第11章 管理コンソールへのアクセス制御
Red Hat build of Keycloak で作成された各レルムには、そのレルムを管理できる専用の管理コンソールがあります。master
レルムは、管理者がシステムで複数のレルムを管理できるようにする特別なレルムです。この章では、このシナリオをすべて実施します。
11.1. マスターレルムアクセス制御
Red Hat build of Keycloak の master
レルムは特別なレルムで、他のレルムとは異なる方法で処理されます。Red Hat build of Keycloak master
レルム内のユーザーには、Red Hat build of Keycloak サーバーにデプロイされた 0 個以上のレルムを管理する権限を付与できます。レルムが作成されると、Red Hat build of Keycloak は、その新しいレルムにアクセスするための詳細な権限を付与するさまざまなロールを自動的に作成します。管理コンソールおよび管理 REST エンドポイントへのアクセスは、これらのロールを master
レルムのユーザーにマッピングすることで制御できます。特定のレルムのみを管理できるユーザーは、複数のスーパーユーザーを作成することができます。
11.1.1. グローバルロール
master
レルムには、2 つのレルムレベルのロールがあります。以下のとおりです。
- admin
- create-realm
admin
ロールを持つユーザーはスーパーユーザーであり、サーバー上のレルムを管理するためにフルアクセスできます。create-realm
ロールを持つユーザーは、新しいレルムを作成できます。このユーザーは、作成する新しいレルムに完全アクセスできます。
11.1.2. レルム固有のロール
master
レルム内の管理者ユーザーには、システムの他のレルムに対して管理権限を付与できます。Red Hat build of Keycloak の各レルムは、master
レルムのクライアントによって表されます。クライアントの名前は <realm name>-realm
です。これらのクライアントには、クライアントレベルのロールが定義されており、個別のレルムを管理するアクセスレベルを定義します。
利用可能なロールは以下のとおりです。
- view-realm
- view-users
- view-clients
- view-events
- manage-realm
- manage-users
- create-client
- manage-clients
- manage-events
- view-identity-providers
- manage-identity-providers
- impersonation
ユーザーに必要なロールを割り当てると、管理コンソールのその特定の部分のみを使用できます。
manage-users
ロールを持つユーザー管理者は、admin ロールを所有したユーザーにのみ割り当てることができます。したがって、admin に manage-users
ロールがあり、manage-realm
ロールがない場合、このロールを割り当てることができます。