7.5. 圧縮の有効化
Ceph Object Gateway は、Ceph の圧縮プラグインを使用してアップロードしたオブジェクトのサーバー側の圧縮をサポートします。これには、以下が含まれます。
-
zlib
: サポート対象。 -
snappy
: サポート対象。 -
zstd
: サポート対象。
Configuration
ゾーンの配置ターゲットで圧縮を有効にするには、--compression=TYPE
オプションを radosgw-admin zone placement modify
コマンドに指定します。圧縮 TYPE
は、新しいオブジェクトデータの書き込み時に使用する圧縮プラグインの名前を指します。
圧縮される各オブジェクトは圧縮タイプを保存します。設定を変更しても、既存の圧縮オブジェクトをデプロイメントします。また、Ceph Object Gateway は強制的に既存オブジェクトを再圧縮する訳ではありません。
この圧縮設定は、この配置ターゲットを使用してバケットにアップロードされるすべての新規オブジェクトに適用されます。
ゾーンの配置ターゲットで圧縮を無効にするには、--compression=TYPE
オプションを radosgw-admin zone placement modify
コマンドに指定して、空の文字列または none
を指定します。
例
圧縮の有効化または無効化後に Ceph Object Gateway インスタンスを再起動して、変更を反映します。
Ceph Object Gateway は デフォルト
ゾーンとプールのセットを作成します。実稼働デプロイメントの場合は、レルムの作成 セクションを最初に参照してください。
統計
既存のコマンドおよび API は、圧縮されていないデータに基づいてオブジェクトおよびバケットサイズを引き続き報告しますが、radosgw-admin bucket stats
コマンドにはすべてのバケットの圧縮統計が含まれます。
構文
size
は、バケット内の非圧縮および非暗号化のオブジェクトの累積サイズです。size_kb
はキロバイト単位の累積サイズであり、ceiling(size/1024)
として計算されます。この例では、ceiling(1075028/1024) = 1050
です。
size_actual
は、各オブジェクトが 4096 バイトのブロックのセットに分散されてからの全オブジェクトの累積サイズです。バケットに 2 つのオブジェクト (1 つはサイズ 4100 バイト、もう 1 つは 8500 バイト) がある場合、最初のオブジェクトは 8192 バイトに切り上げられ、2 番目のオブジェクトは 12288 バイトに切り上げられ、バケットの合計は 20480 バイトになります。size_kb_actual
はキロバイト単位の実際のサイズで、size_actual/1024
として計算されます。上記の例では、1331200/1024 = 1300
になります。
size_utilized
は、圧縮または暗号化、もしくはその両方が行われた後のデータの合計サイズ (バイト単位) です。暗号化するとオブジェクトのサイズが増加する可能性がありますが、圧縮するとオブジェクトのサイズが減少する可能性があります。size_kb_utilized
はキロバイト単位の合計サイズで、ceiling(size_utilized/1024)
として計算されます。この例では、ceiling(592035/1024)= 579
です。