第15章 システムの復旧および復元


システムのバックアップと復元を行うために、Red Hat Enterprise Linux では Relax-and-Recover (ReaR) ユーティリティーが提供されています。

ReaR は、障害復旧ソリューションとしてだけでなく、システム移行にも利用できます。

ReaR を使用すると、以下のタスクを実行できます。

  • システムバックアップと起動可能なイメージを作成し、そのイメージを使用して既存のバックアップからシステムを復元します。
  • オリジナルのストレージレイアウトを複製します。
  • ユーザーおよびシステムファイルを復元します。
  • システムを別のハードウェアに復元します。

また、障害復旧の場合は、特定のバックアップソフトウェアを ReaR に統合することもできます。

15.1. ReaR の設定とバックアップの手動作成

レスキューシステムを作成するには、まず Relax-and-Recover (ReaR) ユーティリティーのパッケージをインストールし、ReaR の設定を調整し、手動でシステムバックアップを作成します。これにより、システムは潜在的な障害復旧作業に備えることができます。

前提条件

  • バックアップ復元計画に基づき、必要な設定を完了した。

    注記

    以下の手順では、NETFS バックアップ方式を用いた設定例を示します。これは ReaR に完全に統合されたビルトインの手法であり、BACKUP_URL 設定で指定された場所にバックアップを作成します。デフォルトでは、システムの tar ユーティリティーを使用して、backup.tar.gz という名前のバックアップアーカイブを作成します。

  • Intel 64 または AMD64 (x86-64) ハードウェアアーキテクチャー、または IBM POWER リトルエンディアン (ppc64le) アーキテクチャーを使用している。

    IBM Z アーキテクチャーを使用している場合は、64 ビット IBM Z アーキテクチャーでの ReaR レスキューイメージの使用 を参照してください。

    ReaR は現在、64 ビット ARM アーキテクチャーをサポートしていません。

手順

  1. ReaR ユーティリティーをインストールします。

    # yum install rear
  2. 以下の例のように、任意のエディターで ReaR 設定ファイルを変更します。

    # vi /etc/rear/local.conf
    • バックアップ設定の詳細を /etc/rear/local.conf に追加します。たとえば、NETFS バックアップ方式の場合は、次の行を追加します。

      BACKUP=NETFS
      OUTPUT=ISO
      BACKUP_URL=<data-backup-location>
      OUTPUT_URL=<rescue-image-location>

      <data-backup-location>tar データバックアップの場所に、<rescue-image-location> はレスキューシステムの ISO イメージの場所に置き換えます。以下に例を示します。

      BACKUP=NETFS
      OUTPUT=ISO
      
      # Backup is stored on an external drive
      BACKUP_URL=file:///run/media/user/external_drive/server_backups/
      
      # The ISO is stored on a dedicated NFS share
      OUTPUT_URL=nfs://backup-server.local/exports/rear/

      /etc/rear/local.conf ファイルの構文、および BACKUP_URLOUTPUT_URL のサポートされている形式の詳細は、rear(8) の man ページを参照してください。

      /etc/rear/local.conf で使用できる設定変数のリストと、それらのデフォルト値については、/usr/share/rear/conf/default.conf ファイルを参照してください。

    • 新規バックアップの作成時に以前のバックアップアーカイブを維持するように ReaR 設定を行うには、以下の行を設定ファイルに追加します。

      NETFS_KEEP_OLD_BACKUP_COPY=y
    • 増分バックアップ (実行するたびに変更されたファイルのみがバックアップされる) を設定する場合は、以下の行を追加します。

      BACKUP_TYPE=incremental
    • UEFI ファームウェアで ReaR レスキューシステムを起動する予定がある場合は、起動が失敗しないように、次の行を追加します。

      SECURE_BOOT_BOOTLOADER=/boot/efi/EFI/redhat/shimx64.efi
  3. 復元計画に基づき、レスキューシステムとデータバックアップを作成します。たとえば、NETFS バックアップ方式を使用する場合は、次のコマンドを実行します。

    # rear mkbackup
    1. レスキューシステムのみを作成する必要がある場合は、代わりに rear mkrescue コマンドを使用します。
    2. データバックアップのみを作成する必要がある場合は、代わりに rear mkbackuponly コマンドを使用します。
  4. オプション: 定期的な自動 ReaR バックアップをスケジュールします。ユースケースに応じて、さまざまなバックアップ方法を選択できます。以下に例を示します。

    • /etc/cron.d/rear crontab ファイルを調整して、rear mkbackup コマンドを定期的に実行するように設定します。

      30 1 * * * /usr/sbin/rear mkbackup
      注記

      デフォルトでは、/etc/cron.d/rear ファイルの設定により、毎日午前 1 時 30 分に rear mkrescue コマンドが自動的に実行され、レスキューシステムが作成されます。ただし、デフォルト設定ではデータのバックアップは作成されません。

    • 外部バックアップ方式を使用する場合は、外部バックアップをスケジュールします。詳細は、ReaR で使用しているバックアップ方法により異なります。

検証

  1. レスキューシステムの ISO イメージを DVD に書き込み、その DVD を使用して起動を試みます。

    起動後に Relax-and-Recover インターフェイスが表示されれば、レスキュー DVD は正常に動作しています。

  2. ReaR インターフェイスを使用してシステムを復元し、復元されたシステムが正常に動作するかテストします。
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