第5章 開発者向けの基本情報
5.1. 開発環境の準備
OpenShift サーバーにアクセスできることが、Fuse on OpenShift プロジェクトを開発およびテストするための基本要件になります。基本的な方法は次のとおりです。
5.1.1. ローカルマシンでの CDK (Container Development Kit) のインストール
開発者がすぐに使用したい場合は、Red Hat CDK をローカルマシンにインストールすることが最も実用的な方法です。CDK を使用すると、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 7 上の OpenShift のイメージを実行する仮想マシン (VM) インスタンスを起動できます。CDK のインストールは、次の主なコンポーネントで設定されます。
- 仮想マシン (libvirt、VirtualBox、または Hyper-V)
- コンテナー開発環境を開始および管理する minishift
Red Hat CDK は 開発での使用のみ を目的としています。本番環境などの他の環境での使用を目的としておらず、既知のセキュリティー脆弱性に対応しない場合があります。Docker 形式コンテナー内部でミッションクリティカルなアプリケーションを実行するためのフルサポートを受けるには、アクティブな RHEL 7 または RHEL Atomic サブスクリプションが必要です。詳細は、Support for Red Hat Container Development Kit (CDK) を参照してください。
前提条件
Java バージョン
開発者のマシンに、Fuse 7.10 がサポートするバージョンの Java がインストールされているようにしてください。サポートされる Java バージョンの詳細は Supported Configurations を参照してください。
手順
ローカルマシンに CDK をインストールするには、以下を行います。
- Fuse on OpenShift では、バージョン 3.17 の CDK をインストールすることが推奨されます。CDK 3.17 をインストールおよび使用するための詳細手順は Red Hat CDK 3.17 Getting Started Guide を参照してください。
-
コンテナーイメージの
registry.redhat.io
を使用した認証 の手順に従って、Red Hat Ecosystem Catalog へのアクセスを取得できるように、OpenShift クレデンシャルを設定します。 2章管理者向けの基本情報 の説明にしたがって、Fuse on OpenShift イメージおよびテンプレートを手作業でインストールします。
注記CDK のバージョンには Fuse on OpenShift イメージおよびテンプレートが事前にインストールされている可能性があります。ただし、OpenShift クレデンシャルの設定後に、Fuse on OpenShift イメージおよびテンプレートをインストール (または更新) する必要があります。
- 本章の例を参照する前に、Red Hat CDK 3.17 Getting Started Guide の内容を読み、理解するようにしてください。
5.1.2. 既存の OpenShift サーバーへのリモートアクセスの取得
IT 部門によってサーバーマシン上に OpenShift クラスターがすでに設定されている可能性があります。この場合、Fuse on OpenShift を使用するには以下の要件を満たしている必要があります。
- サーバーマシンがサポートされるバージョンの OpenShift Container Platform を実行している必要があります (Supported Configurations を参照)。本ガイドの例は、バージョン 3.11 に対してテストされています。
- OpenShift 管理者に、最新の Fuse on OpenShift コンテナーベースイメージと Fuse on OpenShift テンプレートを OpenShift サーバーにインストールするよう依頼します。
- OpenShift 管理者に、通常の開発者権限 (OpenShift プロジェクトを作成、デプロイ、および実行できる権限) を持つユーザーアカウントを作成してもらいます。
-
管理者に、OpenShift サーバーの URL (OpenShift コンソールの閲覧または
oc
コマンドラインクライアントを使用した OpenShfit への接続に使用) と、アカウントのログインクレデンシャルを提供するよう依頼します。
5.1.3. クライアント側ツールのインストール
開発者のマシンに以下のツールをインストールすることが推奨されます。
- Apache Maven 3.6.x: OpenShift プロジェクトのローカルビルドに必要です。Apache Maven download ページから適切なパッケージをダウンロードします。バージョン 3.6.x 以上がインストールされているようにしてください。3.6.x 未満のバージョンを使用すると、プロジェクトのビルド時に依存関係の解決に関する問題が発生する可能性があります。
- Git: OpenShift S2I ソースワークフローに必要で、通常 Fuse on OpenShift プロジェクトのソース制御用に推奨されます。Git Downloads ページから適切なパッケージをダウンロードします。
OpenShift client: CDK を使用している場合、シェルに入力する必要があるコマンドを表示する
minishift oc-env
を使用して、oc
バイナリーを PATH に追加します。oc-env
の出力は、OS とシェルのタイプによって異なります。$ minishift oc-env export PATH="/Users/john/.minishift/cache/oc/v1.5.0:$PATH" # Run this command to configure your shell: # eval $(minishift oc-env)
詳細は、CDK 3.17Getting Started Guideの Using the OpenShift Client Binary を参照してください。
CDK を使用しない場合は、CLI Reference の手順にしたがって、
oc
クライアントツールをインストールします。(任意) Docker client: 上級ユーザーは Docker クライアントツールがインストールされていると便利である可能性があります (OpenShift サーバー上で実行されている docker デーモンとの通信に使用)。オペレーティングシステム用の特定のバイナリーインストールに関する詳細は、Docker インストール サイトを参照してください。
詳細は、CDK 3.17Getting Started Guideの Reusing the docker Daemon を参照してください。
重要OpenShift サーバーで稼働しているバージョンの OpenShift と互換性のあるバージョンの
oc
およびdocker
ツールをインストールするようにしてください。
その他のリソース
(任意) Red Hat JBoss CodeReady Studio: Red Hat JBoss CodeReady Studio は、Fuse on OpenShift アプリケーションの開発サポートが含まれる Eclipse ベースの開発環境です。この開発環境のインストール方法に関する詳細は、Red Hat JBoss CodeReady Studio のインストールガイド を参照してください。
5.1.4. Maven リポジトリーの設定
ローカルマシンで Fuse on OpenShift プロジェクトをビルドするのに必要な archetype とアーティファクトを保持する Maven リポジトリーを設定します。
手順
-
Maven の
settings.xml
ファイルを開きます。このファイルは通常、Linux または MacOS の場合は~/.m2/settings.xml
、Winsows の場合はDocuments and Settings\<USER_NAME>\.m2\settings.xml
にあります。 以下の Maven リポジトリーを追加します。
-
Maven central:
https://repo1.maven.org/maven2
-
Red Hat GA リポジトリー:
https://maven.repository.redhat.com/ga
Red Hat EA リポジトリー:
https://maven.repository.redhat.com/earlyaccess/all
上記のリポジトリーは、
settings.xml
ファイルの依存関係リポジトリーセクションと、プラグインリポジトリーセクションの両方に追加する必要があります。
-
Maven central: