第7章 Ceph iSCSI ゲートウェイ (利用制限あり)
ストレージ管理者は、Red Hat Ceph Storage クラスターの iSCSI ゲートウェイをインストールし、設定できます。Ceph の iSCSI ゲートウェイの場合には、従来のストレージエリアネットワーク (SAN) のすべての機能および利点を使用して、完全に統合されたブロックストレージインフラストラクチャーを効率的に実行できます。
この技術には、利用制限があります。詳細は、Deprecated functionality の章を参照してください。
SCSI の永続的な予約はサポートされていません。SCSI の永続的な予約に依存しないクラスター対応ファイルシステムまたはクラスターリングソフトウェアを使用している場合、複数の iSCSI イニシエーターを RBD イメージへのマッピングに対応しています。たとえば、ATS を使用する VMware vSphere 環境はサポートされますが、Microsoft のクラスターリングサーバー (MSCS) の使用はサポートされていません。
7.1. Ceph iSCSI ゲートウェイの概要
従来は、Ceph ストレージクラスターへのブロックレベルのアクセスは QEMU および librbd
に制限されていました。これは、OpenStack 環境で採用するための主要なイネーブラーです。Ceph Storage クラスターにブロックレベルでアクセスできると、iSCSI 標準を活用してデータストレージを提供できます。
iSCSI ゲートウェイは Red Hat Ceph Storage と iSCSI 標準を統合し、RADOS Block Device (RBD) イメージを SCSI ディスクとしてエクスポートする可用性の高い (HA) iSCSI ターゲットを提供します。iSCSI プロトコルは、イニシエーターと呼ばれるクライアントが、TCP/IP ネットワークを介してターゲットと呼ばれる SCSI ストレージデバイスに SCSI コマンドを送信します。これにより、Microsoft Windows などの異種クライアントが Red Hat Ceph Storage クラスターにアクセスできるようになります。
図7.1 Ceph iSCSI Gateway HA 設計