第7章 バグ修正
本パートでは、ユーザーに大きな影響を及ぼしていた Red Hat Enterprise Linux 8.4 のバグで修正されたものを説明します。
7.1. インストーラーおよびイメージの作成
Anaconda で、テキストモードで ldl
または未フォーマットの DASD ディスクダイアログを表示
以前は、テキストモードでのインストール時に、Anaconda は Linux ディスクレイアウト (ldl
) またはフォーマットされていない DASD (Direct-Access Storage Device) ディスクのダイアログを表示できませんでした。そのため、ユーザーはインストールにこれらのディスクを使用できませんでした。
今回の更新で、テキストモードの Anaconda が ldl
ディスクと未フォーマットの DASD ディスクを認識し、インストールの今後の使用のためにユーザーが適切にフォーマットできるダイアログが表示されるようになりました。
RHEL インストーラー起動オプションを使用して InfiniBand ネットワークインターフェイスを設定すると、RHEL インストーラーが起動しませんでした。
以前では、インストーラー起動オプション (PXE サーバーを使用したインストーラーイメージのダウンロードなど) を使用して RHEL インストールの初期段階で InfiniBand ネットワークインターフェイスを設定する場合、インストーラーはネットワークインターフェイスのアクティブ化に失敗していました。
この問題は、RHEL NetworkManager が InfiniBand モードでネットワークインターフェイスを認識できず、代わりにインターフェイスのイーサネット接続を設定するために発生していました。
その結果、接続のアクティベーションに失敗し、InfiniBand インターフェイスを介した接続が初期段階で必要な場合、RHEL インストーラーはインストールを開始できませんでした。
今回のリリースにより、インストーラーがインストーラー起動オプションを使用して RHEL インストールの初期段階で設定する InfiniBand ネットワークインターフェイスが正常にアクティベートされ、インストールが正常に実行されるようになりました。
(BZ#1890009)
自動パーティション設定が Anaconda でスケジュール可能
以前は、LVM タイプのディスクの自動パーティション設定時に、インストーラーは選択したディスクごとに LVM PV のパーティション作成を試みていました。すでにパーティションレイアウトが存在している場合は、自動パーティション設定のスケジュールが失敗し、エラーメッセージが出力される可能性がありました。
今回の更新で、この問題が修正されています。これで、インストーラーで自動パーティション設定をスケジュールできるようになりました。
(BZ#1642391)
Anaconda GUI を使用したワイヤレスネットワークの設定が修正されました。
以前は、Anaconda グラフィカルユーザーインターフェイス (GUI) を使用して無線ネットワークを設定すると、インストールがクラッシュしていました。
今回の更新で、この問題が修正されています。Anaconda GUI を使用すると、インストール時に無線ネットワークを設定できます。
(BZ#1847681)