第4章 polkit を使用したスマートカードへのアクセスの制御


RHEL で polkit フレームワークを設定して、スマートカードへのアクセスを制御します。これにより、きめ細かな制御が可能になり、PIN、PIN パッド、生体認証などの組み込みのメカニズムでは防げない脅威を軽減できます。

システム管理者は、非特権ユーザーや非ローカルユーザー、サービスに対するスマートカードアクセスなど、特定のシナリオに合わせて polkit を設定できます。

4.1. polkit を介したスマートカードアクセス制御

polkit 認可マネージャーを使用すると、スマートカードを保護するための詳細なポリシーを定義できます。管理者はこのフレームワークを使用して、どのユーザーがカードに対して特定の特権操作を実行できるかを制御できます。

PC/SC (Personal Computer/Smart Card) プロトコルは、スマートカードとそのリーダーをコンピューティングシステムに統合するための標準を指定します。RHEL では、pcsc-lite パッケージが、PC/SC の API を使用するスマートカードにアクセスするミドルウェアを提供します。このパッケージの一部である pcscd (PC/SC スマートカード) デーモンにより、システムが PC/SC プロトコルを使用してスマートカードにアクセスできるようになります。

PIN、PIN パッド、生体認証など、スマートカードに組み込まれているアクセス制御メカニズムでは、すべての脅威に対応できません。そのため、RHEL はより堅牢なアクセス制御のために、polkit フレームワークを使用します。polkit 認可マネージャーは、特権操作へのアクセスを許可できます。ディスクへのアクセスを許可することに加えて、polkit を使用して、スマートカードのセキュリティーを保護するポリシーを指定することもできます。たとえば、スマートカードで操作を実行できるユーザーを定義できます。

pcsc-lite パッケージをインストールし、pcscd デーモンを起動すると、システムは、/usr/share/polkit-1/actions/ ディレクトリーで定義されているポリシーを強制します。システム全体のデフォルトのポリシーは、/usr/share/polkit-1/actions/org.debian.pcsc-lite.policy ファイルにあります。Polkit ポリシーファイルは XML 形式を使用し、その構文は man ページの polkit(8) で説明されています。

polkitd は、/etc/polkit-1/rules.d/ ディレクトリーおよび /usr/share/polkit-1/rules.d/ ディレクトリーで、これらのディレクトリーに保存されているルールファイルの変更を監視します。ファイルには、JavaScript 形式の認可ルールが含まれています。システム管理者は、両方のディレクトリーにカスタムルールファイルを追加し、polkitd がファイル名に基づいてアルファベット順に読み込むことができます。2 つのファイルが同じ名前である場合は、最初に /etc/polkit-1/rules.d/ 内のファイルが読み込まれます。

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