5.5.3. Dockerfile からカスタム Kafka Connect コンテナーイメージをビルドして Debezium MySQL コネクターのデプロイ
Debezium MySQL コネクターをデプロイするには、Debezium コネクターアーカイブが含まれるカスタム Kafka Connect コンテナーイメージをビルドし、このコンテナーイメージをコンテナーレジストリーにプッシュする必要があります。次に、以下のカスタムリソース (CR) を作成する必要があります。
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Kafka Connect インスタンスを定義する
KafkaConnect
CR。image
は Debezium コネクターを実行するために作成したイメージの名前を指定します。この CR を、Red Hat AMQ Streams がデプロイされている OpenShift インスタンスに適用します。AMQ Streams は、Apache Kafka を OpenShift に取り入れる operator およびイメージを提供します。 -
Debezium MySQL コネクターを定義する
KafkaConnector
CR。この CR をKafkaConnect
CR を適用するのと同じ OpenShift インスタンスに適用します。
前提条件
- MySQL が稼働し、Debezium コネクターと連携するように MySQL を設定する手順 が完了済みである必要があります。
- AMQ Streams は OpenShift にデプロイされ、Apache Kafka および Kafka Connect が稼働している必要があります。詳細は、Deploying and Upgrading AMQ Streams on OpenShift を参照してください。
- Podman または Docker がインストールされている。
-
Debezium コネクターを実行するコンテナーを追加する予定のコンテナーレジストリー (
quay.io
やdocker.io
など) でコンテナーを作成および管理するアカウントとパーミッションを持っている。
手順
Kafka Connect の Debezium MySQL コンテナーを作成します。
registry.redhat.io/amq7/amq-streams-kafka-30-rhel8:2.0.0
をベースイメージとして使用して、新規の Dockerfile を作成します。例えば、ターミナルウィンドウから、以下のコマンドを入力します。cat <<EOF >debezium-container-for-mysql.yaml 1 FROM registry.redhat.io/amq7/amq-streams-kafka-30-rhel8:2.0.0 USER root:root RUN mkdir -p /opt/kafka/plugins/debezium 2 RUN cd /opt/kafka/plugins/debezium/ \ && curl -O https://maven.repository.redhat.com/ga/io/debezium/debezium-connector-mysql/1.9.7.Final-redhat-<build_number>/debezium-connector-mysql-1.9.7.Final-redhat-<build_number>-plugin.zip \ && unzip debezium-connector-mysql-1.9.7.Final-redhat-<build_number>-plugin.zip \ && rm debezium-connector-mysql-1.9.7.Final-redhat-<build_number>-plugin.zip RUN cd /opt/kafka/plugins/debezium/ USER 1001 EOF
項目 説明 1
任意のファイル名を指定できます。
2
Kafka Connect プラグインディレクトリーへのパスを指定します。Kafka Connect のプラグインディレクトリーが別の場所にある場合は、このパスを実際のディレクトリーのパスに置き換えてください。
このコマンドは、現在のディレクトリーに
debezium-container-for-mysql.yaml
という名前の Dockerfile を作成します。前のステップで作成した
debezium-container-for-mysql.yaml
Docker ファイルからコンテナーイメージをビルドします。ファイルが含まれるディレクトリーから、ターミナルウィンドウを開き、以下のコマンドのいずれかを入力します。podman build -t debezium-container-for-mysql:latest .
docker build -t debezium-container-for-mysql:latest .
上記のコマンドは、
debezium-container-for-mysql
という名前のコンテナーイメージを構築します。カスタムイメージを
quay.io
などのコンテナーレジストリーまたは内部のコンテナーレジストリーにプッシュします。コンテナーレジストリーは、イメージをデプロイする OpenShift インスタンスで利用できる必要があります。以下のいずれかのコマンドを実行します。podman push <myregistry.io>/debezium-container-for-mysql:latest
docker push <myregistry.io>/debezium-container-for-mysql:latest
新しい Debezium MySQL
KafkaConnect
カスタムリソース (CR) を作成します。たとえば、以下の例のようにannotations
およびimage
プロパティーを指定するdbz-connect.yaml
という名前のKafkaConnect
CR を作成します。apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2 kind: KafkaConnect metadata: name: my-connect-cluster annotations: strimzi.io/use-connector-resources: "true" 1 spec: #... image: debezium-container-for-mysql 2
項目 説明 1
KafkaConnector
リソースはこの Kafka Connect クラスターでコネクターを設定するために使用されることを、metadata.annotations
は Cluster Operator に示します。2
spec.image
は Debezium コネクターを実行するために作成したイメージの名前を指定します。設定された場合、このプロパティーによって Cluster Operator のSTRIMZI_DEFAULT_KAFKA_CONNECT_IMAGE
変数がオーバーライドされます。以下のコマンドを入力して、
KafkaConnect
CR を OpenShift Kafka Connect 環境に適用します。oc create -f dbz-connect.yaml
このコマンドは、Debezium コネクターを実行するために作成したイメージの名前を指定する Kafka Connect インスタンスを追加します。
Debezium MySQL コネクターインスタンスを設定する
KafkaConnector
カスタムリソースを作成します。通常、コネクター設定プロパティーを設定する
.yaml
ファイルに Debezium MySQL コネクターを設定します。コネクター設定は、Debezium に対して、スキーマおよびテーブルのサブセットにイベントを生成するよう指示する可能性があり、または機密性の高い、大きすぎる、または不必要な指定のコラムで Debezium が値を無視、マスク、または切り捨てするようにプロパティーを設定する可能性もあります。以下の例では、ポート
3306
の MySQL ホスト (192.168.99.100
) に接続し、inventory
データベースへの変更をキャプチャーする Debezium コネクターを設定します。dbserver1
は、サーバーの論理名です。MySQL
inventory-connector.yaml
apiVersion: kafka.strimzi.io/v1beta2 kind: KafkaConnector metadata: name: inventory-connector 1 labels: strimzi.io/cluster: my-connect-cluster spec: class: io.debezium.connector.mysql.MySqlConnector tasksMax: 1 2 config: 3 database.hostname: mysql 4 database.port: 3306 database.user: debezium database.password: dbz database.server.id: 184054 5 database.server.name: dbserver1 6 database.include.list: inventory 7 database.history.kafka.bootstrap.servers: my-cluster-kafka-bootstrap:9092 8 database.history.kafka.topic: schema-changes.inventory 9
表5.24 コネクター設定の説明 項目 説明 1
コネクターの名前。
2
1 度に 1 つのタスクのみが動作する必要があります。MySQL コネクターは MySQL サーバーの
binlog
を読み取るため、単一のコネクタータスクを使用することで、順序とイベントの処理が適切に行われるようになります。Kafka Connect サービスはコネクターを使用して作業を行う 1 つ以上のタスクを開始し、実行中のタスクを自動的に Kafka Connect サービスのクラスター全体に分散します。いずれかのサービスが停止またはクラッシュすると、これらのタスクは稼働中のサービスに再分散されます。3
コネクターの設定。
4
データベースホスト。これは、MySQL サーバーを実行しているコンテナーの名前です (
mysql
)。5
connector の一意 ID。
6
MySQL サーバーまたはクラスターの論理名。この名前は、変更イベントレコードを受信するすべての Kafka トピックの接頭辞として使用されます。
7
inventory
データベースの変更のみがキャプチャーされます。8
DDL ステートメントをデータベース履歴トピックに書き込み、復元するためにコネクターによって使用される Kafka ブローカーのリスト。再起動時に、コネクターが読み取りを開始すべき時点で binlog に存在したデータベースのスキーマを復元します。
9
データベー履歴トピックの名前。このトピックは内部使用のみを目的としており、コンシューマーが使用しないようにしてください。
Kafka Connect でコネクターインスタンスを作成します。たとえば、
KafkaConnector
リソースをinventory-connector.yaml
ファイルに保存した場合は、以下のコマンドを実行します。oc apply -f inventory-connector.yaml
上記のコマンドは
inventory-connector
を登録し、コネクターはKafkaConnector
CR に定義されているinventory
データベースに対して実行を開始します。
Debezium MySQL コネクターに設定できる設定プロパティーの完全リストは、MySQL コネクター設定プロパティーを参照してください。
結果
コネクターが起動すると、コネクターが設定された MySQL データベースの 整合性スナップショットが実行 されます。その後、コネクターは行レベルの操作のデータ変更イベントの生成を開始し、変更イベントレコードを Kafka トピックにストリーミングします。