4.2. シェルおよびコマンドラインツール
Cronie
に、選択した範囲内での時間のランダム化に対するサポートが追加されました
Cronie
ユーティリティーは、cronjob の実行で ~
(範囲内でのランダム化) Operator をサポートするようになりました。その結果、選択した範囲内のランダムな時間に cronjob を開始できます。
新しいパッケージ: xmlstarlet
XMLStarlet は、XML ファイルの解析、変換、クエリー、検証、および編集を行うための一連のコマンドラインユーティリティーです。新しい xmlstarlet
パッケージは、grep
、sed
、awk
、diff
、patch
、join
などのプレーンテキストファイルに対して UNIX コマンドを使用する場合と同様の方法で使用できる、シェルコマンドの単純なセットを提供します。
(BZ#1882020)
ReaR は、リカバリー前後にコマンドを実行する新しい変数を追加します
この機能強化により、ReaR にはリカバリー前後に実行されるコマンドの自動化を容易にする 2 つの新しい変数が導入されます。
-
PRE_RECOVERY_COMMANDS
ではコマンド配列を使用できます。これらのコマンドは、リカバリー開始前に実行されます。 -
POST_RECOVERY_COMMANDS
ではコマンド配列を使用できます。これらのコマンドは、リカバリー完了後に実行されます。
これらの変数は、PRE_RECOVERY_SCRIPT
および POST_RECOVERY_SCRIPT
に代わるものですが、次の違いがあります。
-
以前の
PRE_RECOVERY_SCRIPT
およびPOST_RECOVERY_SCRIPT
変数では、単一のシェルコマンドを使用できます。これらの変数に複数のコマンドを渡すには、コマンドをセミコロンで区切る必要があります。 -
新しい
PRE_RECOVERY_COMMANDS
およびPOST_RECOVERY_COMMANDS
変数ではコマンド配列が使用でき、配列の各要素が個別のコマンドとして実行されます。
その結果、リカバリー前後にレスキューシステムで実行する複数のコマンドを提供することが容易になり、エラーが発生しにくくなりました。
詳細については、default.conf
ファイルを参照してください。
libva
はバージョン 2.13.0 にリベースされました
ビデオアクセラレーション API の libva
ライブラリーがバージョン 2.13.0 に更新されました。主な改善点と新機能は次のとおりです。
-
2 つの新しい FourCC ビデオコーディング形式:
X2R10G10B10
およびX2B10G10R10
は、10 ビット RGB 形式 (アルファを除く) でビデオをキャプチャ、処理、および表示します。 -
iris
およびcrocus
DRI ドライバーの VAAPI ドライバーマッピング。 -
出力バッファーの同期のための
vaSyncBuffer
関数。 -
サーフェスとバッファーをコピーするための
vaCopy
インターフェイス。 - デジタル著作権管理 (DRM) で保護されたビデオ用の LibVA Protected Content API。
- ビデオ処理の 3DLUT フィルター。入力カラーを新しい出力値にマップします。
powerpc-utils
がバージョン 1.3.10 にリベースされました
PowerPC プラットフォーム用のさまざまなユーティリティーを提供する powerpc-utils
パッケージがバージョン 1.3.10 に更新されました。以下は、主な改善点です。
-
ppc64_cpu
ツールのエネルギーと周波数に関する Power Architecture Platform Reference (PAPR) 情報を解析する機能が追加されました。 -
最大設定システムで
lparstat -E
コマンドが失敗した場合に、拡張エラーメッセージを表示するようにlparstat
ユーティリティーを改善しました。lparstat
コマンドは、論理パーティション関連の情報を報告します。 -
報告された
lparstat
コマンドにおけるレガシー形式のオンラインメモリーが修正されました。 -
NX GZIP アクセラレータのサービス品質クレジット (QoS) を動的に変更する
acc
コマンドのサポートが追加されました。 -
printf()
およびsprintf()
呼び出しの書式指定子が改善されました。 HMC ツールをハイブリッド仮想ネットワークに提供する
hcnmgr
ユーティリティーには、以下の機能拡張が含まれます。-
ハイブリッドネットワーク仮想化
HNV FEATURE
リストにwicked
機能が追加されました。hcnmgr
ユーティリティーは、wicked ハイブリッドネットワーク仮想化 (HNV) をサポートし、ボンディングにwicked
関数を使用します。 -
hcnmgr
は、後のクリーンアップのためにhcnid
状態を維持します。 -
hcnmgr
は、NetworkManager (NM)nmcli
コードを除外します。 -
NM HNV
primary slave
設定が修正されました。 -
hcnmgr
は、仮想ネットワークインターフェイスコントローラー (vNIC) をバックアップデバイスとしてサポートします。
-
ハイブリッドネットワーク仮想化
-
bootlist
の無効な 16 進数のシステムメッセージを修正しました。 -
-l
フラグが、bootlist
コマンドの-p
デリミタ値としてkpartx
ユーティリティーに含まれました。 -
IO スロットを一覧表示する際のメモリーリークを防ぐために、
sslot
ユーティリティーが修正されました。 -
lsslot
ユーティリティーに、最新の PCIe (Peripheral Component Interconnect Express) スロットタイプの DRC タイプ記述文字列が追加されました。 -
errinjct
ツールの RTAS への無効な設定アドレスが修正されました。 -
ofpathname
ユーティリティーで、non-volatile memory over fabrics (NVMf) デバイスのサポートが追加されました。このユーティリティーは、論理デバイス名からオープンファームウェアデバイスパス、およびその逆に変換するメカニズムを提供します。 -
ofpathname
ユーティリティーの非対称名前空間アクセス (ANA) モードでの不揮発性メモリー (NVMe) に対するサポートが修正されました。 -
設定ファイルとして
smt.state
ファイルをインストールしました。
(BZ#2051330)
opencryptoki
がバージョン 3.18.0 にリベースされました
Public-Key Cryptography Standard (PKCS) #11 の実装である opencryptoki
パッケージがバージョン 3.18.0 に更新されました。以下は、主な改善点です。
- デフォルトは連邦情報処理標準 (FIPS) 準拠のトークンデータ形式 (tokversion = 3.12) です。
- グローバルポリシーでメカニズムとキーの使用を制限するためのサポートが追加されました。
- メカニズム使用状況の統計カウントのサポートが追加されました。
-
ICA/EP11
トークンがlibica
ライブラリーバージョン 4 をサポートするようになりました。 -
p11sak
ツールを使用すると、公開鍵と秘密鍵に異なる属性を設定できます。 -
C_GetMechanismList
は、EP11 トークンでCKR_BUFFER_TOO_SMALL
を返しません。
openCryptoki
は、2 つの異なるトークンデータ形式をサポートしています。
- FIPS で承認されていないアルゴリズム (DES や SHA1 など) を使用する以前のデータ形式
- FIPS で承認されたアルゴリズムのみを使用する新しいデータ形式
FIPS プロバイダーは FIPS で承認されたアルゴリズムのみ使用を許可しているため、古いデータ形式は機能しなくなりました。
openCryptoki を RHEL 8 で機能させるには、システムで FIPS モードを有効にする前に、トークンを移行して新しいデータ形式を使用します。openCryptoki 3.17
では以前のデータ形式がデフォルトのままであるため、これが必要です。システムが FIPS 対応に変更されると、以前びトークンデータ形式を使用する既存の openCryptoki
インストールは機能しなくなります。
openCryptoki
で提供される pkcstok_migrate
ユーティリティーを使用して、トークンを新しいデータ形式に移行できます。移行中は、pkcstok_migrate
は FIPS で承認されていないアルゴリズムを使用することに注意してください。したがって、システムで FIPS モードを有効にする前に、このツールを使用します。詳細は、FIPS 準拠への移行 -pkcstok_migrate ユーティリティーを 参照してください。
(BZ#2043845)
Redfish モジュールが redhat.rhel_mgmt
Ansible コレクションに含まれるようになりました。
redhat.rhel_mgmt
Ansible コレクションには、次のモジュールが含まれるようになりました。
-
redfish_info
-
redfish_command
-
redfish_config
これによりユーザーは、Redfish モジュールを使用してサーバーのヘルスステータスの取得、ハードウェアとファームウェアのインベントリーに関する情報の取得、電源管理、BIOS 設定の変更、帯域外 (OOB) コントローラーの設定、ハードウェア RAID の設定、ファームウェアの更新を実行し、自動化管理の恩恵を受けることができます。
sysctl
が systemd
ディレクトリーの順序と一致するようになりました
sysctl
ユーティリティーの設定ディレクトリーの順序が、systemd-sysctl
ディレクトリーの順序と同期されるようになりました。設定ディレクトリーは、実行時にカーネルパラメーターを調べて変更します。/etc/sysctl.d
ディレクトリー内の設定ファイルは、/run/sysctl.d
内の設定ファイルよりも優先度が高く、sysctl
と systemd
の間でファイルの優先順位が乱れることはもうありません。