリーの例
2024-06-10T16:27:45.194Z|00052|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="ANP:anp-tenant-log:Ingress:0", verdict=allow, severity=alert, direction=to-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:80:02:1a,dl_dst=0a:58:0a:80:02:19,nw_src=10.128.2.26,nw_dst=10.128.2.25,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=57814,tp_dst=8080,tcp_flags=syn 2024-06-10T16:28:23.130Z|00059|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="ANP:anp-tenant-log:Ingress:0", verdict=allow, severity=alert, direction=to-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:80:02:18,dl_dst=0a:58:0a:80:02:19,nw_src=10.128.2.24,nw_dst=10.128.2.25,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=38620,tp_dst=8080,tcp_flags=ack 2024-06-10T16:28:38.293Z|00069|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="ANP:anp-tenant-log:Egress:0", verdict=allow, severity=alert, direction=from-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:80:02:19,dl_dst=0a:58:0a:80:02:1a,nw_src=10.128.2.25,nw_dst=10.128.2.26,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=47566,tp_dst=8080,tcp_flags=fin|ack=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=55704,tp_dst=8080,tcp_flags=ack
例7.21 Ingress:1
および Egress:1
を持つ anp-tenant-log
という名前の AdminNetworkPolicy
の Pass
アクションの ACL ログエントリーの例
2024-06-10T16:33:12.019Z|00075|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="ANP:anp-tenant-log:Ingress:1", verdict=pass, severity=warning, direction=to-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:80:02:1b,dl_dst=0a:58:0a:80:02:19,nw_src=10.128.2.27,nw_dst=10.128.2.25,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=37394,tp_dst=8080,tcp_flags=ack 2024-06-10T16:35:04.209Z|00081|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="ANP:anp-tenant-log:Egress:1", verdict=pass, severity=warning, direction=from-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:80:02:19,dl_dst=0a:58:0a:80:02:1b,nw_src=10.128.2.25,nw_dst=10.128.2.27,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=34018,tp_dst=8080,tcp_flags=ack
例7.22 Egress:2
および Ingress2
を持つ anp-tenant-log
という名前の AdminNetworkPolicy
の deny
アクションの ACL ログエントリーの例
2024-06-10T16:43:05.287Z|00087|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="ANP:anp-tenant-log:Egress:2", verdict=drop, severity=alert, direction=from-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:80:02:19,dl_dst=0a:58:0a:80:02:18,nw_src=10.128.2.25,nw_dst=10.128.2.24,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=51598,tp_dst=8080,tcp_flags=syn 2024-06-10T16:44:43.591Z|00090|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="ANP:anp-tenant-log:Ingress:2", verdict=drop, severity=alert, direction=to-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:80:02:1c,dl_dst=0a:58:0a:80:02:19,nw_src=10.128.2.28,nw_dst=10.128.2.25,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=33774,tp_dst=8080,tcp_flags=syn
次の表は、ANP アノテーションを説明しています。
アノテーション | 値 |
---|---|
|
namespace の監査ログを有効にするには、
|
7.4.4. BaselineAdminNetworkPolicy 監査ログ
監査ロギングは、次の例のように、BANP ポリシーに k8s.ovn.org/acl-logging
キーのアノテーションを付けすることで、BaselineAdminNetworkPolicy
CR で有効になります。
例7.23 BaselineAdminNetworkPolicy
CR のアノテーションの例
apiVersion: policy.networking.k8s.io/v1alpha1 kind: BaselineAdminNetworkPolicy metadata: annotations: k8s.ovn.org/acl-logging: '{ "deny": "alert", "allow": "alert"}' name: default spec: subject: namespaces: matchLabels: tenant: workloads # Selects all workload pods in the cluster. ingress: - name: "default-allow-dns" # This rule allows ingress from dns tenant to all workloads. action: "Allow" from: - namespaces: matchLabels: tenant: dns - name: "default-deny-dns" # This rule denies all ingress from all pods to workloads. action: "Deny" from: - namespaces: {} # Use the empty selector with caution because it also selects OpenShift namespaces as well. egress: - name: "default-deny-dns" # This rule denies all egress from workloads. It will be applied when no ANP or network policy matches. action: "Deny" to: - namespaces: {} # Use the empty selector with caution because it also selects OpenShift namespaces as well.
この例では、ラベルが tenant: dns
の namespace のいずれかが tenant: workloads
ラベルを持つ namespace にアクセスするイベントで、ログが生成されます。
以下は、ログエントリーの例の方向インデックスです。
方向 | ルール |
---|---|
Ingress |
|
Egress |
|
例7.24 Ingress:0
での default
BANP の Allow
アクションに関する ACL 許可ログエントリーの例
2024-06-10T18:11:58.263Z|00022|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="BANP:default:Ingress:0", verdict=allow, severity=alert, direction=to-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:82:02:57,dl_dst=0a:58:0a:82:02:56,nw_src=10.130.2.87,nw_dst=10.130.2.86,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=60510,tp_dst=8080,tcp_flags=syn 2024-06-10T18:11:58.264Z|00023|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="BANP:default:Ingress:0", verdict=allow, severity=alert, direction=to-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:82:02:57,dl_dst=0a:58:0a:82:02:56,nw_src=10.130.2.87,nw_dst=10.130.2.86,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=60510,tp_dst=8080,tcp_flags=psh|ack 2024-06-10T18:11:58.264Z|00024|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="BANP:default:Ingress:0", verdict=allow, severity=alert, direction=to-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:82:02:57,dl_dst=0a:58:0a:82:02:56,nw_src=10.130.2.87,nw_dst=10.130.2.86,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=60510,tp_dst=8080,tcp_flags=ack 2024-06-10T18:11:58.264Z|00025|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="BANP:default:Ingress:0", verdict=allow, severity=alert, direction=to-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:82:02:57,dl_dst=0a:58:0a:82:02:56,nw_src=10.130.2.87,nw_dst=10.130.2.86,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=60510,tp_dst=8080,tcp_flags=ack 2024-06-10T18:11:58.264Z|00026|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="BANP:default:Ingress:0", verdict=allow, severity=alert, direction=to-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:82:02:57,dl_dst=0a:58:0a:82:02:56,nw_src=10.130.2.87,nw_dst=10.130.2.86,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=60510,tp_dst=8080,tcp_flags=fin|ack 2024-06-10T18:11:58.264Z|00027|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="BANP:default:Ingress:0", verdict=allow, severity=alert, direction=to-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:82:02:57,dl_dst=0a:58:0a:82:02:56,nw_src=10.130.2.87,nw_dst=10.130.2.86,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=60510,tp_dst=8080,tcp_flags=ack
例7.25 Egress:0
および Ingress:1
での default
BANP の Allow
アクションに関する ACL 許可ログエントリーの例
2024-06-10T18:09:57.774Z|00016|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="BANP:default:Egress:0", verdict=drop, severity=alert, direction=from-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:82:02:56,dl_dst=0a:58:0a:82:02:57,nw_src=10.130.2.86,nw_dst=10.130.2.87,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=45614,tp_dst=8080,tcp_flags=syn 2024-06-10T18:09:58.809Z|00017|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="BANP:default:Egress:0", verdict=drop, severity=alert, direction=from-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:82:02:56,dl_dst=0a:58:0a:82:02:57,nw_src=10.130.2.86,nw_dst=10.130.2.87,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=45614,tp_dst=8080,tcp_flags=syn 2024-06-10T18:10:00.857Z|00018|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="BANP:default:Egress:0", verdict=drop, severity=alert, direction=from-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:82:02:56,dl_dst=0a:58:0a:82:02:57,nw_src=10.130.2.86,nw_dst=10.130.2.87,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=45614,tp_dst=8080,tcp_flags=syn 2024-06-10T18:10:25.414Z|00019|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="BANP:default:Ingress:1", verdict=drop, severity=alert, direction=to-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:82:02:58,dl_dst=0a:58:0a:82:02:56,nw_src=10.130.2.88,nw_dst=10.130.2.86,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=40630,tp_dst=8080,tcp_flags=syn 2024-06-10T18:10:26.457Z|00020|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="BANP:default:Ingress:1", verdict=drop, severity=alert, direction=to-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:82:02:58,dl_dst=0a:58:0a:82:02:56,nw_src=10.130.2.88,nw_dst=10.130.2.86,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=40630,tp_dst=8080,tcp_flags=syn 2024-06-10T18:10:28.505Z|00021|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="BANP:default:Ingress:1", verdict=drop, severity=alert, direction=to-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:82:02:58,dl_dst=0a:58:0a:82:02:56,nw_src=10.130.2.88,nw_dst=10.130.2.86,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,tp_src=40630,tp_dst=8080,tcp_flags=syn
次の表では、BANP アノテーションを説明します。
アノテーション | 値 |
---|---|
|
namespace の監査ロギングを有効にするには、少なくとも
|
7.4.5. クラスターの Egress ファイアウォールとネットワークポリシー監査の設定
クラスター管理者は、クラスターの監査ログをカスタマイズできます。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとしてクラスターにログインする。
手順
監査ロギング設定をカスタマイズするには、次のコマンドを入力します。
$ oc edit network.operator.openshift.io/cluster
ヒントまたは、以下の YAML をカスタマイズして適用することで、監査ロギングを設定できます。
apiVersion: operator.openshift.io/v1 kind: Network metadata: name: cluster spec: defaultNetwork: ovnKubernetesConfig: policyAuditConfig: destination: "null" maxFileSize: 50 rateLimit: 20 syslogFacility: local0
検証
ネットワークポリシーを使用して namespace を作成するには、次の手順を実行します。
検証用の namespace を作成します。
$ cat <<EOF| oc create -f - kind: Namespace apiVersion: v1 metadata: name: verify-audit-logging annotations: k8s.ovn.org/acl-logging: '{ "deny": "alert", "allow": "alert" }' EOF
出力例
namespace/verify-audit-logging created
namespace のネットワークポリシーを作成します。
$ cat <<EOF| oc create -n verify-audit-logging -f - apiVersion: networking.k8s.io/v1 kind: NetworkPolicy metadata: name: deny-all spec: podSelector: matchLabels: policyTypes: - Ingress - Egress --- apiVersion: networking.k8s.io/v1 kind: NetworkPolicy metadata: name: allow-from-same-namespace namespace: verify-audit-logging spec: podSelector: {} policyTypes: - Ingress - Egress ingress: - from: - podSelector: {} egress: - to: - namespaceSelector: matchLabels: kubernetes.io/metadata.name: verify-audit-logging EOF
出力例
networkpolicy.networking.k8s.io/deny-all created networkpolicy.networking.k8s.io/allow-from-same-namespace created
ソーストラフィックの Pod を
default
namespace に作成します。$ cat <<EOF| oc create -n default -f - apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: client spec: containers: - name: client image: registry.access.redhat.com/rhel7/rhel-tools command: ["/bin/sh", "-c"] args: ["sleep inf"] EOF
verify-audit-logging
namespace に 2 つの Pod を作成します。$ for name in client server; do cat <<EOF| oc create -n verify-audit-logging -f - apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: ${name} spec: containers: - name: ${name} image: registry.access.redhat.com/rhel7/rhel-tools command: ["/bin/sh", "-c"] args: ["sleep inf"] EOF done
出力例
pod/client created pod/server created
トラフィックを生成し、ネットワークポリシー監査ログエントリーを作成するには、以下の手順を実行します。
verify-audit-logging
namespace でserver
という名前の Pod の IP アドレスを取得します。$ POD_IP=$(oc get pods server -n verify-audit-logging -o jsonpath='{.status.podIP}')
default
の namespace のclient
という名前の Pod の直前のコマンドから IP アドレスに ping し、すべてのパケットがドロップされていることを確認します。$ oc exec -it client -n default -- /bin/ping -c 2 $POD_IP
出力例
PING 10.128.2.55 (10.128.2.55) 56(84) bytes of data. --- 10.128.2.55 ping statistics --- 2 packets transmitted, 0 received, 100% packet loss, time 2041ms
verify-audit-logging
namespace のclient
という名前の Pod からPOD_IP
シェル環境変数に保存されている IP アドレスに ping し、すべてのパケットが許可されていることを確認します。$ oc exec -it client -n verify-audit-logging -- /bin/ping -c 2 $POD_IP
出力例
PING 10.128.0.86 (10.128.0.86) 56(84) bytes of data. 64 bytes from 10.128.0.86: icmp_seq=1 ttl=64 time=2.21 ms 64 bytes from 10.128.0.86: icmp_seq=2 ttl=64 time=0.440 ms --- 10.128.0.86 ping statistics --- 2 packets transmitted, 2 received, 0% packet loss, time 1001ms rtt min/avg/max/mdev = 0.440/1.329/2.219/0.890 ms
ネットワークポリシー監査ログの最新エントリーを表示します。
$ for pod in $(oc get pods -n openshift-ovn-kubernetes -l app=ovnkube-node --no-headers=true | awk '{ print $1 }') ; do oc exec -it $pod -n openshift-ovn-kubernetes -- tail -4 /var/log/ovn/acl-audit-log.log done
出力例
2023-11-02T16:28:54.139Z|00004|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="NP:verify-audit-logging:Ingress", verdict=drop, severity=alert, direction=to-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:81:02:01,dl_dst=0a:58:0a:81:02:23,nw_src=10.131.0.39,nw_dst=10.129.2.35,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=62,nw_frag=no,tp_src=58496,tp_dst=8080,tcp_flags=syn 2023-11-02T16:28:55.187Z|00005|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="NP:verify-audit-logging:Ingress", verdict=drop, severity=alert, direction=to-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:81:02:01,dl_dst=0a:58:0a:81:02:23,nw_src=10.131.0.39,nw_dst=10.129.2.35,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=62,nw_frag=no,tp_src=58496,tp_dst=8080,tcp_flags=syn 2023-11-02T16:28:57.235Z|00006|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="NP:verify-audit-logging:Ingress", verdict=drop, severity=alert, direction=to-lport: tcp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:81:02:01,dl_dst=0a:58:0a:81:02:23,nw_src=10.131.0.39,nw_dst=10.129.2.35,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=62,nw_frag=no,tp_src=58496,tp_dst=8080,tcp_flags=syn 2023-11-02T16:49:57.909Z|00028|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="NP:verify-audit-logging:allow-from-same-namespace:Egress:0", verdict=allow, severity=alert, direction=from-lport: icmp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:81:02:22,dl_dst=0a:58:0a:81:02:23,nw_src=10.129.2.34,nw_dst=10.129.2.35,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,icmp_type=8,icmp_code=0 2023-11-02T16:49:57.909Z|00029|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="NP:verify-audit-logging:allow-from-same-namespace:Ingress:0", verdict=allow, severity=alert, direction=to-lport: icmp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:81:02:22,dl_dst=0a:58:0a:81:02:23,nw_src=10.129.2.34,nw_dst=10.129.2.35,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,icmp_type=8,icmp_code=0 2023-11-02T16:49:58.932Z|00030|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="NP:verify-audit-logging:allow-from-same-namespace:Egress:0", verdict=allow, severity=alert, direction=from-lport: icmp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:81:02:22,dl_dst=0a:58:0a:81:02:23,nw_src=10.129.2.34,nw_dst=10.129.2.35,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,icmp_type=8,icmp_code=0 2023-11-02T16:49:58.932Z|00031|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="NP:verify-audit-logging:allow-from-same-namespace:Ingress:0", verdict=allow, severity=alert, direction=to-lport: icmp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:81:02:22,dl_dst=0a:58:0a:81:02:23,nw_src=10.129.2.34,nw_dst=10.129.2.35,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,icmp_type=8,icmp_code=0
7.4.6. namespace の Egress ファイアウォールとネットワークポリシーの監査ログを有効にする
クラスター管理者は、namespace の監査ログを有効にすることができます。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとしてクラスターにログインする。
手順
namespace の監査ログを有効にするには、次のコマンドを入力します。
$ oc annotate namespace <namespace> \ k8s.ovn.org/acl-logging='{ "deny": "alert", "allow": "notice" }'
ここでは、以下のようになります。
<namespace>
- namespace の名前を指定します。
ヒントまたは、以下の YAML を適用して監査ロギングを有効化できます。
kind: Namespace apiVersion: v1 metadata: name: <namespace> annotations: k8s.ovn.org/acl-logging: |- { "deny": "alert", "allow": "notice" }
出力例
namespace/verify-audit-logging annotated
検証
監査ログの最新のエントリーを表示します。
$ for pod in $(oc get pods -n openshift-ovn-kubernetes -l app=ovnkube-node --no-headers=true | awk '{ print $1 }') ; do oc exec -it $pod -n openshift-ovn-kubernetes -- tail -4 /var/log/ovn/acl-audit-log.log done
出力例
2023-11-02T16:49:57.909Z|00028|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="NP:verify-audit-logging:allow-from-same-namespace:Egress:0", verdict=allow, severity=alert, direction=from-lport: icmp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:81:02:22,dl_dst=0a:58:0a:81:02:23,nw_src=10.129.2.34,nw_dst=10.129.2.35,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,icmp_type=8,icmp_code=0 2023-11-02T16:49:57.909Z|00029|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="NP:verify-audit-logging:allow-from-same-namespace:Ingress:0", verdict=allow, severity=alert, direction=to-lport: icmp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:81:02:22,dl_dst=0a:58:0a:81:02:23,nw_src=10.129.2.34,nw_dst=10.129.2.35,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,icmp_type=8,icmp_code=0 2023-11-02T16:49:58.932Z|00030|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="NP:verify-audit-logging:allow-from-same-namespace:Egress:0", verdict=allow, severity=alert, direction=from-lport: icmp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:81:02:22,dl_dst=0a:58:0a:81:02:23,nw_src=10.129.2.34,nw_dst=10.129.2.35,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,icmp_type=8,icmp_code=0 2023-11-02T16:49:58.932Z|00031|acl_log(ovn_pinctrl0)|INFO|name="NP:verify-audit-logging:allow-from-same-namespace:Ingress:0", verdict=allow, severity=alert, direction=to-lport: icmp,vlan_tci=0x0000,dl_src=0a:58:0a:81:02:22,dl_dst=0a:58:0a:81:02:23,nw_src=10.129.2.34,nw_dst=10.129.2.35,nw_tos=0,nw_ecn=0,nw_ttl=64,nw_frag=no,icmp_type=8,icmp_code=0
7.4.7. namespace の Egress ファイアウォールとネットワークポリシーの監査ログを無効にする
クラスター管理者は、namespace の監査ログを無効にすることができます。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
cluster-admin
権限を持つユーザーとしてクラスターにログインする。
手順
namespace の監査ログを無効にするには、次のコマンドを入力します。
$ oc annotate --overwrite namespace <namespace> k8s.ovn.org/acl-logging-
ここでは、以下のようになります。
<namespace>
- namespace の名前を指定します。
ヒントまたは、以下の YAML を適用して監査ロギングを無効化できます。
kind: Namespace apiVersion: v1 metadata: name: <namespace> annotations: k8s.ovn.org/acl-logging: null
出力例
namespace/verify-audit-logging annotated