2.5.2. 既存デプロイメントでのマルチパス設定


既存のオーバークラウドデプロイメントでマルチパスを設定するには、以下の手順を実施します。

新規オーバークラウドデプロイメントでマルチパスを設定する方法は、「新規デプロイメントでのマルチパス設定」を参照してください。

前提条件

オーバークラウドのコントローラーノードおよびコンピュートノードは、Red Hat Enterprise Linux Server のリポジトリーにアクセスできる必要があります。詳しくは、『 director のインストールと 使用方法』の「ベースのクラウドイメージ のダウンロード」を参照してください。

手順

  1. すべてのコントローラーノードおよびコンピュートノードにマルチパスがインストールされていることを確認します。

    $ rpm -qa | grep device-mapper-multipath
    
    device-mapper-multipath-0.4.9-127.el8.x86_64
    device-mapper-multipath-libs-0.4.9-127.el8.x86_64

    マルチパスがインストールされていない場合は、すべてのコントローラーノードおよびコンピュートノードにインストールします。

    $ sudo dnf install -y device-mapper-multipath
  2. すべてのコントローラーノードおよびコンピュートノードでマルチパスデーモンを設定します。

    $ mpathconf --enable --with_multipathd y --user_friendly_names n --find_multipaths y
    注記

    このコード例により、ほとんどの環境で機能する基本的なマルチパス設定が作成されます。ただし、一部のストレージベンダーはハードウェア固有の最適化した設定を使用しているので、ベンダーに推奨事項を問い合わせてください。マルチパスについての詳細は、『DM Multipath』を参照してください。

  3. すべてのコントローラーノードおよびコンピュートノードで以下のコマンドを実行して、パーティションが作成されないようにします。

    $ sed -i "s/^defaults {/defaults {\n\tskip_kpartx yes/" /etc/multipath.conf
    注記

    skip_kpartxyes に設定すると、コンピュートノード上の kpartx がデバイス上に自動的にパーティションを作成しなくなり、不要なデバイスマッパーエントリーを避けることができます。設定の属性についての詳細は、『DM Multipath』「設定ファイルの multipaths セクション」を参照してください。

  4. すべてのコントローラーノードおよびコンピュートノードでマルチパスデーモンを起動します。

    $ systemctl enable --now multipathd
  5. heat テンプレートを更新してマルチパスを有効にします。

    parameter_defaults:
      NovaLibvirtVolumeUseMultipath:  true
      NovaComputeOptVolumes:
        - /etc/multipath.conf:/etc/multipath.conf:ro
        - /etc/multipath/:/etc/multipath/:rw
      CinderVolumeOptVolumes:
        - /etc/multipath.conf:/etc/multipath.conf:ro
        - /etc/multipath/:/etc/multipath/:rw
  6. (オプション) Block Storage (cinder) を Image サービス (glance) のバックエンドとして使用する場合には、以下の手順も完了する必要があります。

    1. 次のGlanceApiOptVolumes 構成をヒートテンプレートに追加します。

      parameter_defaults:
        GlanceApiOptVolumes:
          - /etc/multipath.conf:/etc/multipath.conf:ro
          - /etc/multipath/:/etc/multipath/:rw
    2. 次の方法でControllerExtraConfig パラメーターを設定します。

      parameter_defaults:
        ControllerExtraConfig:
          glance::config::api_config:
            default_backend/cinder_use_multipath:
              value: true
      注記
      default_backendGlanceBackendID heat テンプレート両方のデフォルト値が一致するようにしてください。
  7. 設定したすべてのバックエンドについて、use_multipath_for_image_xfertrueに設定します。

    parameter_defaults:
      ExtraConfig:
        cinder::config::cinder_config:
          <backend>/use_multipath_for_image_xfer:
            value: true
  8. 以下のコマンドを実行してオーバークラウドを更新します。

    $ openstack overcloud deploy
    注記

    openstack overcloud deploy コマンドを実行してマルチパスをインストールおよび設定する場合、--templates--roles-file-e (すべての環境ファイル用)、および --timeout など、オーバークラウドのデプロイに使用した以前のロールファイルおよび環境ファイルをすべて渡す必要があります。以前のロールファイルおよび環境ファイルをすべて渡さないと、オーバークラウドのデプロイメントで問題が発生する可能性があります。オーバークラウドパラメーター の使用についての詳細は、『 director のインストールと 使用方法』の「CLI ツールを使用した オーバークラウドの作成」を参照してください。

Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.