1.7. OSD メモリーターゲット
BlueStore は、osd_memory_target
設定オプションを使用して、OSD ヒープメモリーの使用を指定されたターゲットサイズで保持します。
osd_memory_target
オプションは、システムで利用可能な RAM に基づいて OSD メモリーを設定します。TCMalloc がメモリーアロケーターとして設定されており、BlueStore の bluestore_cache_autotune
オプションが true
に設定されている場合、このオプションを使用します。
Ceph OSD のメモリーキャッシングは、ブロックデバイスが低速である場合に重要となります (例えば、従来のハードドライブの場合)。キャッシュヒットのメリットがソリッドステートドライブの場合よりもはるかに大きいからです。ただし、ハイパーコンバージドインフラストラクチャー (HCI) や他のアプリケーションなど、他のサービスと OSD を共存させる場合には、この点を考慮する必要があります。
1.7.1. OSD メモリーターゲットの設定
ストレージクラスター内のすべての OSD、または特定の OSD に最大メモリーしきい値を設定するには、osd_memory_target
オプションを使用します。osd_memory_target
オプションを 16 GB に設定した OSD は、最大 16 GB のメモリーを使用することができます。
個々の OSD の設定オプションは、すべての OSD に対する設定よりも優先されます。
前提条件
- 稼働中の Red Hat Ceph Storage クラスターがある。
- ストレージクラスター内のすべてのホストへの root レベルのアクセス
手順
ストレージクラスター内のすべての OSD に
osd_memory_target
を設定するには、以下を実行します。構文
ceph config set osd osd_memory_target VALUE
VALUE は、ストレージクラスター内の各 OSD に割り当てるメモリーのギガバイト数です。
ストレージクラスター内の特定の OSD に
osd_memory_target
を設定するには、以下を実行します。構文
ceph config set osd.id osd_memory_target VALUE
.id
は OSD の ID で、VALUE は特定の OSD に割り当てるメモリーの GB 数です。たとえば、ID 8 の OSD が最大 16 ギガバイトのメモリーを使用するように設定するには、以下を実行します。例
[ceph: root@host01 /]# ceph config set osd.8 osd_memory_target 16G
ある個別の OSD がある最大量のメモリーを使用するように設定し、残りの OSD が別の量を使用するように設定するには、まず個別の OSD を指定します。
例
[ceph: root@host01 /]# ceph config set osd osd_memory_target 16G [ceph: root@host01 /]# ceph config set osd.8 osd_memory_target 8G
関連情報
- OSD のメモリー使用量を自動調整するように Red Hat Ceph Storage を設定するには、オペレーションガイド の OSD メモリーの自動チューニング を参照してください。