6.3. ルートごとの HTTP Strict Transport Security の有効化
HTTP 厳密なトランスポートセキュリティー (HSTS) は HAProxy テンプレートに実装され、haproxy.router.openshift.io/hsts_header
アノテーションを持つ edge および re-encrypt ルートに適用されます。
前提条件
- クラスターへの root アクセス権限がある。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
ルートで HSTS を有効にするには、
haproxy.router.openshift.io/hsts_header
値を edge-terminated または re-encrypt ルートに追加します。これを実行するには、oc annotate
ツールを使用してこれを実行できます。$ oc annotate route <route_name> -n <namespace> --overwrite=true "haproxy.router.openshift.io/hsts_header"="max-age=31536000;\ 1 includeSubDomains;preload"
- 1
- この例では、最長期間は
31536000
ミリ秒 (約 8.5 時間) に設定されます。
注記この例では、等号 (
=
) が引用符で囲まれています。これは、annotate コマンドを正しく実行するために必要です。アノテーションで設定されたルートの例
apiVersion: route.openshift.io/v1 kind: Route metadata: annotations: haproxy.router.openshift.io/hsts_header: max-age=31536000;includeSubDomains;preload 1 2 3 ... spec: host: def.abc.com tls: termination: "reencrypt" ... wildcardPolicy: "Subdomain"
- 1
- 必須。
max-age
は、HSTS ポリシーが有効な期間 (秒単位) を測定します。0
に設定すると、これはポリシーを無効にします。 - 2
- 任意。
includeSubDomains
は、クライアントに対し、ホストのすべてのサブドメインにホストと同じ HSTS ポリシーを持つ必要があることを指示します。 - 3
- 任意。
max-age
が 0 より大きい場合、preload
をhaproxy.router.openshift.io/hsts_header
に追加し、外部サービスがこのサイトをそれぞれの HSTS プリロードリストに含めることができます。たとえば、Google などのサイトはpreload
が設定されているサイトの一覧を作成します。ブラウザーはこれらのリストを使用し、サイトと対話する前でも HTTPS 経由で通信できるサイトを判別できます。preload
を設定していない場合、ブラウザーはヘッダーを取得するために、HTTPS を介してサイトと少なくとも 1 回対話している必要があります。
6.3.1. ルートごとの HTTP Strict Transport Security の無効化
ルートごとに HSTS (HTTP Strict Transport Security) を無効にするには、ルートアノテーションの max-age
の値を 0
に設定します。
前提条件
- クラスターへの root アクセス権限がある。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
HSTS を無効にするには、以下のコマンドを入力してルートアノテーションの
max-age
の値を0
に設定します。$ oc annotate route <route_name> -n <namespace> --overwrite=true "haproxy.router.openshift.io/hsts_header"="max-age=0"
ヒントまたは、以下の YAML を適用して config map を作成できます。
ルートごとに HSTS を無効にする例
metadata: annotations: haproxy.router.openshift.io/hsts_header: max-age=0
namespace のすべてのルートで HSTS を無効にするには、following コマンドを入力します。
$ oc annotate route --all -n <namespace> --overwrite=true "haproxy.router.openshift.io/hsts_header"="max-age=0"
検証
すべてのルートのアノテーションをクエリーするには、以下のコマンドを入力します。
$ oc get route --all-namespaces -o go-template='{{range .items}}{{if .metadata.annotations}}{{$a := index .metadata.annotations "haproxy.router.openshift.io/hsts_header"}}{{$n := .metadata.name}}{{with $a}}Name: {{$n}} HSTS: {{$a}}{{"\n"}}{{else}}{{""}}{{end}}{{end}}{{end}}'
出力例
Name: routename HSTS: max-age=0
6.3.2. ドメインごとに HTTP Strict Transport Security の強制
準拠した HSTS ポリシーアノテーションを使用してルートを設定できます。準拠しない HSTS ルートを持つアップグレードされたクラスターを処理するには、ソースでマニフェストを更新し、更新を適用できます。
oc expose route
コマンドまたは oc create route
コマンドを使用して、HSTS を強制するドメインにルートを追加することはできません。このコマンドの API はアノテーションを受け入れないためです。
HSTS は安全でないルート、つまり TLS 以外のルートには適用できません。
前提条件
- クラスターへの root アクセス権限がある。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
次の
oc annotate コマンド
を実行して、クラスター内のすべてのルートに HSTS を適用します。$ oc annotate route --all --all-namespaces --overwrite=true "haproxy.router.openshift.io/hsts_header"="max-age=31536000;preload;includeSubDomains"
次の
oc annotate コマンド
を実行して、特定の namespace 内のすべてのルートに HSTS を適用します。$ oc annotate route --all -n <my_namespace> --overwrite=true "haproxy.router.openshift.io/hsts_header"="max-age=31536000;preload;includeSubDomains" 1
- 1
- _<my_namespace> は、使用する namespace に置き換えます。
検証
以下のコマンドを実行して、すべてのルートで HSTS アノテーションを確認します。
$ oc get route --all-namespaces -o go-template='{{range .items}}{{if .metadata.annotations}}{{$a := index .metadata.annotations "haproxy.router.openshift.io/hsts_header"}}{{$n := .metadata.name}}{{with $a}}Name: {{$n}} HSTS: {{$a}}{{"\n"}}{{else}}{{""}}{{end}}{{end}}{{end}}'
出力例
Name: <_routename_> HSTS: max-age=31536000;preload;includeSubDomains