1.3. ReaR の除外


ReaR ユーティリティーは、復旧プロセス中に、/var/lib/rear/layout/disklayout.conf レイアウトファイルの内容に従って、レスキューイメージが作成された元のシステムのストレージレイアウトを、復旧されたシステムのディスク上に再作成します。ストレージレイアウトには、パーティション、ボリュームグループ、論理ボリューム、ファイルシステム、その他のストレージコンポーネントが含まれます。

ReaR は、レスキューイメージを作成するときにレイアウトファイルを作成し、このファイルをイメージに埋め込みます。レイアウトファイルは、rear savelayout コマンドを使用して作成することもできます。これを使用すると、レスキューイメージ全体を作成しなくても、レイアウトファイルをすばやく作成して調べることができます。

レイアウトファイルには、一部の例外を除き、元のシステムのストレージレイアウト全体が記述されます。ReaR は、復旧中に再作成されないように、一部のストレージコンポーネントをレイアウトファイルから除外します。ストレージコンポーネントをレイアウトから除外するかどうかは、次の設定変数によって制御されます。

  • AUTOEXCLUDE_DISKS
  • AUTOEXCLUDE_MULTIPATH
  • AUTOEXCLUDE_PATH
  • EXCLUDE_RECREATE

設定変数によってレイアウトファイルから一部のファイルシステムを除外すると、そのコンテンツもバックアップから除外されます。また、BACKUP_PROG_EXCLUDE 設定変数を使用すると、レイアウトファイルからファイルシステムを除外せずに、一部のファイルまたはディレクトリーツリーをバックアップから除外できます。

この方法でファイルシステム内のすべてのファイルとディレクトリーを除外しても、復旧時にファイルシステムが再作成されます。しかし、バックアップに復元するデータが含まれていないため、ファイルシステムは空になります。これは、一時データが含まれており保存する必要のないファイルシステム、または ReaR によらない方法を使用してバックアップされるデータに役立ちます。

BACKUP_PROG_EXCLUDE 変数は、tar または rsync に渡される glob スタイルのワイルドカードパターンの配列です。このパターンは引用符で囲む必要があることに注意してください。これは、シェルが設定ファイルを読み取るときにパターンが拡張されるのを防ぐために行います。この変数のデフォルト値は、/usr/share/rear/conf/default.conf ファイルで設定されています。デフォルト値には、たとえば /tmp/* パターンが含まれています。このパターンは、/tmp ディレクトリーの下にあるすべてのファイルとディレクトリーを除外しますが、/tmp ディレクトリー自体は除外しません。

他のファイルやディレクトリーを除外する必要がある場合は、デフォルト値を保持するために、変数をオーバーライドするのではなく、変数に + を使用してパターンをさらに追加します。たとえば、デフォルト値に加えて、ディレクトリー /data/temp の下にあるすべてのファイルとディレクトリーを除外するには、次のようにします。

BACKUP_PROG_EXCLUDE+=( '/data/temp/*' )
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/usr/share/rear/conf/default.conf ファイルで設定変数のデフォルト値を確認できます。このデフォルト値は、ローカルの /etc/rear/local.conf 設定ファイルで変更できます。

また、内部の NETFS および RSYNC バックアップ方式でバックアップされるファイルを設定することもできます。デフォルトでは、レイアウトファイルにファイルシステムが含まれている場合、マウントされたすべてのローカルディスクベースのファイルシステム上のファイルは、rear mkbackup コマンドまたは rear mkbackuponly コマンドによってバックアップされます。

rear mkbackup コマンドを使用すると、ログ内のバックアップ除外パターンがリスト表示されます。ログファイルは /var/log/rear ディレクトリーにあります。これを使用して、完全なシステム復旧を実行する前に、除外ルールを確認できます。たとえば、ログに次のエントリーが含まれているとします。

2025-04-29 10:17:41.312431050 Making backup (using backup method NETFS)
2025-04-29 10:17:41.314369109 Backup include list (backup-include.txt contents):
2025-04-29 10:17:41.316197323   /
2025-04-29 10:17:41.318052001 Backup exclude list (backup-exclude.txt contents):
2025-04-29 10:17:41.319857125   /tmp/*
2025-04-29 10:17:41.321644442   /dev/shm/*
2025-04-29 10:17:41.323436363   /var/lib/rear/output/*
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上記の出力では、/tmp/dev/shm/var/lib/rear/output ディレクトリーの下にあるすべてのファイルとディレクトリーを除いて、ルートファイルシステム全体がバックアップの対象になります。

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