第4章 新機能
ここでは、Red Hat Enterprise Linux 8.7 に追加された新機能および主要な機能拡張を説明します。
4.1. インストーラーおよびイメージの作成
インストーラーで自動 FCP SCSI LUN スキャンがサポートされました
インストーラーは、IBM Z システムに FCP SCSI LUN をアタッチする際に、自動 LUN スキャンを使用できるようになりました。自動 LUN スキャンは、zfcp.allow_lun_scan
カーネルモジュールパラメーターで無効にされていない場合、NPIV モードで動作する FCP デバイスで使用できます。これは、デフォルトで有効になっています。これは、指定されたデバイスバス ID を持つ FCP デバイスに接続されたストレージエリアネットワークで見つかったすべての SCSI デバイスへのアクセスを提供します。WWPN と FCP LUN を指定する必要はなくなり、FCP デバイスバス ID のみ指定する必要があります。
(BZ#1497089)
Image Builder オンプレミスが /boot
パーティションのカスタマイズをサポートするようになりました
Image Builder オンプレミスバージョンは、カスタムの /boot
マウントポイントパーティションサイズを使用したイメージのビルドをサポートするようになりました。ブループリントのカスタマイズで /boot
マウントポイントパーティションのサイズを指定し、デフォルトのブートパーティションサイズが小さすぎる場合に /boot
パーティションのサイズを増やすことができます。以下に例を示します。
[[customizations.filesystem]] mountpoint = "/boot" size = "20 GiB"
(JIRA:RHELPLAN-130379)
Image Builder オンプレミスで GCP へのイメージのアップロードがサポートされました
この機能強化により、Image Builder CLI を使用して gce
イメージを作成し、イメージのアップロードに使用するユーザーまたはサービスアカウントのクレデンシャルを指定できます。その結果、Image Builder はイメージを作成し、指定した GCP 環境に gce
イメージを直接アップロードします。
Image Builder オンプレミス CLI で、レジストリーへのコンテナーイメージの直接プッシュがサポートされました
今回の機能強化により、Image Builder CLI を使用して、ビルド後に RHEL for Edge Container イメージをコンテナーレジストリーに直接プッシュできます。Container Image をビルドするには、以下を実行します。
- アップロードプロバイダーを設定し、必要に応じてクレデンシャルを追加します。
コンテナーイメージをビルドし、コンテナーレジストリーとリポジトリーを
composer-cli
に引数として渡します。イメージの準備ができたら、設定したコンテナーレジストリーで使用できます。
(JIRA:RHELPLAN-130376)
Image Builder オンプレミスのユーザーは、イメージ作成プロセス中にブループリントをカスタマイズできるようになりました
今回の更新では、Edit Blueprint ページが削除され、Image Builder サービスと cockpit-composer
の Image Builder アプリのユーザーエクスペリエンスが統合されました。ユーザーは、ブループリントを作成し、イメージ作成プロセス中にパッケージの追加やユーザーの追加などのカスタマイズを行うことが可能になりました。ブループリントのバージョン管理も削除されたため、ブループリントのバージョンは 1 つだけ (現在のバージョン) になります。ユーザーは、作成済みのイメージから古いブループリントバージョンにアクセスできます。
(JIRA:RHELPLAN-122735)