4.2. ログファイル
4.2.1. Manager のインストールログファイル
ログファイル | 説明 |
---|---|
/var/log/ovirt-engine/engine-cleanup_yyyy_mm_dd_hh_mm_ss.log |
|
/var/log/ovirt-engine/engine-db-install-yyyy_mm_dd_hh_mm_ss.log |
|
/var/log/ovirt-engine/ovirt-engine-dwh-setup-yyyy_mm_dd_hh_mm_ss.log |
|
/var/log/ovirt-engine/setup/ovirt-engine-setup-yyyymmddhhmmss.log |
|
4.2.2. Red Hat Virtualization Manager ログファイル
ログファイル | 説明 |
---|---|
/var/log/ovirt-engine/engine.log | すべての Red Hat Virtualization Manager GUI クラッシュ、Active Directory ルックアップ、データベースの問題、およびその他のイベントを反映します。 |
/var/log/ovirt-engine/host-deploy | Red Hat Virtualization Manager からデプロイされたホストのログファイル。 |
/var/lib/ovirt-engine/setup-history.txt | Red Hat Virtualization Manager に関連付けられているパッケージのインストールおよびアップグレードを追跡します。 |
/var/log/httpd/ovirt-requests-log | HTTPS 経由で Red Hat Virtualization Manager に行われたリクエストのログファイルで、各リクエストにかかった時間などが記録されています。
|
/var/log/ovn-provider/ovirt-provider-ovn.log | OVN プロバイダーのアクティビティーをログに記録します。Open vSwitch のログに関する情報は、Open vSwitch のドキュメント を参照してください。 |
4.2.3. SPICE ログファイル
SPICE のログファイルは、SPICE の接続に関する問題をトラブルシューティングする際に有用です。SPICE デバッグを開始するには、ログレベルを debugging
に変更します。次に、ログの場所を特定します。
ゲストマシンへのアクセスに使用されるクライアントと、ゲストマシンに、SPICE ログファイルがあります。クライアント側のログにおいて、console.vv ファイルがダウンロードされているネイティブクライアントを使用して SPICE クライアントを起動した場合は、remote-viewer
コマンドを使用してデバッグを有効にし、ログ出力を生成します。
4.2.3.1. ハイパーバイザー SPICE サーバーの SPICE ログ
ログタイプ | ログの場所 | ログレベルを変更する際の操作 |
---|---|---|
ホスト/ハイパーバイザー SPICE サーバー | /var/log/libvirt/qemu/(guest_name).log |
ゲストを起動する前に、ホスト/ハイパーバイザーで |
4.2.3.2. ゲストマシンの SPICE ログ
ログタイプ | ログの場所 | ログレベルを変更する際の操作 |
---|---|---|
Windows ゲスト | C:\Windows\Temp\vdagent.log C:\Windows\Temp\vdservice.log | 該当なし |
Red Hat Enterprise Linux ゲスト |
|
デバッグモードで $ killall - u $USER spice-vdagent $ spice-vdagent -x -d [-d] [ |& tee spice-vdagent.log ] |
4.2.3.3. console.vv ファイルを使用して起動された SPICE クライアントの SPICE ログ
Linux クライアントマシンの場合:
--spice-debug
オプションを指定してremote-viewer
コマンドを実行し、SPICE デバッグを有効にします。プロンプトが表示されたら、接続 URL を入力します (例: spice://virtual_machine_IP:port)。# remote-viewer --spice-debug
デバッグパラメーターを指定して SPICE クライアントを実行し、それに .vv ファイルを渡すには、console.vv ファイルをダウンロードし、
--spice-debug
オプションを指定してremote-viewer
コマンドを実行し、console.vv ファイルへのフルパスを指定します。# remote-viewer --spice-debug /path/to/console.vv
Windows クライアントマシンの場合:
-
virt-viewer
2.0-11.el7ev 以降のバージョンでは、virt-viewer.msi はvirt-viewer
とdebug-viewer.exe
をインストールします。 spice-debug
引数を指定してremote-viewer
コマンドを実行し、コマンドをコンソールへのパスに送信します。remote-viewer --spice-debug path\to\console.vv
-
ログを表示するには、仮想マシンに接続します。GDB を実行しているコマンドプロンプトが表示され、
remote-viewer
の標準出力および標準エラーが出力されます。
4.2.4. ホストログファイル
ログファイル | 説明 |
---|---|
/var/log/messages |
|
/var/log/vdsm/spm-lock.log | Storage Pool Manager ロールでリースを取得するホストの機能の詳細を示すログファイル。ホストがリースを取得、解放、更新、または更新に失敗したときのログの詳細。 |
/var/log/vdsm/vdsm.log | ホスト上の Manager のエージェントである VDSM のログファイル。 |
/tmp/ovirt-host-deploy-Date.log |
ホストが正常にデプロイされた後、 |
/var/log/vdsm/import/import-UUID-Date.log | KVM ホスト、VMWare プロバイダー、または RHEL 5 Xen ホストからの仮想マシンのインポートの詳細を示すログファイル (インポートの失敗情報を含む)。UUID は、インポートされた仮想マシンの UUID であり、Date はインポートが開始された日時です。 |
/var/log/vdsm/supervdsm.log | スーパーユーザーパーミッションで実行された VDSM タスクをログに記録します。 |
/var/log/vdsm/upgrade.log | VDSM は、ホストのアップグレード時にこのログファイルを使用して、設定の変更を記録します。 |
/var/log/vdsm/mom.log | VDSM のメモリーオーバーコミットメントマネージャーのアクティビティーをログに記録します。 |
4.2.5. Red Hat Virtualization サービスのデバッグレベルのログの設定
ロギングをデバッグレベルに設定すると、パスワードや内部 VM データなどの機密情報が公開される可能性があります。信頼できないユーザーまたは承認されていないユーザーがデバッグログにアクセスできないことを確認してください。
各サービスの sysconfig
ファイルを変更することにより、以下の Red Hat Virtualization (RHV) サービスのログをデバッグレベルに設定できます。
サービス | ファイルパス |
---|---|
|
|
|
|
|
|
|
|
この変更は、メインのサービスプロセスではなく、Python ラッパーによって実行されるロギングに影響します。
ロギングをデバッグレベルに設定すると、起動に関連する問題をデバッグするのに役立ちます。たとえば、Java ランタイムまたはライブラリーが見つからない、または正しくないためにメインプロセスを起動できない場合などです。
前提条件
-
変更する
sysconfig
ファイルが存在することを確認する。必要があれば作成します。
手順
サービスの
sysconfig
ファイルに以下を追加します。OVIRT_SERVICE_DEBUG=1
サービスを再起動します。
# systemctl restart <service>
これで、サービスの sysconfig
ログファイルがデバッグレベルに設定されました。
この設定によって発生したログはシステムログに記録されるため、生成されるログは、サービス固有のログファイルではなく、/var/log/messages
にあるか、journalctl
コマンドを使用して見つけることができます。
4.2.6. Red Hat Virtualization サービスの主な設定ファイル
sysconfig
ファイルに加えて、これらの各 Red Hat Virtualization (RHV) サービスには、より頻繁に使用される別の設定ファイルがあります。
サービス | sysconfig ファイルパス | 主要な設定ファイル |
---|---|---|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
4.2.7. ホストロギングサーバーのセットアップ
ホストはログファイルを生成および更新し、その動作や問題点を記録しています。これらのログファイルを一元的に収集すると、デバッグが簡素化されます。
この手順は、集中ログサーバーで使用する必要があります。別のロギングサーバーを使用するか、この手順を使用して Red Hat Virtualization Manager でホストロギングを有効にできます。
手順
ファイアウォールが
UDP 514
ポートでのトラフィックを許可し、syslog
サービストラフィックに対してオープンであるかどうかを確認します。# firewall-cmd --query-service=syslog
出力が
no
の場合は、UDP 514
ポートで次のトラフィックを許可します。# firewall-cmd --add-service=syslog --permanent # firewall-cmd --reload
syslog サーバーに新しい
.conf
ファイル (例:/etc/rsyslog.d/from_remote.conf
) を作成し、次の行を追加します。template(name="DynFile" type="string" string="/var/log/%HOSTNAME%/%PROGRAMNAME%.log") RuleSet(name="RemoteMachine"){ action(type="omfile" dynaFile="DynFile") } Module(load="imudp") Input(type="imudp" port="514" ruleset="RemoteMachine")
rsyslog
サービスを再起動します。# systemctl restart rsyslog.service
ハイパーバイザーにログインし、
/etc/rsyslog.conf
に以下の行を追加します。*.info;mail.none;authpriv.none;cron.none @<syslog-FQDN>:514
ハイパーバイザーで rsyslog サービスを再起動します。
# systemctl restart rsyslog.service
これで、集中ログサーバーは、仮想化ホストから messages ログおよび secure ログを受け取って保存するように設定されました。
4.2.8. SyslogHandler で RHV Manager ログをリモート syslog サーバーに渡すための設定
この実装では、JBoss EAP SyslogHandler ログマネージャーを使用し、engine.log
および server.log
から syslog サーバーにログレコードを渡すことができます。
RHV 4.4.10 より前の RHV バージョンは、ovirt-engine-extension-logger-log4j
により提供される同様の機能を備えていました。そのパッケージは RHV 4.4.10 で削除され、JBoss EAP SyslogHandler ログマネージャーを使用した新しい実装に置き換えられました。以前の RHV バージョンで ovirt-engine-extension-logger-log4j
を使用していた場合は、RHV 4.4.10 にアップグレードした後、次の手順を実行します。
- この章に記載されているガイドラインを使用して、リモート syslog サーバーへのログレコードの送信を手動で設定します。
-
ovirt-engine-extension-logger-log4j
設定ファイルを手動で削除します (/etc/ovirt-engine/extensions.d/Log4jLogger.properties
設定ファイルを削除します)。
中央の syslog ログサーバーでこの手順を使用します。別のログサーバーを使用するか、この手順を使用して、engine.log ファイルと server.log ファイルを Manager から syslog サーバーに渡すことができます。設定方法については、ホストロギングサーバーの設定 も参照してください。
SyslogHandler 実装の設定
/etc/ovirt-engine/engine.conf.d
ディレクトリーに設定ファイル90-syslog.conf
を作成し、次のコンテンツを追加します。SYSLOG_HANDLER_ENABLED=true SYSLOG_HANDLER_SERVER_HOSTNAME=localhost SYSLOG_HANDLER_FACILITY=USER_LEVEL
rsyslog
をインストールして設定します。# dnf install rsyslog
rsyslog
トラフィックを許可するように SELinux を設定します。# semanage port -a -t syslogd_port_t -p udp 514
設定ファイル
/etc/rsyslog.d/rhvm.conf
を作成し、次のコンテンツを追加します。user.* /var/log/jboss.log module(load="imudp") # needs to be done just once input(type="imudp" port="514")
rsyslog サービスを再起動します。
# systemctl restart rsyslog.service
ファイアウォールが有効でアクティブな場合は、次のコマンドを実行して、
Firewalld
でrsyslog
ポートを開くために必要なルールを追加します。# firewall-cmd --permanent --add-port=514/udp # firewall-cmd --reload
Red Hat Virtualization Manager を再起動します。
# systemctl restart ovirt-engine
これで、syslog サーバーは engine.log
ファイルを受け取って保存できるようになります。