11.11. クォーラムデバイスを使用した高可用性クラスターの設定
(RHEL 8.8 以降) 個別のクォーラムデバイスを設定すると、クラスターは標準のクォーラムルールで許可されるよりも多くのノード障害に耐えることができます。クォーラムデバイスは、クラスターの軽量な調停デバイスとして機能します。クォーラムデバイスは、偶数のノードを持つクラスターに推奨されます。2 ノードクラスターでクォーラムデバイスを使用すると、スプリットブレインの状況で存続するノードをより適切に判別できます。
クォーラムデバイスの詳細は、クォーラムデバイスの設定を 参照してください。
ha_cluster RHEL システムロールを使用し、別個のクォーラムデバイスを使用した高可用性クラスターを設定するには、まずクォーラムデバイスをセットアップします。クォーラムデバイスをセットアップした後は、任意の数のクラスターでデバイスを使用できます。
11.11.1. クォーラムデバイスの設定 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ha_cluster RHEL システムロールを使用してクォーラムデバイスを設定するには、この手順の例に従います。クラスターノード上ではクォーラムデバイスを実行できないことに注意してください。
ha_cluster RHEL システムロールは、指定されたノードの既存のクラスター設定を置き換えます。Playbook に指定されていない設定はすべて失われます。
前提条件
- コントロールノードと管理対象ノードの準備が完了している。
- 管理対象ノードで Playbook を実行できるユーザーとしてコントロールノードにログインしている。
-
管理対象ノードへの接続に使用するアカウントに、そのノードに対する
sudo権限がある。 - クォーラムデバイスの実行に使用するシステムには、RHEL および RHEL High Availability Add-On のアクティブなサブスクリプションがある。
- ha_cluster RHEL システムロールのインベントリーの指定 で説明されているように、インベントリーファイルでクォーラムデバイスが指定されている。インベントリーファイルの作成に関する一般的な情報については、RHEL 8 でのコントロールノードの準備を 参照してください。
手順
機密性の高い変数を暗号化されたファイルに保存します。
vault を作成します。
ansible-vault create ~/vault.yml
$ ansible-vault create ~/vault.yml New Vault password: <vault_password> Confirm New Vault password: <vault_password>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ansible-vault createコマンドでエディターが開いたら、機密データを<key>: <value>形式で入力します。cluster_password: <cluster_password>
cluster_password: <cluster_password>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 変更を保存して、エディターを閉じます。Ansible は vault 内のデータを暗号化します。
次の内容を含む Playbook ファイル (例:
~/playbook-qdevice.yml)を作成します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow サンプル Playbook で指定されている設定は次のとおりです。
ha_cluster_cluster_present: false-
falseに設定されると、すべてのクラスター設定をターゲットホストから削除することを決定する変数。 ha_cluster_hacluster_password: <password>-
haclusterユーザーのパスワード。haclusterユーザーには、クラスターへのフルアクセス権が付与されます。 ha_cluster_manage_firewall: true-
ha_clusterRHEL システムロールがファイアウォールを管理するかどうかを決定する変数。 ha_cluster_manage_selinux: true-
ha_clusterRHEL システムロールがselinuxRHEL システムロールを使用してファイアウォール高可用性サービスのポートを管理するかどうかを決定する変数。 ha_cluster_qnetd: <quorum_device_options>-
qnetdホストを設定する変数。
Playbook の構文を検証します。
ansible-playbook --ask-vault-pass --syntax-check ~/playbook-qdevice.yml
$ ansible-playbook --ask-vault-pass --syntax-check ~/playbook-qdevice.ymlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このコマンドは構文を検証するだけであり、有効だが不適切な設定から保護するものではないことに注意してください。
Playbook を実行します。
ansible-playbook --ask-vault-pass ~/playbook-qdevice.yml
$ ansible-playbook --ask-vault-pass ~/playbook-qdevice.ymlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
11.11.2. クォーラムデバイスを使用するようにクラスターを設定する リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
クォーラムデバイスを使用するようにクラスターを設定するには、この手順の例に従います。
ha_cluster RHEL システムロールは、指定されたノードの既存のクラスター設定を置き換えます。Playbook に指定されていない設定はすべて失われます。
前提条件
- コントロールノードと管理対象ノードの準備が完了している。
- 管理対象ノードで Playbook を実行できるユーザーとしてコントロールノードにログインしている。
-
管理対象ノードへの接続に使用するアカウントに、そのノードに対する
sudo権限がある。 - クラスターメンバーとして使用するシステムには、RHEL および RHEL High Availability Add-On のアクティブなサブスクリプションがある。
- ha_cluster RHEL システムロールのインベントリーの指定 で説明されているように、インベントリーファイルでクラスターノードが指定されている。インベントリーファイルの作成に関する一般的な情報は、RHEL 10 でのコントロールノードの準備 を参照してください。
- クォーラムデバイスが設定されている。
手順
次の内容を含む Playbook ファイル (例:
~/playbook-cluster-qdevice.yml)を作成します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow サンプル Playbook で指定されている設定は次のとおりです。
ha_cluster_cluster_name: <cluster_name>- 作成するクラスターの名前。
ha_cluster_hacluster_password: <password>-
haclusterユーザーのパスワード。haclusterユーザーには、クラスターへのフルアクセス権が付与されます。 ha_cluster_manage_firewall: true-
ha_clusterRHEL システムロールがファイアウォールを管理するかどうかを決定する変数。 ha_cluster_manage_selinux: true-
ha_clusterRHEL システムロールがselinuxRHEL システムロールを使用してファイアウォール高可用性サービスのポートを管理するかどうかを決定する変数。 ha_cluster_quorum: <quorum_parameters>- クラスターでクォーラムデバイスを使用することを指定するのに使用できるクラスタークォーラムを設定する変数。
Playbook の構文を検証します。
ansible-playbook --ask-vault-pass --syntax-check ~/playbook-cluster-qdevice.yml
$ ansible-playbook --ask-vault-pass --syntax-check ~/playbook-cluster-qdevice.ymlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow このコマンドは構文を検証するだけであり、有効だが不適切な設定から保護するものではないことに注意してください。
Playbook を実行します。
ansible-playbook --ask-vault-pass ~/playbook-cluster-qdevice.yml
$ ansible-playbook --ask-vault-pass ~/playbook-cluster-qdevice.ymlCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow