第3章 libvirt で管理される KVM で実行するための仮想マシンの変換
virt-v2v
は、libvirt で管理される KVM を使用する Red Hat Enterprise Linux で実行するように仮想マシンを変換することができます。仮想マシンは Xen、KVM、VMware ESX / ESX(i)、および Hyper-V の環境から変換することが可能です。libvirt
および virsh
のコマンドについては、『Red Hat Enterprise Linux Virtualization 管理ガイド』で説明しています。また、man virsh
のコマンドで、詳細情報を参照することもできます。
3.1. 概要
virt-v2v
コマンドは、異種のハイパーバイザーの仮想マシンを libvirt で管理される KVM で実行するように変換します。virt-v2v
は以下のオペレーティングシステムをサポートしています。
- Red Hat Enterprise Linux 3.9
- Red Hat Enterprise Linux 4
- Red Hat Enterprise Linux 5
- Red Hat Enterprise Linux 6
- Windows XP
- Windows Vista
- Windows 7
- Windows Server 2003
- Windows Server 2008
以下のハイパーバイザーをサポートしています。
- KVM
- libvirt で管理される Xen
- VMware ESX / ESX(i) - バージョン 3.5、4.0、4.1、5.0、5.1
virt-v2v
コマンドは、可能である場合には、変換されたゲストで準仮想化 (virtio
) ドライバーを有効化します。
virt-v2v
は、Red Hat カスタマーポータルの Red Hat Enterprise Linux Server (v.6 for 64-bit x86_64) または Red Hat Enterprise Linux Workstation (v.6 for x86_64) のチャンネルで入手することができます。
virt-v2v
ツールを使用するには、ホストシステムへの root アクセスが必要です。
Red Hat Enterprise Linux 6 から実装された
virt-v2v
の新機能には以下が含まれます。
-os
の方が推奨されるようになったため、-op
および-osd
のコマンドラインオプションは非推奨となりましたが、引き続きサポートされています。これらのオプションの使用時には、非推奨である旨を示す警告は表示されません。-of
コマンドラインオプションにより、ターゲットストレージで使用するファイルフォーマット (raw または qcow2) を指定することができます。 この機能により、raw ストレージを使用する仮想マシンを qcow2 ストレージを使用する仮想マシンに、またはその逆に変換することが可能です。-oa
のコマンドラインオプションにより、ターゲットストレージの割り当て (sparse または preallocated) を指定することができます。このオプションは、sparse/preallocated の切り替えに使用することが可能です。この変更は、スパースボリュームがサポートされるようになったために導入されました。- 設定ファイルには、ストレージの場所、出力フォーマット、ターゲットの割り当てポリシーを指定するターゲットプロファイルを追加できるようになりました。これによりユーザーは
-os<a> -op<b> -oa<oc>
を使用するのではなく、--profile<foo>
で設定を指定できるようになりました。 - libvirt をターゲットとする Windows 仮想マシンの変換がサポートされるようになりました。
上記およびその他の機能についての詳しい情報は、
virt-v2v
の man ページを参照してください。
Red Hat カスタマーポータルから
virt-v2v
をインストールするには、システムが適切なチャンネルをサブスクライブしていることを確認した上で以下のコマンドを実行します。
# yum install virt-v2v