第3章 組織、ロケーション、およびライフサイクル環境の設定


Red Hat Satellite 6 は、組織とロケーションの管理に対して統合的なアプローチを取ります。システム管理者は、1 台の Satellite Server に、組織とロケーションをそれぞれ複数定義します。たとえば、3 つの国 (米国、英国、および日本) に 3 つの組織 (Finance (財務)、Marketing (マーケティング)、および Sales (営業)) がある会社について考えてみましょう。この例では、Satellite Server がすべての地理的な場所 (ロケーション) にあるすべての組織を管理しているため、システムを管理するためのコンテキストを 9 つ作成します。さらに、ユーザーはロケーションを定義し、そのロケーションをネストして階層を作成できます。たとえば、Satellite 管理者が、米国のロケーションをさらにボストン、フェニックス、サンフランシスコなどの都市に分けるような場合です。

図3.1 Red Hat Satellite 6 のトポロジー例

Red Hat Satellite 6 のトポロジー例Satellite Server は、ロケーションと組織をすべて定義します。それぞれの Satellite Capsule Server がコンテンツを同期し、ロケーションが異なるシステムの設定を処理します。
コンテンツと設定は、中央の Satellite Server と、特定のロケーションに割り当てられた Satellite Capsule Server との間で同期され、中央の Satellite Server が管理機能を保持します。

3.1. 組織

組織 は、所有者、目的、コンテンツ、セキュリティーレベルなどの区分に基づいてホストを論理グループに分割します。
Web UI 内では、複数の組織を表示、作成、管理できます。ソフトウェアおよびホストのエンタイトルメントは、多くの組織に割り当てることができ、それらの組織へのアクセスは制御されます。
各組織は、1 つの Red Hat カスタマーアカウントで作成して使用する必要がありますが、各アカウントで複数の組織を管理できます。サブスクリプションマニフェストは単一の組織にのみインポートでき、Satellite は別の組織にすでにアップロードされた証明書をアップロードしません。
Red Hat Satellite のインストールプロセスでは、別の名前が指定されていない限り、Default Organization という名前の組織が作成されます。組織名には、対応するラベルがあります。
重要
新規ユーザーにデフォルトの組織が割り当てられていないと、そのアクセスは制限されます。ユーザーにシステム権限を付与するには、ユーザーをデフォルトの組織に割り当て、ログアウトし、再度ログインします。

3.1.1. 組織の作成

以下の手順は、新規の組織を作成する方法を示しています。

手順3.1 組織の作成:

  1. Administer Organizations に移動します。
  2. 新規組織 をクリックします。
  3. 名前 フィールド 、新しい組織の名前を入力します。
  4. Label フィールドに新しい組織のラベルを挿入します。
  5. 説明 フィールドに、新しい組織の説明を挿入します。
  6. 送信 をクリックします。
  7. 新しい組織に割り当てるホストを選択します。
    • 組織のないすべてのホストを新しい組織に割り当てるには、Assign All をクリックします。
    • Manually Assign をクリックして、組織のないホストを手動で選択し、割り当てます。
    • Proceed to Edit をクリックして、ホストの割り当てを省略します。
  8. Capsule Server、サブネット、コンピュートリソースなど、組織の設定の詳細を指定します。「組織の編集」 で説明されているように、これらの設定は後で変更できます。
  9. 送信 をクリックします。

3.1.2. 組織デバッグ証明書の作成

以下の手順は、組織のデバッグ証明書を生成してダウンロードする方法を示しています。証明書のデバッグにより、組織のリポジトリーからすべてのコンテンツをブラウズできるようになり、プロビジョニングテンプレートのエクスポートに必要になります。

手順3.2 組織のデバッグ証明書の新規作成:

  1. Administer Organizations に移動します。
  2. デバッグ証明書を生成する組織を選択します。
  3. 生成してダウンロード をクリックします。これにより、デバッグ証明書が生成されます。
  4. 証明書ファイルをセキュアな場所に保存します。
注記
デバッグ証明書が組織内にダウンロードされていない場合は、プロビジョニングテンプレートのダウンロード時に自動的に生成されます。

3.1.3. 組織のデバッグ証明書の使用

ブラウザーを使用して、またはその組織のデバッグ証明書がある場合は、API を使用して組織のリポジトリーコンテンツを表示できます。前のセクションでは、X.509 形式の証明書を作成してダウンロードする方法を説明します。ブラウザーを使用するには、まず X.509 証明書をブラウザーがサポートする形式に変換してから、証明書をインポートする必要があります。curl ユーティリティーでは、証明書およびキーを別のファイルに抽出するだけで済みます。

手順3.3 Firefox での組織のデバッグ証明書の使用:

  1. 手順3.2「組織のデバッグ証明書の新規作成:」 の説明に従って、組織の証明書を作成およびダウンロードする。
  2. たとえば、デフォルトの組織の X.509 証明書を開きます。
    $ vi 'Default Organization-key-cert.pem'
    Copy to Clipboard
  3. -----BEGIN RSA PRIVATE KEY----- から -----END RSA PRIVATE KEY----- までのファイルのコンテンツを key.pem という名前のファイルにコピーします。
  4. -----BEGIN CERTIFICATE----- から -----END CERTIFICATE----- までのファイルの内容を cert.pem という名前のファイルにコピーします。
  5. 以下のようにコマンドを入力して PKCS12 形式の証明書を作成し、パスワードまたはフレーズが要求された場合はそれを入力します。
    $ openssl pkcs12 -keypbe PBE-SHA1-3DES -certpbe PBE-SHA1-3DES -export -in cert.pem -inkey key.pem -out organization_label.pfx -name 'organization_name'
    Enter Export Password:
    Verifying - Enter Export Password:
    Copy to Clipboard
  6. Preferences タブを使用して、作成された pfx ファイルをブラウザーにインポートします。Navigate to Edit Preferences Advanced Tab を参照してください。Certificates ビューで View Certificates を選択し、Certificate Manager を開きます。Your Certificates タブで Import をクリックし、読み込む pfx ファイルを選択します。証明書の作成時に使用されるパスワードまたはフレーズの入力を求められます。
  7. ブラウザーのアドレスバーに以下の形式の URL を入力してリポジトリーの参照を開始します。
    http://satellite.example.com/pulp/repos/organization_label
    Copy to Clipboard
    Pulp は組織ラベルを使用するため、URL でも組織ラベルを使用する必要があります。

手順3.4 curl での組織のデバッグ証明書の使用:

  1. 手順3.2「組織のデバッグ証明書の新規作成:」 の説明に従って、組織の証明書を作成およびダウンロードする。
  2. たとえば、デフォルトの組織の X.509 証明書を開きます。
    $ vi 'Default Organization-key-cert.pem'
    Copy to Clipboard
  3. -----BEGIN RSA PRIVATE KEY----- から -----END RSA PRIVATE KEY----- までのファイルのコンテンツを key.pem という名前のファイルにコピーします。
  4. -----BEGIN CERTIFICATE----- から -----END CERTIFICATE----- までのファイルの内容を cert.pem という名前のファイルにコピーします。
  5. リポジトリーの有効な URL を検索します。前の手順で説明されている参照方法を使用するか、Web UI を使用できます。たとえば、Web UI を使用して、コンテンツ製品 に 移動 製品 を選択します。Repositories タブで、名前でリポジトリーを選択し、Published At エントリーを探します。
  6. curl を使用してリポジトリーにアクセスするには、以下のコマンドを使用します。
    $ curl -k --cert cert.pem --key key.pem http://satellite.example.com/pulp/repos/Default_Organization/Library/content/dist/rhel/server/7/7Server/x86_64/sat-tools/6.2/os/
    Copy to Clipboard
    cert.pem および key.pem へのパスが適切な絶対パスであることを確認します。そうしないと、コマンドは警告なしで失敗します。

3.1.4. 組織の編集

手順3.5 組織の編集:

  1. Administer Organizations に移動します。
  2. 編集する組織の名前をクリックします。
  3. 左側のリストから編集するリソースを選択します。
  4. 目的の項目の名前をクリックし、それらを Selected Items リストに追加します。
  5. 送信 をクリックします。
注記
組織の編集時に、管理者権限を持つユーザーは Users タブに表示されません。

3.1.5. 組織の削除

手順3.6 組織の削除:

組織は、ライフサイクル環境またはホストグループに関連付けられていない場合に削除できます。削除する組織にライフサイクル環境またはホストグループが関連付けられている場合は、Organizations に移動して関連するタブをクリックします。インストール中に作成されたデフォルトの組織は、Satellite 環境で関連付けられていないホストへのプレースホルダーであるため、削除することは推奨されません。環境には常に 1 つ以上の組織が必要です。
  1. Administer Organizations に移動します。
  2. 削除する組織の名前の右側にあるドロップダウンメニューから 削除 を選択 ます。
  3. 警告ボックスが表示されます。
    Delete Organization?
    Copy to Clipboard
  4. OK をクリックして組織を削除します。
トップに戻る
Red Hat logoGithubredditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。 最新の更新を見る.

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

Theme

© 2025 Red Hat, Inc.