2.8. IBM Power を使用した単一ノード OpenShift のインストール
IBM Power® に単一ノードクラスターをインストールするには、「IBM Power® を使用したクラスターのインストール」手順を使用して、user-provisioned installation が必要です。
IBM Power® にシングルノードクラスターをインストールすると、開発環境およびテスト環境のインストールが簡素化され、エントリーレベルで必要なリソース要件が少なくなります。
ハードウェア要件
- クラスターごとに、SMT2 対応の 2 つの Integrated Facilities for Linux (IFL) に相当します。
-
最低でもネットワーク接続 1 つ。これで、
LoadBalancer
サービスに接続するだけでなく、クラスター外のトラッフィクに関するデータを提供します。
専用または共有 IFL を使用して、十分なコンピューティングリソースを割り当てることができます。リソース共有は IBM Power® の重要な強みの 1 つです。ただし、各ハイパーバイザーレイヤーで容量を正しく調整し、すべての OpenShift Container Platform クラスターに十分なリソースを確保する必要があります。
2.8.1. IBM Power を使用した単一ノード OpenShift の基礎のセットアップ
IBM Power® に単一ノード OpenShift をインストールする前に、踏み台をセットアップする必要があります。IBM Power® 上でシングルノード OpenShift の踏み台サーバーをセットアップするには、以下のサービスの設定が必要です。
PXE は、単一ノード OpenShift クラスターのインストールに使用されます。PXE では、次のサービスを設定して実行する必要があります。
- api、api-int、および *.apps を定義する DNS
- PXE を有効にし、単一ノードの OpenShift ノードに IP アドレスを割り当てる DHCP サービス
- Ignition および RHCOS rootfs イメージを提供する HTTP
- TFTP による PXE の有効化
-
DNS、DHCP、PXE、HTTP の httpd をサポートするには、
dnsmasq
をインストールする必要があります。
これらの要件を満たす踏み台サーバーを設定するには、次の手順を使用します。
手順
次のコマンドを使用して
grub2
をインストールします。これは PowerVM の PXE を有効にするために必要です。grub2-mknetdir --net-directory=/var/lib/tftpboot
/var/lib/tftpboot/boot/grub2/grub.cfg
ファイルの例default=0 fallback=1 timeout=1 if [ ${net_default_mac} == fa:b0:45:27:43:20 ]; then menuentry "CoreOS (BIOS)" { echo "Loading kernel" linux "/rhcos/kernel" ip=dhcp rd.neednet=1 ignition.platform.id=metal ignition.firstboot coreos.live.rootfs_url=http://192.168.10.5:8000/install/rootfs.img ignition.config.url=http://192.168.10.5:8000/ignition/sno.ign echo "Loading initrd" initrd "/rhcos/initramfs.img" } fi
次のコマンドを使用して、PXE のミラーリポジトリーから RHCOS イメージファイルをダウンロードします。
次のコマンドを入力して、
RHCOS_URL
変数に次の 4.12 URL を割り当てます。$ export RHCOS_URL=https://mirror.openshift.com/pub/openshift-v4/ppc64le/dependencies/rhcos/4.12/latest/
次のコマンドを入力して、
/var/lib/tftpboot/rhcos
ディレクトリーに移動します。$ cd /var/lib/tftpboot/rhcos
次のコマンドを実行して、
RHCOS_URL
変数に保存されている URL から指定された RHCOS カーネルファイルをダウンロードします。$ wget ${RHCOS_URL}/rhcos-live-kernel-ppc64le -o kernel
次のコマンドを入力して、
RHCOS_URL
変数に保存されている URL から RHCOSinitramfs
ファイルをダウンロードします。$ wget ${RHCOS_URL}/rhcos-live-initramfs.ppc64le.img -o initramfs.img
次のコマンドを実行して、
/var//var/www/html/install/
ディレクトリーに移動します。$ cd /var//var/www/html/install/
次のコマンドを入力して、
RHCOS_URL
変数に保存されている URL から RHCOSroot filesystem
イメージファイルをダウンロードして保存します。$ wget ${RHCOS_URL}/rhcos-live-rootfs.ppc64le.img -o rootfs.img
単一ノード OpenShift クラスターの ignition ファイルを作成するには、
install-config.yaml
ファイルを作成する必要があります。次のコマンドを入力して、ファイルを保持する作業ディレクトリーを作成します。
$ mkdir -p ~/sno-work
次のコマンドを入力して、
~/sno-work
ディレクトリーに移動します。$ cd ~/sno-work
次のサンプルファイルを使用して、必要な
install-config.yaml
を~/sno-work
ディレクトリーに作成できます。apiVersion: v1 baseDomain: <domain> 1 compute: - name: worker replicas: 0 2 controlPlane: name: master replicas: 1 3 metadata: name: <name> 4 networking: 5 clusterNetwork: - cidr: 10.128.0.0/14 hostPrefix: 23 machineNetwork: - cidr: 10.0.0.0/16 6 networkType: OVNKubernetes serviceNetwork: - 172.30.0.0/16 platform: none: {} bootstrapInPlace: installationDisk: /dev/disk/by-id/<disk_id> 7 pullSecret: '<pull_secret>' 8 sshKey: | <ssh_key> 9
- 1
- クラスタードメイン名を追加します。
- 2
compute
レプリカを0
に設定します。これにより、コントロールプレーンノードがスケジュール可能になります。- 3
controlPlane
レプリカを1
に設定します。この設定は、以前のcompute
設定と組み合わせて、クラスターが単一ノードで実行されるようにします。- 4
メタデータ
名をクラスター名に設定します。- 5
networking
の詳細を設定します。OVN-Kubernetes は、単一ノードクラスターで許可されている唯一のネットワークプラグインタイプです。- 6
- 単一ノードの OpenShift クラスターのサブネットと一致するように
cidr
値を設定します。 - 7
- インストールディスクドライブへのパスを設定します (例:
/dev/disk/by-id/wwn-0x64cd98f04fde100024684cf3034da5c2)
。 - 8
- Red Hat OpenShift Cluster Manager からプルシークレット をコピーし、その内容をこの設定に追加します。
- 9
- インストール後にクラスターにログインできるように、管理ホストから公開 SSH 鍵を追加します。
openshift-install
イメージをダウンロードして ignition ファイルを作成し、それをhttp
ディレクトリーにコピーします。次のコマンドを実行して、
openshift-install-linux-4.12.0
.tar ファイルをダウンロードします。$ wget https://mirror.openshift.com/pub/openshift-v4/ppc64le/clients/ocp/4.12.0/openshift-install-linux-4.12.0.tar.gz
次のコマンドを入力して、
openshift-install-linux-4.12.0.tar.gz
アーカイブを展開します。$ tar xzvf openshift-install-linux-4.12.0.tar.gz
以下のコマンドを入力し、以下を実行します。
$ ./openshift-install --dir=~/sno-work create create single-node-ignition-config
次のコマンドを入力して、Ignition ファイルを作成します。
$ cp ~/sno-work/single-node-ignition-config.ign /var/www/html/ignition/sno.ign
次のコマンドを入力して、
/var/www/html
ディレクトリーの SELinux ファイルを復元します。$ restorecon -vR /var/www/html || true
踏み台には必要なファイルがすべて含まれており、単一ノードの OpenShift をインストールするために適切に設定されています。
2.8.2. IBM Power を使用した単一ノード OpenShift のインストール
前提条件
- 踏み台を設定しました。
手順
単一ノード OpenShift クラスターのインストールには 2 つの手順があります。まず、単一ノードの OpenShift 論理パーティション (LPAR) を PXE で起動する必要があり、次にインストールの進行状況を監視する必要があります。
次のコマンドを使用して、netboot で powerVM を起動します。
$ lpar_netboot -i -D -f -t ent -m <sno_mac> -s auto -d auto -S <server_ip> -C <sno_ip> -G <gateway> <lpar_name> default_profile <cec_name>
ここでは、以下のようになります。
- sno_mac
- シングルノード OpenShift クラスターの MAC アドレスを指定します。
- sno_ip
- 単一ノード OpenShift クラスターの IP アドレスを指定します。
- server_ip
- 踏み台 (PXE サーバー) の IP アドレスを指定します。
- gateway
- ネットワークのゲートウェイ IP を指定します。
- lpar_name
- HMC 内の単一ノード OpenShift lpar 名を指定します。
- cec_name
- sno_lpar が存在するシステム名を指定します。
単一ノード OpenShift LPAR が PXE で起動した後、
openshift-install
コマンドを使用してインストールの進行状況を監視します。ブートストラップが完了したら、次のコマンドを実行します。
./openshift-install wait-for bootstrap-complete
正常に戻ったら、次のコマンドを実行します。
./openshift-install wait-for install-complete