4.25. OADP のトラブルシューティング
4.25.1. トラブルシューティング リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
次の方法を使用して、OADP の問題をトラブルシューティングできます。
- OpenShift CLI ツール または Velero CLI ツール を使用して、Velero カスタムリソース (CR) をデバッグします。Velero CLI ツールは、より詳細なログおよび情報を提供します。
- メモリーまたは CPU の不足により発生する Velero または Restic Pod のクラッシュは、メモリーまたは CPU の不足により Pod がクラッシュまたは再起動する を使用してデバッグします。
- Velero および Admission Webhook の問題は、Velero および Admission Webhook に関する問題 を使用してデバッグします。
- OADP インストールの問題、OADP Operator の問題、バックアップおよび復元 CR の問題、および Restic の問題 を確認します。
- 利用可能な OADP タイムアウト を使用して、エラー、再試行、または失敗を減らします。
-
must-gather
ツール を使用してログと CR 情報を収集します。 - OADP モニタリング を利用してワークロードのパフォーマンスを監視および分析します。
4.25.2. Velero CLI ツール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
velero
CLI ツールは次の方法で入手できます。
-
velero
CLI ツールをダウンロードする -
クラスター内の Velero デプロイメント内の
velero
バイナリーにアクセスする
4.25.2.1. Velero CLI ツールのダウンロード リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Velero のドキュメントページ の手順に従って、Velero CLI ツールをダウンロードしてインストールできます。
このページには、以下に関する手順が含まれています。
- Homebrew を使用した macOS
- GitHub
- Chocolatey を使用した Windows
前提条件
- DNS とコンテナーネットワークが有効になっている、v1.16 以降の Kubernetes クラスターにアクセスできる。
-
kubectl
をローカルにインストールしている。
手順
- ブラウザーを開き、Velero Web サイト上の "Install the CLI" に移動します。
- macOS、GitHub、または Windows の適切な手順に従います。
- 使用している OADP および OpenShift Container Platform のバージョンに適切な Velero バージョンをダウンロードします。
4.25.2.1.1. OADP、Velero、および OpenShift Container Platform の各バージョンの関係 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
4.25.2.2. クラスター内の Velero デプロイメントで Velero バイナリーにアクセスする リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
shell コマンドを使用して、クラスター内の Velero デプロイメントの Velero バイナリーにアクセスできます。
前提条件
-
DataProtectionApplication
カスタムリソースのステータスがReconcile complete
である。
手順
次のコマンドを入力して、必要なエイリアスを設定します。
alias velero='oc -n openshift-adp exec deployment/velero -c velero -it -- ./velero'
$ alias velero='oc -n openshift-adp exec deployment/velero -c velero -it -- ./velero'
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4.25.2.3. OpenShift CLI ツールを使用した Velero リソースのデバッグ リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OpenShift CLI ツールを使用して Velero カスタムリソース (CR) と Velero
Pod ログを確認することで、失敗したバックアップまたは復元をデバッグできます。
Velero CR
oc describe
コマンドを使用して、Backup
または Restore
CR に関連する警告とエラーの要約を取得します。
oc describe <velero_cr> <cr_name>
$ oc describe <velero_cr> <cr_name>
Velero Pod ログ
oc logs
コマンドを使用して、Velero
Pod ログを取得します。
oc logs pod/<velero>
$ oc logs pod/<velero>
Velero Pod のデバッグログ
次の例に示すとおり、DataProtectionApplication
リソースで Velero ログレベルを指定できます。
このオプションは、OADP 1.0.3 以降で使用できます。
次の logLevel
値を使用できます。
-
trace
-
debug
-
info
-
warning
-
error
-
fatal
-
panic
ほとんどのログには info
logLevel
値を使用することが推奨されます。
4.25.2.4. Velero CLI ツールを使用した Velero リソースのデバッグ リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Velero CLI ツールを使用して、Backup
および Restore
カスタムリソース (CR) をデバッグし、ログを取得できます。
Velero CLI ツールは、OpenShift CLI ツールよりも詳細な情報を提供します。
構文
oc exec
コマンドを使用して、Velero CLI コマンドを実行します。
oc -n openshift-adp exec deployment/velero -c velero -- ./velero \ <backup_restore_cr> <command> <cr_name>
$ oc -n openshift-adp exec deployment/velero -c velero -- ./velero \
<backup_restore_cr> <command> <cr_name>
例
oc -n openshift-adp exec deployment/velero -c velero -- ./velero \ backup describe 0e44ae00-5dc3-11eb-9ca8-df7e5254778b-2d8ql
$ oc -n openshift-adp exec deployment/velero -c velero -- ./velero \
backup describe 0e44ae00-5dc3-11eb-9ca8-df7e5254778b-2d8ql
ヘルプオプション
velero --help
オプションを使用して、すべての Velero CLI コマンドをリスト表示します。
oc -n openshift-adp exec deployment/velero -c velero -- ./velero \ --help
$ oc -n openshift-adp exec deployment/velero -c velero -- ./velero \
--help
describe コマンド
velero describe
コマンドを使用して、Backup
または Restore
CR に関連する警告とエラーの要約を取得します。
oc -n openshift-adp exec deployment/velero -c velero -- ./velero \ <backup_restore_cr> describe <cr_name>
$ oc -n openshift-adp exec deployment/velero -c velero -- ./velero \
<backup_restore_cr> describe <cr_name>
例
oc -n openshift-adp exec deployment/velero -c velero -- ./velero \ backup describe 0e44ae00-5dc3-11eb-9ca8-df7e5254778b-2d8ql
$ oc -n openshift-adp exec deployment/velero -c velero -- ./velero \
backup describe 0e44ae00-5dc3-11eb-9ca8-df7e5254778b-2d8ql
次の種類の復元エラーと警告が、velero describe
リクエストの出力に表示されます。
-
Velero
: Velero 自体の操作に関連するメッセージのリスト (クラウドへの接続、バックアップファイルの読み取りなどに関連するメッセージなど) -
Cluster
: クラスタースコープのリソースのバックアップまたは復元に関連するメッセージのリスト -
Namespaces
: namespace に保存されているリソースのバックアップまたは復元に関連するメッセージのリスト
これらのカテゴリーのいずれかで 1 つ以上のエラーが発生すると、Restore
操作のステータスが PartiallyFailed
になり、Completed
ではなくなります。警告によって完了ステータスが変化することはありません。
-
リソース固有のエラー、つまり
Cluster
およびNamespaces
エラーの場合、restore describe --details
出力に、Velero が復元に成功したすべてのリソースのリストが含まれています。このようなエラーが発生したリソースは、そのリソースが実際にクラスター内に存在するかどうかを確認してください。 describe
コマンドの出力にVelero
エラーがあっても、リソース固有のエラーがない場合は、ワークロードの復元で実際の問題が発生することなく復元が完了した可能性があります。ただし、復元後のアプリケーションを十分に検証してください。たとえば、出力に
PodVolumeRestore
またはノードエージェント関連のエラーが含まれている場合は、PodVolumeRestores
とDataDownloads
のステータスを確認します。これらのいずれも失敗していないか、まだ実行中である場合は、ボリュームデータが完全に復元されている可能性があります。
logs コマンド
velero logs
コマンドを使用して、Backup
または Restore
CR のログを取得します。
oc -n openshift-adp exec deployment/velero -c velero -- ./velero \ <backup_restore_cr> logs <cr_name>
$ oc -n openshift-adp exec deployment/velero -c velero -- ./velero \
<backup_restore_cr> logs <cr_name>
例
oc -n openshift-adp exec deployment/velero -c velero -- ./velero \ restore logs ccc7c2d0-6017-11eb-afab-85d0007f5a19-x4lbf
$ oc -n openshift-adp exec deployment/velero -c velero -- ./velero \
restore logs ccc7c2d0-6017-11eb-afab-85d0007f5a19-x4lbf
4.25.3. メモリーまたは CPU の不足により Pod がクラッシュまたは再起動する リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
メモリーまたは CPU の不足により Velero または Restic Pod がクラッシュした場合、これらのリソースのいずれかに対して特定のリソースリクエストを設定できます。
リソース要求フィールドの値は、Kubernetes リソース要件と同じ形式に従う必要があります。configuration.velero.podConfig.resourceAllocations
または configuration.restic.podConfig.resourceAllocations
を指定しない場合は、Velero または Restic Pod の次のデフォルトの resources
仕様の設定を参照してください。
requests: cpu: 500m memory: 128Mi
requests:
cpu: 500m
memory: 128Mi
4.25.3.1. Velero Pod のリソースリクエストの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
oadp_v1alpha1_dpa.yaml
ファイルの configuration.velero.podConfig.resourceAllocations
仕様フィールドを使用して、Velero
Pod に対する特定のリソース要求を設定できます。
手順
YAML ファイルで
CPU
およびmemory
リソースのリクエストを設定します。Velero ファイルの例
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- リストされている
resourceAllocations
は、平均使用量です。
4.25.3.2. Restic Pod のリソースリクエストの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
configuration.restic.podConfig.resourceAllocations
仕様フィールドを使用して、Restic
Pod の特定のリソース要求を設定できます。
手順
YAML ファイルで
CPU
およびmemory
リソースのリクエストを設定します。Restic ファイルの例
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
- リストされている
resourceAllocations
は、平均使用量です。
4.25.4. Velero とアドミッション Webhook に関する問題 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Velero では、復元中にアドミッション Webhook の問題を解決する機能が限られています。アドミッション Webhook を使用するワークロードがある場合は、追加の Velero プラグインを使用するか、ワークロードの復元方法を変更する必要がある場合があります。
通常、アドミッション Webhook を使用するワークロードでは、最初に特定の種類のリソースを作成する必要があります。これはワークロードに子リソースがある場合に特に当てはまります。アドミッション Webhook は通常、子リソースをブロックするためです。
たとえば、service.serving.knative.dev
などの最上位オブジェクトを作成または復元すると、通常、子リソースが自動的に作成されます。最初にこれを行う場合、Velero を使用してこれらのリソースを作成および復元する必要はありません。これにより、Velero が使用する可能性のあるアドミッション Webhook によって子リソースがブロックされるという問題が回避されます。
4.25.4.1. アドミッション Webhook を使用する Velero バックアップの復元に関する回避策 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
アドミッション Webhook を使用するいくつかの種類の Velero バックアップ用リソースを復元するには、追加の手順が必要です。
4.25.4.1.1. Knative リソースの復元 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Velero を使用してアドミッション Webhook を使用する Knative リソースをバックアップすると、問題が発生する可能性があります。
アドミッション Webhook を使用する Knative リソースをバックアップおよび復元する場合は、常に最上位の Service
リソースを最初に復元することで、このような問題を回避できます。
手順
最上位の
service.serving.knavtive.dev Service
リソースを復元します。velero restore <restore_name> \ --from-backup=<backup_name> --include-resources \ service.serving.knavtive.dev
$ velero restore <restore_name> \ --from-backup=<backup_name> --include-resources \ service.serving.knavtive.dev
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4.25.4.1.2. IBM AppConnect リソースの復元 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Velero を使用してアドミッション Webhook を持つ IBM® AppConnect リソースを復元するときに問題が発生した場合は、この手順のチェックを実行できます。
手順
クラスター内の
kind: MutatingWebhookConfiguration
の受付プラグインの変更があるかチェックします。oc get mutatingwebhookconfigurations
$ oc get mutatingwebhookconfigurations
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各
kind: MutatingWebhookConfiguration
の YAML ファイルを調べて、問題が発生しているオブジェクトの作成をブロックするルールがないことを確認します。詳細は、Kubernetes の公式ドキュメント を参照してください。 -
バックアップ時に使用される
type: Configuration.appconnect.ibm.com/v1beta1
のspec.version
が、インストールされている Operator のサポート対象であることを確認してください。
4.25.4.2. OADP プラグインの既知の問題 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
次のセクションでは、OpenShift API for Data Protection (OADP) プラグインの既知の問題を説明します。
4.25.4.2.1. シークレットがないことで、イメージストリームのバックアップ中に Velero プラグインでパニックが発生する リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
バックアップと Backup Storage Location (BSL) が Data Protection Application (DPA) の範囲外で管理されている場合、OADP コントローラー (つまり DPA の調整) によって関連する oadp-<bsl_name>-<bsl_provider>-registry-secret
が作成されません。
バックアップを実行すると、OpenShift Velero プラグインがイメージストリームバックアップでパニックになり、次のパニックエラーが表示されます。
024-02-27T10:46:50.028951744Z time="2024-02-27T10:46:50Z" level=error msg="Error backing up item" backup=openshift-adp/<backup name> error="error executing custom action (groupResource=imagestreams.image.openshift.io, namespace=<BSL Name>, name=postgres): rpc error: code = Aborted desc = plugin panicked: runtime error: index out of range with length 1, stack trace: goroutine 94…
024-02-27T10:46:50.028951744Z time="2024-02-27T10:46:50Z" level=error msg="Error backing up item"
backup=openshift-adp/<backup name> error="error executing custom action (groupResource=imagestreams.image.openshift.io,
namespace=<BSL Name>, name=postgres): rpc error: code = Aborted desc = plugin panicked:
runtime error: index out of range with length 1, stack trace: goroutine 94…
4.25.4.2.1.1. パニックエラーを回避するための回避策 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Velero プラグインのパニックエラーを回避するには、次の手順を実行します。
カスタム BSL に適切なラベルを付けます。
oc label backupstoragelocations.velero.io <bsl_name> app.kubernetes.io/component=bsl
$ oc label backupstoragelocations.velero.io <bsl_name> app.kubernetes.io/component=bsl
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow BSL にラベルを付けた後、DPA の調整を待ちます。
注記DPA 自体に軽微な変更を加えることで、強制的に調整を行うことができます。
DPA の調整では、適切な
oadp-<bsl_name>-<bsl_provider>-registry-secret
が作成されていること、正しいレジストリーデータがそこに設定されていることを確認します。oc -n openshift-adp get secret/oadp-<bsl_name>-<bsl_provider>-registry-secret -o json | jq -r '.data'
$ oc -n openshift-adp get secret/oadp-<bsl_name>-<bsl_provider>-registry-secret -o json | jq -r '.data'
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4.25.4.2.2. OpenShift ADP Controller のセグメンテーション違反 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
cloudstorage
と restic
の両方を有効にして DPA を設定すると、openshift-adp-controller-manager
Pod がクラッシュし、Pod がクラッシュループのセグメンテーション違反で失敗するまで無期限に再起動します。
velero
または cloudstorage
は相互に排他的なフィールドであるため、どちらか一方だけ定義できます。
-
velero
とcloudstorage
の両方が定義されている場合、openshift-adp-controller-manager
は失敗します。 -
velero
とcloudstorage
のいずれも定義されていない場合、openshift-adp-controller-manager
は失敗します。
この問題の詳細は、OADP-1054 を参照してください。
4.25.4.2.2.1. OpenShift ADP Controller のセグメンテーション違反の回避策 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
DPA の設定時に、velero
または cloudstorage
のいずれかを定義する必要があります。DPA で両方の API を定義すると、openshift-adp-controller-manager
Pod がクラッシュループのセグメンテーション違反で失敗します。
4.25.4.3. Velero プラグインがメッセージ "received EOF, stopping recv loop" を返す リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Velero プラグインは、別のプロセスとして開始されます。Velero 操作が完了すると、成功したかどうかにかかわらず終了します。デバッグログの received EOF, stopping recv loop
メッセージは、プラグイン操作が完了したことを示します。エラーが発生したわけではありません。
4.25.5. OADP インストールの問題 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Data Protection Application をインストールするときに、無効なディレクトリーまたは誤った認証情報を使用することによって問題が発生する可能性があります。
4.25.5.1. バックアップストレージに無効なディレクトリーが含まれている リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Velero
Pod ログに Backup storage contains invalid top-level directories
というエラーメッセージが表示されます。
原因
オブジェクトストレージには、Velero ディレクトリーではないトップレベルのディレクトリーが含まれています。
解決方法
オブジェクトストレージが Velero 専用でない場合は、DataProtectionApplication
マニフェストで spec.backupLocations.velero.objectStorage.prefix
パラメーターを設定して、バケットの接頭辞を指定する必要があります。
4.25.5.2. 不正な AWS 認証情報 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
oadp-aws-registry
Pod ログに InvalidAccessKeyId: The AWS Access Key Id you provided does not exist in our records
というエラーメッセージが表示されます。
Velero
Pod ログに NoCredentialProviders: no valid providers in chain
というエラーメッセージが表示されます。
原因
Secret
オブジェクトの作成に使用された credentials-velero
ファイルの形式が正しくありません。
解決方法
次の例のように、credentials-velero
ファイルが正しくフォーマットされていることを確認します。
サンプル credentials-velero
ファイル
[default] aws_access_key_id=AKIAIOSFODNN7EXAMPLE aws_secret_access_key=wJalrXUtnFEMI/K7MDENG/bPxRfiCYEXAMPLEKEY
[default]
aws_access_key_id=AKIAIOSFODNN7EXAMPLE
aws_secret_access_key=wJalrXUtnFEMI/K7MDENG/bPxRfiCYEXAMPLEKEY
4.25.6. OADP Operator の問題 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OpenShift API for Data Protection (OADP) Operator では、解決できない問題が原因で問題が発生する可能性があります。
4.25.6.1. OADP Operator がサイレントに失敗する リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OADP Operator の S3 バケットが空である可能性があるのに、oc get po -n <oadp_operator_namespace>
コマンドを実行すると、Operator のステータスとして Running
が表示されます。この場合、Operator は実行中であると誤報告するため、サイレントに失敗した と言われます。
原因
この問題は、クラウド認証情報で提供される権限が不十分な場合に発生します。
解決方法
Backup Storage Location (BSL) のリストを取得し、各 BSL のマニフェストで認証情報の問題を確認します。
手順
OpenShift または Velero コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、BSL のリストを取得します。
OpenShift CLI (
oc
) を使用して BSL のリストを取得します。oc get backupstoragelocations.velero.io -A
$ oc get backupstoragelocations.velero.io -A
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow velero
CLI を使用して BSL のリストを取得します。velero backup-location get -n <oadp_operator_namespace>
$ velero backup-location get -n <oadp_operator_namespace>
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
前のステップの BSL のリストを使用して、次のコマンドを実行し、各 BSL のマニフェストにエラーがないか調べます。
oc get backupstoragelocations.velero.io -n <namespace> -o yaml
$ oc get backupstoragelocations.velero.io -n <namespace> -o yaml
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 結果の例:
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
4.25.7. OADP タイムアウト リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
タイムアウトを延長すると、複雑なプロセスやリソースを大量に消費するプロセスが途中で終了することなく正常に完了できます。この設定により、エラー、再試行、または失敗を減らすことができます。
過度に長いタイムアウトを設定しないように、論理的な方法でタイムアウト延長のバランスをとってください。過度に長いと、プロセス内の根本的な問題が隠れる可能性があります。プロセスのニーズとシステム全体のパフォーマンスに応じて適切なタイムアウト値を検討および監視してください。
次の各 OADP タイムアウトで、関連するパラメーターを実装すべき状況と手順を説明します。
4.25.7.1. Restic タイムアウト リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
spec.configuration.nodeAgent.timeout
パラメーターは、Restic タイムアウトを定義します。デフォルト値は 1h
です。
次に該当する場合は、nodeAgent
セクションで Restic timeout
パラメーターを使用してください。
- PV データの使用量の合計が 500GB を超える Restic バックアップの場合。
バックアップが次のエラーでタイムアウトになる場合:
level=error msg="Error backing up item" backup=velero/monitoring error="timed out waiting for all PodVolumeBackups to complete"
level=error msg="Error backing up item" backup=velero/monitoring error="timed out waiting for all PodVolumeBackups to complete"
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手順
DataProtectionApplication
カスタムリソース (CR) マニフェストのspec.configuration.nodeAgent.timeout
ブロックの値を編集します。次に例を示します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
4.25.7.2. Velero リソースのタイムアウト リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
resourceTimeout
は Velero カスタムリソース定義 (CRD) の可用性、volumeSnapshot
の削除、リポジトリーの可用性など、タイムアウトが発生する前に複数の Velero リソースを待機する時間を定義します。デフォルトは 10m
です。
次のシナリオでは resourceTimeout
を使用します。
合計 PV データ使用量が 1TB を超えるバックアップの場合。このパラメーターは、バックアップを完了としてマークする前に、Velero が Container Storage Interface (CSI) スナップショットをクリーンアップまたは削除しようとするときのタイムアウト値として使用されます。
- このクリーンアップのサブタスクは VSC にパッチを適用しようとします。このタイムアウトはそのタスクに使用できます。
- Restic または Kopia のファイルシステムベースのバックアップのバックアップリポジトリーを作成または準備できるようにするため。
- カスタムリソース (CR) またはバックアップからリソースを復元する前に、クラスター内で Velero CRD が利用可能かどうかを確認します。
手順
次の例のように、
DataProtectionApplication
CR マニフェストのspec.configuration.velero.resourceTimeout
ブロックの値を編集します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
4.25.7.2.1. Velero におけるアイテム操作のデフォルトタイムアウト リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
defaultItemOperationTimeout
では、非同期の BackupItemActions
および RestoreItemActions
がタイムアウトになる前に完了するのを待機する時間を定義します。デフォルト値は 1h
です。
以下のシナリオでは、defaultItemOperationTimeout
を使用します。
- Data Mover 1.2.x のみ。
- 特定のバックアップまたは復元が非同期アクションの完了を待機する時間を指定します。OADP 機能のコンテキストでは、この値は、Container Storage Interface (CSI) Data Mover 機能に関連する非同期アクションに使用されます。
-
defaultItemOperationTimeout
が、defaultItemOperationTimeout
を使用して Data Protection Application (DPA) に定義されている場合、バックアップおよび復元操作の両方に適用されます。itemOperationTimeout
では、以下の "Item operation timeout - restore" セクションおよび "Item operation timeout - backup" セクションで説明されているように、バックアップのみを定義するか、これらの CR の復元のみを定義できます。
手順
次の例のように、
DataProtectionApplication
CR マニフェストのspec.configuration.velero.defaultItemOperationTimeout
ブロックの値を編集します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
4.25.7.3. Data Mover のタイムアウト リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
timeout
は、VolumeSnapshotBackup
および VolumeSnapshotRestore
を完了するためにユーザーが指定したタイムアウトです。デフォルト値は 10m
です。
次のシナリオでは、Data Mover timeout
を使用します。
-
VolumeSnapshotBackups
(VSB) およびVolumeSnapshotRestores
(VSR) を作成する場合は、10 分後にタイムアウトします。 -
合計 PV データ使用量が 500GB を超える大規模環境向け。
1h
のタイムアウトを設定します。 -
VolumeSnapshotMover
(VSM) プラグインを使用します。 - OADP 1.1.x のみ。
手順
次の例のように、
DataProtectionApplication
CR マニフェストのspec.features.dataMover.timeout
ブロックの値を編集します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
4.25.7.4. CSI スナップショットのタイムアウト リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
CSISnapshotTimeout
は、タイムアウトとしてエラーを返す前に、CSI VolumeSnapshot
ステータスが ReadyToUse
になるまで待機する作成時の時間を指定します。デフォルト値は 10m
です。
以下のシナリオでは、CSISnapshotTimeout
を使用します。
- CSI プラグイン。
- スナップショットの作成に 10 分以上かかる可能性がある非常に大規模なストレージボリュームの場合。ログにタイムアウトが見つかった場合は、このタイムアウトを調整します。
通常、CSISnapshotTimeout
のデフォルト値は、デフォルト設定で大規模なストレージボリュームに対応できるため、調整する必要はありません。
手順
次の例のように、
Backup
CR マニフェストのspec.csiSnapshotTimeout
ブロックの値を編集します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
4.25.7.5. アイテム操作のタイムアウト - 復元 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ItemOperationTimeout
は RestoreItemAction
操作の待機に使用される時間を指定します。デフォルト値は 1h
です。
以下のシナリオでは、復元 ItemOperationTimeout
を使用します。
- Data Mover 1.2.x のみ。
-
Data Mover の場合は、
BackupStorageLocation
にアップロードおよびダウンロードします。タイムアウトに達しても復元アクションが完了しない場合、失敗としてマークされます。ストレージボリュームのサイズが大きいため、タイムアウトの問題が原因で Data Mover の操作が失敗する場合は、このタイムアウト設定を増やす必要がある場合があります。
手順
次の例のように、
Restore
CR マニフェストのRestore.spec.itemOperationTimeout
ブロックの値を編集します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
4.25.7.6. アイテム操作のタイムアウト - バックアップ リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ItemOperationTimeout
は、非同期 BackupItemAction
操作の待機時間を指定します。デフォルト値は 1h
です。
次のシナリオでは、バックアップ ItemOperationTimeout
を使用します。
- Data Mover 1.2.x のみ。
-
Data Mover の場合は、
BackupStorageLocation
にアップロードおよびダウンロードします。タイムアウトに達してもバックアップアクションが完了しない場合は、失敗としてマークされます。ストレージボリュームのサイズが大きいため、タイムアウトの問題が原因で Data Mover の操作が失敗する場合は、このタイムアウト設定を増やす必要がある場合があります。
手順
次の例のように、
Backup
CR マニフェストのBackup.spec.itemOperationTimeout
ブロックの値を編集します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
4.25.8. バックアップおよび復元 CR の問題 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Backup
および Restore
カスタムリソース (CR) でこれらの一般的な問題が発生する可能性があります。
4.25.8.1. Backup CR がボリュームを取得できない リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Backup
CR により InvalidVolume.NotFound: The volume ‘vol-xxxx’ does not exist
というエラーメッセージが表示されます。
原因
永続ボリューム (PV) とスナップショットの場所は異なるリージョンにあります。
解決方法
-
DataProtectionApplication
マニフェストのspec.snapshotLocations.velero.config.region
キーの値を編集して、スナップショットの場所が PV と同じリージョンにあるようにします。 -
新しい
Backup
CR を作成します。
4.25.8.2. Backup CR のステータスが進行中のままになる リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Backup
CR のステータスが InProgress
のフェーズのままで、完了しません。
原因
バックアップが中断された場合は、再開することができません。
解決方法
次のコマンドを実行して、
Backup
CR の詳細を取得します。oc -n {namespace} exec deployment/velero -c velero -- ./velero \ backup describe <backup>
$ oc -n {namespace} exec deployment/velero -c velero -- ./velero \ backup describe <backup>
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 次のコマンドを実行して、
Backup
CR を削除します。oc delete backups.velero.io <backup> -n openshift-adp
$ oc delete backups.velero.io <backup> -n openshift-adp
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 進行中の
Backup
CR によるオブジェクトストレージへのファイルアップロードは完了していないため、バックアップの場所をクリーンアップする必要はありません。-
新しい
Backup
CR を作成します。 次のコマンドを実行して、Velero バックアップの詳細を表示します。
velero backup describe <backup-name> --details
$ velero backup describe <backup-name> --details
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4.25.8.3. Backup CR のステータスが PartiallyFailed のままになる リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Restic が使用されていない Backup
CR のステータスが PartiallyFailed
フェーズのままで、完了しません。関連する PVC のスナップショットは作成されません。
原因
CSI スナップショットクラスに基づいて作成されたバックアップにラベルがない場合、CSI スナップショットプラグインがスナップショットの作成に失敗します。その結果、Velero
Pod が次のメッセージに類似したエラーをログに記録します。
time="2023-02-17T16:33:13Z" level=error msg="Error backing up item" backup=openshift-adp/user1-backup-check5 error="error executing custom action (groupResource=persistentvolumeclaims, namespace=busy1, name=pvc1-user1): rpc error: code = Unknown desc = failed to get volumesnapshotclass for storageclass ocs-storagecluster-ceph-rbd: failed to get volumesnapshotclass for provisioner openshift-storage.rbd.csi.ceph.com, ensure that the desired volumesnapshot class has the velero.io/csi-volumesnapshot-class label" logSource="/remote-source/velero/app/pkg/backup/backup.go:417" name=busybox-79799557b5-vprq
time="2023-02-17T16:33:13Z" level=error msg="Error backing up item" backup=openshift-adp/user1-backup-check5 error="error executing custom action (groupResource=persistentvolumeclaims, namespace=busy1, name=pvc1-user1): rpc error: code = Unknown desc = failed to get volumesnapshotclass for storageclass ocs-storagecluster-ceph-rbd: failed to get volumesnapshotclass for provisioner openshift-storage.rbd.csi.ceph.com, ensure that the desired volumesnapshot class has the velero.io/csi-volumesnapshot-class label" logSource="/remote-source/velero/app/pkg/backup/backup.go:417" name=busybox-79799557b5-vprq
解決方法
次のコマンドを実行して
Backup
CR を削除します。oc delete backups.velero.io <backup> -n openshift-adp
$ oc delete backups.velero.io <backup> -n openshift-adp
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必要に応じて、
BackupStorageLocation
に保存されているデータをクリーンアップして、領域を解放します。 次のコマンドを実行して、ラベル
velero.io/csi-volumesnapshot-class=true
をVolumeSnapshotClass
オブジェクトに適用します。oc label volumesnapshotclass/<snapclass_name> velero.io/csi-volumesnapshot-class=true
$ oc label volumesnapshotclass/<snapclass_name> velero.io/csi-volumesnapshot-class=true
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新しい
Backup
CR を作成します。
4.25.9. Restic の問題 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Restic を使用してアプリケーションのバックアップを作成すると、これらの問題が発生する可能性があります。
4.25.9.1. root_squash が有効になっている NFS データボリュームの Restic パーミッションエラー リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Restic
Pod ログに controller=pod-volume-backup error="fork/exec/usr/bin/restic: permission denied"
というエラーメッセージが表示されます。
原因
NFS データボリュームで root_squash
が有効になっている場合、Restic
は nfsnobody
にマッピングされ、バックアップを作成する権限がありません。
解決方法
この問題を解決するには、Restic
の補足グループを作成し、そのグループ ID を DataProtectionApplication
マニフェストに追加します。
-
NFS データボリューム上に
Restic
の補足グループを作成します。 -
NFS ディレクトリーに
setgid
ビットを設定して、グループの所有権が継承されるようにします。 spec.configuration.nodeAgent.supplementalGroups
パラメーターとグループ ID をDataProtectionApplication
マニフェストに追加します。次に例を示します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
- 補助グループ ID を指定します。
-
Restic
Pod が再起動し、変更が適用されるまで待機します。
4.25.9.2. バケットが空になった後に、Restic Backup CR を再作成することはできない リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
namespace の Restic Backup
CR を作成し、オブジェクトストレージバケットを空にしてから、同じ namespace の Backup
CR を再作成すると、再作成された Backup
CR は失敗します。
velero
Pod のログに stderr=Fatal: unable to open config file: Stat: The specified key does not exist.\nIs there a repository at the following location?
というエラーメッセージが表示されます。
原因
オブジェクトストレージから Restic ディレクトリーが削除された場合、Velero は ResticRepository
マニフェストから Restic リポジトリーを再作成または更新しません。詳細は、Velero issue 4421 を参照してください。
解決方法
次のコマンドを実行して、関連する Restic リポジトリーを namespace から削除します。
oc delete resticrepository openshift-adp <name_of_the_restic_repository>
$ oc delete resticrepository openshift-adp <name_of_the_restic_repository>
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 次のエラーログでは、
mysql-persistent
が問題のある Restic リポジトリーです。わかりやすくするために、リポジトリーの名前は斜体で表示されます。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
4.25.9.3. PSA ポリシーの変更により、OCP 4.14 での Restic 復元が部分的に失敗する リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OpenShift Container Platform 4.14 は、Restic 復元プロセス中に Pod の readiness を妨げる可能性がある Pod Security Admission (PSA) ポリシーを強制します。
Pod の作成時に SecurityContextConstraints
(SCC) リソースが見つからず、Pod 上の PSA ポリシーが必要な標準を満たすように設定されていないと、Pod の許可は拒否されます。
この問題は、Velero のリソース復元順序が原因で発生します。
サンプルエラー
解決方法
DPA カスタムリソース (CR) で、Velero サーバーの
restore-resource-priorities
フィールドを確認または設定して、securitycontextconstraints
がリソースのリストのpods
の前に順番にリストされていることを確認します。oc get dpa -o yaml
$ oc get dpa -o yaml
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow DPA CR の例
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- 既存のリストアリソース優先順位リストがある場合は、その既存のリストを完全なリストと組み合わせてください。
- デプロイメントの警告が発生しないように、Fixing PodSecurity Admission warnings for deployments で説明されているように、アプリケーション Pod のセキュリティー標準が調整されていることを確認します。アプリケーションがセキュリティー標準に準拠していない場合は、SCC に関係なくエラーが発生する可能性があります。
この解決策は一時的なものであり、これに対処するために継続的な議論が進行中です。
4.25.10. must-gather ツールの使用 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
must-gather
ツールを使用して、OADP カスタムリソースのログおよび情報を収集できます。must-gather
データはすべてのカスタマーケースに添付する必要があります。
must-gather
ツールはコンテナーであり、常に実行される訳ではありません。このツールは、must-gather
コマンドを実行して起動した後、数分間のみ動作します。
4.25.10.1. must-gather ツールの使用 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
以下のオプションを指定して must-gather
ツールを実行できます。オプションを使用するには、該当するオプションに対応するフラグを must-gather
コマンドに追加します。
- デフォルト設定
-
この設定は、OADP Operator がインストールされているすべての namespace の Pod ログ、OADP、および
Velero
カスタムリソース (CR) 情報を収集します。 - Timeout
-
失敗した
Backup
CR が多数ある場合は、データ収集に長い時間がかかる可能性があります。タイムアウト値を設定することでパフォーマンスを向上させることができます。 - 非セキュアな TLS 接続
-
カスタム CA 証明書を使用する場合は、非セキュアな TLS 接続とともに
must-gather
ツールを使用します。
must-gather
ツールは、収集した情報で Markdown 出力ファイルを生成します。Markdown ファイルはクラスターディレクトリーにあります。
サポートされるフラグの詳細は、次の例に示すように、must-gather
ツールで help フラグを使用します。
oc adm must-gather --image=registry.redhat.io/oadp/oadp-mustgather-rhel9:v1.4 -- /usr/bin/gather -h
$ oc adm must-gather --image=registry.redhat.io/oadp/oadp-mustgather-rhel9:v1.4 -- /usr/bin/gather -h
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとして OpenShift Container Platform クラスターにログインしている。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 9 と OADP 1.4 を使用している。
手順
-
must-gather
データを保存するディレクトリーに移動します。 次のデータ収集オプションのいずれかに対して、
oc adm must-gather
コマンドを実行します。must-gather
ツールのデフォルト設定を使用するには、以下のコマンドを実行します。oc adm must-gather --image=registry.redhat.io/oadp/oadp-mustgather-rhel9:v1.4
$ oc adm must-gather --image=registry.redhat.io/oadp/oadp-mustgather-rhel9:v1.4
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow must-gather
ツールで timeout フラグを使用するには、以下のコマンドを実行します。oc adm must-gather --image=registry.redhat.io/oadp/oadp-mustgather-rhel9:v1.4 -- /usr/bin/gather --request-timeout 1m
$ oc adm must-gather --image=registry.redhat.io/oadp/oadp-mustgather-rhel9:v1.4 -- /usr/bin/gather --request-timeout 1m
1 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
- この例では、タイムアウトは 1 分です。
must-gather
ツールで非セキュアな TLS 接続フラグを使用するには、以下のコマンドを実行します。oc adm must-gather --image=registry.redhat.io/oadp/oadp-mustgather-rhel9:v1.4 -- /usr/bin/gather --skip-tls
$ oc adm must-gather --image=registry.redhat.io/oadp/oadp-mustgather-rhel9:v1.4 -- /usr/bin/gather --skip-tls
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 非セキュアな TLS 接続と timeout フラグの組み合わせを
must-gather
ツールで使用するには、以下のコマンドを実行します。oc adm must-gather --image=registry.redhat.io/oadp/oadp-mustgather-rhel9:v1.4 -- /usr/bin/gather --request-timeout 15s --skip-tls
$ oc adm must-gather --image=registry.redhat.io/oadp/oadp-mustgather-rhel9:v1.4 -- /usr/bin/gather --request-timeout 15s --skip-tls
1 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
- この例では、タイムアウトは 15 秒です。デフォルトでは、
--skip-tls
フラグの値はfalse
です。安全でない TLS 接続を許可するには、値をtrue
に設定します。
検証
-
Markdown 出力ファイルが次の場所に生成されていることを確認します:
must-gather.local.89…054550/registry.redhat.io/oadp/oadp-mustgather-rhel9:v1.5-sha256-0…84/clusters/a4…86/oadp-must-gather-summary.md
Markdown プレビューワーでファイルを開き、Markdown ファイルで
must-gather
データを確認します。出力例は、以下のイメージを参照してください。この出力ファイルを Red Hat カスタマーポータル で作成したサポートケースにアップロードできます。図4.1 マークダウン出力の例
4.25.11. OADP モニタリング リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OpenShift Container Platform モニタリングスタックを使用すると、ユーザーと管理者は次のタスクを効果的に実行できます。
- クラスターを監視および管理する
- ユーザーアプリケーションのワークロードパフォーマンスを分析する
- クラスター上で実行されているサービスを監視する
- イベントが発生した場合にアラートを受信する
4.25.11.1. OADP モニタリングの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OADP Operator は、OpenShift のモニタリングスタックによって提供される OpenShift ユーザーワークロードモニタリングを利用して、Velero サービスエンドポイントからメトリクスを取得します。モニタリングスタックを使用すると、ユーザー定義のアラートルールを作成したり、OpenShift メトリクスのクエリーフロントエンドを使用してメトリクスを照会したりできます。
ユーザーワークロードモニタリングを有効にすると、Grafana などの Prometheus 互換のサードパーティー UI を設定して使用し、Velero メトリクスを視覚化することができます。
メトリクスを監視するには、ユーザー定義プロジェクトの監視を有効にし、openshift-adp
namespace に存在するすでに有効な OADP サービスエンドポイントからそのプロジェクトのメトリクスを取得するための ServiceMonitor
リソースを作成する必要があります。
Prometheus メトリクスに対する OADP サポートはベストエフォートで提供されており、完全にはサポートされていません。
モニタリングスタックの設定の詳細は、ユーザーワークロードモニタリングの設定 を参照してください。
前提条件
-
cluster-admin
パーミッションを持つアカウントを使用して OpenShift Container Platform クラスターにアクセスできる。 - クラスター監視 config map が作成されました。
手順
openshift-monitoring
namespace でcluster-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトを編集します。oc edit configmap cluster-monitoring-config -n openshift-monitoring
$ oc edit configmap cluster-monitoring-config -n openshift-monitoring
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow data
セクションのconfig.yaml
フィールドで、enableUserWorkload
オプションを追加または有効にします。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
- このオプションを追加するか、
true
に設定します
しばらく待って、
openshift-user-workload-monitoring
namespace で次のコンポーネントが稼働しているかどうかを確認して、ユーザーワークロードモニタリングのセットアップを検証します。oc get pods -n openshift-user-workload-monitoring
$ oc get pods -n openshift-user-workload-monitoring
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow openshift-user-workload-monitoring
にuser-workload-monitoring-config
ConfigMap が存在することを確認します。存在する場合、この手順の残りの手順はスキップしてください。oc get configmap user-workload-monitoring-config -n openshift-user-workload-monitoring
$ oc get configmap user-workload-monitoring-config -n openshift-user-workload-monitoring
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
Error from server (NotFound): configmaps "user-workload-monitoring-config" not found
Error from server (NotFound): configmaps "user-workload-monitoring-config" not found
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ユーザーワークロードモニタリングの
user-workload-monitoring-config
ConfigMap
オブジェクトを作成し、2_configure_user_workload_monitoring.yaml
ファイル名に保存します。出力例
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 2_configure_user_workload_monitoring.yaml
ファイルを適用します。oc apply -f 2_configure_user_workload_monitoring.yaml
$ oc apply -f 2_configure_user_workload_monitoring.yaml configmap/user-workload-monitoring-config created
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
4.25.11.2. OADP サービスモニターの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OADP は、DPA の設定時に作成される openshift-adp-velero-metrics-svc
サービスを提供します。ユーザーワークロードモニタリングによって使用されるサービスモニターは、この定義されたサービスを参照する必要があります。
次のコマンドを実行して、サービスの詳細を取得します。
手順
openshift-adp-velero-metrics-svc
サービスが存在することを確認します。これには、ServiceMonitor
オブジェクトのセレクターとして使用されるapp.kubernetes.io/name=velero
ラベルが含まれている必要があります。oc get svc -n openshift-adp -l app.kubernetes.io/name=velero
$ oc get svc -n openshift-adp -l app.kubernetes.io/name=velero
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
NAME TYPE CLUSTER-IP EXTERNAL-IP PORT(S) AGE openshift-adp-velero-metrics-svc ClusterIP 172.30.38.244 <none> 8085/TCP 1h
NAME TYPE CLUSTER-IP EXTERNAL-IP PORT(S) AGE openshift-adp-velero-metrics-svc ClusterIP 172.30.38.244 <none> 8085/TCP 1h
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 既存のサービスラベルと一致する
ServiceMonitor
YAML ファイルを作成し、そのファイルを3_create_oadp_service_monitor.yaml
として保存します。サービスモニターはopenshift-adp-velero-metrics-svc
サービスが存在するopenshift-adp
namespace に作成されます。ServiceMonitor
オブジェクトの例Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 3_create_oadp_service_monitor.yaml
ファイルを適用します。oc apply -f 3_create_oadp_service_monitor.yaml
$ oc apply -f 3_create_oadp_service_monitor.yaml
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
servicemonitor.monitoring.coreos.com/oadp-service-monitor created
servicemonitor.monitoring.coreos.com/oadp-service-monitor created
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
OpenShift Container Platform Web コンソールの Administrator パースペクティブを使用して、新しいサービスモニターが Up 状態であることを確認します。サービスモニターが Up 状態になるまで数分間待ちます。
-
Observe
Targets ページに移動します。 -
Filter が選択されていないこと、または User ソースが選択されていることを確認し、
Text
検索フィールドにopenshift-adp
と入力します。 サービスモニターの Status のステータスが Up であることを確認します。
図4.2 OADP のメトリクスターゲット
-
Observe
4.25.11.3. アラートルールの作成 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OpenShift Container Platform モニタリングスタックでは、アラートルールを使用して設定されたアラートを受信できます。OADP プロジェクトのアラートルールを作成するには、ユーザーワークロードモニタリングで収集されたメトリクスの 1 つを使用します。
手順
サンプル
OADPBackupFailing
アラートを含むPrometheusRule
YAML ファイルを作成し、4_create_oadp_alert_rule.yaml
として保存します。OADPBackupFailing
アラートのサンプルCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このサンプルでは、アラートは次の条件で表示されます。
- 過去 2 時間に失敗した新しいバックアップの数が 0 より大きく増加しており、その状態が少なくとも 5 分間継続します。
-
最初の増加時間が 5 分未満の場合、アラートは
Pending
状態になり、その後、Firing
状態に変わります。
4_create_oadp_alert_rule.yaml
ファイルを適用して、openshift-adp
namespace にPrometheusRule
オブジェクトを作成します。oc apply -f 4_create_oadp_alert_rule.yaml
$ oc apply -f 4_create_oadp_alert_rule.yaml
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
prometheusrule.monitoring.coreos.com/sample-oadp-alert created
prometheusrule.monitoring.coreos.com/sample-oadp-alert created
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
検証
アラートがトリガーされた後は、次の方法でアラートを表示できます。
- Developer パースペクティブで、Observe メニューを選択します。
Observe
Alerting メニューの下の Administrator パースペクティブで、Filter ボックスの User を選択します。それ以外の場合、デフォルトでは Platform アラートのみが表示されます。 図4.3 OADP のバックアップ失敗アラート
4.25.11.4. 利用可能なメトリクスのリスト リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OADP によって提供される Velero
メトリクスとその Types のリストは、次の表を参照してください。
メトリクス名 | 説明 | 型 |
---|---|---|
| バックアップのサイズ (バイト単位) | ゲージ |
| 既存のバックアップの現在の数 | ゲージ |
| 試行されたバックアップの合計数 | Counter |
| 成功したバックアップの合計数 | Counter |
| 部分的に失敗したバックアップの合計数 | Counter |
| 失敗したバックアップの合計数 | Counter |
| 検証に失敗したバックアップの合計数 | Counter |
| バックアップの完了にかかる時間 (秒単位) | ヒストグラム |
|
メトリクス | Counter |
|
メトリクス | Counter |
|
メトリクス | Counter |
| 試行されたバックアップ削除の合計数 | Counter |
| 成功したバックアップ削除の合計数 | Counter |
| 失敗したバックアップ削除の合計数 | Counter |
| 最後にバックアップが正常に実行された時刻、秒単位の Unix タイムスタンプ | ゲージ |
| バックアップされたアイテムの総数 | ゲージ |
| バックアップ中に発生したエラーの合計数 | ゲージ |
| 警告されたバックアップの総数 | Counter |
| バックアップの最終ステータス。値 1 は成功、0 は失敗です。 | ゲージ |
| 現在の既存のリストアの数 | ゲージ |
| 試行された復元の合計数 | Counter |
| 検証に失敗したリストアの失敗の合計数 | Counter |
| 成功した復元の合計数 | Counter |
| 部分的に失敗したリストアの合計数 | Counter |
| 失敗したリストアの合計数 | Counter |
| 試行されたボリュームスナップショットの総数 | Counter |
| 成功したボリュームスナップショットの総数 | Counter |
| 失敗したボリュームスナップショットの総数 | Counter |
| CSI が試行したボリュームスナップショットの合計数 | Counter |
| CSI が成功したボリュームスナップショットの総数 | Counter |
| CSI で失敗したボリュームスナップショットの総数 | Counter |
4.25.11.5. Observe UI を使用したメトリクスの表示 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
OpenShift Container Platform Web コンソールでは、Administrator または Developer パースペクティブからメトリクスを表示できます。これには、openshift-adp
プロジェクトへのアクセス権が必要です。
手順
Observe
Metrics ページに移動します。 Developer パースペクティブを使用している場合は、次の手順に従います。
- Custom query を選択するか、Show PromQL リンクをクリックします。
- クエリーを入力し、Enter をクリックします。
Administrator パースペクティブを使用している場合は、テキストフィールドに式を入力し、Run Queries を選択します。
図4.4 OADP のメトリクスクエリー