2.2. バグ修正
Red Hat Directory Server 11.9 で修正された、ユーザーに重大な影響を与えるバグについて説明します。
ディレクトリーサーバーの Web コンソールでは、LDAP ブラウザー でバイナリー属性を持つエントリーを表示しようとしても例外が表示されなくなりました。
以前は、LDAP エントリーに jpegPhoto
や userCertificate
などのバイナリー属性が含まれている場合、LDAP ブラウザー でエントリーの詳細を表示しようとすると、Web コンソールに例外が表示されていました。この更新により、Web コンソールはバイナリー属性を持つエントリーを正しく処理し、例外は表示されなくなりました。
(BZ#2239787)
ディレクトリーサーバーの Web コンソールでは、attributeTypes
が追加されても属性名が小文字に変更されなくなりました。
以前は、Web コンソールを使用してオブジェクトクラスに属性を追加すると、属性名の大文字が小文字に変更されていました。この更新により、属性名の大文字と小文字は変更されなくなりました。
(BZ#2257790)
ns-slapd
バイナリーはスレッドセーフな libldap_r
ライブラリーとリンクされるようになり、セグメンテーション違反が発生しなくなりました。
アップストリームのビルドシステム変更により、スレッドセーフな libldap_r
ではなく、スレッドセーフでない libldap
ライブラリーに ns-slapd
バイナリーがリンクされるようになり、リグレッションが発生しました。その結果、ns-slapd
プロセスがセグメンテーションエラーで失敗する可能性があります。この更新では、ビルドシステムコードの問題が修正され、ns-slapd
バイナリーがスレッドセーフな libldap_r
ライブラリーにリンクされるようになりました。その結果、セグメンテーション違反が発生しなくなります。
(BZ#2264534)
Directory Server はエントリーキャッシュをフラッシュする頻度を減らしている
以前は、必要ない場合でも Directory Server がエントリーキャッシュをフラッシュしていました。その結果、特定の状況で Directory Server が応答しなくなり、パフォーマンスが低下しました。この更新により、Directory Server は必要な場合にのみエントリーキャッシュをフラッシュするようになりました。
(2268177)
389-ds-base
パッケージのバグ修正
389-ds-base
パッケージに含まれている Red Hat Directory Server のバグ修正は、Red Hat Enterprise Linux 8.10 リリースノートに記載されています。