第5章 インデペンデントモードでのコンテナーストレージのデプロイ
任意のソリューションのデプロイメントワークフローを実行する前に、「RHGS クラスターの設定」 を完了し、「高度なインストーラー変数の指定」 を確認して Ansible 変数および Playbook の推奨事項と要件を理解するようにしてください。ストレージをスタンドアロンの Red Hat Gluster Storage クラスターとしてストレージを設定するには、目的に合ったワークフローを選択します。
デプロイメントワークフロー | レジストリー | メトリクス | ロギング | アプリケーション |
---|---|---|---|---|
✔ | ||||
「レジストリー、ロギングおよびメトリックスを使用したアプリケーション向けの Red Hat Openshift Container Storage をインデペンデントモードでデプロイする」 | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ |
- Red Hat Openshift Container Storage は、ansible ワークフローを使用したコンバージドモードとインデペンデントモードを同時にデプロイすることをサポートしていません。したがって、コンバージドモードまたはインデペンデントモードのいずれかをデプロイする必要があります。デプロイメント時に両方のモードを混在させることはできません。
- s3 は、Ansible インストーラーを介してではなく、手動でデプロイされます。手動デプロイメントの詳細は、https://access.redhat.com/documentation/ja-jp/red_hat_openshift_container_storage/3.11/html-single/operations_guide/#S3_Object_Store を参照してください。
本書では、新しいレジストリー名 registry.redhat.io
が使用されます。
ただし、新規のregistry
にまだ移行していない場合は、すべてのregistry.redhat.io
をregistry.access.redhat.com
に置き換えます(該当する場合)。
5.1. RHGS クラスターの設定
インデペンデントモードの設定では、専用の Red Hat Gluster Storage クラスターが OpenShift Container Platform の外部で利用できます。ストレージは Red Hat Gluster Storage クラスターからプロビジョニングされます。
5.1.1. Red Hat Gluster Storage Server の Red Hat Enterprise Linux へのインストール (階層化インストール)
階層型インストールでは、Red Hat Enterprise Linux に Red Hat Gluster Storage がインストールされます。
ログファイルには十分な大きさ (50GB - 100GB) の別個の /var パーティション、geo-レプリケーション関連の各種ファイル、およびその他のファイルを作成することが推奨されます。
Red Hat Enterprise Linux 7 Server のベースインストールの実行
インデペンデントモードは、Red Hat Enterprise Linux 7 でのみサポートされます。
システムの Subscription Manager への登録
以下のコマンドを実行し、Red Hat Network のユーザー名およびパスワードを入力して、システムを Red Hat Network に登録します。
# subscription-manager register
利用可能なエンタイトルメントプールの特定
以下のコマンドを実行して、Red Hat Gluster Storage のインストールに必要なリポジトリーが含まれるエンタイトルメントプールを見つけます。
# subscription-manager list --available
システムへのエンタイトルメントプールのアタッチ
先の手順で特定したプール ID を使用して、
Red Hat Enterprise Linux Server
およびRed Hat Gluster Storage
のエンタイトルメントをシステムにアタッチします。以下のコマンドを実行してエンタイトルメントをアタッチします。# subscription-manager attach --pool=[POOLID]
以下は例になります。
# subscription-manager attach --pool=8a85f9814999f69101499c05aa706e47
必要なチャンネルの有効化
以下のコマンドを実行して、Red Hat Gluster Storage 3.5 を Red Hat Enterprise Linux 7.7 にインストールするために必要なリポジトリーを有効にします。
# subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-rpms # subscription-manager repos --enable=rh-gluster-3-for-rhel-7-server-rpms # subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-extras-rpms
チャンネルが有効であるかどうかの確認
以下のコマンドを実行して、チャンネルが有効であるかどうかを確認します。
# yum repolist
- すべてのパッケージの更新
以下のコマンドを実行して、すべてのパッケージが最新の状態であることを確認します。
+
# yum update
カーネルバージョンの要件
インデペンデントモードでは、システムで kernel-3.10.0-862.14.4.el7.x86_64 バージョン以降を使用する必要があります。以下のコマンドを実行して、インストール済みの実行中のカーネルのバージョンを確認します。
# rpm -q kernel kernel-3.10.0-862.14.4.el7.x86_64
# uname -r 3.10.0-862.14.4.el7.x86_64
重要いずれかのカーネルパッケージを更新した場合は、以下のコマンドを実行してシステムを再起動します。
+
# shutdown -r now
Red Hat Gluster Storage のインストール
以下のコマンドを実行して Red Hat Gluster Storage をインストールします。
# yum install redhat-storage-server
gluster-block を有効にするには、以下のコマンドを実行します。
# yum install gluster-block
再起動
システムを再起動します。
5.1.2. ポートアクセスの設定
このセクションでは、インデペンデントモードで開く必要のあるポートに関する情報を提供します。
Red Hat Gluster Storage Server は、一覧表示されているポートを使用します。ファイアウォール設定が、これらのポートへのアクセスを妨げないようにしてください。
以下のコマンドを実行して、すべての Red Hat Gluster Storage ノードで、ランタイムおよび永続設定の両方で必要なポートを開きます。
# firewall-cmd --zone=zone_name --add-port=24010/tcp --add-port=3260/tcp --add-port=111/tcp --add-port=22/tcp --add-port=24007/tcp --add-port=49152-49664/tcp # firewall-cmd --zone=zone_name --add-port=24010/tcp --add-port=3260/tcp --add-port=111/tcp --add-port=22/tcp --add-port=24007/tcp --add-port=49152-49664/tcp --permanent
- ポート 24010 と 3260 は、それぞれ gluster-blockd と iSCSI ターゲット用です。
- 49664 で始まるポート範囲は、ボリュームのブリックとの通信に GlusterFS で使用できるポートの範囲を定義します。上記の例では、許容されるブリックの合計数は 512 です。各ノードでホストできるブリックの最大数に基づいて、ポート範囲を設定します。
-
オプション
client.bind-insecure
が設定されている場合、Gluster ネイティブクライアント(gfapi クライアントを含む)は、ポート 1023 または 49152 で始まる最初の利用可能なポートを使用します。
5.1.3. カーネルモジュールの有効化
以下のコマンドを実行して、カーネルモジュールを有効にします。
dm_thin_pool モジュールおよび target_core_user モジュールが、Red Hat Gluster Storage ノードに読み込まれていることを確認する必要があります。
# modprobe target_core_user
# modprobe dm_thin_pool
以下のコマンドを実行して、モジュールが読み込まれているかどうかを確認します。
# lsmod | grep dm_thin_pool
# lsmod | grep target_core_user
注記これらの操作が再起動後も維持されるようにするには、以下のファイルを作成し、各ファイルを更新します。
# cat /etc/modules-load.d/dm_thin_pool.conf dm_thin_pool
# cat /etc/modules-load.d/target_core_user.conf target_core_user
dm_multipath モジュールがすべての OpenShift Container Platform ノードに読み込まれることを確認する必要があります。
# modprobe dm_multipath
以下のコマンドを実行して、モジュールが読み込まれているかどうかを確認します。
# lsmod | grep dm_multipath
注記これらの操作が再起動後も維持されるようにするには、以下のファイルを作成し、上記の内容で更新します。
# cat /etc/modules-load.d/dm_multipath.conf dm_multipath
5.1.4. サービスの起動と有効化
以下のコマンドを実行して、glusterd および gluster-blockd を起動します。
# systemctl start sshd
# systemctl enable sshd
# systemctl start glusterd
# systemctl enable glusterd
# systemctl start gluster-blockd
# systemctl enable gluster-blockd
5.1.5. 2 TB(以上)のブロックボリュームの作成
インデペンデントモードでブロックボリュームの 2 TB 以上(最大 2.5 TB)を作成するには、以下のように GB_CLI_TIMEOUT
パラメーターを設定する必要があります。
-
/etc/sysconfig/gluster-blockd 設定ファイルを編集します。
GB_CLI_TIMEOUT
パラメーターのコメントを解除し、パラメーター値を900
として更新します。