4.3. ソフトウェア管理
DNF API で、新しい fill_sack_from_repos_in_cache
関数がサポートされるようになりました。
今回の更新で、新しい DNF API fill_sack_from_repos_in_cache
関数が導入されました。これにより、キャッシュされた solv
、solvx
ファイル、および repomd.xml
ファイルからのみリポジトリーを読み込むことができるようになりました。その結果、ユーザーが dnf
キャッシュを管理する場合は、重複した情報 (xml
および solv
) がなく、xml
を solv
に処理せずにリソースを保存できます。
createrepo_c
がモジュラーメタデータをリポジトリーに自動的に追加
以前は、RHEL8 パッケージで createrepo_c
コマンドを実行して新しいリポジトリーを作成すると、このリポジトリーにモジュラー repodata を追加できませんでした。そのため、リポジトリーに関するさまざまな問題が生じました。今回の更新により、createrepo_c
は以下のようになります。
- モジュラーメタデータのスキャン
-
見つかったモジュールの YAML ファイルを単一のモジュラードキュメント
modules.yaml
にマージします。 - このドキュメントをリポジトリーに自動的に追加します。
その結果、リポジトリーへのモジュールメタデータの配置が自動で、modifyrepo_c
コマンドを使用して別のステップとして実行する必要がなくなりました。
DNF 内のシステム間でトランザクションをミラーリングする機能に対応
今回の更新で、ユーザーは DNF 内でトランザクションを保存し、再生できるようになりました。
-
DNF 履歴のトランザクションを JSON ファイルに保存するには、
dnf history store
コマンドを実行します。 -
トランザクションを同じマシンまたは別のマシン上で再生するには、
dnf history replay
コマンドを実行します。
Comps グループ操作の保存と再生に対応しました。モジュール操作はまだサポートされていないため、保存または再生されていません。
createrepo_c
が 0.16.2 にリベースされました
createrepo_c
パッケージがバージョン 0.16.2 にリベースされ、以前のバージョンに対する主な変更点が加えられています。
-
createrepo_c
のモジュールメタデータサポートが追加されました。 - さまざまなメモリーリークを修正しました。
(BZ#1894361)
protect_running_kernel
設定オプションが利用可能になりました。
今回の更新で、dnf
コマンドおよび microdnf
コマンドの protect_running_kernel
設定オプションが導入されました。このオプションは、実行中のカーネルバージョンに対応するパッケージを削除から保護するかどうかを制御します。これにより、ユーザーは実行中のカーネルの保護を無効にできるようになりました。