8.7. カーネル
CgroupV1 memory.swappiness を非推奨にする新しい機能により、一貫したスワップ動作が可能になります
CgroupV1 には、指定された cgroup のスワップ動作を制御する cgroup ごとの swappiness
値の memory.swappiness が含まれています。
ただし、systemd
プロセスは cgroup
内で実行され、sysctl
の swappiness 値は swap
ヒューリスティックにほとんど影響しません。このような cgroup は sysctl
または tuned
設定の値を無視し、システムで実行されているプロセスにはデフォルトの swappiness 値 60
が割り当てられます。その結果、メモリー負荷が高く、ページの再利用が行われる場合、割り当てられた swappiness 値よりも早い、またはより積極的なスワッピングが発生する可能性があります。
今回の更新では、新しい sysctl
変数 /proc/sys/vm/force_cgroupv2_swappiness
が導入され、デフォルト値は 0
です。1
に設定すると、memory.swappiness
値は非推奨になり、すべての cgroup ごとの swappiness 値は、/proc/sys/vm/swappiness
ファイル内のシステム全体の swappiness 値を反映します。その結果、cgroup のメモリースワッピング動作がより一貫したものになります。
(BZ#2084242)
暗号化されたデバイスのパスフレーズを入力した後に Anaconda が失敗しなくなりました
以前は、インストールの準備時に kdump
が無効になっていて、ユーザーが暗号化されたディスクのパーティショニングを選択した場合、暗号化されたデバイスのパスフレーズを入力した後、Anaconda インストーラーがトレースバックで失敗していました。
今回の更新で問題が修正され、ユーザーは kdump
を有効にして暗号化されたディスクパーティションを作成する必要がなくなりました。
v1 モードの net_prio
または net_cls
コントローラーが正しく動作するようになりました
以前は、cgroup-v2
環境では、v1 モードで net_prio
または net_cls
コントローラーのいずれかを使用すると、ソケットデータの階層追跡が無効になっていました。その結果、ソケットデータトラッキングコントローラーの cgroup-v2
階層がアクティブではなく、dmesg
コマンドが次のメッセージを報告しました。
cgroup: cgroup: disabling cgroup2 socket matching due to net_prio or net_cls activation
この更新により、再起動後に cgroup-v2
が正しくアクティブになります。
(BZ#2046396)