2.4. pcs コマンドを使用したリソースおよびリソースグループの作成


このユースケースでは、クラスターリソースを 4 つ作成する必要があります。すべてのリソースが必ず同じノードで実行するように、このリソースを、リソースグループ apachegroup に追加します。作成するリソースは以下のとおりで、開始する順に記載されています。
  1. 「LVM ボリュームを ext4 ファイルシステムで設定」 で作成した LVM ボリュームグループを使用する my_lvm という名前の LVM リソース。
  2. 「LVM ボリュームを ext4 ファイルシステムで設定」 の手順で作成したファイルシステムデバイス /dev/my_vg/my_lv を使用する、my_fs という名前の Filesystem リソース。
  3. apachegroup リソースグループのフローティング IP アドレスである IPaddr2 リソース。物理ノードに関連付けられている IP アドレスは使用できません。IPaddr2 リソースの NIC デバイスが指定されていない場合、クラスターノードによって使用される静的に割り当てられた IP アドレスと同じネットワーク上にフローティング IP が存在しないと、フローティング IP アドレスを割り当てる NIC デバイスが適切に検出されません。
  4. Website と言う名前の apache リソース、「Web サーバーの設定」 の手順で定義した index.html ファイルと Apache 設定を使用します。
以下の手順で、apachegroup リソースグループと、このグループに追加するリソースを作成します。リソースは、グループに追加された順序で起動し、その逆の順序で停止します。この手順は、クラスター内のいずれかのノードで実行してください。
  1. 次のコマンドでは my_lvm LVM リソースを作成しています。このコマンドは、exclusive=true パラメーターを指定し、クラスターのみが LVM 論理ボリュームをアクティブ化できるようにします。リソースグループ apachegroup は存在しないため、このコマンドによりリソースグループが作成されます。
    [root@z1 ~]# pcs resource create my_lvm LVM volgrpname=my_vg \
    exclusive=true --group apachegroup
    リソースを作成すると、そのリソースは自動的に起動します。以下のコマンドを使用すると、リソースが作成され、起動していることを確認できます。
    # pcs resource show
     Resource Group: apachegroup
         my_lvm	(ocf::heartbeat:LVM):	Started
    
    pcs resource disablepcs resource enable のコマンドを使用すると手作業によるリソースの停止と起動をリソースごと個別に行うことができます。
  2. 以下のコマンドでは、設定に必要な残りのリソースを作成し、作成したリソースを既存の apachegroup リソースグループに追加します。
    [root@z1 ~]# pcs resource create my_fs Filesystem \
    device="/dev/my_vg/my_lv" directory="/var/www" fstype="ext4" --group \
    apachegroup
    
    [root@z1 ~]# pcs resource create VirtualIP IPaddr2 ip=198.51.100.3 \
    cidr_netmask=24 --group apachegroup
    
    [root@z1 ~]# pcs resource create Website apache \
    configfile="/etc/httpd/conf/httpd.conf" \
    statusurl="http://127.0.0.1/server-status" --group apachegroup
  3. リソースと、そのリソースを含むリソースグループの作成が完了したら、クラスターのステータスを確認します。4 つのリソースがすべて同じノードで実行していることに注意してください。
    [root@z1 ~]# pcs status
    Cluster name: my_cluster
    Last updated: Wed Jul 31 16:38:51 2013
    Last change: Wed Jul 31 16:42:14 2013 via crm_attribute on z1.example.com
    Stack: corosync
    Current DC: z2.example.com (2) - partition with quorum
    Version: 1.1.10-5.el7-9abe687
    2 Nodes configured
    6 Resources configured
    
    
    Online: [ z1.example.com z2.example.com ]
    
    Full list of resources:
     myapc	(stonith:fence_apc_snmp):	Started z1.example.com 
     Resource Group: apachegroup
         my_lvm	(ocf::heartbeat:LVM):	Started z1.example.com 
         my_fs	(ocf::heartbeat:Filesystem):	Started z1.example.com 
         VirtualIP	(ocf::heartbeat:IPaddr2):	Started z1.example.com 
         Website	(ocf::heartbeat:apache):	Started z1.example.com
    
    「排他処理の設定」 の手順でクラスターにフェンスデバイスを設定していないとリソースはデフォルトでは起動しないので注意してください。
  4. クラスターが稼働したら、ブラウザーで、IPaddr2 リソースとして定義した IP アドレスを指定して、Hello と単語が表示されるサンプル表示を確認します。
    Hello
    
    設定したリソースが実行されていない場合は、pcs resource debug-start resource コマンドを実行してリソースの設定をテストできます。pcs resource debug-start コマンドの詳細は 『High Availability Add-On リファレンス』 を参照してください。
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