第18章 システムの復旧および復元
Red Hat Enterprise Linux では、既存のバックアップを使用してシステムを復旧および復元するために、ReaR (Relax-and-Recover) ユーティリティーが同梱されています。
このユーティリティーは、障害復旧ソリューションとして、またシステム移行にも使用できます。
このユーティリティーを使用すると、以下のタスクを実行できます。
- イメージを使用して、起動可能なイメージを作成し、既存のバックアップからシステムを復元する
- オリジナルのストレージレイアウトを複製する
- ユーザーおよびシステムファイルを復元する
- システムを別のハードウェアに復元する
また、障害復旧の場合は、特定のバックアップソフトウェアを ReaR に統合することもできます。
ReaR 設定の概要手順は以下のとおりです。
- ReaR をインストールします。
- ReaR 設定ファイルを変更して、バックアップ手法の詳細を追加します。
- レスキューシステムを作成します。
- バックアップファイルを生成します。
18.1. ReaR の設定
以下の手順を使用して、Relax-and-Recover (ReaR) ユーティリティーを使用するパッケージのインストール、レスキューシステムの作成、バックアップの設定および生成を行います。
前提条件
バックアップ復元計画をもとに、必要な設定ができている。
NETFS
バックアップメソッド (ReaR に完全に統合され、組み込まれたメソッド) を使用できることに注意してください。
手順
次のコマンドを実行して ReaR ユーティリティーをインストールします。
# yum install rear
以下の例のように、任意のエディターで ReaR 設定ファイルを変更します。
# vi /etc/rear/local.conf
バックアップ設定の詳細を
/etc/rear/local.conf
に追加します。たとえば、NETFS
バックアップメソッドの場合は、以下の行を追加します。BACKUP=NETFS BACKUP_URL=backup.location
backup.location は、バックアップ先の URL に置き換えます。
新規バックアップの作成時に以前のバックアップアーカイブを維持するように RaaR 設定を行うには、以下の行を設定ファイルに追加します。
NETFS_KEEP_OLD_BACKUP_COPY=y
増分バックアップ (実行するたびに変更されたファイルのみがバックアップされる) を設定する場合は、以下の行を追加します。
BACKUP_TYPE=incremental
レスキューシステムを作成します。
# rear mkrescue
復元計画に従ってバックアップを作成します。たとえば、
NETFS
バックアップメソッドの場合は、以下のコマンドを実行します。# rear mkbackuponly
または、以下のコマンドを実行すると、1 つの手順でレスキューシステムとバックアップを作成できます。
# rear mkbackup
このコマンドは、
rear mkrescue
コマンドとrear mkbackuponly
コマンドの機能を組み合わせたものです。